創元社から出していただいている対人関係療法シリーズの第六弾として、夫婦・パートナー関係の本を刊行いたしましたのでお知らせします。
病気の有無を問わず、一般の方向けです。
対人関係療法で改善する 夫婦・パートナー関係
創元社
1575円(税込)
店頭では、クリスマスイブには発売されるそうです。
以下、あとがきより抜粋です。
本書は「対人関係療法でなおす」シリーズの第六弾ですが、前作までは病気の治療について集中的に扱ってきたのに対し、本書は病気の方に限らずより一般にお役に立ちたい、という思いで「対人関係療法で改善する」というタイトルになっています。
正確に言えば対人関係療法は「病気の治療法」であり、治療の対象となるのはもちろん病気を持つ方です。そして実際に、対人関係療法を用いて夫婦関係に取り組んだ患者さんの多くが、症状が軽快する、病気が治る、という体験をされているのも事実です。
しかし、対人関係療法の考え方、そこで得られてきた経験が役に立つのは現在病気を患っておられる方だけではありません。夫婦・パートナー関係におけるストレスが積み重なって病気にすら至る、あるいは、夫婦・パートナー関係のずれが、他のストレスに対処する力を減じる、ということからは、病気を治すのみならず、予防的な観点からも、そして人生の質を向上させるためにも、対人関係療法のエッセンスを活用することの意義がわかります。
私は対人関係療法を用いて夫婦面接をするのが大好きですが、それは、人間が相互に及ぼしうるプラスの影響を目の当たりにする機会だからです。最初は夫婦関係そのものがストレスを生み出しているような人たちでも、治療の中で関係を改善させていくにつれて、夫婦関係がむしろ病気を治していく力になる、と感じさせられることが多いのです。人間同士の相互作用の力は本当に想像をはるかに超えるものだ、といつも感動しています。そんな感動を少しでも多くの方と分かち合えれば、というのが本書に込められた思いです。