民主党代表選に思う

民主党代表選についてのニュースを見ていて、少々思うところがあります。

岡田さんと鳩山さんという二人の候補の「政策の違い」が見えない、というような論調を見ると、代表候補者に求めるものは何か、という視点に違和感を覚えます。

かつて民主党にいた立場から知っていることは、民主党という政党は、地道な議論を積み重ねて政策を作っていく党です。私の時代に作った男女共同参画政策や子育て政策などが未だに残っているくらいに、その時どきの気分や人気取りで政策を作る党ではないですし、政策立案の仕組みそのものが基本的にはそうなっています(ただし、2005年以降のことはわかりません)。

それは、「民主」党という名前に象徴されるように、市民が政治参加をして政策立案にも本質的なところで関わる、という思想の一つの具現化であると思います。
(2005年の選挙で政策通・市民派の議員がかなり減りましたので、最近の民主党がそういう点でやや変質しつつあるのではないか、という点は危惧していますが・・・。)

ですから、新代表に求められる役割は、「どういう政策を作るか」ではなく、「選挙に勝つこと(有権者にアピールすること)も含めて、どのように民主党の政策を実現するか」という資質なのだと思うのです。

また、身近な市民に聞くと「『絶対にこの代表選には勝たなければならない』と言っているのを聞いて、どうして同じ政党なのにここまで? と思ってしまう」とも言われました。

以前から、代表選をすることのプラスとマイナスについて、プラス点は「政策論議が活発になる」、マイナス点は「党内にしこりが残る」というようなことがよく言われてきましたが、ぜひ今回の代表選は「どちらが代表になった方が民主党が実現したい政策が実現できるのか」という観点から行われることを期待しています。そうすれば、どちらが代表になっても、どうすれば政策実現につながるのかという知恵が集積されて前向きに進むことができるのではないでしょうか。