7月17日(土)11:00~13:00、朝日ニュースター(CS放送)の「愛川欽也パックイン・ジャーナル」にコメンテーターとして出演する予定です。
テーマは以下のようになる予定です。
(1)民主敗北を選んだ国民の中身
(2)消費税10%は本当に国民OKか?
(3)日本振興銀行事件で木村剛前会長逮捕を分析
(4)中国 パキスタンに原発協力でNPTは
CS放送をご覧になれる環境の方は、ぜひご覧くださいませ。
こころの平和から社会の平和へ
創元社から出していただいている対人関係療法シリーズの第三弾として、双極性障害(躁うつ病、双極II型障害)向けの精神療法である対人関係・社会リズム療法(IPSRT)の本を刊行いたしましたのでお知らせします。
一般の方(患者さん、ご家族、その他ご関心のある方)向けです。
対人関係療法でなおす 双極性障害 ― 躁うつ病への対人関係・社会リズム療法
創元社
1575円(税込)
アマゾンで購入する方は
知られているようで正確には知られていない双極性障害ですが、この本を書いた背景は下のようなものです。
【あとがきより引用】
一昔前には、双極性障害と言えば薬物療法であって、精神療法など入り込む余地はなさそうに思われていたものですが、実際には、双極性障害という診断を受け入れるのも、薬物療法を受け入れるのも、そして、薬の服用に伴う種々の不便に耐えながら、再発の可能性を不安に思いながら、さらには過去の躁状態やうつ状態が及ぼした影響を抱えながら、日々暮らしていくのも、多くの精神的なプロセスを必要とするものです。そういう意味では、実は双極性障害ほど精神療法を必要としている病気もないのではないかと思います。
このような状況を踏まえて、ピッツバーグ大学医学部教授のエレン・フランクが考案したのが対人関係・社会リズム療法です。
【本文の最後より引用】
患者さんの社会リズムを支えることによって、そして再発の徴候に早期に対応することによって、自分たちも病気の経過にプラスの影響を与えられると知ることは、双極性障害に対する一般の偏見を減らしていくことに間違いなくつながると信じています。偏見をなくすというのは、双極性障害がもつさまざまな問題を気にしないようにする(否認する)という意味ではなく、問題を認識したうえで、「対処できる」という感覚をもつことだからです。本書もそんな目的に活用していただければ、それほど幸せなことはありません。
お役に立てば幸いです。
佐倉市市民公開講座で講演いたしますので、お近くの方は是非お越しください。
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佐倉市市民公開講座 「今日からはじめられる生活習慣病予防」
日時: 2010年7月10日 14:10-16:30(水島講演は15:30-16:10)
14:10-15:30 第一部「排尿障害にどう立ち向かうか?」
東邦大学医療センター佐倉病院泌尿器科教授 鈴木啓悦先生 (男性の排尿障害について)
同神経内科准教授 榊原隆次先生 (女性の排尿障害について)
15:30-16:10 水島講演「家族みんなで対人関係療法 ―明るく楽しい我が家がすべての源―」
16:10-16:30 質問コーナー
場所: 東邦大学医療センター佐倉病院(200席予定)(佐倉市下志津564-1 電話 043-462-8811)
参加費: 無料 どなたでもご参加いただけます
お問い合わせ先: アステラス製薬株式会社 千葉第二営業所 043-351-8520
菅直人さんが首相となり新政権が発足しました。
菅さんは私がかねてから現在の日本の政治家の中で最も高く評価している人ですので、これからの政権運営を楽しみにしています。
それにしても気になるのは、ここのところ乱高下を繰り返している政権支持率です。
政権発足直後は超高値がつくけれども、短期間のうちに超安値になる、という傾向をほぼ各政権が繰り返しています。
これは今の日本では政治が怒りを振り子にして進んでいる証拠だと私は思っています。
この傾向を続けていくと、「期待したのに裏切られた」という無力感が強まり、有権者と政治の距離が広がり、民主主義は形骸化していきます。
民主主義を根づかせるためには、「期待した」「裏切られた」という受け身の形ではなく、自分自身も社会の現状に何らかの責任を担っているという感覚が必要だと思っています。
菅新政権には、ぜひ、政治の新しい可能性を感じさせるような政権運営をしていただきたいと思っています。
どういう形でか、というと、「市民が主役の民主党」の結党時の理念をできるだけ具現化すること、また、個々の問題に、その理念を持って取り組む姿勢を例外なく見せることです。
従来型で「国民の皆さま」とおもねるのではなく、「官ではない公」を育てようとしている民主党らしさがわかる形にしてほしいです。
目の前に現れる政権に期待し、絶望し、怒り、というサイクルを繰り返すのではなく、自分もその社会作りに一緒に参加してみたいと思わせるような「夢」を示すのも政治家の仕事だと私は思っています。
最近若手の民主党議員が、優秀な官僚のような感じに変質してきていて、「夢」を感じさせる人が減っていることも気になります。
「夢」と言えば、かねてから気になっていたことを一つ・・・。
今朝の新聞にも、小沢前幹事長が「一兵卒として」新政権に協力する、という記事が載っていました。
選挙「戦」などもそうですが、政治絡みのことに戦争用語を使う文化は、そろそろ何とかできないものでしょうか。
多様な価値観や事情を持つ人たちが共に「最小不幸社会」を目指して暮らしていくための仕組みが、政治であるはずです。
そんな政治を戦争に見立てるという思想そのものが、社会の不幸を増やしていると思うのですが。
菅政権の活躍を期待すると共に、私自身もアティテューディナル・ヒーリングの活動を通して、新たな政治文化の構築に少しでも貢献したいと思っています。
このたび、軽いタッチのアティテューディナル・ヒーリングの本を刊行しましたのでお知らせします。
アティテューディナル・ヒーリングの基本的なことを網羅した本は星和書店から「怖れを手放す アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ」としてすでに刊行されていますが、もっと軽く様子を眺めてみたい方にお勧めです。
「怖れの眼鏡」をはずせば、すべてうまくいく!
大和出版
1470円(税込)
アマゾンで購入される方は
ご参考までに、目次です。
つい「不安な気持ち」になってしまうあなたへ・・・ はじめに
プロローグ 愛に気づく、小さなお話
第1章 「怖れの眼鏡」と「愛の眼鏡」はこんなに違う
どうして「不安な気持ち」になってしまうの?
1 「愛情を返してもらえない・・・」怖れの眼鏡①
2 「人と親しくなれない・・・」怖れの眼鏡②
3 「やさしくない自分をゆるせない・・・」怖れの眼鏡③
4 「恋人がいないことに耐えられない・・・」怖れの眼鏡④
第2章 「怖れの眼鏡」をはずす10のコツ
「不安な気持ち」がなくなるちょっとした方法
1 「怖れの眼鏡」に気づく
2 人の話をただ聴く
3 完璧主義をやめる
4 怒っている人は「困っている人」だと考える
5 相手が悪くてもゆるす
6 受け取りたいときは与えてみる
7 相手を変えようとしない
8 未来への執着を手放す
9 ロボットみたいに動くのをやめる
10 一人の相手にしがみつかない
第3章 今すぐ「イヤな気持ち」を手放す5つのステップ
「どうしてもネガティブになってしまう」あなたへ
ステップ1 まず、自分の気持ちに正直になる
ステップ2 自分の「人間らしさ」を認めてあげる
ステップ3 プラスとマイナスを考える
ステップ4 「自分は何がほしいのか」を考える
ステップ5 「怖れ」ではなく「愛」とつながる
第4章 愛とつながるための10の習慣
心がポカポカしていれば、幸運がやってくる!
1 「心のやすらぎが得られればそれでよい」と決意する
2 「TO DOリスト」ではなく「TO BEリスト」
3 「クリアーボタン」を押す
4 アドバイスをやめてみる
5 「つながるコミュニケーション」をする
6 「心の防波堤」を下げてみる
7 自分の身体とのつきあい方を変える
8 「大きな何か」を意識する
9 スローダウンする
10 自分の心の「姿勢」だけに責任をもつ
このたび、専門家向けの対人関係療法のDVDを刊行しましたので、お知らせします。
実際の対人関係療法の面接のペースや雰囲気をつかむためのものです。
創元社刊「臨床家のための対人関係療法入門ガイド」の補助教材としてご活用ください。
DVD版 対人関係療法の実際 (DVD約78分間)
創元社
10000円+税
アマゾンで購入する方は
「シリーズ対人関係療法」の第二弾として、「社交不安障害(社会不安障害)」の本を出版しましたのでお知らせします。
対人恐怖などの概念とも重なるものですが、「人からどう思われるか」が気になって、日常生活に多大な支障を来す病気です。
社交不安障害(社会不安障害)と診断されている方はもちろんですが、「自分の場合は病気ではなく、人間としての弱さだ」と思っている方には特にお勧めです。
一般向けの本です。
対人関係療法でなおす 社交不安障害 ― 自分の中の社会恐怖とどう向き合うか
創元社
1575円(税込)
「不安」をキーワードに、摂食障害の治療の本を刊行しましたのでお知らせします。
治療者向けの本ですが、一般の方にも読んでいただけるように書いたつもりです。
摂食障害のことはよくわからなくても不安に関心がある方、あるいは「病気を持つということ」に関心がある方にはおもしろいかもしれません。
お役に立てば幸いです。
摂食障害の不安に向き合う ― 対人関係療法によるアプローチ
岩崎学術出版社
2100円(税込)
アマゾンでも予約販売が始まっています。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4753310019?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4753310019
「はじめに」より抜粋
患者の不安によく注目するようになってみると、そもそも拒食症の発症プロセスそのものがPTSDと同様の構造を持っていることが多く、実際の治療ではPTSDの治療と同じようなプロセスを踏んでいくことに気づくようになった。
ジュディス・ハーマンは、心的外傷の中核を「無力化 と他者からの離断」だと言っている。「無力化」も、それまでの自分の有力感からの離断であると考えれば、PTSDの中核的特徴は「離断」にあると言える。それまでの自分からの離断、周囲からの離断、人生からの離断が患者を苦しめる。そして、有効な治療においては、つながりの回復が必ず起こるものである。私が拒食症の治療で行うことは、成長という土台の上でのつながりの回復であり、実質的にはPTSDの治療における作業とまさに同じである。
ところが、すでにPTSDと同じような状態にある拒食症患者に対して、さらなるトラウマを与えるような治療が当然のように行われていることについて、私は強い懸念を抱いている。PTSDを少しでも勉強している治療者であれば、PTSDの患者に対してA子が受けたような治療的介入をすることは考えられないだろう。それがどれほど危険で有害なことか、理解できるからだ。拒食症は強迫性障害やPTSDのように不安障害として分類した方がよほど現実の治療に即していると私は思うが、学術的な分類はさておいても、拒食症を摂食障害としてではなくPTSD様の障害として見ることによって、より多くの治療者が適切な治療を行えるようになることを願っている。
本書では、摂食障害の治療の実際を、特に「不安」に注目して描いていきたいと思う。摂食障害の治療をするときには、特に拒食症については、治療者の仕事は「安心の提供」であって、体重を増やすことや症状をなくすことではない、という認識を持つくらいがちょうどよい(患者がよく治る)と私は思っている。病気についての心理教育をきちんとしていくことも、対人関係療法という特定の治療法を用いていくことも、すべては安心の提供を目的としたものであるという位置づけをはっきりさせると、治療が大変すっきりと整理されて効率的になる。治療者にとっても確かな指針になるので、治療も安定する。この前提には、安心することによって摂食障害は治っていくという仮説があるわけだが、私の今までの経験からは、それが正しいと考えている。制限型の拒食症患者の中には、安心しただけで治っていく人も実際に存在する。安心しただけでは不十分で、体重を増やすための行動療法的な取り組みが必要になる人もいるが、それも、安心の上に初めて成立することである。安心の中に「治りたい」という願望は生まれ、安心から生まれた余裕の中に「少しずつ行動を変えてみよう」という勇気が生まれる。したがって、拒食症患者にとって、安心することは、必要十分条件である場合もあるし、少なくとも必要条件であると言って過言ではないと思う。