2015年8月のツイッターより(抜粋)

2015年8月のツイートのうち、反響の大きかったものの抜粋です。

 


8月1日(土)

今日はAHの実践ワークショップだった。日本でAHの活動を始めて、まもなく9年になるが、本当によかったと思う。人間の一番よい部分、人生の一番深い部分、この世で最も温かい部分に触れる感じ。

これは完全に個人的な印象だが、AHに熱心に参加している人は美しい。顔の造形とかもよいのかもしれないけれども、怖れを手放した顔、怖れを手放すことに意欲的な顔は、美しいものなのだろう。私も含めて、みんな年齢不詳だし。AHはアンチエイジング効果があるのだろうな。

誰がどんな価値観を持とうとかまわない。大切に育てられなかった人が人を大切にできないのも理解できる。でも、たった二人だが子どもを育てることに人生の半分以上のエネルギーを使っている私としては、どんな人の命も尊重してほしい。問題行動を起こすよりも「助けて」と言ってほしい。

安全保障の領域に、絶対はない。絶対を確立するには、高度に人間的な素養が必要になる。地球のバランスにも長けていなければならない。そんな基盤もないのに「断定」する首相は何なのだろうか? ほとんど新興宗教と同じ。私はAHで頑張る。

 


8月3日(月)

ありがとうございます。ちょくちょく「里帰り」しているんですよ。江戸っ子の私にとって、田舎は宇都宮です。行けば煮物とかお赤飯とか用意して待っていてくださる宇都宮の皆さんには本当に「親戚」を感じています。でも冬の宇都宮の寒さだけは・・・ http://bit.ly/1g3lhVb

「取り返しがつく」発言とは何なのだろう? 政治家は、言葉が仕事。欠陥商品を作って、「ごめんなさい、うっかりしていました」は、一般社会の仕事では通じない。精神科医、国会議員、と、言葉を使う仕事ばかりしてきた私は、言葉の重みをとても強く感じている。

 


8月4日(火)

もちろん人間は完璧な存在ではないから、失言はあっても仕方がない。しかし、それが単なる「はしゃぎすぎ」なのか、根底にある信念を表現したものであるかは、簡単に判別可能。例えば私は「うちの子はかわいくない」なんて、死んでも言わない。

物作りを仕事にする人は、「物」がうまくできなかったときに、かなりの責任をとらされる。政治家の言葉も同じではないのだろうか。私は、医療者の言葉によって傷ついてきた患者さんをたくさん診ているので、ますますそう感じる。

歴史を振り返れば、「言葉」がどれほど人を救い、社会を変えてきたかがわかる。だから私も本を書いている。本を書くときには、愛のエネルギーをこめるように、念には念を入れている(初期の本は該当しないのでお許しを)。言葉のプロである政治家が「うっかりしていました」ですむのか。

人の言葉は武器のようなものだ。例えば、「ついうっかり」警官が全く無辜の市民を拳銃で撃ったら、どう思うだろうか。「すみません、ついうっかり」で許されるのだろうか。身体と心は違うと思っている人は、統計をよく見るとよい。人の幸せ度を決める第一因子は、心の健康だ。

「戦争に行きたがらない無責任な若者」と言うが、では、その発言者も含めて、安保法案を成立させようとしている人たちは戦争に行ってくれるのか? 若者達が、今後国際社会でどのような立ち位置を取りたいか、希望を持ってはいけないのか? 私のジャッジメントは「卑怯すぎる」。

先ほどのツイートで、「戦争に行ってくれる」は書きすぎた。「くれる」などという表現はいらない。「人殺しに行ってくれるのか」なんて言わない。反戦家クリント・イーストウッドの「アメリカン・スナイパー」は、戦争そのものをよく描いていると思う。それが人に何をもたらすか。

戦争の負の側面は至る所で語られてきたし、私も語ってきた。戦争体験者から話も聞いてきた。そういう意味では、クリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」は価値中立的だった。だからこそ戦争の悲惨さが余計に身にしみる。戦争賛成者の人の意見も聞いてみたいです。

本来日本人ってもっと礼節を重んじるのではなかったのか。ヘイトスピーチを聞いていると、「ああ、日本の繊細で配慮があり礼節をわきまえた文化はどこに行ってしまったのか」と悲しくなる。せめて丁寧に話しましょうよ。

私が耐えようと思えるのは天災までだけ。東日本大震災であれほどの貴重な命と人生を失った数年後に、なんで「不戦の誓い」というブランドを捨てるのだろう?

————————————————————
8月6日(木)

アメリカで知った素晴らしい概念の一つが、Every child learns differently.つまり、それぞれの子に合った教育環境があるということ。決められたシステムに通えないことを問題視するよりも、その子に合った教育環境を http://bit.ly/1g3lYhr

時節柄、戦争映画を多く見ている。硫黄島の戦いを日米各サイドから描いたクリント・イーストウッドの二部作。米側「父親達の星条旗」は観ていたが、日本側の「硫黄島からの手紙」をようやく観た。結論は、「人間の本質は愛」と「戦争は、人間としての機能を損なう」ということ。

核兵器のない平和な世界を、という主張に反対する人の気持ちがわからない。本当にわからない。人間には、踏み込んでよい領域とそうでない領域があるのではないか。

是非観てみてください。硫黄島の戦いは米軍の勝利でしたが、それによってヒーローとされた人たちが決して幸福にならないということを。 http://bit.ly/1g3m1K3

私は、クリント・イーストウッドが優れた俳優だと思ったことは一度もないが(ごめんなさい)、映画監督としては本当に優れていると思う。特に、暴力的に扱われがちなシーンに人情を感じさせるのが上手。人間は人間なんだよ、と。

私は小さい頃、日本人であることをどうしても誇りに思えなかった。それはいわゆる「自虐史観」とは全く反対で、自分たちの犯した過ちを正当化しようとする姿勢に対して感じた違和感故だと思う。人間の弱さ故仕方ないが、これからは強く生きていくというメッセージがほしかった。

私は小3からぐれていたので、自分が納得することしか納得しません。特に権威のある大人の言うことは、そのまま信じることなどいたしません。 http://bit.ly/1g3lZSq

そうですね。じっくり観察してください。ついでにAH(attitudinal healing)にも興味を持っていただければ、なおさら理解が深まるとも。
参考文献は http://bit.ly/1g3nfVE
http://bit.ly/1g3m3lh

 


8月7日(金)

反中・反韓感情が何とかならないのかなと思って、AHのベースである「奇跡のコース」を世界に広めているWhitson夫妻に聞いてみた。どちらの国でも「奇跡のコース」は翻訳され熱心に勉強している人がいるそう。心の平和に焦点を当てれば、社会は平和になる。励まされる。

(1)そうそう、やせ我慢的美意識というのは、祖父(水島)に顕著に見られました。彼の東大の研究室で事故が起こり若者が亡くなりました。祖父はそもそも不在だったし責任はなかったのですが、母子家庭でやっと息子を東大に送った母上に申し訳なさを感じて、

(2)ずっと送金を続けていたそうです。これは祖父が亡くなってから、お弟子さん達によって明らかにされたことです。そんなことを知りもしない身内は祖父のことを「けち」と言い続けていました。ちなみに、誕生日が祖父と同じ私までついでに「けち」と。祖父を誇りに思っています。

私の父も、創薬による特許料がたくさん入ったらしいのですが、それを私物化しないで、若手研究者のために拠出してしまいました。普通に家計に入れてくれればもっと贅沢ができるのに、と思いつつも、そんな父が誇りです。そして結局私もAHを通して似たようなことをしています。

AHはどんな宗教とも、あるいは無宗教とも両立できる。宗教についてどうこういう立場に私はないが、分離を招くものには違和感を覚える。つまり「私たちが特別に優れている」という態度を取る人たち。どんな人でも、大切なものを大切に思う気持ちは変わらないのではないか。

 


8月9日(日)

パール判事ついては、中島岳志著「パール判事」がとてもわかりやすいですね。戦争で勝った方が一方的に敗戦国を裁くのは確かにおかしい。そのことと、戦争でどれだけの人を被害に陥れたかは別のことです。

私は、精神科医が権威に含まれるかと聞いて、倒れるほど驚きました。私にとって、それは永遠の勉強の対象だし、どこまでいっても「権威」などとは無関係だと思います。学問って何でもそうですよね。「元衆議院議員」は、「ああ、この人は政治の話もできるのね」程度でつけている肩書きです。

 


8月12日(水)

昨夜は、国際対人関係療法学会の理事会でした。本格的なリニューアル中なので、日本で学会を作るときの参考になります。ちなみに、今東京を離れているのですが、auのiPhoneのスカイプで、電話国際会議に普通に参加できる世になったなんて。(サボれないのですが)

—————————————-
《水島広子スタッフより》
「緑のgoo」に水島広子のインタビュー記事が掲載されました。AHのこともたっぷり!
→第32回 精神科医/水島広子さん 心の掃除…不安を手放し自ら「癒やし」を – LOHAS – 緑のgoo : http://bit.ly/1g3m7Bg
—————————————-

 


8月14日(金)

久しぶりに元厚労相の小宮山洋子さんに会った。国政を退かれ軽井沢に移住されたが、悠々自適に、かつ多くの地域貢献をしながら暮らしておられる模様。生きる姿勢は相変わらず、さすが小宮山さん。

 


8月16日(日)

私はAHで言う「怖れ」とは、トラウマ(私が名付けた「プチトラウマ」も含めて)と同義だと思っている。どちらも、自分が足りない、自分が損なわれている、という感覚。そして癒しこそが、私が取り組むように与えられた使命だと思っている。

 


8月18日(火)

ものーすごく久しぶり(10年以上ぶり?)にゲイの友人(年配なので先輩風だけれど)と連絡がとれて近々会うことになった。私を覚えてくれていたのも嬉しいし、つもる話が楽しみ。ちなみに私が彼と友人になったのは、初めて会ったとき20分ほど「美少年」に間違えられていたから。

 

今朝の朝日新聞「封印された『戦争神経症』」。組織由来の、また加害者としての、心の傷。戦争があらゆる意味で人間性を失わせるというのは本当のことだと思う。仮に生きて帰れても、一生その症状を負っていく。

 


8月19日(水)

現在増刷されておらず入手困難となっている拙著「トラウマの現実に向き合う」からの抜粋です。私が考える「ゆるし」について現時点で読んでいただけるものとして。 http://bit.ly/1g3magC

グーグルカレンダーにスケジュールを依存しているのだが、どういうわけか今日の大切な会食の予定が漏れていた。診療、取材が終わって、さて帰宅か、というタイミングで会食の時間だという連絡。慌てて駆けつけて、1時間遅れで到着。でも久しぶりに日米の大切な先輩と楽しい会食だった。

素晴らしい人たちと出会い、人生の質が上がることは本当にありがたいことです。でも、その出会いを実現してくれるのは、大野裕先生や、神庭重信先生、アメリカの共同研究者など、私の直属の先輩です。私も後輩によいチャンスを与えられるよう、頑張っています。

 


8月23日(日)

今日の研究会には慶應の医学部の学部生も参加してくれました。当時の私を思えば、部活をやめて、学校以外の人とのつながりを求めてある程度不良的行動をしていた時期です。「学生なのに勉強するの?」という変な疑問が私にはあります。もしも精神科医になるのであれば、もっと広く世界を。

 


8月24日(月)

約20年ぶりに年上のゲイの友人に会った。タイムスリップしたみたいに、ギャップを感じない親しさだった。東京にいる人だが、震災で店を閉じ、ボランティアをしてきた年月の話はきらめいていた。こういう人が私の人生の中にいてくれて本当によかったと感じた。

ゲイの友人のすばらしいところは、「誰から見た話か」を尊重してくれるところ。「広子先生からすればこういうことだったのね」という確認の仕方が、精神科医以上に上手だったし、結果としてとても落ち着いた。私が今親しくしている人全部に彼を紹介したい。

 


8月26日(水)

拙著「対人関係療法で改善する 夫婦・パートナー関係がまた増刷になるとの連絡。これ以外にも夫婦関係について書いてほしいという依頼は来るが、私はこれ1冊で結構役に立つと思っており、お断りしている。http://bit.ly/1g3mhbS

 


8月27日(木)

アメリカにいたとき、現地の人で、やはり「愛l」を「感謝」に置き換えて理解している人がいました。「感謝すべき」ではなく、「ああ、ありがたいな」と温かく思えるものなら、きっと「愛」と同じことなのだと思います。http://bit.ly/1g3mhbS

拙著「自己肯定感、持っていますか?」がまた増刷になるというお知らせ。6月に刊行して、まだ2ヶ月少々しか経っていないのに、そんなに多くの方に読んでいただける幸せな本。著者としては、今の世相を変えたくて書いたもの。 http://bit.ly/1g3mhbS

 

 

—————————————-
《水島広子スタッフより》
郵便局で買える生活情報誌「Kiite!」9月号。
水島広子連載「こころの応援談」、今月は「優しくなれない私」です。 http://bit.ly/1g3mwE3
—————————————-

拙著「女子の人間関係」の中国語版(台湾)の見本が届いた。装丁は同じ。
http://bit.ly/1g3mwE3 
http://bit.ly/1g3mzzz

今では来年末まで書く物が決まっている私だが、出版についてのここまでの道は決して平坦ではなかった。企画書を出して却下されたもの(これは次の会議で採用)、編集者の言うがままに書いて絶版になったものなど、いろいろ考えさせられた。今はとにかく愛をこめて書くのが鉄則。

 


8月28日(金)

以前「あさいち」に出演したとき、「援助交際」 をその「居場所」として扱っていてギョッとした。当日開始前に強く頼んで援交の危険性についてやっと言及してもらえたが。本当に「強く」頼む必要があった。http://bit.ly/1g3mBri

何と言っても一番は「トラウマの現実に向き合う」です。この本は1週間ほどで書き上げ、書き終わったときはもうこれで死んでもよいと思えました。今入手困難になっているようですが、版元を変えて絶対に復活させます! http://bit.ly/1g3lest

ありがとうございます。今度は文庫も視野に入れて、少しでも定価を安くできればと思っています。また、専門家でなくても手に取りやすいように。 http://bit.ly/1g3lest

(1)前もツイッターで愚痴ったような気がしますが、「あさいち」のもっとひどかったところは、ようやく「援交」から抜け、家族とよりを戻し、自分のような子の役に立ちたいと養護教員を目指すことにした子が、高校の成績証明書を取りに行ったという感動的なエピソードに対して

(2)「この子はおかしい。先生にため口を聞いている」と不満を言いつのったコメンテーターのM氏、そしてそれを誰も否定しない雰囲気でした。私はスタッフに「この番組が終わってから自殺者が増えたらNHKのせいですよ」と脅して、番組の締めの役割をもらいました。

(3)「今日ごらんになったように、理解のない大人達は多いですが、そんな大人ばかりでもありません。ちゃんとわかってくれる大人に助けてもらってくださいね」というのが確か私の締めの言葉でした。その辺は元政治家、時間きっかりで終わりました。

(4)発展途上の人間には、期待すべきレベルというものがあります。売春をして、家族との仲も悪く、さまよってきた子が、養護教員になりたい、そのための書類獲得に高校に出向くなんて、私はVTRを見ていて「頑張れ!」と涙が出ましたよ。ため口云々はもっとあとの話でしょう。

(5)「あさいち」問題もう一つ思い出しました。コメンテーターのM氏などがやたらと礼儀を無視して自分の意見ばかりぶつけるので、ニュースで時間があいた際にUアナウンサーに「ちゃんと均等に発言の機会をください」と頼みました。そうしたら「それはご自分で声を大きくして」と。

(6)仕方なくスタッフの方に、「こうやって声の大きいものが社会を支配していくから、行き場のない子ども達は救われないのですよ。か細い声にも、語る場を作ってください」と、これまたかなり強く主張しました。そうしたら、ニュースあけは私のコメントから再スタートしてくれました。

 


8月29日(土)

対人関係療法で、周囲の身近な人たちとの関係をダイレクトに聞いても答えない人の方が多い。でも、その人が今一番困っていること(子どもの不登校とか)について、身近な人たちはどう関わってくれているのかを聞くと、だいたい真相が見えてくる。

安倍さんのヤジについて過去に言及したらツイッターでぼこぼこにされたが、党首討論(安倍さんは当時官房副長官)の現場にいた私にとって安倍さんのヤジは、まるで街宣車がずっとわめき立てているようなものだった。 http://bit.ly/1g3mNXm

またぼこぼこにされるかな。でも私は安倍さんの教育・マナー係ではないので、私に何を言ってもブラックホールに吸収されるようなものですよ。

 


8月30日(日)

先日出版の打ち合わせの際「プロフィール写真がいい」と言われた(このツイッターで使っている写真)。一日の診療が終わり最も疲れた時間「ゆほびか」の取材で撮っていただいたもの。、ノーメイク、髪もボロボロ。でもわが子達はメイクして撮っていただいた写真を「ブス」と。

ありがとうございます! ずっと30歳の頃の写真をプロフィールに使っていたのですが、精神科の先輩から「いったい何歳のときの写真だ??」とクレーム(?)をいただいたので、「ゆほびか」のご厚意を得て、使わせていただいています。 http://bit.ly/1g3mQmd

写真話のついで。写真って、信頼関係が表れますね。「ゆほびか」のとき、私は、(ライターさんには失礼ながら)なんとなくカメラマンの方が最も私を理解してくださっているような気がしました。そうすると無防備なよい写真が撮れるように思います。

そしてそのデモに、先日来ご紹介している私のゲイの友人は、イデオロギーと関係なく、視覚障害者の方のお手伝いとして参加したのです。社会に希望を感じます。(彼のイデオロギーについては聞いていませんが) http://bit.ly/1g3mT1a

とにかく今絶対に必要なのは安保法制などではなく、貧困、恵まれない家庭の子ども達の「居場所」、メンタルヘルス、大きな視野での社会保障の確立、等々本当にたくさんあるのです。なんで安保法制のことでこんなに多くの時間とエネルギーを使わなければならないのでしょう。

 


8月31日(月)

メイク道具も持っていません(笑)。「基礎化粧」もしません。30過ぎから日焼け止めだけは塗るようになりました。テレビに出るときは顔がてからないようにメイクしてもらいますが、顔が息苦しい気がして、取ってから返ります。 http://bit.ly/1g3mTOW

さらに、すでにいろいろと問題がある自衛隊員の方たちの精神科医療費も増えるでしょう。もう現場はギリギリを通り越しているのに。これもつながった問題ですよね。 http://bit.ly/1g3mWu7

—————————————-
《水島広子スタッフより》
本日掲載の水島広子連載記事「こころの健康便」最新版です!
東京新聞:「圧力」に対する手だては できるだけ「言葉」で確認を
http://bit.ly/1g3mYSs
”「役割期待」というのは、「自分は相手に何をしてほしいか」「相手は自分に何をしてほしいか」ということです”
—————————————-

幼少時からの疑問。「喧嘩は悪いことなのに、なぜ戦争はいい?」「共産主義は理想的に思えるのに、なぜ怖い?」の2つ。後者は、「覇権主義」ではなく「できるだけ社会主義」(自分ができる範囲で障害者雇用するなど)を自分の道として生きている。が、前者の謎だけは解けない。

突然ですが、クリント・イーストウッド監督の「インビクタス」、まだご覧になっていない方がいらっしゃったら、是非お勧めします。南アの映画です。ゆるしについて、人間の不完全さと限りない可能性について、いろいろな角度から感動します。今の時代に必要な映画という気がします。

—————————————-
《水島広子スタッフより》
”理解のない大人達は多いですが、 そんな大人ばかりでもありません。
ちゃんとわかってくれる大人に助けてもらってくださいね”
水島広子公式サイトに「『あさイチ』に出演して感じた違和感」を追加しました。
http://bit.ly/1g3n7p5
—————————————-

 


9月1日(火)

安保法制に対する反対運動のよいところは、最近の社会的変化が基本的に「怒り」を反映したものだったのに対して、未来への責任、平和の希求、人間性の回復がテーマであるところだ。まさに「被害者」から「主体者」への変化。

私の念願の、広島での開催です。ぜひご参加ください! http://bit.ly/1g3nfVE

(1)映画と言えば、私が現職議員だった頃、「バトル・ロワイアル」が公開され話題となった。表現の自由を重んじる人と、テーマの残酷さに保守的になる人と、国会は二分された(もちろん関心のない人も多かった)。基本的に怖いエネルギーが嫌いな私はこの映画を好きとは言えない。

(2)当時「子ども有害情報」の法案に取り組んでいた私は議論に巻き込まれる立場となったが、結局のところ「強制された殺戮」の愚かしさを描いた映画なのかなと思った。今私の視野に入る「強制された殺戮」は、戦争と死刑。

このところクリント・イーストウッドの宣伝ばかりしている気がするが、私は俳優としての彼に魅力を感じない一方、監督としては鬼才だと思っている。そして、いろいろな映画に、「戦争で、正当な人殺しをした人たち」がその後死ぬまで苦しむというテーマが出てくる。

「怖れの眼鏡」の文庫化、この1週間ほど考えたり書いたりしてきましたが、「すでに書いたこと」が多すぎて、同じテーマで二度は書かないというポリシー(というか飽きっぽさ)に抵触します。幸い版元の光文社様にご理解をいただきました。罪滅ぼしに、よい本を書いてみたいと思います。

9月は両親と息子の誕生月。亡くなった父は母と2日違いの誕生日なので、墓参がてら二人のお祝いを。(と言いながら、母の誕生日はラジオ出演)息子は2001年9月11日に生まれるという運命を背負っている。反抗期で面倒ですが、人の事情を受け入れ、平和主義的な息子です。

ちなみに私はバッハと祖父、娘と同じ、3月21日生まれ。概ね、春分の日です。娘が私の30歳の誕生日に産まれてくれたこと、息子が運命的に特別な日に生まれたことは、人の誕生日を覚えるのが苦手(無関心?)の私に神様がくれたプレゼントだろう。

今日、野田聖子さんのパーティだったと聞き、女性政治家を激励しなければ、と久しぶりに野田さんに電話した。変わらぬ溌剌とした声で嬉しかった。お互い子育てを頑張ろうという話も。本当に、彼女みたいにバランスのとれた政治家にもっと活躍してほしい。

「怖れの眼鏡」の文庫化に取り組み、編集者さんの手も患わせてきたが、結論として「違うテーマを書きたい」ということでお願いすることになった。自分が生きている間に書ける文字数を考えると、適当な仕事はしたくない。いつも書きたいことを書きたい。版元さんにはただただお詫び。

お願いです。AHを福島へ、という要望を多く聞くのですが、今のところ開催地、事務局の中心となってくださる方について見当がつきません。もちろんこちらでもできるだけサポートしますので、「ここで開いて!」「連絡係はできるだけやるから!」という方、ご連絡をお待ちします。

 


9月4日(金)

「パーソナリティ障害」と安易に診断する風潮に危惧を感じている。遅くとも成人期早期までに、幅広い範囲にわたり、機能障害をきたしており、他の精神疾患との関連で説明できない、等重要な診断を軽く行う人の臨床的見識を疑う。本当のパーソナリティ障害は明らかに常識を超える。

自分がある程度「よくできた!」と思って世に出したものがボコボコにされたら、衝撃を受けて、自分を守る言動に出るのは当然の反応だと思います。家族やスタッフも含めて、警戒的・保護的になるのも当然でしょう。そういうのを「障害」と言うのはやめませんか?

私は野田聖子さんがとても好きだし、初の女性首相になってほしい。しかし、衆議院で安保法制に賛成したことも事実。そこに政治家としての責任は確かにある。新たな流れを作るために、叡智の限りを尽くしてほしい。本当に。

2015年7月のツイッターより(抜粋)

2015年7月のツイートのうち、反響の大きかったものの抜粋です。

スタッフによるツイートも始まっておりますので、区別のため、スタッフによるツイートは(スタッフ@mizustaff)と書かせていただきます。

________________________________________

7月2日(日)

拙著「怒りがスーッと消える本」が、また増刷になるとの連絡。今の社会のテーマは、「怒りから癒やしへ」だと思っている。少しでも役に立ちますよう。 http://amzn.to/1FTk609

 

「AHと政治」ワークショップの一つの結論でもあるが、政治に主張がある限り、癒しは訪れないと思う。「希望を述べる」ことと「主張する」ことの違いは、後者が怖れに基づく正当化であること。それぞれが体験からくる希望を安全に述べることで、政治は機能していくと思う。

 

そうそう。アルコールをおいしく味わえる人はよいと思いますが、自分を傷つけるような飲み方は、自虐的ですよね。(その区別は、心の平和、だと思うのですが、研究中) https://twitter.com/saitoryuzo/status/616364801002901504

 

心の平和を最優先するのであれば、「自分の正しさ」を手放さなければならない。自分と相手とどちらが正しいか、のモードに入ってしまうと心の平和は得られないからだ。もちろん、何でも自分が間違っていますと認めることではない。どういうこと?と思う方はぜひAHに参加を。

 

現職国会議員の同志と話していても「AHが間に合えば」という気持ちは強まる。一人一人が心の癒しに責任を持てば、地球も癒されると信じている。本来AHは誘うものではないけれども、興味を持っていただければ。拙著を読んでいただくのもよし。グループ体験は偉大。スカイプもあります。

________________________________________

7月3日(金)

 

今朝はAH創始者ジェリー・ジャンポルスキーと久しぶりに長電話。彼は90歳だが、「自分のことを90歳だと思っていない。自分の中の3歳児を大切にしている。3歳児はものごとを深刻にとらえすぎず、すぐゆるし、今日のことしか考えていない」と。

________________________________________

7月4日(土)

 

今日は一般向けセミナー「みんなで学ぶ対人関係療法」でした。会場いっぱいの方が来てくださいました。よくまあ一日缶詰で勉強してくださるものだ、と話している私が感心しました。話題は固くても、人が集まる場は必ず温かい場にできるのですね。私も温かさをたくさんいただきました。

 

同期当選議員の中でも私が敬愛する平岡秀夫さん(第88代法務大臣)、選挙は一段落で現在弁護士として活躍されていますが、御高著『「リベラル日本」の創生』アベノポリシーへの警鐘」(ほんの木)をくださいました。私のことも出てきます。見識が高く誠実な方です。ぜひご一読を。

 

「政治とAH」のワークショップのとき私がかなり驚いたのは、「政治家にも癒しが必要」と言ったときの参加者の驚きだった。「怖れ」にとらわれた政治家はどうしてもエゴイスティックになる。一方、「愛」をベースにした政治家は、本来果たすべき役割を果たせる。必要なのは癒しだ。

 

自己肯定感が低いのはお気の毒だとは思います。ただ、自分や子どもたち、それ以外にも頑張って生きている人たちの人生を奪う権利はないはずなのです。盟友・原口一博さんはきちんと戦略を立てて質問の準備をされています。何としても彼を質疑に立たせてほしいです。

 

私は、案外「癒し屋」でした。どんな人とでも、よくおしゃべりしていました。今でも、落ち込むと私と話したくなると言ってくれる議員がいるのは光栄です。ただ、それは自分の落ち込みや傷に気づいてくれる人。それすら否認する人は手がつけられません https://twitter.com/keekeehanako/status/617344701645983745

________________________________________

7月5日(日)

 

クオータ制などを提案すると、男性は戸惑って反対するのに対して、「名誉男性」の女性達が強く反対したことを記憶しています。いわく、「自分はこの状況下でも実力でここまで来た。下駄をはかされた人と同じにされたくない」と。 https://twitter.com/keekeehanako/status/617344701645983745

 

クオータ制(例えばノルウェーでは一方の性が全体の4割を切らないこと)を導入しようとすると、「名誉男性」の女性達が「量より質だ」と言います。では男性の議員はみんな良質なの? と思います。まずは量。質は自然と整っていくと思っています。

 

ありがとうございます! でも年をとってきたので、バイタリティそのものは低下気味です。問題意識はより明確になってきたと思いますが。年をとるということは、よりピンポイントで深く生きることなのかと思っています。 https://twitter.com/kei0120444444/status/617435797642317824

________________________________________

7月6日(月)

 

ガンジーは「社会に変化を起こしたければ、自分自身がその変化になる必要がある」と言ったそうです。世界平和のためには、まず自分の心の平和からですよね。私も日々取り組んでおります。 https://twitter.com/cbmrj183/status/617903117439340544

 

そうですね。さらに、「実力」と彼女たちが思っているものが、実際にはどれほどの幸運(容姿なども含めて)に支えられているのかも考えさせられます。もちろん、全部の女性議員が「名誉男性」というわけではありませんが。 https://twitter.com/kei0120444444/status/617435797642317824

 

「命をかける」ことを英雄視するのは、あまり好きではありません。前に鳩山さんが「命をかける」とよく連発していたとき、「あなたにとって命ってそんなに軽いもの? そして他の命も?」と思っていました。命はかけがえのないものだから、守りたいのです。

________________________________________

7月7日(火)

 

いよいよ明日は真打ちの原口さんの質疑です。もともとしっかりとした思想の核を持ち、博識な方ですが、質疑に向けてさらにいろいろな勉強をして臨まれます。質問時間はわずか25分と残念なのですが、廃案に向けての転換点となりますよう。 https://twitter.com/kei0120444444/status/617435797642317824

 

質疑時間は41分になったそうです! 心から応援します。https://twitter.com/kharaguchi/status/618403293622960129

 

ラグビーのみならず他のスポーツや武術をたしなまれるようです。骨折+院内感染で、もう前のようには走れない、ということはどれほどだろうと思います。もちろんご本人は奮ってリハビリ中です。日本のために、本当に頑張ってほしいです。 https://twitter.com/ma_koda/status/618401921770979328

________________________________________

7月8日(水)

 

とても本質的でよい質問でした。RT @kharaguchi: 衆議院安保特で質疑に立ちました。  新ガイドラインと安保法制の在り方を中心に質問を組み立てました。… http://fb.me/6IishVv66

 

新聞を読んでいたら、homophobiaが「同性愛嫌悪」と訳されていた。phobia(フォビア)は精神科的には病的恐怖のことだ。嫌悪とは怖れの表現型に過ぎない、ということがこんなところからもわかる。もちろんその多くが無知による。

 

国会の質疑を聞いていて思うこと。国権の最高機関たる国会の議員の質問に対して、政府(首相が多い)が的の外れたことを壊れたテープレコーダーみたいにのらりくらりと非生産的に答弁し時間切れ、というのはひどすぎる。立法府が国権の最高機関だということを忘れているのではないか。

 

今の国会そんな感じですね。今日の原口さんの質問のように、党派を超えた本質的な質問であれば、ヤジすら出ず、みな高尚な講義のように聞いていたわけです。でも振り子選挙で、民主党内有望人員は原口さん他数名に減ってしまいました。 https://twitter.com/F4EJ2Phantom/status/618743605503483904

 

あるのです。しかも黒字ですって。https://twitter.com/Kontan_Bigcat/status/618724465594085377

 

(1)しかし。私自身の人的交流からも、与党の皆さんが今回の安保法制に賛成しているなどとはとても思えない。今日の原口さんの質問も、宮沢喜一さんの遺言みたいなものだった。本当は法案に反対だけれども、自民党の公認を外される(刺客を送られる)ことがよほど怖いに違いない。

 

(2)自分が「これは日本に暮らす人たちにとってまずい!」と思う内容であれば自由に反対できるように、もっと国会議員を優しい目で見てあげたいのだが。どうすればよいのだろう。特に世襲議員にとっての落選は、人格変化すら生じさせるほどの挫折体験みたいだ。

 

ちなみに、心から申し上げますが、現在の私は不偏不党です。自分が政治的に賛成できることだけに賛成するだけです。友人は民主党に多いと思っていましたが、私が頼る人たちはすでに国会を去った人が多いです。残っている珠玉の議員は原口一博さんをはじめ、数少ないです。

 

法案に対する党議拘束をを良心から破って厳重注意を受けたこともあります。やはり「刺客」の影響は大きいと思います。「仲間内で解決できるよう話し合おう」ではなく「反対の奴には刺客を送ってやろう」になったため、話し合い文化がなくなりました。 https://twitter.com/mind_water/status/618772637443960833

 

私が知っている範囲で。旧民主党(民社が合流する前)は、党議拘束なしの実験政党だったと聞いています。その勢力が伸びていたら、日本はどれほど違う国になっていたでしょう。残念です。

________________________________________

7月12日(日)

 

富山で気持ちのよい講演終了。今日の聴衆は医療関係者だったが、「こういうことを学校でも教えてくれればみんな楽になるのに」という感想は一番嬉しかった。北陸新幹線で帰途についたところ。

 

今日、富山で講演後拙著サイン会をしたが、「24歳の娘が先生のファンで、本もよく読んでいます!」と言ってくださった方がいて、とても嬉しかった。若い方にAHの考え方が広がっていくのは世界の救済につながると思う。間に合ってほしい。お互いに心をボロボロにする前に。

 

@260yamaguchi 一足先に、お誕生日おめでとうございます。おっしゃる通り、私たちは今までの平和に感謝を捧げなければならないと思います。多くの犠牲を払い、ようやくたどりついた平和を、どうして壊してしまうのか。先生のお誕生日が平和国家の再生の日になりますように。

________________________________________

7月13日(月)

 

【お知らせ】文化放送『オトナカレッジ』3rdシーズン(今秋再開)で、水島広子が「健康学科」を担当することになりました。 出演予定は隔週木曜日の20時台です。 詳しくはコチラ→ joqr.co.jp/college/ #otona1134 #joqr (スタッフ@mizustaff)

 

「現代用語の基礎知識」、メンタルヘルスの原稿ができたので送った。「この分野をどう読むか」にはかなり執筆者の個性が表れる。いつもできるだけなまなましい話を書くようにしているが、受け入れられるだろうか、どうだろうか。

________________________________________

7月15日(水)

 

何だか自分の国がハイジャックされつつある感じがする。どうすればコントロール可能な方向に戻せるのだろうか? 怖れからではなく、愛の目をもって、考えてみよう。

 

ただ、日本の場合三権分立がきちんと機能していないのは気になりますね。裁判官に誇りを持ってほしいです。大切な我が国のために。https://twitter.com/Already_Free/status/621257909888925696

 

非暴力の原点を共有している仲間に相談している。怖れに怖れで対抗するのは数的に負けてしまうし、社会の空気を怖れにしてしまう。愛=非暴力をどう生かせるか。私は小3のとき、いじめられっ子をかばって両頬を50発拳骨で殴られたが、それを「非暴力」と呼んでくださったのが原口代議士。

 

何だか私がやっていることは、即効性がないとか、お花畑だとか言われているようだが、私は誰よりも気が短いことにかなりの自信がある。そして自分が究極の効率主義者であることにも自信がある。よい結果を出すために、最小限の努力で。そんな考えだ。

________________________________________

7月16日(木)

 

今日は診療後に秋からレギュラー出演予定の文化放送の方との打ち合わせ、そして今は電話でアエラの取材。女性管理職の孤独について。私も女性部下と女性上司の両方を経験しているので、自分自身を振り返りながらの部分もあった。再来週号だそうです。

________________________________________

7月17日(金)

 

拙著「10代の子をもつ親が知っておきたいこと」 http://amzn.to/1M8OYkI 「拒食症・過食症を対人関係療法で治す」http://amzn.to/1M8OYkI がそろって増刷との連絡。摂食障害はどの本を読むかによって経過が変わる。ぜひ拙著を。

 

摂食障害はその代表選手だが、患者さんが誰よりも被害者なのに、「わがまま」と厄介者扱いされるのは、極めて非科学的だ。トラウマ症状を持つ人も激しい怒りを持つ。激しい怒りをぶつけられた人の反応はご存じの通り。「医学モデル」は徹底すべき。

 

私が治療者養成においてこの頃声を大にして言うのは、「無条件の肯定的感覚(ロジャーズ、精神療法の共通因子)」と対人関係療法の戦略を両立できない人は、前者にのみ集中してほしいということ。治らないのは、傷つくよりもずっとましです。

 

ガンジー主義の僧侶の友人に「こんなときガンジーはどうするだろう」と聞いたら、海外から「断食」という返事をもらった。心の平和は社会の平和。平時にはお祈りや瞑想でよいのだけれど、今みたいに時間がないときには直接行動に出る必要がある。それが断食だと。

 

私自身断食をしたこともないし、摂食障害の専門家として全面的賛成はできない。しかし、「直接行動」は、プラカードを掲げることや大声を上げることだけではなく、「断食」も入るのだ、というのは新しい気づき。この暴力を、暴力的でなく納めたい。

 

一番のお勧めは、専門書の体裁をとりながら当事者にも読んでいただける「トラウマの現実と向き合う ー ジャッジメントを手放すということ」(岩崎学術出版社)、あとは「対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD」(創元社)です。 https://twitter.com/pinkrascal/status/622024702903517185

 

癒されていない心と、現在の政治判断がリンクしていると思うからこそ、政治をそのままにしておきたくないのです。社会に目を向ける前に、自分自身の心に目を向けたいのです。癒されていない部分がない人は、戦力に頼らないはずなのです。

________________________________________

7月18日(土)

 

「自虐史観」というものを、改めて振り返ってみた。自分の国の過去を直視する姿勢のどこが「自虐」なのだろう。新刊に書いた「いつでも自分が正しくないと気が済まない人たち」=「自己肯定感の低い人たち」のレベルに国を落とすことこそ、自虐的だと思う。

 

私は確か高校時代、周恩来という人がいて、日本の人民と、日本の軍国主義を明確に区別し、前者は後者の被害者だった、と言っていることを知り、とても感動して人類の未来を感じたのを覚えている。人間はそこまで大きな視野を持てるのだな、と感動した。

________________________________________

7月19日(日)

 

今日、認知療法学会研修会で講演をしていたら、何と慶應医学部の4年生が受講していた。自分の大学4年時代を思うと、びっくり。医者になったら遊べないだろうという見通しのもと、学生時代はとにかく勉強しなかった。実際医者になってからはほとんどオン・オフ区別のない生活。

 

(1)これは複数の自民党関係者から聞いたから本当のことだと思うが、自民党で安全保障に真剣に取り組んできた人は、今回の法案によって日本に危険が及ぶ可能性が高まるという懸念を持っているらしい。ますます大変なことだと思う。ただし、今の民主党に期待するのは非現実的。

 

(2)現実的なシナリオは、安倍内閣の支持率が下がることによって、党内の多様な意見が自由に言えるようになること。自民党の中にも、人格的に信頼できる、平和を願う人がいるのです。今の私は民主党ではなく自民党ハト派がそれだけの自由を手にすることが願い。

 

(3)今までも繰り返し指摘してきたことだが、小選挙区制になり、官邸主導が強まる中、それも「刺客」などという手段までできてしまって、与党が多様な意見を包含できなくなっている。選挙制度は絶対に変える必要があるという信念は手放せない。

 

正直に言って私は自民党に投票したことが一度もないが、今勢力を盛り返してほしいのは、宏池会などハト派の自民党の人たち。かつて田岡俊二さんに「バカ派」と呼ばれていいたように、民主党内には非現実的なタカ派もいるから。

 

土井さんといえばおもしろいエピソードがあります。栃木1区から落下傘で立候補した私は、社民党の候補者から「地縁もない人間に・・・」と公式リーフレットで批判されました。その署名が土井さんでした。 https://twitter.com/mind_water/status/622732637082234880 …

 

私はすぐに土井さんに手紙を書きました。「憲法には、国会議員は地域の代表ではなく国の代表と書いてある。尊敬する憲法学者である土井さんがこんなことを書くなんて」と。当選直後、土井さんは「一度ゆっくり食事でもしましょう」と言ってくださいました。実現はしませんでしたが。

________________________________________

7月20日(月)

 

私の希望としては、今回の安保法制という危機を機に、みんなの「平和ぼけ」が治ること。日本は国際的に戦争を放棄したから、今までの生活を享受できた。ただ、疎外される人が増えると、コントロール不能な戦時(テロがこれ)に入る可能性があることも同時に重要な視点だ。

 

そう考えてみると「積極的平和外交」というのは、本来、「私たちは平和を何よりも大切にしていますよ」というアピールを対外的にすることなのではないか。

________________________________________

7月21日(火)

 

日本実業出版社からの「誰と会っても疲れない「気づかい」のコツ」 http://amzn.to/1fiGJWi と「対人関係療法のプロが教える 誰と一緒でも疲れない「聴き方・話し方」のコツ」amzn.to/1DrAcyi がそろって増刷とのお知らせ。

 

今日は増刷情報が相次ぐ。先月刊行したばかりの「自己肯定感、持っていますか?」がまた増刷になる。これだけ短い間に、それだけ多くの方の元に届いているというのは、とても元気づけられる。今の日本への一つの処方箋として書いた本。http://amzn.to/1TNLwhL

 

また、「大人のための「困った感情」のトリセツ」http://amzn.to/1Ou8hEv 「身近な人の「攻撃」がスーッとなくなる本」http://amzn.to/1DrVwUg もそろって増刷。自分を責めたり人から責められたりして傷つく人が減りますように。

 

嬉しいご提案です♪♪ 「写真集に耐えない」とスタッフに言われそうですが、一応相談してみますね。提案していただいただけで顔がにやけています。ありがとうございます。 https://twitter.com/unazuki3/status/623470379416182785

 

どうでもよいことですが、アマゾンの順位だけを見ていると「ああ、この本は読まれていないんだな」とがっかりするものも、ちょくちょく重版になるということは、書店でよく営業していただいているということなのですね。足で営業していただいている。ありがたいことです。

________________________________________

7月23日(木)

 

AHの心を持ってみると、政権をただ批判するのはやはり「怖れ」だろう。分離の方向だから。それよりも、目指したい方向を示していく方が心の平和につながるだろう。今の政権が闇だとしても、光を当てれば闇は消える。光の方向を示してくれる学者や活動家の方達に多くを学びたい。

 

ありがとうございます。私は現職議員の頃に、どうしてこんなにも知性とすばらしい人間性を兼ね備えた人がいるのだろうかと、感動したことが度々あります。残念ながら一般的な知名度はそんなに高くありません。でも間違いなく希望なのです。 https://twitter.com/hHefAF1Nlx9A9Wc/status/624145500929855493

 

「怖れ」については難しいですね。でも私は民主党政権がだめになったのは、もっぱら怒り(怖れ)に基づいていたからだと思っています。事業仕分けはフランス革命のギロチンのようでした。怒って分離するよりも、主権者が前向きに力を合わせられる方向に持って行ければ。

 

一応言っておきますが、私は誰よりも強く今回の安保法案に反対していますし、戦争をしないことが政府の最大の責務だと思っています。

 

(1)もちろん精神科医としての矜持は、患者さんと個人的な関係を持たないこと。医師が治療を求めてきても、治療期間中は私は個人的な交流を持たないし、知らない人のふりをする。これは医師を燃え尽きさせないだけでなく、患者さんにも「いつなら話せる」という安心感を与える。

 

(2)一般に、私は(そして多くの同僚も)精神科患者体験のある人がメンタルヘルスの仕事を目指すことは勧めない。もちろん自分の経験を生かして人の役に立ちたいという気持ちは貴重だ。でも、効果的な治療のためには大きな視野が必要で、患者さんと共鳴してしまうようでは難しい。

 

(3)ただ、その頑固な感覚も、最近少し和らいで来たと思う。拙著「トラウマの現実に向き合う」にも書いたが、自分の問題と相手の問題をちゃんと分けられる人はプロになれるだろう。だいたい私だって、ピカピカに健康なわけでもないし。

 

(4)一番の問題は、自分の癒しを患者さんにゆだねてしまうこと。患者さんには患者さんなりの癒しが必要なのに、共鳴してしまって、患者さんが置いてけぼりになるのは最悪だ。そして、「何あの治療者は?」と反感を持てるだけの人はよいが、自分を責めるのは困ったものだ。

________________________________________

7月24日(金)

 

国際対人関係療法学会のメーリングリストで話題になっているNYタイムズの記事です。http://nyti.ms/1VcaEQV

 

たまたま、はてなキーワードで自分についての記述を見た。生まれ年1968年が1967年になっている。衆院選で栃木一区から比例復活当選とあるが最初の選挙は小選挙区当選。父の地盤? 父は自民党参院比例区で、私は衆院選挙区。地盤を引き継ぐどころか、通常得られる親の支援もなし。

 

「これまでした一番大きな経験はインド旅行」とあるが、まさか。出産とか、エベレストベースキャンプまでのトレッキングとか、大きな体験はたくさんある。

 

どうでもいいが、皇太子とは「またいとこ」ではなく「はとこ」 。そもそも書くことが不適切。あーあ、という感じだが、勝手に書かれた情報、直せるのだろうか。きっと世の中、この程度の不正確な情報に満ちているのだろうな。

 

この際ウィキペディアもチェックしたが、こちらには誤った情報は載っていないようだ。

 

「はてな」についての愚痴をこぼすと、すぐに直してくださる方がいる。人間っていいなと思うのはこんなときです。ありがとうございます。

 

自らの選挙体験を他の選挙区の方と話していて、自分がどれほど厳しい選挙(=日常生活)を送っていたかがわかった。まるでアイドルタレントのように、呼ばれたものには全部参加し名刺配りと握手。子どもと食事をするのも罪悪感。とても持続可能なものではなかった。

 

近所に越してきてくれた従兄一家を訪ね、そのお嬢さん(いとこの子の呼び方がわからない)の中学入学祝いをようやく渡してきました。小さい頃は親戚とのつきあいが大嫌いでしたが、この頃は妙に楽しいです。なんか、味方感や過去の共有がよいのでしょうね。

________________________________________

7月25日(土)

 

いつ読んでも薫り高き藤原先生のお話です。 https://twitter.com/kiichifujiwara/status/624774009419202561

 

水島広子著「仕事もプライベートも 「思い通りにならない相手」を動かす心理術」http://amzn.to/1SH8m8k 人は変えられないけれど、動かせる! 企画が通る、営業がうまくいく、上司が折れる、夫・妻が変わる。対人関係療法の第一人者が明かすスゴイ方法。(「BOOK」より)(スタッフ@mizustaff)

 

Amazon.co.jp の「水島広子 著者ページ」から、水島広子の本をご購入いただけます。作品一覧をご覧ください。 http://amzn.to/1G39QZV (スタッフ@mizustaff)

 

頑張ってくれているスタッフに感謝(涙)。https://twitter.com/mizustaff/status/624880545751654400

 

一般的な感想として、何かを成し遂げて一世を風靡した人は、後継者育成に力を注いでいないように思う。確かにそれらは正反対の方向性のものだから。その点、対人関係療法やAHは着々と次の世代が育っていて安心。

________________________________________

7月26日(日)

 

今日も専門家向けの対人関係療法研究会(旧:勉強会)でした。皆さんだんだんと「この症例は絶対に対人関係療法がぴったりなのに!」という感覚を共有できるようになっています。国際的な研究からも、うつ病、摂食障害、PTSDにとても優れた効果を示しています。

 

(1)私は自分が議員になれば対人関係療法の保険適用くらいできると思っていましたが、実際は「学会からそういう要望があがってこないから」だめだと厚労省から言われました。米国では、精神療法には製薬会社の研究費が出ないので研究が難しかったのですが、NYテロの結果を受けて、

 

(2)国立精神保健研究所の研究費によってPTSDに対する対人関係療法を含む研究が行われました。結論としては、対人関係療法は、脱落率が最も低く(特にうつ病を併存している例では)、効果は決してエクスポージャー(曝露)に劣らない、ということがわかりました。

 

(3)テロの脅威から国民を守る、というのは、一つはトラウマへの対応があります。また、もしも安保法案が成立してしまったら、米国同様、多くの帰還兵のメンタルヘルスに人材と税金を投入しなければならなくなるでしょう。そこまで全部予算措置できているのでしょうか。

 

「ママ友」との距離感 社会的な関わり方を基本に

東京新聞で水島広子が連載している【こころの健康便】の新しい記事です。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/kenkoubin/list/CK2015072702100021.html (スタッフ@mizustaff)

________________________________________

7月27日(月)

 

今朝、父の長兄が亡くなった。心理学者であったが、精神科医の私とはおよそ接点がない、珍しい関係だった(私が精神科を選ぶ上でも影響がなかった)。父は男3人、女3人のきょうだい構成だったが、これで血のつながった人は三人の叔母(父の妹)だけになった。何とも言えない気持ち。

 

ありがとうございます。次男(次兄)、三男(父)、長男の順に亡くなるという不思議な順番でした。時代の移り変わりを感じます。https://twitter.com/Already_Free/status/625611534413139969

 

本日発売のAERAに水島広子のコメントが掲載されています。 “乗り越えられる?女性管理職の孤独と葛藤 少数派が抱える生きづらさ” https://twitter.com/dot_asahi_pub (スタッフ@mizustaff)

 

そういえば私が子どもの頃、父の長兄が49歳になり、「しじゅうくさい」とからかわれていた。自分もあと2年でその年齢ではないか。びっくり。毎日をもっと大切に過ごさなければ。

 

今日は、私にとってとても大切な友人が、1年近く前に脳幹出血で倒れて以来意識不明だったところ、指筆談という手段で意思表示ができるようになった、という本当に嬉しいニュースが届きました。パートナーや親しいお友達のおかげです。涙が出ます。

________________________________________

7月28日(火)

 

ワンピースは息子と共にファン。暴力シーンが多いのはちょっと問題だけれど、多様性を尊重する漫画だと思う。ジャッジメントが絶対のものでないことを教えてくれる。トラウマの描き方もうまい。 https://twitter.com/hHefAF1Nlx9A9Wc/status/624145500929855493

________________________________________

7月29日(水)

 

郵便局で発売中の女性向け雑誌 「Kiite!」8月号   連載記事「こころの応援談」に、水島広子が書いた記事が掲載中。 今月の題材は「愛を失った私? 長年連れ添った夫とあらためて向き合うとき」 水島広子が読者からの投稿に答えています。 https://twitter.com/hHefAF1Nlx9A9Wc/status/624145500929855493

 

今はリーダーについての本を書いている。リーダーについての誤解の一つが「リーダーは毅然としているべき」。そんな誤解をときながら、リーダーの本質と、よいリーダーになるには、ということを書いていきたい。

 

それにしても80万字のスーパービジョン本の作業はかなり時間をとられる。覚悟して取り組んではいるけれども。きっと役に立つ本になるはず。収益は望めない本なので、ボランティア仕事。

 

エリートの親が子を強引にエリートにしようとする問題。エリートの親が、学業成績の悪い子どもに失望したり裏から手を回したりする問題。私自身は全く経験してこなかった。「能力に恵まれて生まれてきたのだから、それを社会還元しないのはどうかな」と父に言われたことがある程度。

 

________________________________________

7月30日(木)

 

今日は叔父のお通夜に行ったが、叔父の思い出を偲ぶと共に、久しぶりに会う親戚との交流が温かかった。私は父方のいとこが20人近くいるが、私と年が近いのはみんな男の子だったので小さい頃はいとこの輪にほとんど入っていなかった。今は無条件にありがたい存在。

 

少子化の一番の弊害は叔父叔母いとこの不在ではないかとすら思う。コミュニティでうまく補っていけるとよいのだが。

 

しかしいつまでたっても「うちの息子は私と性格が似ている」と言えば「いや、ひろちゃんはもっときつかった」と言われたり、子どもらしさに欠けていた、というイメージがみんなに定着しているのは、あーあ。でもそんな変わったところをかわいがってくれたのも亡くなった叔父だった。

 

ところで。私の最も気に入っている「トラウマの現実に向き合う」、そしてかなり気に入っている「摂食障害の不安に向き合う」、皆さんに読むことを勧めているのに、なんと、在庫なしで増刷されていないということを昨日初めて知り、大ショック。絶対に生き返らせなければ。

 

今日感動したこと。うちは割と大勢のいとこが、子どもは二人産んでいるので、私の下の世代が多いのですが、生まれたときに顔を見に行った子(今回亡くなった叔父の孫)が、何と私のツイッターをフォローしていると。親戚関係も広がりを持つようになるのだな、と嬉しく感じました。

 

私の父方の親戚はカトリックが多く(母方は末娘であった母が戦時中に兄と姉を失ってしまったため)、今日のお通夜もカトリックでした。気の短い私は「ん??」と思うこともあるのですが、故人が一番尊重していたものに敬意を払うのは大切ですね。賛美歌もちゃんと歌いました。

________________________________________

7月31日(金)

 

昨日、取材で「精神科のエキスパートでもお子さんに対して怒ってしまうというのはどういう領域ですか?」と聞かれて、改めて考えてみると私は子どもに腹を立てたことはない。冷静に、性善説的な意見を言ったことはあるけれども。

 

まさに「怒らない子育て」がテーマの取材だったけれども、私の自信作「怒らない子育て」 http://amzn.to/1gsNWV1 が知られていなかったのはちょっとショックだった。

 

私は困ると子どもに助けを求めるし、緊急事態にはくすぐって行動を止める。これが一番の省エネだし親子関係もよくなる。 私にすぐ逆上する娘(高三)も、美容院で「うちのお母さんは絶対に怒らない」「イライラをぶつけられたこともない」と言ってくれたらしく、一安心。

 

ちなみに、以上のことは「いかに私がよい母親か」という自慢話ではない。仕事をしながらの子育ては確かに大変で、コストパフォーマンスを常に考えなければいけないと思っている。子どもを疑うのは最大のマイナスだと思う。

 

ちなみに今反抗期で「母親とは口をきかない」と決めているらしい息子(中2)も、「切符をとる必要があるかどうかというのは実務的な話なんだから、反抗期は結構だけど、それくらいは答えてよね」と言うと答えてくれる。子どもは優しい。

秋から文化放送『オトナカレッジ』にレギュラー出演することになりました。

この秋から文化放送の番組『オトナカレッジ』に定期的に出演することになりましたのでご報告します。


最初の出演は9月23日(水曜日)20時から21時半の特別番組で水島が出演するのは20時5分から20時40分ころの予定です。

10月からはほぼ隔週木曜日に出演する予定です。


■放送局:文化放送


■番組:「オトナカレッジ」(火〜金曜日 20:00〜22:00)

 20時台のコーナー「趣味・教養・実用の時間」で隔週木曜日 に「健康科学」を担当します。

 水島が出演する時間は20時05分から20時40分ころの予定です。


■出演スケジュール

 9月

  9月23日(水)特別番組(※野球中継の可能性あり)

 10月以降

  10月1日(木)29日(木) (※29日は野球の可能性あり)

  11月12日(木)と26日(木)

  12月10日(木)と24日(木)


■公式WEBサイト http://www.joqr.co.jp/college/

■Twitter @otonacollege


■パソコン、スマートフォンでの視聴

 radikoでも聴けます。

 関東以外で文化放送を聴取できない地域のかたはradikoプレミアムで聴くことが出来ます。


2015年6月のツイッターより(抜粋)

 

2015年6月のツイッターより(抜粋)

2015年6月のツイートのうち、反響の大きかったものの抜粋です。
スタッフによるツイートも始まっておりますので、区別のため、スタッフによるツイートはと書かせていただきます。

________________________________________

6月1日(月)

来月…というか、すでに今月になりましたが、発刊予定の「自己肯定感、持っていますか?」はすでに再校も終わりましたが、まだ編集者さんが少しでもわかりやすく、と頑張ってくれています。先ほどコメントを送ったら返事が。こんな時間まで仕事してくださって、ありがとうございます。

恩人・吉峯啓晴弁護士の葬儀に行ってきた。吉峯先生いわく「弁護士とは、人助け。悩みを自分で解決できる人もいれば、そうでない人もいる」。どんな人に対しても、同じく優しい眼差しで接しておられた。私に対しても。怖れよりも愛を選択する解決策を用意される方だった。

葬儀は無宗教で、親しい方のご弔辞と、吉峯先生が自分で作詞作曲され歌も歌ったCDの放送。選挙に出馬されたこともあり、本当に多くの方を助けてきた。高校時代の同級生であったパートナーと50年間も寄り添われた。65年という短い人生だったけれども、本当に豊か。

(1)今月は「政治をAH的に考えるワークショップ」を大阪で開くが、確かに政治とAHの立ち位置は難しい。創始者ジェリー・ジャンポルスキー夫婦も、あらゆる人とのつながりを保つために自らの政治的スタンスを公にしていない(個人的には知っている)。

(2)しかし、分離ではなくつながりを、というAHの姿勢とは自ずから相容れない政治観があるのではないだろうか。たとえば、ジェノサイドなどは。そう考えると、ジェリーの言い分もわかるが、「必要なのは癒し」ということを明確にしていかない限りは、単なる怖れに陥りかねない。

現在東京新聞で毎月連載しているコラム「こころの健康便」、本日から始まった北海道新聞ウェブ版のコラムでも紹介されることになりました。内容は同じですが、見出しのつけ方など、ちょっと違います。私の担当初日は6月27日です。

なお、北海道新聞の方によると、だれでも閲覧できる「どうしんウェブ」では記事の200字まで、会員制(=新聞購読者)のどうしん電子版では全文と、掲載があれば写真も見られます。 とのことです。

再放送です!水島広子がインタビュー出演してます。 RT @NHK_ETV: NHK Eテレ 00:25 オトナヘノベル「そのダイエット キケンかも…!?」 nhk.jp/P2043

________________________________________

6月2日(火)

 

拙著「「苦手な人」とのつきあいがラクになる本」が増刷になるとの連絡。地味ですが着実に手にとっていただいているようです。苦手感は時に生活範囲の制限にまでつながります。少しでもお役に立ちますように。 amzn.to/1cvkISg

いよいよ恐怖の出張月になった。今週木曜夜からは大阪。帰ってきてすぐロンドン。帰ってきて1日診療をしたらまた大阪で3泊。この頃友達とやりとりすると「ここから先の話は、7月になっても私が生きていたら、にしましょう」となってしまう。頑張ります。

しかし、若い頃は好奇心の強さも手伝って、「毎日違うところで寝たい!」という感覚が強かった。バックパッカーが大好きだった。やはり年なのだろう。この頃は「強行スケジュールでもいいから、自宅で寝たい」という思いが強い。

本日の北日本新聞で水島広子富山講演が紹介されました。

→女性同士の付き合い方/「領域」に踏み込まない 精神科医・水島さん講演webun.jp/item/7187242

web版は会員制ですが紙版購読者は無料で全文が読めるそうです。 pic.twitter.com/pHD11vdw0B

なお「(富山)県外や海外など配達区域外にお住まいの希望者は、月額購読料2,160円(税込み)のwebun特別会員として入会できます」とのこと。 →北日本新聞ウェブ入会案内と手続き webun.jp/regist/e_guide

________________________________________

6月3日(水)

7月の講演のチラシを見ていたら、私のことを「心療内科医」と書いていてギョッとした。私は精神科医だ。心療内科医というのは、ストレスが身体疾患に影響を与える類の病気(気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎など)を見ていく内科医だ。

残念なことに、精神科への偏見を怖れて心療内科を名乗る精神科医が少なくない。もっと誇りを持って。私から見れば、ストレスで症状を悪化させるぜんそく患者も、ストレスで症状を悪化させる統合失調症患者も同じ。

でも、内科の先生は統合失調症の治療ができないはず。精神科医としてバリバリのトレーニングを受けてきた私は、そんな自分に誇りを持っているし、決して「心療内科医」とは名乗りたくない。偏見に精神科医が迎合してどうなる。

________________________________________

6月4日(木)

人間という不完全な存在に対して優しい政策・構造が、望ましい政治だと思う。現憲法は、そういう意味で優しいものだ。基本的に人間に対して優しい目線を向けたものである以上に、政権の暴走の可能性も考慮し、権力抑制装置という構造になっている。その重みを共有したいと思う。

自分が考えた政策や制度が、時には失敗もする人間に優しい性質になっているか、常に謙虚に考えることが必要だし、それを確認していくのが国会の質疑だと思う。他者から提案された視点をただ反論して打ち返して「勝ち」と思うのでは、何と質の低いことだろう。

日本精神神経学会の学術総会のために、本日は診療後に大阪に移動してきました。イギリスから帰った後の出張も含めて、今月は1週間は大阪にいるような感じになります。何度も来ていますが、大阪は本当に興味深いところです。大阪弁が話せるようになりたいです。

(1)盟友・原口一博代議士から教えていただきましたが、今日の憲法調査会の参考人質疑では、全ての参考人が(自民党が呼んだ参考人も含めて)「安倍戦争法案」は違憲であると言われました。

(2)国会議員には憲法を遵守する義務がある。それなのに、憲法違反の法案を、これだけ最優先にするのは? 国内で疎外され、ネットカフェ難民になっている人、貧困が世代間伝達されてきていること、メンタルヘルスに無関係な人が減ってきていること。ずっと優先度が高いと思う。

(1)これは精神科医的な考察になる。疎外された、心に傷を受けた、「べき」を押し付けられてきた人は、もちろん私たちの治療対象になり得るのだが、そもそもそのことに向き合っていないと、「やられたらやり返せ!」の世界に入ってしまう。人間全体への信頼感がないからだ。

(2)でも、自分の傷に向き合ったり、「弱くていいんだ」ということがわかったりすると、本当に優しくなると感じる。他者にも寛容になる。自分の弱さを認めない限り、他人にも優しくなれない。みんな苦労しているんだな、という感覚は居心地がよいし、相手の優しい本質を見る事ができる。

 《 心の考察が進んでいないと、「自分の弱さを認める」ことと「自分は弱い人間であると思い込む」ことを混同しがちなんですよね。弱さがあるからこそ、人は成長できるのですが》

(1)同感です。そして、自分の弱さを否認して「自己責任論」を突っ走るか、「自分は弱い人間であると思い込んで」自分主体の人生を歩めなくなってしまう。私自身、「これが弱点です」と言えるものはたくさんあります(ものすごい弱点もあります)。

(2)でもだからといって、自分が弱い人間だとは思わないし、まだまだ愛を与えられる人間だと思っています。おそらく最後の呼吸まで。弱点は私たちの「入れ物」に関する話。うまく対処しながら、本質を意識して生きていきたいです。

________________________________________

6月5日(金)

対人関係療法の「役割期待のずれ」という視点は社会の平和に重要。「あの人がだめだから」と無力感に陥るのではなく「期待をより現実的なものに変えてみよう」という視点を持てれば、単なる「人格否定レベルもの」への被害者意識から「これならできる?」という主体性に道を開く。

________________________________________

6月6日(土)

大阪から戻ると国際対人関係療法学会でロンドン。学会前日には初の理事会。私が理事選で表明したのは、非英語圏への普及の必要性、特に疎外が様々な社会現象につながっている今、社会的包含?(social inclusion)に対人関係療法を生かせるのでは、ということ。

学会を前に準備のための様々なメールが飛び交っているが、国際対人関係療法学会について私が好きなところは、学会が自己目的化していないこと、常に文化的差異に目を向けていること、学術的に高い業績を持つ優れた人たちの集まりで、学術的指摘は鋭いが雰囲気はAH並みに温かいこと。

________________________________________

6月7日(日)

(1)明後日早朝には国際対人関係療法学会のためにロンドンに発つが、それに先だって先ほどメーリングリストにメッセージを流した。「英語には二つの役割がある。一つは英国、米国、カナダ、豪州などの母国語。もう一つは、『国際語としての英語』だ。私たちは『国際語としての英語』は目指すが、

(2)それ以上は必要ないと思う。日本人もゆっくり話してもらえば内容の理解はできる。だから、学会中これを頭に留めて、できるだけ「国際語としての英語」を話してもらえないか」と。理事としての私の役割は、非英語圏にも対人関係療法を広めること。そのための第一歩になるはず。

(3)す、すばらしい。投稿したばかりのメールに、大御所(理事)エレン・フランクが、「その通りだ」と反応してくれた。自身も、イタリア語などで同じ経験をしてきたと。すべての座長に、「発言者はわかりやすく話すように」と注意喚起してもらう、と約束してくれた。感涙。

(1)私の盟友(同志? 親友?)の原口一博さんが明日決算行政監視委員会で質問にたたれます。2年前に本当に最愛の妻を亡くされ、その後父上の逝去、事故による骨折、MRSAの感染で、命、少なくとも片足は諦めなければならない状態にあって闘病してきた方です。

(2)私はお見舞いの意味もあって頻繁にコミュニケーションしていますが、本当に原口さんの政治的スタンスが私のものと同じだということに嬉しい驚きを得ています。AHの価値もとてもよくわかってくださっています。

(3)心の平和という視点があったからこそ、この残酷とも言える試練を乗り越えてこられています。私は心から応援しています。今の時代、政治的なキャリアがきちんとあって、頭もよく、何と言ってもAHに共感してくださる。そんな存在は本当に貴重です。

先ほど投稿した「国際語としての英語」について、創始者ワイスマンも温かいコメントをくださった。ブログにまとめる予定。できたらご連絡します。

________________________________________

6月8日(月)

原口代議士は、今でも座って足をおろされると浮腫み、痛くなってしまうという体調。今回の質問も、腹ばいになって準備してくださいました。委員会当日はきちんと立って質疑されました。本当に、損得勘定なく、AHの精神に従って政治活動をされている人を、覚えておいていただきたいです。

________________________________________

6月9日(火)

改憲派の首相だから違憲の法律を成立させたがるのも仕方がない、という雰囲気には強い違和感を覚える。改憲派だろうと護憲派だろうと現憲法のもとに選ばれた人には憲法遵守義務があるのであって、憲法学者がそろって違憲というような法案を取り下げないのはおかしい。

________________________________________

6月10日(水)

今ロンドンです。国際対人関係療法学会です。朝の5時に空港に着き、そのままハードな一日が始まり、今やっとホテルにチェックインできました(こちらは19:30です)。午前と午後それぞれにワークショップ、その後理事会、限定メンバーのみのIPC会議がありました。

IPCとは、対人関係カウンセリング。うつ病の診断を満たさない程度の抑うつ状態の人に対して行う、簡易版の対人関係療法です。短期の対人関係療法も開発され、IPCという概念を残すべきかどうかという話し合いでした。病者の役割を与えないIPCは独特なので残すべきと言いました。

IPCもそうですが、日本で皆さんが頑張ってくださっているおかげで、以前よりもずっと意味のある報告ができるようになりました。保険適応はまだですが、日本は案外対人関係療法の普及度の高い国になってきているようです。良質なままに普及するよう、さらに頑張りたいと思います。

ちなみに、IPCの会議の言い出しっぺは創始者ワイスマン。まだまだお元気です。ワイスマンには前からかわいがっていただいていますが、今日も隣に座って意見を述べられる恵まれた立場に感謝です。

(1)今日、日本から同じく学会に参加している先生から、「対人関係療法をする人は、AHの姿勢を身につけた方がよいですね」と言われました。その理解の深さに感動すると同時に、実は自分も同感です。対人関係療法家の基本姿勢はジャッジしないこと。AHと同じなのです。

(2)しかし対人関係療法は、あくまでも治療者が患者さんに提供する治療法。AHは自分の心に対する取り組み方。全くの別物。その二つを結びつけてしまうと、AHが「治療法」と誤解されそうで心配。治療者が癒えていないとよい治療はできない、というだけの話なのだけれど。

そうそう、今日の理事会で気づきましたが、理事会メンバー(会長・副会長を入れれば9名)の中で、有色人種は私だけでした。「母国語ではなく国際語としての英語を話してほしい」という事前のメールは大変好評でしたが。これからも非英語圏・アジアを代表して頑張ろうと思います。

________________________________________

6月11日(木)

ロンドンは23時半をすぎました。すっかり帰りが遅くなってしまいました。今日から正式な学会が始まり、終了後には2回目の理事会も開かれました。対人関係療法そのものの発表もおもしろいですが、今日一番おもしろかったのは医療経済学的な話でした。

イギリスのプロジェクトの話。心の病気を治療するための投資は、医療費総額の抑制と、税収増などのプラスの効果と差し引きすると、黒字となるというデータ。心の病があると身体症状も出るし、身体疾患も治りにくくなるからです。人の幸福感を決める最大の因子も心の健康。

メンタルヘルスの話をするととかく「弱い本人が悪い」などの意見が出がちで「他人事」の日本ですが、経済的に見れば「他人」の心の病を治療していくことが自分にとっても得になる、という事実は共有していきたいです。最低限、経済的な話として。もちろん人道的にも当然のことです。

まだすぐには寝られませんが、明日も早朝から理事会です。明日の昼の総会までに、理事会案を作り上げなければならないからです。しかし、国際学会で、民主的な立ち上げから、実際に決めていかなければいけないことなど、自分に経験がなかったことを学べるよい機会になっています。

日本で学会化した場合の学会の持ち方、国際学会との関係など、私の考えを開陳したところ「とてもおもしろい、有望なやり方」と支持を得ました。あとは地方支部(日本の学会もこれになります)を作ることを促進していくのが私の担当になると思います。良質なままの普及だけが願いです。

________________________________________

6月12日(金)

またまた帰りが遅くなりましたが、学会2日目が終わりました。今朝まで断続的に3日間開かれていた理事会も議題を全部消化でき、昼の総会では理事会提案がみな承認されました。私は理事会に定期的に参加すると共に、メンバーシップ委員会の担当になります。各国への普及が課題です。

学会には、もちろん対人関係療法の研究を精力的にやっている人たちが多く集まりますが、演者の中には、より包括的な研究をしている人もいます。特に対人関係療法が専門ではない人も、データ解析の結果、やはり対人関係療法が最も有力な治療法だと言ってくれます。お世辞でなく

昨日まで知らなかったが、DSM-5の責任者、Dr. Kupferは対人関係療法学会の会員。これからもっと精力的に関わってくださるそう。メールのやり取りはあったがお会いするのは初めてだった。とてもオープンで優しい方だった。写真を撮ったのだがアップは帰国してから。

明日は学会最終日だが、私は夜の便に乗って帰国するので、朝のうちにホテルはチェックアウト。なんだか、朝5時についてその日から日程が始まり、日程が終わるや否や帰りのフライトに乗るなんて、ロンドンの高い物価をうまく避けたと言うべきか、強行軍というべきか。

今日のテーマにもありましたが、思春期の心の対策はとても重要です。自殺との関連でも、その後の人生に及ぶうつ病の反復についても。私が議員だった頃から、イギリスは子どもの心に真剣に予算をつけてシステムを作っていました。「in need」の家庭への支援ももちろんのこと。

________________________________________

6月13日(土)

今年は、対人関係療法の最初の論文が発表されてから40年。

国際対人関係療法学会はすばらしい成功のうちに終了しました。いつか日本でも開催したいですが、いろいろな意味でまだまだ力が足りません。当面は、理事としての活動を頑張りたいと思います。

40年と言えば、DSM-5の責任者Dr. Kupferと対人関係・社会リズム療法創始者のエレン・フランクは、この日曜日に結婚40周年を迎えるそう。二人とも再婚で、同じ領域、同じ大学で仕事をしていて、今もとても仲がよい。お祝いを言ったら二人とも喜んでくれた。

DSM-5の責任者Dr. David Kupferと。 

本日の理事長講演の中で、突然私がメールした内容が紹介されてびっくりしました。 

自分が強く思いを寄せている学会が終わるというのは、対人関係療法的に言えば「役割の変化」であり、当然悲しさや寂しさがある。しかし今から2年間は、理事の一人として、また、メンバーシップ委員会の委員として仕事をたくさんしなければならないので、悲しんでいる暇もなさそう。

________________________________________

6月14日(日)

航空運賃節約のため、クアラルンプールで待機中。今の日本時間を見ても全く違和感はない。つまり、時差を感じる暇もないくらいの多忙スケジュールだったということか。明朝日本に着いて、普通の生活の再開、と思ったら木曜日からまた出張だ。

今待機しているところでは、Wifiが壊れていてインターネットに接続できず、皆さんイライラしている。私が発見した接続方法を教えてあげたらとても感謝された。いろいろな国の人が聞きにきて、おもしろい感じ。

考えてみれば、私の人生の中で今ほど政治に危機を感じたことはない。これはAHで言う「怖れ」とは違い、客観的な評価(アセスメント)だと思う。疎外された人々と、攻撃的な政治体制ほど、相性のよいものはない。そういう意味で、日本は今とても懸念すべき状態にあると思う。

「怖れ」の相手に対してこちらが「怖れ」で対応すると事態はさらに悪化する。AHをコツコツと続けつつ、憎悪や軽蔑の思いを持たないように気をつけている。平和な心の自分にできるだけのことをする。そして、平和な心で応援したい人を応援する。力の出し惜しみはしたくない。
________________________________________

6月15日(月)

憲法を「私たちが従うべきもの」として見ている人が多いのではないだろうか。実際は「権力の乱用を防ぐべきもの」であるのに。権力の乱用が私たちの安全を脅かさないようにという歯止めであるはずなのに。「現憲法でどこまでできるか」という話が出るたびに感じる違和感。
________________________________________

6月16日(火)

先日初めて開かれた「政治をAH的に語るグループ」ですが、ファシリテーターから感想を聞きましたら、「人数は少なかったのですが、ほんとにみんながこんな風に語る世の中になれば平和だろうなと実感 しました。」でした。本当に世界に広げたいです。

拙著「自己肯定感、持っていますか?― あなたの世界がガラリと変わる、たったひとつの方法」を刊行しました。いわゆる「自分の良いところ探し」「自分を好きになろう」「生き甲斐を持とう」などとは全く別の視点で書かれた本。bit.ly/1BjVp1s
________________________________________

6月17日(水)

(1)国際対人関係療法(IPT)の理事長講演があまりにおもしろかったのでお裾分け。IPTのトップ10リスト。⑩IPTは研究における比較対照群として作られたが、実際には積極的で有効な治療法であることがわかった。⑨IPT治療者は総じて感じがよい。⑧ウガンダでは、まずい料理を作ることが夫婦間不和の解決の一つの方法となった。

(2)⑦IPTは筋が通っている。⑥IPTは、うつ病、摂食障害、PTSDに対する認知行動療法の独占に挑むものである。⑤精神科医ですらできる(水島個人の苦笑)。④IPTは年代を超えて地域を越えて、役に立つ。③IPTは効く。②私の親友にはIPT治療者が多い。①IPTは人間関係を扱うものである。

すべて、同感。

対人関係療法のよいところは、とにかく患者さんの代弁者でいること。「人間として当然」「症状から考えて当然」というスタンスのとれない人は、対人関係療法の治療者ではないと思う。もちろん小さな誤解は治療の中でちゃんと解決していけるけれど。

米国人は、ある程度の教育を受けている人なら、ものすごく厚い本を読む…一方、米国の書籍を日本にそのまま訳すのはほとんど不可能だ。量が多すぎるから。日本人は本を読まなくなったのか。

学研の雑誌「FYTTE」8月号に、水島広子に取材した 「大人の摂食障害“拒食” “過食”の乗り越え方」という記事が掲載!診断基準、Q&A、体験記、克服のためのヒントなどが載っています。 fytte.jp/magazine/ pic.twitter.com/PW57yXNLMw

________________________________________

6月18日(木)

しかしまあここのところは体育会の合宿でも思い出すような日々。先週火曜日早朝に出国し、ロンドンで学会(当然宿に帰ると寝る時間を過ぎている)。早朝から会議。月曜日の朝に帰国。昨日は診療して、今日からは名古屋→大阪→京都→大阪と、帰宅できない日が続く。

名古屋で経営者の方向けの講演を終えて、新幹線で大阪に移動中。ブラックな企業が問題となる一方で、従業員のメンタルヘルスのために真摯に悩んでいらっしゃる経営者の方たちがおられることは朗報。経営者のメンタルヘルスと従業員のメンタルヘルスは本来比例するものだと思う。

編集者さんから連絡があり、新刊の出だしがよいとのこと。今までの拙著が比較的「困り感寄り添い型」だったのに対して、今回はそれにプラスして「知的好奇心くすぐり型」だと。うまいことを言うものだ、と感心。 bit.ly/1BjVp1s

私は化粧をしないが、今日の講演の主催者の方から「肌がつるつるに見える化粧をしているのかと思った」と言われて、ちょっとよい気分だった(まあ確実に年はとっているのだが)。大阪に着いて、ようやくホテルに落ち着いた。明日は大阪で初めての、専門家向け対人関係療法セミナー。

________________________________________

6月19日(金)

今日は「創元社セミナー」という形で、いつも東京で行っている対人関係療法専門家養成のための入門ワークショップを大阪で終日行った。やはり会場の温かさが心地よいし、アンケートを拝見しても「温かかった」というものが多く、対人関係療法の温度を体験していただけたのだなと嬉しい。

この月曜日に帰国するまで出席していた国際対人関係療法学会についても、今メーリングリストに後輩からの報告を書いてもらっているが、「学会そのものが温かい」という意見が主流。対人関係療法は人間が持つ力を信じる治療法だが、人間を信頼し合う専門家同士も当然よい雰囲気になる。

今日で大阪は2泊目(6月通算では4泊目)。明日は京都まで行ってトラウマストレス学会でランチョンセミナー。トラウマ関連の学会で対人関係療法がきちんと話されるは日本史上初めてだと思う。でもこれは間違いなく、今後治療のスタンダードに入ってくると信じている。

どんな治療法を専門にするか、というのは今のところ治療者の個人的特徴をかなり反映していると思う。ただ、「鑑別治療学」は患者さんにどの治療法が合うかに基づいて判断するものである。自分の専門があれば、それの長所と短所、どういう理由でお勧めできるかくらいは言えたい。

安保関連法案は、与党が強行採決を決めれば障害なく通せる状態になっている。私が周りの人と話した感じでは、「まさかそんな戦争に巻き込まれるなんて」というふうな人が比較的多く、こういうのが「平和ボケ」と言うのかなと思った。平和のためには意志が必要だ。

精神科医としての専門である対人関係療法と、趣味というかボランティア活動のAH。それぞれ違う経路で出会ったものだが、私はどちらも深く愛しているし、今後の世界の運命を握るものであるような気がする。つまり、人間の力を必ず引き出してくれるもの、ということだ。

私はこの10年間、政治という「色」を抜くための努力をしてきた。立場を明確にしない方が、あらゆる人とつながることができ、AHの普及に役立つからだ。それはかなり成功してきたと思う。また、今でも、「外で何が起ころうと心の平和を保つことはできる」ことを信じている。

「政治色」を抜くということは、政治に対する関心を失うこととは違う。政治や選挙のシステムなど、あるいは憲法の位置づけについて、より根本的なところで「怖れ」を手放し、人の本質であるあたたかいこころ(愛)を発揮するための提案をしてきたつもりだ。これは党派に関係なく。

(1)もちろん「疎外されている人を減らしましょう」などのメッセージは発してきた。しかし、リアルタイムで国会でトピックになっていることについて、自分の賛否は明らかにしないようにやってきた。賛成する人にも反対する人もそれぞれの事情がある。どちらかを押しつけるような

(2)ことは、AHの精神にすら外れることだと思ったからだ。もともと血気盛んな私にとって、これは案外な修行であった。しかし、今回の安保法制はどうだろうか。私たち日本人の一つの美徳に、「先祖を尊ぶ」というものがある。本当に私たちは先祖の苦しい経験から学んだのか?

特攻隊に行くことになって、たまたま機体の故障のために戻っている最中に終戦を迎えた安倍首相の父上晋太郎氏は今の息子を見てどう思うのだろうか。「あんな馬鹿な戦争」と、自分の義父が責任を担っていた戦争を位置づけた晋太郎氏だったら。

いろいろ考えてみると、「先祖は大切に」とか「親の言うことを聞こう」などといういわゆる「日本人の美徳」を最も裏切るのが今回の安保法制であるように思う。私は若い頃日本が嫌いだったが、年をとるにつれ、その価値に気づいてきた。だからそういう視点を持てない今回の法案は

本当に困る。確かに、疎外された若者が、「人生をすべてリセットしたい」と望む気持ちはわかる。しかしそのリセットの方法は、何もの人命を巻き込んだ政治である必要ではなく、単に政治機構を変えたもので十分なはずだ。まあ、引き続き注目して行くつもりだ。

________________________________________

6月20日(土)

今日は大阪から京都まで出張?し、トラウマティックストレス学会で「PTSDに対する対人関係療法」の講演をした。有料ランチョンセミナーであったにも関わらず、多くの方が参加してくださった。今年はNIMHの大規模研究の結果が発表された年であり、最新の報告ができてよかった。

いろいろな治療ガイドラインで「PTSDの治療にはエクスポージャー(曝露)が必要」とされている。しかし、トラウマ体験そのものには手を触れず、現在の対人関係に焦点を当てる対人関係療法は、恐怖を伴わず、現在の生きづらさを扱う治療法としてニーズがある。

対人関係療法で現在の対人関係が改善され自信を得た人は、自らトラウマ体験にエクスポージャー(曝露)するようになる。エクスポージャーと対人関係療法、入り口が違う二つの治療法が結局同じことを達成するのであれば、入り口は複数あった方がよい。対人関係療法は脱落率も低い。

今回の大会長・岩井圭司先生(精神科医・兵庫教育大学教授)は、前から存じ上げていたが、中井久夫先生(神戸大学名誉教授)のお弟子さんということを今日初めて知った。岩井先生に拙著「トラウマの現実に向き合う」をご紹介くださったのも中井先生だそう。改めて感謝。

PTSDに対する対人関係療法を開発した私の兄貴分マーコウィッツに先日ロンドンで今回の学会の話(日本の学会でPTSDに対するIPTを初めて話すこと)をしたら、「僕のスライドをあげようか?」と言うくらいに喜んでくれた。結局スライドはもらっていないが…。

NIMH研究の結果で興味を引いたのは、「持続エクスポージャーを受けたい」と希望した人が対人関係療法を受けても問題ないが、「対人関係療法を受けたい」と希望した人が持続エクスポージャーを受けると症状がむしろ悪化したということ。複数の治療の選択肢は絶対に必要だと思う。

しかし、現在の対人関係に取り組むことでフラッシュバックも軽減されるなんて、本当に人の精神は興味深い。何となく選んだ精神科だが、今では本当によい選択をしたと思っている。

「職場の仲間とギクシャクしていたり、仕事ができない後輩や話が通じない上司に頭を抱えていたり……」水島広子のインタビュー記事が掲載されています。 →「どんな職場でもうまくいく秘訣」 | 「マイナビウーマン」 

水島広子講演のお知らせ: 「人材育成・組織づくりの知恵」【なぜ、“女”は、組織を乱すのか?】 7月6日(月)13:30より 会場:豊島区立舞台芸術交流センター(あうるすぽっと) 詳しくはこちら→http://fwseries004.peatix.com/#thisiscanonical

 

中井久夫先生の話が先ほど出たので、もう一言。以前にツイートしたかもしれませんが、中井先生は阪神淡路大震災のメンタルヘルス切り込み隊長でした。トラウマをよく勉強され、とても尊敬できる方です。拙著「トラウマの現実に向き合う」を読んで、手書きのお手紙をくださいました。

さて、出張がちだった6月も今夜で終わり。大阪には通算5泊、ロンドンに3泊、飛行機におそらく2泊。明日のAHのワークショップが終わったら、夜東京に帰る。子どもたちが成長したので可能になったスケジュールだが、こちらも年をとって「家のベッドで寝たい」です。

________________________________________

6月21日(日)

「政治とのAH的な関わり方」ワークショップ、とても温かく未来につながる力強さをもって、大阪で行うことができました。参加者の皆様に感謝します。私たちは政治にまつわる怖れに触れているばかりで、実際の政治に触れたことはないのではないか?という刺激的な発見もありました。

以前ジェリー・ジャンポルスキーが「愛のメガネで見る」ことを端的に示してくれたハートのメガネ、パリで買ったと言っていましたが、何と、大阪にも普通に売っているようです。私もちょっと借りてかけてみました(左)

他のテーマは本でカバーできても、「政治とAH」だけは体験しないとぴんとこないかもしれない、と思い、これからもちょこちょこ開催したいと思っています。

「自分はちゃんと生き延びるのだろうか」と心配だった出張の嵐の6月。とりあえず無事に帰宅してホッとした。連日の講演は一応満足できる内容だった。さすがに今朝あたりは疲れ気味だったが、これはさすがAH効果、ファシリテーターをしていたらかえって調子がよくなった。

________________________________________

6月22日(月)

とても気になるのは、安保法制に主な(私から見ると偏執的な)エネルギーが傾けられてしまって、今の日本にとってもっと重要なことが置き去りになっていること。より基本的な「人間の安全保障」のためには、貧困、社会保障制度のあり方など、もっと優先して取り組むべき課題がある。

「政治をAH的に考えるワークショップ」を2回行ったが、どちらにも共通したのは、朝「政治とAHなんてあまりにも対極的でどう結びつくのかわからない」と言っていた人も、夕方には「政治こそAH」と腑に落ちてくださること。この気づきをもっと共有していきたい。

________________________________________

6月24日(水)

私の父は亡くなるまで「戦争を思い出すから」とカボチャを食べなかった。友人の親でも、芋類やカボチャを同じ理由で嫌がる人が何人もいる。子ども時代、食べようとしていたものを見知らぬ大人に奪い取られた人も。戦争には飢えがつきまとう。そういう意味でも生存の危機そのもの。

「政治をAH的に考えるワークショップ」を2回終了して思うのは、嫌なニュアンスで使われる「政治」(の話題も含む)とは、要は「怖れ」のことを示しているのだとわかる。それが「怖れ」であれば、もちろん話題にしにくいし、不安や絶望などネガティブな感情ばかりを生み出して当然だ。

AHのワークショップに参加していただけるとわかるのだが、本来の政治は、「怖れ」とは何の関係もない「形」だ。そこに愛を乗せるか、怖れを乗せるかは、他のテーマと同じ。なぜか政治だけがいつも怖れを乗せられてしまうので、忌み嫌われたり「取扱注意」と思われたりするのだと思う。

平和でない「平和運動」はしたくない。活動の内容とエネルギーが違うのは本意ではない。怖れにとらわらず、あるいは、自分の怖れと認めた上で、戦争は困るという話を続けていきたい。

相手がこうだから、自分はこれしかできないという話はしたくない。自由を何よりも重んじる私にとって、誰が何をしようと心の自由があるというのはとても大切なこと。たまたまAHでも同じことを言っているが、「外で何が起こっていようと心の平和を選ぶことができる」のはその通りだ。

同時に、それは「外で何が起こってもよい」という意味ではない。自ずと、心の平和に合った環境がある。戦争のない社会もその一つ。「形」としては「戦争のない社会」を目指す。でも、心の姿勢としては「怒り」ではなく「心の平和」を目指す。それが私の今の目標。

スピリチュアリティを「べき」で考えてしまうと、どうしても苦しくなる。そうではなく、自分の感じ方を肯定し、「人間だからしょうがないな」と思えることこそ、AHの第一歩だ。

________________________________________

6月26日(金)

女性医師向けサイト『Joy. net』に水島広子のインタビューが掲載されています。 joystyle.net/articles/14 ”この連載では、インタビューを通じて一人の女性医師がどうキャリアを築いてきたのかに焦点を当てていきます”

私は新刊「自己肯定感、持っていますか?」を今の社会の空気を吸いやすくするために書いた。他人へのリスペクトがないところに自己肯定感はできない。現政権を見ていると、とても意見の違う相手をリスペクトしているように見えない。保守ってそんなに非人間的なものだったか?

今の自民党に見られるような、言論の弾圧(勉強会の抑制、OB議員の発言抑制、マスコミへの圧力と癒着)は看過できない。官僚出身者と松下政経塾出身者に支配されている今の民主党が代替勢力になるとは到底思えないけれども、民主主義を守るために必要なことは最低限押さえておきたい。

この前の国際対人関係療法学会でアイルランド人と会ったが、彼らは「自分たちは敬虔なカトリックだが、国民投票の結果同性婚を認めた」と誇らしげにしていた。「つまりそれほど人権意識が高いっていうこと?」と聞いたら「さあね」と答えていたが。日本もそんな国になってほしい。

________________________________________

6月27日(土)

精神科の医療は、良心的な提供者によって、人手不足の中何とか頑張っている。しかし安保法制が成立した暁には、PTSD等を病む人が自衛隊員を中心に増えるだろう。その受け皿が日本の臨床にあるかと言えば、ないと思う。

日本はもうだめか、と絶望的になっていたところ、重病から生還してくださった原口一博さんが心の平和の重要性を含めて、今までの政治的キャリア、本来の頭のよさを生かして、安保法案の委員会質疑に立とうとされている。こんな頼もしいことはない。人格、政治志向とも信頼し切れる方。

やはり人の障害度に最も影響を与えるのが、精神科的障害なのです。最も重視すべき領域だと思います。精神的に健康であれば、身体障害など、多様な受け入れ方ができます。「自殺するくらいならいろいろな就労支援を生かしてほしい」と言う人は、本質をわかっていないと思います。

________________________________________

6月28日(日)

今日は対人関係療法研究会の「特別編」で、参加者が治療をしている患者さんの役、私が治療者の役をする、というロールプレイばかりの一日だった。質を落とさず普及させるためのトレーニング法は常に考えているが、今日の形式は「勉強になった」との感想も多くホッとした。

今日の研究会の感想として世話人の一人が言っていたのは「患者さんを演じる治療者の皆さんが、あまりにも迫真の演技だった(本当に、アカデミー主演賞をとれるくらいに!)のは、日頃から患者さんのことをきめ細かく見ているからだと思った」ということ。まさに対人関係療法の魂。

国内外で対人関係療法に関わっていると、その中心となる人間へのリスペクトや温かさをどんな場面でも感じる。もちろん治療の場で。あるいは、治療者の指導の場で。治療者同志の交流で。学会の運営の仕方で。どこにも評価を押しつけたり怖れをあおる場面がないのが、とても好きだ。

自衛隊の場合、「個人の感情など押し殺して仕事をすべき」という「モラル」があるため、対人関係療法的視点から見ても、メンタルヘルスにはすごく弱いと思います。マッチョこそ適応力がなくメンタルに弱い、ということをうまく共有していければよいのですが。

今回の安保法案は、子どもや大切な人たちのことを考えて絶対に反対ですが、自衛隊員の方達のことを考えても反対です。トラウマ体験を慢性PTSDに移行させるかどうかの一番の鍵が、社会的サポートです。でも、「個人の感情など押し殺して…」では、よいサポートが得られません。

(1)ときに。自衛隊員に違憲である可能性のある任務を背負わせることについて、自衛隊員への思いやりはないのだろうか。自衛隊に志願した時点で、死んでもよい人たちだと思っているのだろうか。

(2)私が臨床的に知っている自衛隊員の方達は、案外トラウマ持ちである。だから自虐的であり、自分により厳しい条件を課そうとして自衛隊に入隊した人もいる。安倍首相は、そういう人に命の危険をおかして、国際関係を乱す仕事をさせようとするのか。必要なのは癒しだと思うのだが。

________________________________________

6月29日(月)

水島広子が北海道新聞「どうしんweb」で始まった「週刊コラム(5人の視点)」で「こころの健康術」というコラムを担当しています。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/lifestyle/weekly_column/
http://www.hirokom.org/news/dosihi-column.jpg

「どうしん電子版は、北海道新聞購読者向けのサービスです。 北海道新聞を定期購読されている個人契約の方が対象となり、会員登録をすることでご利用いただけます。また、現在北海道新聞を購読されていない方も、新聞購読と同時に… 
https://dd.hokkaido-np.co.jp/member/https://dd.hokkaido-np.co.jp/member/

”「イライラ」は…” 東京新聞:<こころの健康便>に水島広子の新しいコラムが掲載されました。 イライラを抑えるには 相手の事情をくみ取ろう:栃木(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/tochig…

________________________________________

6月30日(火)

拙著「自己肯定感、持っていますか?」amzn.to/1U3eX05 と「本当の自信を手に入れる9つのステップ」 amzn.to/1GJBTrn がそろって増刷になる。似たようなタイトルだが内容は全然違うのでぜひ両方読んでみてください。

「自己肯定感、持っていますか?」amzn.to/1U3eX05  は、刊行から1ヶ月もたたないうちの増刷決定。今の社会の癒しになれば、という思いを込めて書いた本なので、多くの方に読んでいただけるのは嬉しい。

「Kiite!」7月号に「水島広子のこころの応援談|仮面をかぶる私」が掲載されています。 kiite-kiite.com/latest 「Kiite!」(きいて!)は全国の郵便局で買える女性向け月刊誌です。

 

『なぜ「女」は組織をみだすのか?』をテーマに、池袋の「あうるすぽっと」で講演をします

7月6日(月)池袋のあうるすぽっとで、 『なぜ「女」は組織をみだすのか?』
(かぎかっこ付きの「女」です)を テーマに、会社組織と女性がともに成長するためのポイントについてお話しします。

◆人材育成、組織作りの知恵 連続講座 第4回

◆講演タイトル:『なぜ「女」は組織をみだすのか?』

◆主催:
一般財団法人フレームワーク普及促進会協会 株式会社ベーシック共催

◆日時:2015年7月6日(月)13:30~16:20(13:20開場)
 (水島の講演、インタビューは13:50~15:50となります)

◆場所:豊島区立舞台芸術交流センター(あうるすぽっと) B会議室
   〒170-0013 豊島区東池袋4-5-2 ライズアリーナビル3F

◆参加申し込み:要事前申し込み。A、B いずれかの方法で。

 A)社名、部署名、役職名、お名前、TEL/FAX番号、E-mailを明記の上、
Email: office@basic7.com 、またはFax: 050-3730-3779 まで
お申込みください。

 B)講座申込URL http://fwseries004.peatix.com/ から
お申込みください。

◆申込み締切り 7月2日(木)

◆参加費:5000円(税込み)

◆問合せ先:
一般財団法人フレームワーク普及促進会協会
株式会社ベーシック
〒162-0821 東京都新宿区津久戸町1-1-201
TEL 03-6265-0286 FAX 050-3730-3779
Mail:office@framework.or.jp

◆詳細は下記をご覧ください。(こちらからもお申込みできます)
http://fwseries004.peatix.com/

「自己肯定感、持っていますか? ― あなたの世界がガラリと変わる、たったひとつの方法」を刊行しました

 
「自己肯定感、持っていますか? ― あなたの世界がガラリと変わる、たったひとつの方法」を刊行しました。
 
いわゆる「自分の良いところ探し」「自分を好きになろう」「生き甲斐を持とう」などとは全く別の視点で書かれた本です。
 
内容紹介
(出版社より)
いつも不安、他人に振り回される、人間関係が辛い…その原因は「自分を認められないこと」にあった!「他人をリスペクトする」「本当のつながりを味わう」……等々、全く新しい「自信の育て方」を対人関係療法の第一人者が語る
 
(図書館流通センターより)
人生を思い通りにコントロールできる! 対人関係療法の第一人者が贈る、楽しく、ラクに生きるヒント。「他人をリスペクトすること」を、自己肯定感を高めるカギにして、全く新しい「自信の育て方」を紹介します。
 
 
出版社:大和出版
 
定価:¥ 1,512(税込み)
 
大和出版 http://goo.gl/RTRaqr
楽天ブックス http://goo.gl/SWqtpw
セブンネット http://goo.gl/vzpeKT 
(セブンイレブンの店舗受取時支払いができます)

2015年5月のツイッターより(抜粋)

2015年5月のツイートのうち、反響の大きかったものの抜粋です。

スタッフによるツイートも始まっておりますので、区別のため、
スタッフによるツイートは(スタッフ)と書かせていただきます。

2015年5月のツイッターより(抜粋)
____________________________________

5月1日(金)

今度講演する会社で拙著「大人のための『困った感情のトリセツ』」を皆さんに配布してくださることになった。版元の方は「社員教育にこの本を使うなんてすてきな会社ですね」と。大手で恵まれているから、などと言ってしまえばおしまいだが、こういう話は明日の希望につなげたい。

以前から、AHを義務教育に取り入れてほしい、という声は一貫してあった。私自身、AHの考えを基盤にした学校を作ってみたいと思ったこともある。私たちの子孫が幸せに地球と共に幸せに生きていくための最後の手段のようにも思っている。得意分野の方、ぜひご連絡ください。
____________________________________

5月2日(土)

私のウェブサイトから、東京新聞に毎月連載しているコラム「こころの健康便」にリンクできるようになりました。私の顔写真の右下あたりです。 http://www.hirokom.org/ 
とちぎ版からスタートしていただきましたが、現在北関東全域に載っています。

子どもにもAHを、と考えるとき、まず私の頭に浮かぶのは「子どもこそAHの先生」ということ。小さい子どもたちは、おもちゃの取り合いで喧嘩はしても、他人の人格に評価を下したりしない。喧嘩をしても直後には仲よく遊び、今を生きる天才。助けてと頼めば限りなく優しい存在。

子どもの中の温かさを見つけて「○○ちゃんは優しい子だね」とほめてあげたり、かんしゃくを起こしている子どもを見て「○○ちゃんは困っちゃったんだね」などと確認してあげることが、子どもと一緒にAHの絵本を読むような体験になるのではないかと思っている。
____________________________________

5月3日(日)

今朝の朝日新聞で読んだが、九条改憲論者だった方が、シリアで「日本人だから」と命を救われ、九条の重みを知った、というエピソードは、安全保障を考える上で象徴的だと思う。頭の中での「理想」と現実はかなり違うということだ。

私は「無防備の中に安全がある」というAHの言葉が好きだが、「我が国は戦争しない」と公言することが、自国の安全を守り、他の国の人たちからも「進むべき方向」として見られていた、という貴重な時代をどうしてわざわざ壊してしまったのだろうか。現実を知らないとしか言えない。

同時に、世界平和のためには自分の心の平和、という原則は私の生きる柱。情勢が心配だからと、自分の心の平和を犠牲にするのは本末転倒。絶望している時間があったら、コツコツと、執筆、講演、AHの活動、身近な人たちに与えることを積み重ね、暴力的でない表現を心がけたい。

それが誰に押しつけられたものにしろ、戦争放棄というのは明らかに時代を先取りしたものだ。言語も持ち、家族を大切にする人間は、戦争以外の解決手段を必ず持っている。疎外感のあるところに戦争が起こってくるのだとしたら、日本の経済貢献は平和的な方向に働き得るはずだ。

唯一の被爆国という立場も、他国から軽視されない根拠になる。これは、いろいろな国の人との交流で身にしみた。どん底を知ったからこそ、前を目指せる。「勤勉で、誠実で、平和主義の日本」。そんなブランドがあったからこそ、私は40カ国以上の国を平和に旅することができたのだ。

そんなことを考えながら、私が今加筆修正中なのが、リスペクトの本なのです。まさに今の時代にヒットすると思います。自己肯定感が低い人が多い中、その解決策が他者へのリスペクトにある、という話はものすごい朗報ではないでしょうか。6月刊行予定です。

私は戦争が嫌いです。暴力も嫌いですし、子どもとの日常生活を壊すものが全て嫌いです。自分の生育過程は決して順風満帆なものではありませんでしたが、戦争の不安がなかったことだけは感謝しています。同じだけのありがたみを、我が子にも与えたいと思っています。どうでしょう。
____________________________________

5月4日(月)

(スタッフ@mizustaff )
昨年11月に朝日新聞「be」に掲載された水島広子のインタビュー記事がデジタル版にもあがっていました。
(元気のひみつ)精神科医・水島広子さん 「心の掃除」広めたい:朝日新聞デジタル : http://digital.asahi.com/articles/DA3S11465819.html (全文を読むには無料の登録が必要)

「これから戦争になるのなら、留学もできなくなるし何かを努力しても意味がなくなる。だからもう何もしない。どうせ死ぬから勉強しても無駄」と言う若者に出会った。ちょっと前まで言っていた「世界のいろいろな人とつながりを深めて豊かな人生を歩もう」という話はどこに。
____________________________________

5月5日(火)

今朝の朝日新聞で知ったこと。故・菅原文太さんは、政治の役割は二つ、一つは国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を与えること、そしてもう一つは絶対に戦争をしないこと、と演説していたそうだ。まさにぴったりくる。

愛と怖れでは、結局愛が強い。怖れとは、愛を求めている人の悲鳴だから。だから私は、「戦争反対!」というパフォーマンスよりも、怖れている人たちの癒やしに力を入れている。日本人が政治にそれほど関心がないとすれば、癒やしの方にもっと関心があるかもしれない。

ふう。やっと「リスペクト」の本の書き直しが終わりました。自分を癒やすことなく他人を癒やすこ不可能だと思います。癒やされた人と関わっていると、自分も癒やされてきます。このあたりの人間が及ぼせる影響は、感動的です。 https://twitter.com/mind_water/status/5955826614914334730

政界には戻らないと決めて以来、政界のいろいろな問題が目につく。政界に戻るという目標を持っていたら、こんなに自由に発言できなかったのだろうなとも思う。私の同志の原口一博衆院議員は、そんな私を「どこまでもまっすぐ」と言ってくださった。明日死んでも後悔はない。
____________________________________

5月6日(水)

昨日直しが終わったと思った「リスペクト」の原稿、今日見てみたらまだ不十分だった。とりあえず今の自分が納得できるまで直した。結果としては、水島版「ゆるすということ」になった気もする。売れにくいテーマかも知れないが、皆さん読んでください。6月刊行予定です。
____________________________________

5月7日(木)

今日はテレビ朝日のインタビュー収録でした。ディレクターもインタビュワーも女性、カメラのみ男性でしたが、とても楽しい現場でした。放映日など詳細がわかったらお知らせします。
____________________________________

5月8日(金)

政治活動中私を悩ませたデマだが、今度は栃木では「水島はキリスト教の日本代表になった」から仏教徒とはつきあえない、というデマがあるらしい。AHのことを故意に勘違いしているのかもしれないが、もちろんAHも私も、特定の宗教と関わるものではない。
____________________________________

5月9日(土)

自分の中の弱さに向き合えることが、本当の強さだと思う。
____________________________________

5月10日(日)

銃の所持が許されている社会では、例えば日本であれば「名刺か財布を出すのかな?」と思われる、背広の内ポケットに手を入れる動作が、「銃を出すかも知れない」と相手を警戒させる。自己防御のための銃も当然必要となる。不信感の満ちるそういう社会に、私は住みたくない。

「戦争をしない日本」という国際的ブランドは、まさに、「誰も銃を持っていない社会」と同じだったと思う。日本がどう振る舞おうと戦争にはつながらない、日本は戦争には荷担しない、という認識は、少なくとも軍事的には他国の信頼を得ることにつながったと思う。

今度の法案が通るということは、日本も国際的に「銃の使用が許されている国」になる、ということと似ていると思う。相手の警戒心を呼べば、自分のリスクがそれだけ高くなることは当然だと思うのだが、そんなに危険好きな人が多いのだろうか。
____________________________________

5月11日(月)

ルワンダのジェノサイドなど、疎外された人たちがどれほど非人間的な言動をとるかには驚かされるが、AH的に考えれば疎外とつながりは相反することなので、考えてみれば不思議はない。もっと日常的なレベルでも、攻撃的な人は疎外されている人、と見る努力を続けたい。

(1)NYテロの日に生まれた息子(中2)は、やんちゃも勉強もスポーツも学級委員も一人旅(それも屋久島や礼文島)やキャンプへの参加も、親の私から見ていても羨ましい、頼もしく優しい存在です。友達を作る力も目を見張るほどです。この子については現在何の心配もしていません。

(2)私が溺愛して育てたから、と言えばそれまでなのですが、息子が保育園児だった頃、「いい?男はね、自分が弱い男だと知っていれば本当にいい男なんだよ。それを知らない男が女に暴力をふるったりするんだよ」と言ったら、「●●ちゃんはいい男?」と満足げにしていました。

(3)だから今でも、友達に差別をせず、とても優しいです。素行不良になってしまった幼なじみについて姉に「つきあいやめなよ」と言われても、「保育園のときからの幼なじみだからね」などと言って優しく接している姿に、つながり社会の希望を感じます。

「戦争したいなんて人はいない」という言葉を素直に信じれば(実際、戦争は国民の経済活動と健康を大きく損ねるので経済発展上明らかに不利。私は、仮に自分が生き残ったとしても、焼け野原からの再出発はちょっとうんざり)、そのための努力をしてほしいと思う。本当に戦争したくなければ。
____________________________________

5月12日(火)

部活の日なのになかなか起きようとしない息子。「抱っこしてあげようか」と言ったら「やめて!」と怒鳴られた。親友みたいだった息子も、ちゃんと反抗期に入っている。精神科医としては嬉しいけれども、母親としてはちょっと寂しい。

防犯と国際的な戦争は全く違います。防犯は警察力です。私は警察力を全く否定していないし、国連軍(私は賛成)は限りなく警察に近いものだと思う。そこまでは賛成です。もちろん国連軍はまだありませんが、安保理決議に基づくものはそれに近いでしょう。

(スタッフ@mizustaff)
5月13日(水)に、水島広子がテレビ朝日『モーニングバード』 @morningbird_tv の『イマドキ白書』というコーナーにインタビュー出演する予定です。テーマ:「女性同士の人間関係」。
詳しくはコチラ http://blog.goo.ne.jp/mizucx/e/855187f3e11ff1f2f6e7a3dfb716e26f
____________________________________

5月13日(水)

今朝のテレビの影響で、拙著「女子の人間関係」がアマゾンで12位になっている・・・もちろん売り切れていますが、来週頭までには何とかすると版元が言っていました。http://amzn.to/1JbAM99

国際対人関係療法学会(ISIPT)の理事選にノミネートされて出馬していましたが、当選したそうです。アジアで唯一の理事です。日本人で国際学会の理事というとかなり名誉なことだと思います。それも大好きな対人関係療法で。2年間の理事の任期ですが頑張ります。

拙訳「探すのをやめたとき愛は見つかる」がまた重版になるとの連絡。カリフォルニアの男子刑務所で私がボランティアしていた「ワーク」です。確かに効果的な「ワーク」で、受刑者の方たちとのいろいろな思い出がよみがえります。http://amzn.to/1IxgmIv

学会の理事選というのは国内外含めて初めて出馬しましたが、履歴と出馬表明文を英語で書いて、それをもとにインターネット上で選挙が行われました。有権者は学会メーリングリストに登録している学会員たちです。国政選挙にしか出馬したことがなかったので新しい体験でした。

今日はフジテレビのインタビュー収録でした。放映日が近くなったら詳細をお知らせします。診察室で撮ったのですが、「もっと病院という感じのところがありませんか?」と聞かれて、「ここが一番それっぽい場所なんですけど…」と苦笑してしまいました。一応聴診器とかもあるし。

(スタッフ@mizustaff)
今朝の「モーニングバード」が記事になっています。http://www.j-cast.com/tv/s/2015/05/13235020.html

収録で話したことの全体から考えると、「これだから女は困る」みたいな部分だけ強調されていた気がして、やや不本意ですが、本を読めば理解していただけるので、ぜひ本を読んでいただきたいです。
____________________________________

5月14日(木)

拙著『女子の人間関係』オーディオブック版が、以下のURLにて販売開始されました。目の悪い方や、長文を読むと目が疲れて大変という方はぜひどうぞ。
http://www.febe.jp/product/208538

拙著「女子の人間関係」、また増刷が決まったそうです。本当にテレビの影響は大きいのですね。とにかく本を手にとってくださる方が増えるのは嬉しいです。アマゾンは来週頭には入荷されるそうです。http://amzn.to/1JbAM99

安倍首相の会見を見た。今度の法案が成立することによって「日本がアメリカの戦争に巻き込まれることは絶対にあり得ない」と言っていた。この領域でこんな断定的な言い方を受け入れる人が多いとしたら、日本は教育失敗国だと思う。

「すでに一国で自国の安全を守れる時代ではなくなった」と首相会見。冷戦時代が仮にイデオロギー(私から見ればメンツ)による対立だったとすれば、現在は、「疎外されている人たち」が、普通に暮らす人たちの安全を脅かす時代になっている。疎外される人を減らすことが重要では。

以前、「日本にまた治安維持法ができるかも」と言ったときのわが子達の反応は、「やばいじゃん」だった。母親が政府と違う意見を堂々と言っていることを知っていたのだろう。今回の法案については、旧知の自民党議員でさえ(私の友人なのでまとも)「これが法律になったら日本がやられる」と焦燥感。
____________________________________

5月15日(金)

あたたかいコメントをありがとうございます。必要なのは戦いではなく癒やしだ、と気づいてから、日常会話からも「戦う(闘う)」をなくしました。「平和のために闘う」のではなく、平和のためにこそ癒やしを続けていきたいと思います。
____________________________________

5月17日(日)

穂高養生園での2泊3日のAHワークショップが終了して帰途についたところ。全国から集まった皆さんととても豊かな時間を過ごしました。AHと養生園の組み合わせは素敵です。養生園のスタッフの方にも感謝です。

(スタッフ@mizustaff)
水島広子 夏季特別企画
「みんなで学ぶ対人関係療法」
◆日時:7月4 日(土) 10:00~16:00
◆場所:東京産業貿易会館6階 商工会館研修室 (JR浜松町駅徒歩5分)
本日午後9時から受付開始です。
詳しくはこちら→ http://ipt-event.com/

資格のない方、当事者の方にも参加していただける対人関係療法のセミナーです。ぜひご参加ください! お会いできるのを楽しみにしています。
____________________________________

5月18日(月)

転載許可が得られた拙稿や、ツイッターのまとめなど、私のウェブサイトhttp://www.hirokom.org/ の「エッセイ等」から読めるようにしました。これからも随時更新していきますので時々見てください。ようやくウェブサイト更新の人手を確保しました。

ツイッターの世界は、自他の「領域」を考える上でとてもわかりやすいと思う。それぞれが自分の「領域」の中だけに留まっていれば、誰も不快にならないはず。相手の「領域」に踏み込んで決めつけたりするところから、不快が始まる。つぶやく側も受け取る側も。

自分の「領域」のことを決めつけられた、と感じたときに、「相手がそう思っただけなんだ」ととらえ方を変えるのは、平和のためにとても重要な意識の転換だと思う。

相手から攻撃を受けたと思ったときに、それを「相手には事情があるのだな」と読み替えることは、相手への温情ではない。自分の心の平和のためであり、自分を大切にするということだ。
____________________________________

5月19日(火)

(スタッフ@mizustaff)
水島広子の『こころの応援談』が連載されます。販売は全国の郵便局です。
→ 郵便局限定販売の女性誌『Kiite!』5月22日創刊 (ITmedia eBook USER) – Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150518-00000038-it_ebook-ent

今度創刊される雑誌、書店ではなく郵便局で販売というおもしろい着想。私の連載「こころの応援談」も載っています。ぜひお手にとってみてください。 http://bit.ly/1Fr83eP

国際対人関係療法学会の理事として、特に非英語圏への普及をはかるため、国際学会の各国支部を作っていくつもりだ。それに備えて、日本で2007年からの歴史がある対人関係療法勉強会の役員もバランスのとれた重量級の先生方にお願いした。http://bit.ly/1Fr83eP

衆議院議員時代に盟友だった平岡秀夫さんは、法務大臣等を歴任されたが、総選挙に2回落選し、政界を引退することになった。今後もリベラルな弁護士活動を続けていかれると思うが、ああいう人材をどんどん失っている国会はきつい。

「今の民主党は官僚出身者と新自由主義者に支配されている」と、友人の現職議員。どちらもパワー志向と考えれば、結党の精神からすっかり変わってしまっている。イギリスを見ても健全な二大政党制が幻となった今、比例中心選挙で複数連立政権が最善だと思うが。政治が死んでしまう。
____________________________________

5月20日(水)

今日は経営者の方たちを対象とした講演でした。大人数でも、話しているうちに一人ひとりとつながる感覚が持てるのが、講演の醍醐味です。今日もそんな雰囲気でした。

価値観を共有できる人でも、政治について話すと「難しくてわからない」という答えが多い。政治は何かの形で「怖れ」を喚起するのだろう。無関心も「怖れ」の一つの形。AHと政治のワークショップを続けながら、ヒントを見つけていきたい。価値ある政治家をこれ以上失いたくない。
____________________________________

5月21日(木)

初めての選挙の時、疲れ果てて事務所に帰った後インタビューをしてくださったというメディアの方から、「短時間だったが癒された」というコメントと、当時の写真が送られてきた。私の「着ぐるみ」はいろいろ変わるけれども、内容はわりと一貫しているのかな、と落ち着いた。感謝。
____________________________________

5月22日(金)

人それぞれ、与えられた入れ物(身体、事情)に入っているけれども、中にある本質は同じ、あたたかいこころ(愛)。入れ物には限界があるしぶつかると傷つく。それを否定しても始まらない。始まりは、本質を感じるところから。

よく知らない人から執拗な「攻撃」を受けるとき。その土俵にのって自己正当化を始めると大変な消耗になる。「こんなふうに万事に評価を下して生きることは苦しいだろうな」と思うことによって、心の平和を保つようにしている。これは上から目線ではなく「ご苦労様」という気持ち。

(1)希死念慮が強まる時は、だいたい「自分はだめだ」と思わされるきっかけがあるはずです。

(2)「衝撃は待っていれば去る」と信じできるだけご自分に優しくしてあげてください。薬(睡眠薬が処方されていれば)を飲んで寝てしまうのもかなりお勧めです。目覚める頃には衝撃が去っているかも。

このシンプルなパターンを知らない人が多いというのが私の日常的な問題意識です。死にたくなった時はきっかけがあるのです。必ず探してください。人生全部の問題ではないのです。

自分に優しく、というのは私の理解では、自分を「べき」で縛らないこと。出てくる感情も、「こんなときにはそうだよな」と肯定すること。現実に逆らっても何も出てきません。
____________________________________

5月23日(土)

今日は富山で講演でした。皆様熱心で居眠り者もなく、とても楽しい講演になりました。今帰途についています。北陸新幹線(かがやき)に初めて乗りましたが、感想は「和風」「行き届いている」です。

考えてみればAHとは、「私たちの本質はあたたかいこころ (愛)」という前提に基づく信念体系。信じるか信じないかは完全に個人に委ねられている。私は信じた方が生きやすいので信じているだけだ。他人に干渉するつもりもない。

ちなみに私は今日まで「グランクラスシート」なる席が新幹線にあることを知らなかった(もちろん利用したこともない)。日本社会の格差が広がっていることをうかがわせる現象だと思った。グランクラスシートを否定するつもりはなく、単に一つの現象として。

「勤勉に誠実に生きれば中流の暮らしができる」という軸を失った日本は、どこに漂流するのだろう。私は新しい軸を「心の平和」に置いているし、すべての活動をその軸にそってやっていこうと心がけているが。
____________________________________

5月24日(日)

AHグループは言葉でつながるものですが、それが苦手なアスペルガーの友人にも植物担当という立場で参加してもらっています。よく、自分が世話している植物をうっとりと眺めています。自然とのつながり、心の平和を感じているのでしょうね。 https://twitter.com/tomokoko513/status/601677178770591744
____________________________________

5月25日(月)

私の大切な友人の家庭。不運な出来事が過酷なまでに重なって苦しい状況になっていた。少しだけ専門知識を伝えてみたら見事に家族再統合が実現しつつある。友情と専門知識のバランスは難しいが「相手のためにできること」で整理すると案外すっきりする。もちろん相手の領域とプロセスを大切に。

私はもともと「友人はいない」ということが自慢でした。もちろん親しい人はいますが、友人維持のために汲々としないことが自分の個性だと思っていました。AH中心の生活になって本当の友人ができました。とても嬉しいことです。魂がつながることが本当の友人ですね。AHの世界以外でも。

友人の維持に汲々としている方は、6月刊行の拙著「自己肯定感、持っていますか?」をぜひお読みください。図書館にも入れてもらってください。
____________________________________

5月26日(火)

他国の領土を攻めるということは、そこに暮らす無辜の人たちの命を脅かし奪うということ。私たちは頭脳と人情を与えられているのだから、もっと賢い解決法を考えなければならない。それだけの器量がある人が、政治の現場に増えなければ。
____________________________________

5月27日(水)

改めまして、明日のEテレインタビュー出演のお知らせです。「そのダイエット、危険かも」です。詳しくは http://bit.ly/1LH8B0D

不思議に思うのは、私が戦争反対と言うと「戸締まりをしないのか」という反応が出ること。私は幼少期に自室から泥棒に入られた経験があり、しばらく怖い夢ばかり見ていた。今でも戸締まりは厳しい方。自分の家の戸締まりと、他国に出かけていってする戦争と、どうして重ねるのだろうか?
____________________________________

5月28日(木)

議員時代からいろいろな局面で助けていただいた吉峯啓晴弁護士が、本日65歳で急死された。この前お電話をいただいたばかりで、近々食事をしましょうということになっていた。有能な弁護士であると同時に政治も含め多方面で活躍された、信頼・尊敬できる方だった。ただただ衝撃。

(スタッフ@mizustaff)
まもなく水島広子がインタビュー出演します!
NHK Eテレ 19:25 オトナヘノベル「そのダイエット キケンかも…!?」http://twitter.com/NHK_ETV/status/603868827823185920
____________________________________

5月29日(金)

今日は高知出張。今年2回目の高知です。夜は元衆議院議員の五島正規さんたちと会食なので一泊します。

高知滞在中。尊敬する元衆議院議員五島正規さんと今年2回目にゆっくりお話した。五島さんは76歳になられた今も大変な勉強家だ。最近の国会議員が、文章を深く読む能力を失ってきていると懸念されていた。他にもいろいろと心配を共有したりいろいろ教えていただいたり。貴重な先輩だ。

五島さんはジャッジメントとアセスメントの違いがよくわからないとおっしゃっていたが、五島さんくらい自我を手放して無心にいろいろと観察される方は、そのジャッジメント?が限りなくアセスメントに近づくのかな、などと思った。

私は学生の頃、いろいろな意味で「自衛のための戦争」でなかったものはないのだな、と腑に落ちたことがあった。どんな戦争もある立場から見れば「自衛のための戦争」。歴史から学んで目指すべきは「人間の安全保障」であり、いつまでも「自衛のための戦争」に留まってはいけないと思う。

高知には毎年来ていますが、いつも別の病院での研修だった。今年は初めて五島正規さんの病院で講演できた。驚いたのは、病院の7階?に、バナナやパパイヤの緑が育つ円形のホールのようなものがあったこと。五島さんが求めて作ったものらしいが、もちろん患者さんの癒しにもなる。

思い出したのが、第一次クリントン政権の労働長官ロバート・ライシュの「勝者の代償」だ。人は余裕を求めて働く。しかし働くほど、生活レベルを落とせなくなりもっと働き、余裕はなくなっていく。「自衛」がエスカレートしていくことと共通点を感じるのは私だけだろうか。

自分にとっての「正しさ」が、万人にとっての正しさではない、という自覚はとても重要。一般に正しいと言われている「親を大切に」も、ひどく虐待されて育った人に押し付けると本当に虐待的。疎外されている人に「正論」をぶつけるのも同じ。もっとそれぞれの事情を汲み取らなければ。
____________________________________

5月30日(土)

議院内閣制というのは何かと混乱する制度だが、国権の最高機関たる立法府は、常に政府に歯止めをかけるべき立場にある。かつての与党議員はそれをわかっていて、野党の議員に「納得できるまで質問しなさいよ。政府が暴走しないようにね」と協力的だったらしい。政治の古き良き時代か。

(スタッフ@mizustaff)
フジテレビ系『ザワつく!?ウィークエンドTV ニュースな晩餐会』(そこまで美しくなりたいの!?世界のやりすぎビューティースペシャル)に水島広子がインタビュー出演します。
→5月31日(日)19:58~
http://www.fujitv.co.jp/bansankai/
____________________________________

5月31日(日)

今日は治療者養成を目的とした対人関係療法勉強会の日だった。4名の治療者の症例を見せていただいたが、着々と頼もしい治療者が育っているのは嬉しい。普及と保険適応は切っても切り離せない関係にある。同時に、普及の際に質を落としたくないという願いもある。慎重かつ大胆に。

(1)私が知っている範囲の現実。私がいた頃の政治では、表舞台では対立しながらも、ちゃんと裏(TVに映らない部分)で適切な歩み寄りをしていた。対立しないと選挙にならないというのが大前提。歩み寄りをして、結果は少しでも国民にとってよいものを、という考えは普通だった。

(2)そんな歩み寄り精神を持った議員は、数えてみても、この間の振り子選挙(郵政、政権交代、民主党失脚、安倍増強)で国会からは淘汰されている。現実的なことがわかっている人は選挙に弱いのだから。「主権者のため」ではなく「自分のため」が極端に多くなっているのでは?

自民党の中にも、「これではまずい」と思っている人は実は多い。でも、政権交代の傷(落選の傷)から、刺客を送られるほどの覚悟はない(多くが二世議員の恵まれた人だから)。小選挙区制にして、首相官邸の力を増して、あなたたちは何をしたかったのですか? と問いたい。

____________________________________

Amazon.co.jp の 『水島 広子 著者ページ』から、水島 広子の本をご購入いただけます。作品一覧などをご覧ください。

フジテレビの「ニュースな晩餐会」に5月31日(日)夜、インタビュー出演します。

フジテレビの「ニュースな晩餐会」に5月31日(日)夜(放映時間19時58分~20時54分)、インタビュー出演します。

◆放送局:フジテレビ系列 (東京大阪8ch、名古屋:東海TV1ch他)

◆番組名:ザワつく!?ウィークエンドTVニュースな晩餐会

◆テーマ:
「そこまで美しくなりたいの!?世界のやりすぎビューティースペシャル」
美を追求するあまり、痩せて死んでいったトップモデルたち。
なぜ痩せなければならなかったのか?

◆テーマ詳細:
美を追求するあまり、痩せて、痩せて死んでいったトップモデルたち。
彼女たちはなぜ”死ぬほど”痩せなければならなかったのか?
そこには、知られざる美のおきてがあった!?
さらに、トップモデルに憧れて無理なダイエットにより
痩せることをやめられなくなった女性たちの姿も!
ゲストにIMALUと秋元梢を迎え、ニュースについて徹底討論する。

◆番組放映時間:2015年5月31日(日)19時58分~20時54分)

◆番組URL:http://www.fujitv.co.jp/bansankai/

◆出演者:
【MC】渡部建(アンジャッシュ)、田中みな実

【主宰】美輪明宏

【コメンテーター】ヒロミ、伊集院光

【ゲスト】秋元梢、IMALU

 

————

(スタッフ投稿)

 

NHKのEテレ(教育テレビ)の「オトナヘノベル」に5月28日(木)夜に インタビュー出演します。

NHKのEテレ(教育テレビ)の番組『オトナへノベル』(放映時間19時25分~19時54分)に、5月28日(木曜)インタビュー出演します。

◆放送局:NHK Eテレ(教育テレビ)

◆番組名:『オトナヘノベル』

◆テーマ:「そのダイエット 危険かも」

◆テーマ詳細:ムチャなダイエットをすると、肌があれたり、毛が濃くなったり!? 新人アイドルのダイエットに密着し、NGポイントを探ります。

◆番組放映時間:2015年5月28日(水)19時25分~19時54分

再放送:6月2日(火)午前0時25分~0時54分(月曜深夜24時)

◆番組URL:http://www6.nhk.or.jp/otona/

※地震や、大きな事故など、突発ニュースが入った場合、放送延期、 またはなくなってしまう可能性もあります。あらかじめご了承ください。

 

(スタッフ投稿)

夏期特別企画「みんなで学ぶ対人関係療法」を開催します。

●夏期特別企画「みんなで学ぶ対人関係療法」

今までも対人関係療法の普及に努めてまいりましたが、主催している勉強会は有資格者向けの専門性の高いもののみでした。

しかし、対人関係療法は、治療として効果があるのみならず、対人関係のトラブルの改善、対人関係から力をもらう、大きな生活の変化のときに気をつけたらよいこと、
効果的なコミュニケーションのあり方など、 日常生活に役立つエッセンスがいっぱい詰まっています。

この機会に是非、参加されて、そのエッセンスを学んでみませんか?
専門家でない方にも、とても役立つ内容です。

※どなたでもご参加いただけます。
 質疑応答の機会も設けます。

◆日時:7月4 日(日) 10:00~16:00(9時半開場、昼休憩あり)

◆場所:東京産業貿易会館6階 商工会館研修室 (JR浜松町駅徒歩5分)

◆参加費: 8000円 (税込み、資料代含む)

◆定員: 90名

◆受付: 5月17日(日)21時より、下記専用サイトの申し込みフォームから
申し込みを受け付けます。

※昨年(8月23日)開催の物と基本的に同じ内容ですが、昨年以来、対人関係療法が進歩した部分についてもお伝え致します。

◆専用サイト:  http://ipt-event.com/

※ 講演終了後、水島広子による著作サイン会を開催します
  (現地で主な著作が購入できます)

★ 対人関係療法とは:
対人関係療法(IPT)は、アメリカで開発され、認知行動療法と双璧 をなす
「科学的根拠のある」精神療法として知られています。

治療は、「重要な他者(肉親など自分の情緒に最も大きな影響を与える人)」
との「現在の関係」に焦点を当てて行いますが、
コミュニケーションのパターンなどに注目することによって、
対人関係全般が改善することも期待されます。

期間限定の短期精神療法ですが、
その効果は長く維持されることが臨床研究からは確認されており、
うつ病のほか、摂食障害やPTSD等にも
長期的な効果を及ぼすことが確かめられています。 

(スタッフ投稿)