専門家向け対人関係療法DVD刊行のお知らせ

このたび、専門家向けの対人関係療法のDVDを刊行しましたので、お知らせします。
実際の対人関係療法の面接のペースや雰囲気をつかむためのものです。
創元社刊「臨床家のための対人関係療法入門ガイド」の補助教材としてご活用ください。

DVD版 対人関係療法の実際  (DVD約78分間)
創元社
10000円+税

アマゾンで購入する方は

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4422670638?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4422670638

「対人関係療法でなおす 社交不安障害」刊行のお知らせ

「シリーズ対人関係療法」の第二弾として、「社交不安障害(社会不安障害)」の本を出版しましたのでお知らせします。

対人恐怖などの概念とも重なるものですが、「人からどう思われるか」が気になって、日常生活に多大な支障を来す病気です。

社交不安障害(社会不安障害)と診断されている方はもちろんですが、「自分の場合は病気ではなく、人間としての弱さだ」と思っている方には特にお勧めです。

一般向けの本です。

対人関係療法でなおす 社交不安障害 ― 自分の中の社会恐怖とどう向き合うか

創元社

1575円(税込)

アマゾンで購入する方はこちら

摂食障害の本を出版しました

「不安」をキーワードに、摂食障害の治療の本を刊行しましたのでお知らせします。

治療者向けの本ですが、一般の方にも読んでいただけるように書いたつもりです。

摂食障害のことはよくわからなくても不安に関心がある方、あるいは「病気を持つということ」に関心がある方にはおもしろいかもしれません。

お役に立てば幸いです。

摂食障害の不安に向き合う ― 対人関係療法によるアプローチ
岩崎学術出版社
2100円(税込)

アマゾンでも予約販売が始まっています。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4753310019?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4753310019

「はじめに」より抜粋

 患者の不安によく注目するようになってみると、そもそも拒食症の発症プロセスそのものがPTSDと同様の構造を持っていることが多く、実際の治療ではPTSDの治療と同じようなプロセスを踏んでいくことに気づくようになった。

 ジュディス・ハーマンは、心的外傷の中核を「無力化 と他者からの離断」だと言っている。「無力化」も、それまでの自分の有力感からの離断であると考えれば、PTSDの中核的特徴は「離断」にあると言える。それまでの自分からの離断、周囲からの離断、人生からの離断が患者を苦しめる。そして、有効な治療においては、つながりの回復が必ず起こるものである。私が拒食症の治療で行うことは、成長という土台の上でのつながりの回復であり、実質的にはPTSDの治療における作業とまさに同じである。

 ところが、すでにPTSDと同じような状態にある拒食症患者に対して、さらなるトラウマを与えるような治療が当然のように行われていることについて、私は強い懸念を抱いている。PTSDを少しでも勉強している治療者であれば、PTSDの患者に対してA子が受けたような治療的介入をすることは考えられないだろう。それがどれほど危険で有害なことか、理解できるからだ。拒食症は強迫性障害やPTSDのように不安障害として分類した方がよほど現実の治療に即していると私は思うが、学術的な分類はさておいても、拒食症を摂食障害としてではなくPTSD様の障害として見ることによって、より多くの治療者が適切な治療を行えるようになることを願っている。

 本書では、摂食障害の治療の実際を、特に「不安」に注目して描いていきたいと思う。摂食障害の治療をするときには、特に拒食症については、治療者の仕事は「安心の提供」であって、体重を増やすことや症状をなくすことではない、という認識を持つくらいがちょうどよい(患者がよく治る)と私は思っている。病気についての心理教育をきちんとしていくことも、対人関係療法という特定の治療法を用いていくことも、すべては安心の提供を目的としたものであるという位置づけをはっきりさせると、治療が大変すっきりと整理されて効率的になる。治療者にとっても確かな指針になるので、治療も安定する。この前提には、安心することによって摂食障害は治っていくという仮説があるわけだが、私の今までの経験からは、それが正しいと考えている。制限型の拒食症患者の中には、安心しただけで治っていく人も実際に存在する。安心しただけでは不十分で、体重を増やすための行動療法的な取り組みが必要になる人もいるが、それも、安心の上に初めて成立することである。安心の中に「治りたい」という願望は生まれ、安心から生まれた余裕の中に「少しずつ行動を変えてみよう」という勇気が生まれる。したがって、拒食症患者にとって、安心することは、必要十分条件である場合もあるし、少なくとも必要条件であると言って過言ではないと思う。

父親・息子関係の癒しの本を翻訳しました

このたび、私がボランティアで活動しているアティテューディナル・ヒーリング創始者のジェリー・ジャンポルスキー親子の著書を翻訳して出版しました。

この本は、父親・息子関係のスピリチュアルな癒しの本なのですが、そのテーマが時代の先を行っているせいか(?)、版元が見つからず、変則的な刊行となりました。

一般書店では購入できず、アマゾンと版元直販のみです。(アマゾンは送料が無料になりますのでお勧めです。)
5冊以上お申し込みの方は割引手配いたしますので info@mizu.cx までご連絡ください。

アマゾンで購入する

父親と息子の関係を癒す─すべての男性と女性のために
ジェラルド・G・ジャンポルスキー、リー・L・ジャンポルスキー著
水島広子訳

1575円(税込)

以下に、私が書きました「訳者まえがき」の一部をご紹介します。
父親・息子関係にとどまらず、その他の親子関係、男女関係など、いろいろな観点からも興味深い本です。
ご関心のある方はぜひご一読ください。

===(訳者まえがきより)

この本は、精神科医であり元アルコール依存患者であるジェリー(ジェラルド = G)= ジャンポルスキーと、その息子、臨床心理士であり元薬物依存患者であるリーによって書かれています。
本書が刊行される2010年2月11日に85歳になるジェリーは私の親友ですが、アルコールに依存していた50歳のときに、スピリチュアルな道に目覚め、アティテューディナル・ヒーリング(AH)の活動を始めました。
今では、心の平和を唯一の目的とする人生に専心しています。
でも、二人の息子たちは、ジェリーがアルコールと仕事に依存し、夫婦仲を悪化させ、離婚へと至る中で成長しました。
そこで傷ついた親子関係がどのように癒されたのかを示す貴重な記録が本書です。
本書は、ジェリーが71歳のときに刊行されています。

この本の日本語訳を出版することは容易ではありませんでした。
おそらく、時代を先取りしすぎている本なのだと思います。
「父親・息子関係を癒す」というテーマも、親子関係の癒しをスピリチュアルな観点から見てみようとすることも、今の日本ではまだまだ「必要なこと」だとは思われないのでしょう。
実際に、出版の可能性を探る中で、そのような意見に直面してきました。

でも、父親と息子の関係というテーマにおいて、当事者である男性がこれほどまでに本音を述べた本を私は見たことがありません。
そして、ジェリーもリーも私が直接知っている人たちで、この本に書かれていることが決して「きれいごと」でないということを私自身が知っています。

この本が貴重だと思う理由は、大きく二つあります。

一つは、親子関係の癒しという観点からです。
不適切な育児によって傷つけられた人たちに対しては、様々な対処法が提案されてきました。
その両極端にあるのが、「よく話し合えばきっと理解し合えて仲よくなれる」というものと、「不適切な親とは断絶しない限り幸せになれない」というものだと思います。
私はいずれにも違和感を覚えます。
もちろん、どちらかの方法がそれなりにうまくいく人もいると思います。
でも、話し合おうにも親がすでにいないこともあれば、薬物依存などを抱えていてとても話にならないような親もいるでしょう。
また、親との間に物理的な断絶は可能でも、精神的な断絶などあり得ないと思います。
親を切り離そうとした多くの人が、結局は罪悪感と寂しさを抱え続けるのを私は多く見てきました。
そして、往々にして、親の代わりとなる依存対象を求め続けるのです。

ジェリーが創始したアティテューディナル・ヒーリング(AH)では、相手を変えようとはしません。
その中にこそ本当の癒しがあるということの一つの実例が、本書の内容だと思います。
相手との関係性の中で傷ついた心を、相手を変えようとせずにどう癒すのか。
本書が本質的に示そうとしているのはそのことだと思います。

もう一つ、本書が持っている価値は、「男性」というテーマです。
男性が自分自身についてより多くに気づくのもすばらしいことでしょうし、男性についてよりよく知ることが、男女間の断絶を解消することに貢献するのではないかと思います。
女性にとっては一見とても理解できない男性の言動に対して、人間としてのつながりを感じることができれば、相手への見方がガラリと変わるでしょう。

新刊のご案内

このたび、新刊「『拒食症』と『過食症』の正しい治し方と知識」が刊行されましたのでお知らせします。

摂食障害について、新しく役に立つ知識をざっと得て、治り方のイメージをつかみたい方にお勧めです。

焦らなくてもいい! 拒食症・過食症の正しい治し方と知識

日東書院本社

1365円(税込)

アマゾンで購入される方は

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4528016885?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4528016885

新刊のご案内

アティテューディナル・ヒーリング(AH)を紹介する本の第二弾が刊行されましたのでお知らせします。

前作「怖れを手放す」はAH入門でしたが、新刊「続・怖れを手放す」は、仕事とAH、対人援助とAHなどがテーマです。
燃え尽き防止などにもお役立ていただける内容だと思います。

AHの創始者ジェリー・ジャンポルスキーのコメントも満載されています。

本そのものは、以前収録した生のトレーニングをベースに作られていますので、参加者の皆さまとの共同作品です。

先日北海道大学で「政治とAH」というようなお話をしましたが、好評でした。
社会をAHで考えていく活動をさらに続けたいと思っています。

続・怖れを手放す アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ〈ボランティア・トレーニング編〉

星和書店

1890円(税込)

アマゾンで購入される方は

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4791107284?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4791107284

10冊以上購入される方は割引できますので info@mizu.cx までご連絡ください。

総務省顧問を拝命しました

本日付で、総務省顧問というものになりました。

原口総務相のご意向で、地域構築には精神医学的・心理的な基盤がぜひ必要だという根拠によるものだそうです。
原口さんはご自身も心理学を専攻されたという背景もあり、以前から心についてのご理解には一目おいてきましたので、「さすが」という感じもします。

具体的にどういう仕事になるのかわかりませんし、現在、自分の抱える仕事で手一杯なので、どれほどのことができるかわかりませんが、できるだけのことはしたいと思っています。

今回は政治家ではなく有識者としての政治参画になりますので、新鮮な感じもします。

非常勤の国家公務員ということで守秘義務がかかるそうですので、議員時代のようにすべてをオープンにすることはできないと思いますが、ご支援いただければ幸いです。

「対人関係療法でなおす うつ病」 刊行しました

以前から普及啓発に努めてきた対人関係療法ですが、このたび、創元社さんのご理解をいただき、一般の方向けにシリーズ化していただけることになりました。

その第一弾として、「対人関係療法でなおす うつ病」が刊行されました。

うつ病をよりよく知るためにも、また、対人関係療法に触れるためにも、お役に立てば幸いです。

(第二弾は「社会不安障害」の予定です)

対人関係療法でなおす うつ病

創元社

1575円(税込)

アマゾンで購入する方はこちら

テレビ朝日に少しだけ出ます

10月2日のテレビ朝日「スーパーモーニング」(全国31局ネット)に、子ども手当の件で少しだけ出る予定です。
今ではすっかり有名になった「子ども手当」ですが、2001年の秋、私が民主党の男女共同参画政策責任者だったときに、ときの政調会長・岡田克也さんのもとで作った政策集が原点です。
そんな経緯を聞きたいと今日取材にみえました。

今では、金額だけが一人歩きしている感のある子ども手当ですが、当時は、「経済的に苦しい家庭への支援」ではなく、どんな子どもにも保障される権利という理念に基づいて作りました。(所得制限を設けない代わりに、課税対象となるので、結果としては高額所得家庭からは一定割合が税金という形で国庫に戻りますが、どんな子どもでももらえるということで、偏見を生まないという効果もあります)

どんな仕上がりになるのかわかりませんが、ご都合のつく方はご覧になってみてください。
ニュース番組ですので、大事件が起こったら放送日が変更になるそうです。

10月2日(金)

スーパーモーニング(テレビ朝日)

8:00~10:00の番組のうち、8:20頃からの特集コーナー「鳩山政権研究・子ども手当の原点を探る(仮)」(20分前後)の予定

===

余談ですが、最近、新聞における自民党の扱いを見ていて、「野党時代の民主党はこういうふうに見えていたのだな」ということを痛感しています。
ふだんはその存在すら忘れかかっているけれども、時々「谷垣氏、総裁へ」などという記事が載るので「ああ、谷垣さんが総裁になったのだな」ということがわかる程度です。
与野党の報道量の圧倒的な差を、改めて感じています。
これではどれほどよい政策を作ってアピールした気になっても、有権者の目には届かなくて当然だな、と思います。