最近、ある方のご紹介で映画監督の四ノ宮浩(しのみやひろし)さんに出会うことができました。
知る人ぞ知る存在のようですが、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思いましたので、ご紹介させていただきます。
四ノ宮監督は、フィリピン・マニラ近郊の巨大なゴミ捨て場「スモーキーマウンテン」で、ゴミを拾って転売することを生業として暮らしていた2万人以上の人の中に入り、その生活に密着して撮ったドキュメンタリー映画「忘れられた子供たち ―スカベンジャー―」を1995年に発表。第44回ドイツ・マンハイム国際映画祭ベストドキュメンタリー賞など多数を受賞しました。2001年に同じくフィリピンのパタヤスゴミ捨て場を舞台とした「神の子たち」を発表し、20カ国以上で上映されるなど世界中で反響を呼びました。2001年のテロの後は、イラクやアフガニスタンを放浪し、原点であるスモーキーマウンテンに2006年に戻って撮った最新作「BASURA バスーラ」が間もなくロードショーとして公開されます。
四ノ宮監督とゲストトークつきの特別先行上映会も開催されますので、ホームページ
http://www.office4-pro.com
をご覧ください。他にも「放浪監督日記」などいろいろな情報が載っています。
四ノ宮監督はアジアの子どもたちの直接支援もしていますが、同時に、子どもたちから多くのもの(物質ではありませんが)を受けっているようにも思います。
以下が、私が「BASURA バスーラ」を観ての感想です。(上記ホームページに載せていただいています)
映画の雰囲気が少しでも伝われば幸いです。
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政府の腐敗・無能ぶりを語る周辺の人たちと対照的に、主人公たちが被害者意識を全く感じさせないことに目が開かれる思いがしました。
それは単に、その日暮らしの大変さや、政治的な知識の欠如によるのかもしれませんが、私の目には、愛する人たちのために心を全開にしていて、被害者意識など入り込む余地がないように見えました。
だから、あんな状況でも、むしろ濃厚な愛を感じながら、助け合い、生き延びていけるのだと思います。
彼らはお金のことを話していますが、お金のために生きているのではないことをはっきりとわかっているからです。
そして、「誰かが何かをやっていない」ことに目を向け非難するのではなく、自分ができることを始めた監督をはじめとするボランティアの方たちに同じ愛の姿勢を感じました。
被害者意識、怒り、無力感を感じてもおかしくない内容でありながら、鑑賞後にそのような気持ちを一切残さない、不思議な映画です。
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坂本龍一さんが「このような作品が作られ、多くの人々の目に触れるべきだとの必要性を痛感しています」というコメントを寄せられていますが、私も一人でも多くの方に観ていただきたいと思います。
フィリピンの恥部をなぜ撮ると非難されたり危険な目に遭ったり、ということもあったようです(ゴミ捨て場の子どもたちからではありません)。
四ノ宮監督がまさに身体を張って撮った作品を、できれば3つとも観ていただきたいです。
四ノ宮監督は、私が力を入れているアティテューディナル・ヒーリングにとても理解を示してくださったので、これからまたいろいろな活動がつながっていけば嬉しいです。