2016年12月のツイートより(抜粋)

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2016年12月のツイートのうち、反響の大きかったものを抜粋してまとめました。


12月1日(木)

汗をかいて細かい詰めを行いつつ、ことさらに自分の手柄にすることもなかった良心的な議員は、その多くが国会からいなくなってしまった。多くが落選によって。国会議員として良心的で緻密な活動ができることと、選挙における評価は、恐ろしく次元の違うところにあるということだろう。

国会は賛否だけの場ではなく、どこまで細かく詰めて担保をとるか(もちろんできれば法案修正だが)、という役割も大きい。そういうタイプの議員が激減していること、数の力で拙速に法案がどんどん成立していくことは、どうみてもまずい。

ギャンブル依存症との関係もよく考えなければいけない。拙速はやめてほしい。 https://twitter.com/hosakanobuto/status/804289364423389184…


12月7日(水)

「運」についての本を書き始めました。私が書く本ですから、もちろん「宝くじの狙い方」ではありません。「運」について考えていたら、いろいろなことがわかってきて、自分の人生も好転しそうです。来年には活字で読んでいただける予定です。


12月9日(金)

摂食障害をお持ちの方の親御さん向けワークショップを4月17日(月)に開催します。だいたい年1回、12名定員の企画です。午前は摂食障害に関する学習、午後はAH体験になります。詳しくは http://hirokom.org/blog/?p=380


12月10日(土)

手術が下手な外科医に、命がかかった手術を任せる人はまずいないだろう。だからと言って、「外科医なんて、誰も信用できない」となるのは極論だし、結局自分の寿命を縮める。そして優秀な外科医は常に勉強している。それと同じ考えを政治に適用できないのは、なぜなのだろう。


12月11日(日)

私は自分がいた頃の民主党が好きだった。一緒に仕事ができて幸せだと思える先輩・同僚議員たちがいた。だから「民主党も民進党も」という言われ方は悲しい。完璧な政党などはできず、でもよりよい姿を目指して努力するものだ。そういう意味では当時の民主党は合格点だったと思う。


12月13日(火)

何年も前、比較的有名な作家と会ったとき「君はなぜそんなにセルフ・イメージが低いのかな」「勝ち組の君が、どうして負け組に支持されているのかな」と突然聞かれて、自分の価値観とのあまりの乖離にびっくりした。また、これくらいの決めつけ力がないと売れないのかなとも思った。

私は甥が大好きなのだが、それは相性がよいからだけでなく、甥との関係には「かわいがりたいけれども、子離れしなくちゃ」という葛藤がないのもその一因かな、と突如気づいた。我が子に対してはどうしても、年相応に、本人のスペースを持たせなければ、と抑制するので。


12月14日(水)

世の中において重要なことはとてもシンプルなので、本によって切り口を変えても、結局同じようなところに行き着くものだ。それなのに新しい本を読んでいただく価値があるのかな、とやや不安になったが、逆に同じようなところに行き着かなかったら価値観クライシスが起こりそうだ。


12月18日(日)

今日はAHファシリテーター・トレーニング2日目。

AH創始者のジェリー・ジャンポルスキー。今何歳になったんだっけ?と尋ねたら、今度の2月に ”I will be 92 years young.” 年齢を言うときにyears oldではなくyears youngというのは初めて聞いた。さすが。

AHのファシリテーター・トレーニングは、精神科医の教育よりも難しい。トレーナーとしての「自分の心の平和」と、AHグループのクオリティ・コントロールは、簡単に両立できることではない。日本での10年間の経験からは、必要なのは各ファシリテーターの「AHへの信頼」と「時間」か。

例えば、今全国各地で入門ワークショップをしてくれているともこさんは、健康雑誌でAHを知って参加するようになった方。ただただAHが大好きで、グループに参加し続け、ボランティアも意欲的にするようになった。もともと「AHで世の中を救いたい!」などという野心は持っていなかった、はず。


12月19日(月)

よく人に話すことだが、「怖れを煽る」タイトルの本の方が断然売れる。私もそういうタイトルを提案されたことは度々。でも、自分から「怖れ」のエネルギーを発しないと決めている私は、本が売れなくなるだろうなと思いつつも、タイトルにはこだわる。

「暴力は許さない」という「形」と、「癒やし」という「心の姿勢」は、両立してこそ、最大の効果が上がると思う。「形」と「心の姿勢」の混同から、様々な問題が起こってくる。

執筆に関して、類書読みをして「怖れ」のエネルギーに触れてぐったりした。さらに、「学者」が書いた本なのに、言葉の定義もグチャグチャで、完全にノックアウト。どうしてこんな本が出版されたり売れたりするのか。売れなくても出版は続けていこうと改めて決意。救いは必要だ。

DVなどのケースを見ても、そこに見つけるのは男性側の「怖れ」。でも、「男だから」と、怖れに向き合うことを怖れ力で支配しようとするところに、悲劇が生まれる。両性に癒やしをもたらすAH、多くの人に伝わっていきますように。それが「AH」という名前を伴わなくても。

この週末のAHファシリテーター・トレーニングの参加者も10名中5名が男性だった。年々男性のAH参加率が高まっていると思う。AHが好きな人、つまり自分の怖れを怖れとして認められる男性は、とても優しくて頼りになる。つまり本当に強い男性ということだ。


12月23日(金)

元参議院議員の黒岩秩子さんから、年賀欠礼のご挨拶と共に、ご子息の揺光さんが書かれた文章を送っていただいた。ブログになっているので皆さんにも読んでいただきたくご紹介します。
http://www.huffingtonpost.jp/yoko-kuroiwa/ask-for-help-friend_b_13592656.html…

日本うつ病学会理事会に出席してきた。今年から監事を拝命したため。もともと学術性・社会貢献性ともにレベルの高い学会だが、それを凝縮した感じの理事会。なお、名称は「うつ病学会」だが、双極性障害を含め気分障害全体を扱っている。

日本うつ病学会の社会貢献度の一端は、ウェブサイト http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/index.html から見ていただける。薬物療法を続けなければならない、でも車の運転をしなければ生活が成り立たない人。そんな人の立場に立って、添付文書改訂に関する声明を出したのも最近。

精神科医にも「愛」系と「怖れ」系がいる。科学性の高い研究をして、謙虚でいる人は「愛」の人だと思う。一方、いろいろ理屈をつけて地位にこだわる人は「怖れ」系。うつ病学会のよいところは、中心人物が「愛」の人達ばかりというところ。だからメンツも何もなく、会議も順調。


12月25日(日)

今日は専門家向け対人関係療法の実践応用編(症例検討)でした。クリスマスの日曜日にもかかわらず缶詰で熱心に勉強された皆さまに敬意。対人関係療法の治療者がちゃんと育ってきている、と感じられた有意義な一日でした。

時々、「毎日患者さんの悩みばかり聞いていて、どうして元気でいられるんですか?」という質問を受けるけれども、そういう質問が私にはびっくり。「病気になるまで頑張ったなんて、強い人だな」と思って患者さんを見ているし、幸い対人関係療法や効果的な薬物療法も知っているし。


12月26日(月)

栃木で知ったことを大きく二つ挙げるとすれば、「地域のありがたさ」と「女性のありがたさ」。衆院選出馬目的で栃木に行ったという特殊性は確かにあるが、それらを効率よく受け取ることができたのは幸せだった。おかげで我が子も地域を大切にしている。

今の住まいに落ち着く前に偵察に行った娘は、「言っとくけどね、ここは訛りのない栃木だよ」と。地域の結びつきは強くありがたい。今日も出がけに近所の人と少し話をして、「行ってらっしゃい」と送り出されて、快感だった。しばらく留守をするときも近所の人に言っておけば大丈夫。

私の地元・麻布十番は、保守的であると同時に多様性を受け入れる街である。商店街がしっかり子どもを守っている。「十番祭り」は有名だが、それ以外にもしょっちゅうお祭りがあって、法被姿で頑張っている人の脇には、上半身裸で日光浴をしている外国人がいる。それが当たり前の日常。


12月27日(火)

スタッフの尽力のおかげで、ウェブサイトのサーバ移行作業が終わりました。通常通り、info@hirokom.orgでメール受信できます。ただし、まだ送信の設定がうまくいかないので、お返事が遅れます。ウェブサイトもご覧いただける状態になっています。

どういう時代になるかわからない今だからこそ、真に普遍的な価値のために生きていきたい。その価値のために日々暮らすことが幸せをもたらすもの。その価値のために生きたと思う人生に満足できるもの。私にとってその「価値」は、「心の平和」だ。ぶれはない。

もちろん人の役に立ちたいし社会貢献しているつもり。でもそれは私の「心の平和」を土台に、専門知識や経験が可能としてくれていること。土台がなければ、同じだけのものを持っていても、人の役に立つどころか傷つけたり自分が燃え尽きたり。

自分自身の「心の平和」が土台にない人が対人援助職についたりすると、相手を弱い存在として見たり、相手をコントロールしようとしたり、自分が燃え尽きたりする。これは悲しいけれどもよく起こる現実。

自分自身の「心の平和」を唯一の目標として生きる、なんて、どれほど自己中心的なの?と思うかもしれないけれども、実際、自分の心の姿勢に責任が持てなければ、フェアで愛に満ちた社会貢献なんてできない、というのが私の今までの経験からも言えること。

「心の平和」については、本当はAHの全体を知っていただきたいのだけれど、何の葛藤もなく、あたたかいこころがぽかぽかと感じられるような状態。私は、それが自分の本質だと思っているし、とても穏やかで幸せな心境なのです。

告白すれば、私の人生にもそんな時期がありました。自分の癒やされていない部分を、社会的問題の解決に求めたのです(幸い、患者さんに対して、そのような失礼を働いたことは一度もありません)。でもそれは被害者意識とか、攻撃のエネルギーを増すだけで、何にもなりませんでした。


12月29日(木)

精神科医をしていて嬉しいタイミングの一つが、患者さんが病気についてよく理解し、「この部分が症状なんだ」とわかると、本来その人が持っている力が出てくるとき。症状と「自分」との区別ができると、「わあ、やっぱりこんな力があったんだ」と思うような力が出てきて感動する。


12月30日(金)

AHは「べき」ではなく「したい」の自己責任。「べき」の「自己責任論」は、自分の「怖れ」を自分のものとして見ず、人に押しつける態度だと思います。他人についてとやかく言う時点で、「自己責任」の範囲を逸脱していると思います。

AH麻布(私が作った本拠地)のグループ案内を受け「ファシリテーターが3人もいて、6回も無料グループが開かれる」と感動した。十年前、日本でAH活動を始めた当初、万事においてファシリテーターは私一人だった。当時の目標は「週一回はグループを」だった。すでに実現している。


12月31日(土)

元日(日曜日)から、恒例のAHスカイプサンデーナイトがあるとのお知らせ。すごい。でも、クリスマスとかお正月とか、新卒就職の4月とかは、実は苦しい季節であるということもわかっているつもり。元日の夜も、いつもと同じように、AHの仲間と過ごせるというのは素敵なのでは?

現在「夜なべ仕事中」ですが、来年は、もっと社会リズムを中心に、つまり、起床や就寝の時間を規則的にしたいと思っています。双極性障害の方にお勧めしているSRM(社会リズムメトリック)が私にもとても当てはまるということ(夜に人と会うと、興奮して眠れなくなる)などから。