民主党の男女共同参画オンブッド会議報告とテニス

 私が民主党の男女共同参画委員長になって新規企画として立ち上げた男女共同参画オンブッド会議ですが、この難局を乗り越えて、報告書がようやく形になって3月13日に代表に手渡された、というお知らせを西村ちなみ衆議院議員からいただきました。

 今の民主党の状況を見ると、代表に手渡されたからどうなるのだろう、という気がしないでもないのですが、日本の政党として自らを男女共同参画という観点から第三者評価してもらったというのは初めてのことですから、価値のある記念すべきことだと思います。また、この報告書の結果を踏まえて民主党が何をしたかということを検証しながら、このオンブッド会議がこれからも続くことを強く期待します。

 私が心をこめて人選させていただいた有識者の方たちによる報告書ですので、皆さまもぜひご一読ください。
 民主党ホームページで読むことができます。
 http://www.dpj.or.jp/danjo/report/060313.html

 このページのタイトル右下「>>オンブッド会議報告書(PDF2.83MB)はこちら」というところから報告書に入れます。(直接報告書に入りたい方は       http://www.dpj.or.jp/danjo/report/060313.pdf へどうぞ)

 私自身も西村議員からお知らせいただかなければ民主党がそんな催しをやったことは気づかずに過ごしていたと思います。まあ、今は海外にいますので、情報という意味ではもちろんハンディキャップがあるのですが、それでも、インターネット時代ですから、主要なニュースは簡単に入ってきます。

 現職議員時代から、いろいろと努力しているのに、どうしてメディアは取り上げてくれないのだろう、という気持ちを抱いてきました。
メディアは明らかに異常です。先日、日本に一時帰国したときにそれを痛感しました。私が日本にいたのは2月23日午後から26日午後まででしたが、その間の報道は民主党メール問題と荒川選手の金メダル一色でした。これでは日本人の価値観が一食に染まるのも仕方がないと思いました。

 こうしたメディアの問題は確かにあるのですが、それと同時に、メディアの責任だけに帰するべき問題でもないだろうと思ってきました。

 男女共同参画政策や子ども関連の政策では明らかに民主党のほうが質は良いと思いますが、政治と特に深いかかわりのある方でなければそれを知りません。つまり党としてのイメージになっていないのです。「男女共同参画といえば民主党」という雰囲気になれば、オンブッド会議のことももっと注目されるでしょう。

 西村議員にメールの返事を書きながらふと思い出したのが、自分の大学時代です。私は医学部の体育会で硬式テニスをしていたのですが、基礎体力のためのトレーニングばかりしていて、結局テニスは上手になりませんでした。その代わり、体力だけはやたらとついたので、選挙の時にはいくら走っても平気でしたが・・・。

 テニスの試合に強くなるためには、基礎体力は絶対に必要です。一見器用に球を操る人でも、走りこんでいないと、本格的なシングルスには勝てません。でも、基礎体力だけではテニスの試合に勝てないことも事実です。つまり、必要条件だけれども十分条件ではないということです。

 政党にとっての個別政策も基礎体力と同じで、必要条件だけれども十分条件ではないということなのだと思います。
でも自民党には政策などないのでは? と思われるかもしれませんが、自民党に政策はなくても、官僚組織には(質の良し悪しはさておき)政策がありますので、土俵には乗ってくるのです。

 なぜテニスのことなど思いついたのかよくわかりませんが、「基礎体力さえつけていればいつか試合に勝てる日がくるはず」という幻想を捨てて、基礎体力をさらに充実させながら、もう一つの次元に挑戦していかないと、「男女共同参画といえば民主党」「生活者重視といえば民主党」「子どもの味方といえば民主党」というふうにはならないだろうなとしみじみ思いました。そして、この問題意識を持ち続けないと、基礎体力トレーニングが単なる自己満足に陥ってしまうことを危惧します。