「対人関係療法マスターブック 効果的な治療法の本質」刊行のお知らせ

私が専門としております対人関係療法(IPT)の専門家向け書き下ろしを金剛出版より刊行いたしました。

専門家向けではありますが、おそらく心理学などに興味がある一般の方にもおもしろく読んでいただけるのではないかと思います。

入手しにくい方、3冊以上ご購入の方(割引できます)は info@mizu.cx までご連絡ください。

目次
第1章 IPTの歴史
第2章 IPTの基本的な概念―大うつ病へのIPT―
第3章 IPTと他の精神療法の相違点と共通点
第4章 対人関係に焦点を当てるということの意味―PTSD,摂食障害―
第5章 「医原性役割の変化」という考え方―気分変調性障害,社会不安障害―
第6章 共感と教育の両立―境界性パーソナリティ障害―
第7章 対人関係スキルと医学モデルの「矛盾」を考える―反復性うつ病―
第8章 思春期にIPTを用いることの意味―問題行動も含めた思春期うつ病への応用―
第9章 IPTの質を損ねる問題
付 録 神経性大食症(過食症)用対人関係療法(IPT)マニュアル[第1版]

金剛出版 2730円(税込)

アマゾンで購入する

民主党代表選に思う

民主党代表選についてのニュースを見ていて、少々思うところがあります。

岡田さんと鳩山さんという二人の候補の「政策の違い」が見えない、というような論調を見ると、代表候補者に求めるものは何か、という視点に違和感を覚えます。

かつて民主党にいた立場から知っていることは、民主党という政党は、地道な議論を積み重ねて政策を作っていく党です。私の時代に作った男女共同参画政策や子育て政策などが未だに残っているくらいに、その時どきの気分や人気取りで政策を作る党ではないですし、政策立案の仕組みそのものが基本的にはそうなっています(ただし、2005年以降のことはわかりません)。

それは、「民主」党という名前に象徴されるように、市民が政治参加をして政策立案にも本質的なところで関わる、という思想の一つの具現化であると思います。
(2005年の選挙で政策通・市民派の議員がかなり減りましたので、最近の民主党がそういう点でやや変質しつつあるのではないか、という点は危惧していますが・・・。)

ですから、新代表に求められる役割は、「どういう政策を作るか」ではなく、「選挙に勝つこと(有権者にアピールすること)も含めて、どのように民主党の政策を実現するか」という資質なのだと思うのです。

また、身近な市民に聞くと「『絶対にこの代表選には勝たなければならない』と言っているのを聞いて、どうして同じ政党なのにここまで? と思ってしまう」とも言われました。

以前から、代表選をすることのプラスとマイナスについて、プラス点は「政策論議が活発になる」、マイナス点は「党内にしこりが残る」というようなことがよく言われてきましたが、ぜひ今回の代表選は「どちらが代表になった方が民主党が実現したい政策が実現できるのか」という観点から行われることを期待しています。そうすれば、どちらが代表になっても、どうすれば政策実現につながるのかという知恵が集積されて前向きに進むことができるのではないでしょうか。

四ノ宮浩監督

最近、ある方のご紹介で映画監督の四ノ宮浩(しのみやひろし)さんに出会うことができました。
知る人ぞ知る存在のようですが、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思いましたので、ご紹介させていただきます。

四ノ宮監督は、フィリピン・マニラ近郊の巨大なゴミ捨て場「スモーキーマウンテン」で、ゴミを拾って転売することを生業として暮らしていた2万人以上の人の中に入り、その生活に密着して撮ったドキュメンタリー映画「忘れられた子供たち ―スカベンジャー―」を1995年に発表。第44回ドイツ・マンハイム国際映画祭ベストドキュメンタリー賞など多数を受賞しました。2001年に同じくフィリピンのパタヤスゴミ捨て場を舞台とした「神の子たち」を発表し、20カ国以上で上映されるなど世界中で反響を呼びました。2001年のテロの後は、イラクやアフガニスタンを放浪し、原点であるスモーキーマウンテンに2006年に戻って撮った最新作「BASURA バスーラ」が間もなくロードショーとして公開されます。

四ノ宮監督とゲストトークつきの特別先行上映会も開催されますので、ホームページ

http://www.office4-pro.com

をご覧ください。他にも「放浪監督日記」などいろいろな情報が載っています。

四ノ宮監督はアジアの子どもたちの直接支援もしていますが、同時に、子どもたちから多くのもの(物質ではありませんが)を受けっているようにも思います。

以下が、私が「BASURA バスーラ」を観ての感想です。(上記ホームページに載せていただいています)
映画の雰囲気が少しでも伝われば幸いです。

=====

政府の腐敗・無能ぶりを語る周辺の人たちと対照的に、主人公たちが被害者意識を全く感じさせないことに目が開かれる思いがしました。

それは単に、その日暮らしの大変さや、政治的な知識の欠如によるのかもしれませんが、私の目には、愛する人たちのために心を全開にしていて、被害者意識など入り込む余地がないように見えました。
だから、あんな状況でも、むしろ濃厚な愛を感じながら、助け合い、生き延びていけるのだと思います。
彼らはお金のことを話していますが、お金のために生きているのではないことをはっきりとわかっているからです。

そして、「誰かが何かをやっていない」ことに目を向け非難するのではなく、自分ができることを始めた監督をはじめとするボランティアの方たちに同じ愛の姿勢を感じました。

被害者意識、怒り、無力感を感じてもおかしくない内容でありながら、鑑賞後にそのような気持ちを一切残さない、不思議な映画です。

=====

坂本龍一さんが「このような作品が作られ、多くの人々の目に触れるべきだとの必要性を痛感しています」というコメントを寄せられていますが、私も一人でも多くの方に観ていただきたいと思います。
フィリピンの恥部をなぜ撮ると非難されたり危険な目に遭ったり、ということもあったようです(ゴミ捨て場の子どもたちからではありません)。
四ノ宮監督がまさに身体を張って撮った作品を、できれば3つとも観ていただきたいです。

四ノ宮監督は、私が力を入れているアティテューディナル・ヒーリングにとても理解を示してくださったので、これからまたいろいろな活動がつながっていけば嬉しいです。

栃木講演のお知らせ「長期療養患者のメンタルヘルスについて」

● 全国膠原病友の会栃木県支部30周年 及び支援する会10周年記念大会

講演「長期療養患者のメンタルヘルスについて」

日時:2009年7月5日(日) 13:00から

  *当日は午前10時より式典およびパネルディスカッションがあります。
パネルディスカッションのコーディネーターは狩野庄吾先生(自治医科大学名誉教授)、パネリストは畠山牧男先生(上越市立国保清里診療所所長)、倉沢和宏先生(獨協医科大学呼吸器アレルギー内科准教授)、長嶋孝夫先生(自治医科大学アレルギー・リウマチ科医長)、矢板橋チヅ子先生(衛生福祉大学前校長)です。

場所: 宇都宮市大通り2-4-6 ホテルニューイタヤ    (028-635-5511)

どなたでも参加いただけるそうです。

お問い合わせは:
全国膠原病友の会栃木県支部事務局
    宇都宮市砂田町461 028-656-2386

有料メールマガジン「怖れを手放す」創刊のお知らせ

アティテューディナル・ヒーリング(AH)の原点である「奇跡についてのコース」の概念を紹介しながらアティテューディナル・ヒーリングの基礎を固めるためのメールマガジンを4月から始めます。
アティテューディナル・ヒーリング(AH)中級者向けですので、アティテューディナル・ヒーリング(AH)にある程度なじんでいる方にお勧めです。

毎月第一・第三金曜日の発行で、月額200円+税です。1ヶ月は無料で読めます。

ご登録は http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/77/P0007797.html

講演&対談 The・摂食障害 NABA独立・移転15周年記念セミナー

日時: 2009年3月15日(日)13:30-16:30(全体は10:00-16:30)

内容: 福島県立医科大学医学部生理学講座教授・福島お達者クラブ世話人の香山雪彦先生とともに、講演と対談をします。香山先生はいろいろなご縁があった温かい先生です。ご著書に「食を拒む・食に溺れる心」などがあります。

会場: 烏山区民会館 集会室(京王線千歳烏山駅徒歩1分)

参加費: 前売り2500円 当日3000円

主催: NABA(日本アノレキシア・ブリミア協会)

申し込み・お問い合わせ:NABA(ナバ) 電話03-3302-0710(月~金 10:00-12:00、13:00-16:00)
NABAホームページにも申し込み方法が書いてあります。

「対人関係療法総合ガイド」刊行のお知らせ

私が専門にしております「対人関係療法」の改訂版テキストの全訳を刊行いたしました。
専門家向けで、対人関係療法家を目指す人必読の書です(475ページもある分厚い本です)。
手に入りにくい方、6冊以上お求めの方(送料無料で版元から送ってもらえます)はinfo@mizu.cx までお気軽にご連絡ください。

対人関係療法総合ガイド ワイスマンら著 水島広子訳

岩崎学術出版社 5250円(税込)

アマゾンで購入する

東洋医学国際研究財団「春の都民健康セミナー」講演のお知らせ

講演「長寿のための心のケア ― 最新のデータと東洋医学が融合するところ―」

第17回 春の都民健康セミナー 「健やかな過ごし方・上手な生き方の秘密」

日時: 2009年3月14日(土)13:00-15:45 (12:30開場 水島講演は13:00-14:00)

会場: 昭和女子大学 本部館 3階大会議室 (東京都世田谷区太子堂1-7)

参加費用: 無料 先着200名様(事前申し込み順)

主催: (財)東洋医学国際研究財団
後援: 日本臨床栄養協会・(財)東京都老人クラブ連合会・(社)日本ウェルネス協会

講演1 13:00-14:00
「長寿のための心のケア ― 最新のデータと東洋医学が融合するところ―」 水島広子

講演2 14:00-15:00 
「医食同源・食を科学する ―薬膳(健康長寿食)を食品の機能性から探る―」 東京海洋大学大学院教授 矢澤 一良

お問い合わせ・お申し込みは、
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町4-1ホテルニューオータニ・ビジネスコート 10F
シダックス(株)気付 都民健康セミナー事務局 佐藤様
ファクス 03-5212-3602
電話 03-3221-5073
メール shigeo_sato@shidax.co.jp

テレビ朝日に出演します

日時: 2009年1月13日(火) 19:00-20:54

番組: 面と向かって聞けない 噂のクエスチョン お医者さん編

20人くらいの医者が集められて、一つのテーマについて賛否両論を語り合うことで真実を明らかにしようという趣旨の番組です。内容は、「かぜ」「ダイエット」「うつ」「認知症」など、得意分野が多かったので、いつもよりは多く発言しましたが、生放送ではないので、どういうふうに放映されますことか。

「怖れを手放す アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ」刊行のお知らせ

このたび、新刊「怖れを手放す アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ」(星和書店 税込み1785円)を刊行いたしました。

これは私の精神科医としての仕事ではなく、政治活動を通して、政治を機能させるための基盤作りとして必要なものだと痛感したために行っている活動をまとめたものです。

私の著書という形をとっていますが、実際のワークショップを収録して本の形にしたものです。巻末には、ホームページでも紹介しております、パトリシア・ロビンソンの「アティテューディナル・ヒーリングの原則の一つの定義」も収録してあります。

社会不安が高まるときには、ヒトラーの登場など、歴史的にもいろいろな悲劇が起こっております。もちろん我が国も例外ではありません。そのようなときに、一人一人が自分の心の姿勢に責任を持っていくということがとても重要だと感じて始めた活動です。修復的司法にも通じる考え方だと思っております。

以下、本書あとがきより抜粋します。

=====

本書は、アティテュディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)の入門ワークショップを実際に収録し本の形にしたものです。私がアメリカのセンターで七ヶ月間の研修兼ボランティアをした後に日本で始めたワークショップですが、思いのほか多くの方から参加のご希望をいただき、完全なボランティア活動としてはとても対応しきれなくなってしまいました。また、地方でのワークショップの開催にも限界がありますので、「とても東京までワークショップを受けに行かれない」という方たちのお声にも十分に応えられずにまいりました。

そんな中で救いの手を差し伸べてくださったのが星和書店さんでした。「それほど好評で役に立つワークショップでしたら、収録して、どなたでも手軽に触れられるようにしたらいかがですか」というお声を、社長さん自らがかけてくださったのです。本当に嬉しくて、創始者ジェリー・ジャンポルスキーに報告しましたら、「ね、だから怖れを手放せばすべてがうまく進んでいく、と言っただろう?」と喜んでくれました。実は、すでにワークショップを経験された方たちからも、「もう一度ガイドラインや原則を復習できる本を作ってほしい」という声をたくさんいただいていたので、まさに、願いがかなったことになります。

さて、そうは言っても、ワークショップの醍醐味は、それぞれが自らのデリケートな部分をさらけ出すことによってつながりを感じる部分にあります。そんなワークショップの収録など可能なのだろうか、と疑問に思ったのですが、これも杞憂に終わりました。収録参加希望者を募ったところ、結果的にお断りしなければならないほどに多くの方からご希望をいただくことができたのです。そして、収録のカメラが回っている中でも、本当に真剣に自らをさらけ出してくださった皆さまの勇気に、「与えるこころ」の美しさを感じました。もちろん、プライバシーを守るために、一部の個人情報は変更していただくよう、お願いはしてありますが、そんな細工が何の影響ももたらさないほどに、皆さま真摯に参加してくださいました。その結果として本書ができました。

ワークショップの雰囲気をよりよくわかっていただくために、DVDも同時に制作しております。DVDは2009年2月に発売予定ですので、そちらもぜひご参考にしていただければと思います。

ちなみに、私の本職(?)は精神科医です。社会基盤を整えれば人の心がもっと健康になるのではないかと考えて国会議員になったこともあります。もちろん、病気を治療するためには医療が必要ですし、社会生活を維持していくためにはいろいろな制度も必要です。でも、それらを支える一番の根底に、アティテューディナル・ヒーリングの考え方が根づけば、何をするにもつきものの「怖れ」を違った角度から眺めることができますし、病気を持とうと、社会的に困窮しようと、人生をとらえるまったく別の選択肢があるのだということに気づくことができると信じています。

本書の応用範囲は広いと思います。お一人でかみしめて読んでいただいても良いし、お仲間と勉強会を開いていただいても良いと思います。読者の皆さまが実際にワークショップに参加しているような気持ちになっていただければ何よりです。

=====

改めて、収録用ワークショップに参加してくださった皆さま、ここまでの活動にご協力くださった皆さまに感謝申し上げます。

これを機に、より多くの皆さまがアティテューディナル・ヒーリングに触れてくださることを祈っております。

なお、10冊以上ご購入の方は info@mizu.cx までご連絡ください。

アマゾンで購入する方はこちら