技術評論社の「ぐっと人がわかるシリーズ」の1冊として、「正しく知る不安障害 ~不安を理解し怖れを手放す~」を出版していただきました。
パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など不安障害について一般の方向けに説明した本です。
不安障害をお持ちの方、その身近にいる方、不安が強い方、不安という感情に関心がある方にお勧めです。
あとがきより一部抜粋します。
(前略)もう一つ本書で明らかにしたかったのは、「不安」と「怖れ」の違いです。この二つはほとんど同義に用いられることもある言葉ですが、私は本書で、単なる感情としての「不安」と、心の姿勢としての「怖れ」を区別することを心がけました。不安は、「安全が確保されていませんよ」ということを教えてくれる感情であり、基本的には役に立つものです。でも、不安だらけの毎日になってしまうと、それは苦しいことになります。単なる感情である「不安」を苦しいものにしてしまうのは、「不安」を怖れる心の姿勢なのですが、これは案外語られてこなかった側面だと思います。
本書を通してお伝えしたかったのは、不安も、不安障害も、怖れる必要はないということです。不安は役立てていくことができますし、不安障害は治していくことができます。そこから何かを学ぶことすらできるのです。不安も不安障害も、実物大で見ることができれば、生活を支配し、人生の質を台無しにするようなものにはなりません。実物大で見るための大きな一歩が、まずは正しく知るということです。それが、本書のサブタイトルで言っている「『不安』を理解し『怖れ』を手放す」ということです。一見首をかしげるようなサブタイトルですが、まさに、本書の目的はそこにあります。(後略)
お役に立てば幸いです。
正しく知る不安障害 ~不安を理解し怖れを手放す~
技術評論社
1554円(税込)