2018年6月のツイートより

2018年6月のツイートのうち、反響の大きかったものを抜粋してまとめました。
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2018年06月02日(土)

前から、非定型発達(発達障がい)について本を書くように
言われてきたが、この本が結局そういう役割をはたしているよう。
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今年は精神保健指定医更新の年。私は精神科専門医の資格(?)も
持っているが、より重要だと思うのは指定医。人の自由を抑制し
(保護室~観察室での拘束など)治療をするのだから、重要な国家資格。
何かの拍子に専門医を失うとしても、私が専門医であることくらい
自分が一番わかっているから。
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2018年06月03日(日)

過去を現在や未来に投影することが怖れを生む。最近、それを強く感じる
出来事があった。
「自分はいつもそうだから」、とそこから逃げてしまうことが心の平和を
得る機会を奪うのだと思う。お互いにわかって癒しあえればよいのに。
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2018年06月04日(月)

来年の国際対人関係療法、フランスのリヨンなので、なんとなく「行きたくない」
(遠い、フランス語が下手)のだが、結局プログラム委員みたいなものに
なってしまったので、少なくとも事前の電話会議は出なければならなくなった。
かなり強く頼まれたので、本当に多様性を尊重する学会なのだなと。

高2息子と、将来につながるまともな会話ができた! 喋ってくれるだけでも嬉しいのに、
こんな実のある話ができるなんて! 超幸せです。
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2018年06月5日(火)

「イライラ」の本は、かつて文庫で出した。でも、編集もされず気づいたら
刊行されていた。今回、そんな話をさくら舎の社長と話しているうちに、
「じゃあうちで出しましょう」と、新しい命が生まれました。
内容は私もとても好きな本なので、文庫をお持ちでない方はぜひ。

先日(日曜)対人関係療法研究会で、フォーミュレーションについて
悩む症例があった。兄貴分のマーコウィッツに聞いたら、
「確かに興味深いケースだね」と、自分の意見を述べてくれた。
世界の第一人者と簡単にやりとりできるのは、本当の恵みだ。
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2018年06月08日(金)

約12年前に日本でAH活動を始めたとき、「水島は頭がおかしくなったのか」
「選挙の結果宗教に走ったのか」などさんざん言われたが、ジェリーに聞いてみたら
「僕は人気コンテストに勝つためにAHを始めたわけではないんだよ」と。
10年以上がたって、当時心配していた人たちも普通になりました。

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2018年06月09日(土)

AHのグループやワークショップをすると、人間って安全さえ確保されると
内面の力が自然と出てくるだな、と今日も改めて思いました。
アドバイスモードで聴かれてしまうと、安全を感じられないので、
抵抗や反発が精一杯になってしまうこともありますね。
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2018年06月11日(月)

婦人公論の企画で、辛酸なめ子さん、江口ともみさんと座談会をしてきました。
とても楽しかったです。皆さんもお楽しみに!

新刊「イライラを手放す生き方」を刊行しました。
以前は文庫で『すべての「イライラ」を根っこから絶ち切る本』でしたが、
今回、きれいな装丁で、新しく編集していただきました。
イライラのメカニズム、手放し方を知りたい方はぜひ!
https://bit.ly/2MfS0Z7

著書「思春期の意味に向き合う 成長を支える治療や支援のために」が重
版になりました。なかなか売れにくい専門書なので、嬉しいです。
専門書風ですが普通の方にも読んでいただけます。
特に、教育や司法の場で思春期の方と接している方にはぜひ読んでいただきたいです。
https://amzn.to/2t009Ic
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2018年06月13日(水)

私は「こころ」(私たちの本質である温かいこころと、
「心」(頭で考えるmind)を使い分けている。
心の平和を選ぶというのはmindの話で、heartの声を聴ければ選べる。
「続々・怖れを手放す」までは「こころ」で統一されていたが、
「続々」からはは正確に書き分けてある。出版社との力関係の問題?

診療時、私は患者さんの健康な部分と共同作業する。社会全体のことも、
そうではないだろうか。怖れに圧倒されすぎて、健康な部分が生かせないのは惜しい。

今日は診療後、アンアンの取材でした。なかなかおもしろかったです。皆さまもお楽しみに。
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2018年06月15日(金)

AHの「ゆるし」のワークショップ、東京、大阪、高松でやってきて、
また8月に東京でやることにしたのですが、すぐにキャンセル待ちに
なってしまう人気の高さがあるようです。
相手がしたことを「仕方ない」と思うのではない、心の内面の「ゆるし」。
AHの命ともいえる概念で、とても大切にしています。

「ゆるし」もそうだけれど、AHって、みんなが知っている言葉を使いつつ、
意味するところが違う。
そこがAHの魅力でもあり、伝える側としては難しい部分です。

AHというのはattitudinal healing(心の姿勢を自ら選ぶことによる癒し)の
略語です。
よろしければ、教科書的な「怖れを手放す」 https://amzn.to/2MsW8Fo
をお読みいただければと思います。
また、AHのウェブサイトは http://www.ah-japan.com/ です。私が現在最も力を入れている活動です。
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2018年06月17日(日)

今日は気分変調性障害の方向けのワークショップだった。
AHは治療法ではないけれど、自虐的な姿勢でずっと傷ついてきた方たちにピッタリだと思い、
今日が2回目の開催。とーってもよい雰囲気で実りの多い一日でした。

私が尊敬する高名な政治学者さんが、「今初めて日本に希望を持てない」と言っていた。
逆に私は、今初めて希望を持てるような気がする。
それは自分がAHというツールをしっかり身に着けたから。
そして、人間って優しいなと心から感じているから。頑張ります。
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2018年06月18日(月)

私は「闘う」という言葉にどうしても抵抗を感じるが
(政治家やアンチ政治家がこの言葉を使うとどうしても反応する)、
「変化を起こす make a difference」は100%ピッタリ。
私は誰とも闘っていない。変化を起こすために努力しているだけだ。

だって、これだけ長い間、怖れの世界で生きてきたのだから、
そこから脱出するのは相応の時間と意識が必要ですよね。
私は筋肉トレーニングみたいに考えています
。筋肉は1回だけのトレーニングではしっかりつかないですものね。
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2018年06月19日(火)

京都在住の親しい編集者が、震災当日、「個人的に一番怖かったのは、
カラスが一斉に飛び立って、空から黒い羽根がいくつも舞い落ちてきたことです。
終末観のような……。」と言っていて、それは怖いだろうなと思いました。

明日、診療+取材後から神戸に学会出張なのだが、16歳息子に
「明日から神戸に出張ってことは、震源地に近づくってことだよね」と言ったら
「うん」と答えてくれた。
沈黙型反抗期の息子(本当はとっても優しい)を持つ母にとっては泣けてしまうような嬉しさ。

先日、私が尊敬する政治学者が「水島さんのツイッターで子どもネタが出ると
安心する。水島さんですらこんなふうに感じるのだから」と言っていたが、
私は「水島さんですら」というよりも、積極的に子どもの思春期を応援している。
ここを通って大人になるのだから。
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2018年06月20日(水)

明日からの精神神経学会のため、神戸にやってきました。
このあたりは地震は震度4程度だったそうです。相当方向音痴な私は、
しばらくこのあたりの地理を覚えなければ(直感で動くとひどい目に遭うので、
地図を一生懸命記憶するのです)。
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2018年06月21日(木)

今日の精神神経学会は、司会+シンポジストをつとめたシンポジウムも
よい感じだったし、その後の研究の打ち合わせもよい感じでした。
早くアカデミックに引退したいのですが(AHと執筆にもっと時間がほしい)
この「よい感じ」があるとなかなか・・・。

精神科は、本来、当事者(ユーザー)をとても大切にする。
だから精神神経学会もユーザーフレンドリー。
今日もAH仲間で双極性障害の人が私のシンポジウムに出たい(けれども
障害者手帳がまだないので普通のルールだとお金が高くなる)と連絡してくれたので
事務局と掛け合って、1000円で参加してもらった。
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2018年06月22日(金)

双極性障害向けの、エピソード防止効果と、双極うつの治療効果が証明されているIPSRT
(対人関係・社会リズム療法)、日本でいよいよ有効性研究に。
できるだけお手伝いします。私は主に創始者のアメリカ人との連絡役かな。

そうなんです。何かの事件があった当日にニュースでコメントするような精神科医は別として、
良質な精神科医は地味なところで一生懸命頑張っています。
昨日の話も、これからきちんとした研究が行われ、検証されることになりますが、すごい労力なんです。

学会場のような場所で、「今日が新聞連載の締め切りです」というメールを受け取ってしまうと、
かなり慌てます。幸い最も文字数の少ない連載だったのでなんとか学会場のすみっこで。
そういえば前回も穂高養生園で…。スケジュール管理のツールを使ってもこれなので、
どうしようもないですね。

そういえば私が衆院議員になってすぐに驚いたのは、「医者というのは金か名誉のためにしか
動かない」という神話が永田町に根付いていたこと。そういう医者も見たことはあるが、
幸い私の周りの人たちは本当にまじめに医学・医療に取り組んでいる。

専門医制度の導入、精神科で一番遅れたのは、「誰かのお墨付きをもらう」という発想に
抵抗を覚えた人が多いから。「おかみに従う」みたいな文化が嫌いな精神科を、私は好きだ。
人は権力に従うのではなく、それぞれが自分の人生を生きているのだから。

明日の夕方にこちらを出て、ようやく東京に戻ります。家に帰れる喜びよりも、
たまった郵便物とかの方が気になって、早くもうんざり。でも犬は大喜びで迎えてくれるでしょう。
子どもたちは気分次第で(私、娘の愚痴聴き係なので、それもたくさんあるかも)。

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2018年06月23日(土)

DSM-IVの総責任者、Allen Francesとは親しいのですが、彼が一番懸念しているのがこの点です。
「これではみんなが病気ということになり、製薬会社の収益のみ増える」と。
DSM-5になるときに何度も懸念を表明し、「正常を救え」という著書も出しています。
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2018年06月24日(日)

私は慶應大学の出身だが、しょっちゅう嫌みを言いつつも、なぜか後輩が対人関係療法法研究会に
勉強に来ないのです。皆さん全国各地からまじめに自腹でいらっしゃるのに。
そうしたら私の一番弟子が「慶應対人関係療法研究会」というのを立ち上げて
頑張ってくれるようになりました。頑張れ、慶應。

私がとても嬉しく感じるのは、ツイッター上ではもちろん、メールでも
「毒親の本を読んで人生先に進めます」というメッセージ。なんか、涙がでますよ。
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2018年06月25日(月)

今日早朝に下腿骨折して、明日の手術予定で入院中です。いろいろ不義理があると思いますが、
ご容赦くださいませ。すごく痛いです(涙)。
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2018年06月27日(水)

皆さま、温かいメッセージをありがとうございます。
おかげさまで昨日4時間の手術が無事終わり、今日からリハビリが始まります。
生まれて初めてのリハビリ体験終了。痛みをコントロールして(鎮痛薬を使って)
自分の回復力を促進するって、何にでも適用できる考え方。
痛みを我慢して自分の力を阻害していないか?

しかし骨折の痛みは違うからわかる、と言われていたことが本当によくわかった。
人生で経験した中では陣痛の次?

陣痛の末に(?)生まれてきた娘はちょこちょこと気を利かせて世話をしてくれる。
うちの場合、これはいわゆる「女子力」の話にはならず、同じく気がきく弟(息子)を
連れてきて酷使している様子がかわいい。沈黙型反抗期の息子もさすがによく喋ってくれる。
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2018年06月28日(木)

今日はリハビリ2日目。松葉杖も車椅子も結構上達し、院内単独移動可となりました。
土曜日に退院して、日曜日の有資格者向け研究会から仕事復帰予定、となりました。

子どもを含む皆さま、本当にありがとうございます。
右の膝から下の骨が2本と関節の一部まで折れていたそうです。
若いドクターに丁寧に手術していただき、今は痛みも抑えられています。

医療機関を利用していつもありがたいのは、「仕事を休めない」という感覚を
同業ゆえにわかってもらえること。
今回も、日曜の研究会出席が大前提で、そのための安全で効果的な方法を検討していただきました。
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2018年06月29日(金)

リハビリ室では、それぞれが必要とする多様な課題を自分のペースで頑張っている。
人との比較も、勝手な評価も意味のない部屋。みんなが頑張っている。
人生も本来そんなものなのじゃないかな、と思ったりする。
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2018年06月30日(土)

おかげさまで予定通り退院しました。建物はバリアフリーに近くても散らかっていて
バリアだらけの我が家はなかなか難しいものがありますが・・・。
お世話になった皆さま、また温かく応援してくださった皆さま、
ありがとうございました。これから車椅子1か月、杖1か月、と2か月の長期リハビリです。

リハビリ室観察第二弾としては、その人が実際どういう問題を持っていて何に取り組んでいるか、
などということは所詮他人にはわからないということ。
何の問題もなさそうに見える人でも、結構深刻なリハビリをしていたり。
これもまた人生と同じだな、と思いました。

おもしろいもので、最も心が落ち着いていたのは手術前後。
まさに「今」にいたから。「もっと慎重であればよかった」という後悔は早々に手放したが、
締め切りや、不自由な脚を抱えての今後の様々な段取りへの怖れはしばらく手放せなかった。
結論は「まあ、やっていくしかない」。