先日、うちに知らない子どもが訪ねてきました。最初は何やら怪しげだと思ったのですが、よくよく話を聞いてみると、なかなか興味深い話でした。彼は13歳で近所に住む子のようでしたが、家庭環境を考えると大学に行けない。でも、サンフランシスコ・クロニクル(地元の有力紙)がスポンサーをしているプログラムがあって、彼が新聞の契約をとってくるとポイントが加算されて奨学金がもらえる、というもののようです。
子どもに新聞の契約をとらせるなんて、と思われるかもしれませんが、75%の割引で、20ドル払うと18週間自宅まで新聞を届けてもらえるのですから格安です。新聞を届けるのは新聞社に雇われている人であって、もちろんこの子どもではありません。「うちはもう18週間もいないから」と言ったところ、途中で解約すれば返金すらしてもらえる、と彼は言っていました。どう考えてもサンフランシスコ・クロニクルに直接の利益をもたらす話ではありませんので、社会奉仕の一つのようです。サンフランシスコ・クロニクルのホームページをざっと見たところ、このプログラムを見つけることはできませんでしたが、彼は友だちから聞いたと言っていました。
彼は「契約してくれれば、洗車やゴミ出しなどを手伝います」と言うので、「これは私とサンフランシスコ・クロニクルの契約であって、あなたが奉仕活動をする必要はないのでは?」と言ったのですが、彼は「あなたが私を助けてくれるのなら、私もあなたを助けたいので」という返事でした。では、日本に帰る際に机などを売りに出すとき、力仕事が必要になるようだったら助けてほしい、とお願いすると、快く引き受けてくれました。
なんともアメリカらしい出来事でした。皆さまはどうとらえられたでしょうか?
もちろん、新聞も毎日届いてきます。(オートロックの門の外からの投げ込みなので、1階まで拾いに行かなければなりませんが・・・。これも、アメリカらしいことです)