菅直人さんが首相となり新政権が発足しました。
菅さんは私がかねてから現在の日本の政治家の中で最も高く評価している人ですので、これからの政権運営を楽しみにしています。
それにしても気になるのは、ここのところ乱高下を繰り返している政権支持率です。
政権発足直後は超高値がつくけれども、短期間のうちに超安値になる、という傾向をほぼ各政権が繰り返しています。
これは今の日本では政治が怒りを振り子にして進んでいる証拠だと私は思っています。
この傾向を続けていくと、「期待したのに裏切られた」という無力感が強まり、有権者と政治の距離が広がり、民主主義は形骸化していきます。
民主主義を根づかせるためには、「期待した」「裏切られた」という受け身の形ではなく、自分自身も社会の現状に何らかの責任を担っているという感覚が必要だと思っています。
菅新政権には、ぜひ、政治の新しい可能性を感じさせるような政権運営をしていただきたいと思っています。
どういう形でか、というと、「市民が主役の民主党」の結党時の理念をできるだけ具現化すること、また、個々の問題に、その理念を持って取り組む姿勢を例外なく見せることです。
従来型で「国民の皆さま」とおもねるのではなく、「官ではない公」を育てようとしている民主党らしさがわかる形にしてほしいです。
目の前に現れる政権に期待し、絶望し、怒り、というサイクルを繰り返すのではなく、自分もその社会作りに一緒に参加してみたいと思わせるような「夢」を示すのも政治家の仕事だと私は思っています。
最近若手の民主党議員が、優秀な官僚のような感じに変質してきていて、「夢」を感じさせる人が減っていることも気になります。
「夢」と言えば、かねてから気になっていたことを一つ・・・。
今朝の新聞にも、小沢前幹事長が「一兵卒として」新政権に協力する、という記事が載っていました。
選挙「戦」などもそうですが、政治絡みのことに戦争用語を使う文化は、そろそろ何とかできないものでしょうか。
多様な価値観や事情を持つ人たちが共に「最小不幸社会」を目指して暮らしていくための仕組みが、政治であるはずです。
そんな政治を戦争に見立てるという思想そのものが、社会の不幸を増やしていると思うのですが。
菅政権の活躍を期待すると共に、私自身もアティテューディナル・ヒーリングの活動を通して、新たな政治文化の構築に少しでも貢献したいと思っています。