「対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD」を刊行しました

創元社から出していただいている対人関係療法シリーズの第五弾として、トラウマの本を刊行いたしましたのでお知らせします。

タイトルが「トラウマ・PTSD」と変則的な形になっているのは、PTSDについても説明しつつ、トラウマによる病全般(うつ病、摂食障害、社交不安障害など)を視野に入れているものだからです。

一般の方(患者さん、ご家族、その他ご関心のある方)向けです。

対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD

創元社

1575円(税込)

アマゾンで購入する方は

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4422114654?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4422114654

本の帯より

□ 衝撃的な体験をしてから、どう生きたらよいかわからなくなった
□ 些細なことでひどく怒るなど、感情のコントロールが難しい
□ 人を信じられず、怖く感じることが多い
□ 自分の感じ方を全く肯定できない
□ なかなか治らないうつ病や摂食障害などがある

ふつうの「傷つき」とは異なるトラウマがあなたにもたらす苦しみ —- 今度こそ自由になるための向き合い方・受け止め方

以下、「あとがき」からの抜粋です。

 私は様々なトラウマ患者さんを診てきましたが、いつもつくづく思うのは、トラウマ症状がよく知られていないために、どれほど対人関係が歪んでしまうかということです。周囲はもちろんのこと、本人も、自らの言動がトラウマ症状を反映したものだということに全く気づいていないことの方が多く、「なぜこんなにうまくいかないのだろう」というところで行き詰まってしまうのです。本人がトラウマ体験をしているということが明らかになってもなお、目の前で起こっていることがトラウマを反映したものだと気づかれないことが多いですし、トラウマ症状だというところまではわかっても、対処法がわからずに火に油を注ぐようなことになってしまっている人たちもいます。トラウマの苦しみは、トラウマ体験そのものからくるだけでなく、現在の「生きづらさ」による部分もとても多いのです。

 トラウマは対人関係に大きな影響を与えるものですが、同時に、トラウマからの回復に大きな力を発揮するのも対人関係です。トラウマによって悪循環に陥ってしまった対人関係を癒しの力に変えていくことが対人関係療法の本質だと言えますが、その効果に感動することも少なくありません。意外なところに効果が現れてくる、というのがその実感で、トラウマによって見えなくなっていた自分の力とつながるというのはこういうことなのだな、としみじみ思います。そんな体験を少しでもお伝えしたいと思い、本書を書きました。トラウマについて私が普段患者さんにお話しするようなことはだいたいカバーできたと思います。

1月のツイッターより(反響の大きかったものの抜粋)

2011年1月のツイッターより、反響が大きかったものの抜粋です。


2011年01月01日(土)

あけましておめでとうございます。現在アメリカなので、実はまだ2010年で、年越しはこれからです。アメリカはいろいろな問題を抱えた国ですが、知らない人同士目が合うと微笑み合う文化は個人的に大好きです。お金も苦労もかからずにとても気持ちがよくなるのですから。


2011年01月07日(金)

帰国。「対人関係療法でなおす うつ病」が重版になるとの連絡をいただく。一人でも多くの方に読んでいただきたいと思って書くので、重版のお知らせはいつも大変嬉しい。http://amzn.to/fQIBY4


2011年01月08日(土)

朝日1面「貧困救う学びの場」をじっくり読んだ。高校進学をしたいが塾に行くお金がない子どもたち向けにNPOが提供している無料塾に、中学校の先生からも自分の生徒をみてほしいという依頼が来るそうだ。親の経済格差を子どもの世代にそのまま引き継がせないための貴重な努力。

これは公教育の現場における歪みと余裕のなさという問題として見ることもできるし、それはそれで重要な観点だ。公教育は、社会で最も大切なものの一つとして、皆が本気で考えるべきテーマだと信じている。一方、公的サービスを誰が担うのかという視点からも見ることができる。

本来公教育が担うべき役割をNPOが補完している。これは、他の公的な領域にも広がっている現象だ。この流れが進むと国の形が変わる。税金を払って政府に使い道を任せる社会から、自分が望ましいと思う公的サービスに投資する(そして減税される)社会に日本は転じるのだろうか。

なお、NPOがそれだけの役割を担うには税制の改正が不可欠。そういう意味では日本におけるNPOの位置づけはまだまだ中途半端。参考までに、私がかつて米国のNPOについて書いたもの。http://bit.ly/eH7dMk


2011年01月09日(日)

数日前に取材協力したアエラの見本誌(1月17日号)が届く。「菅は『葬式躁』になっている」という扇情的な見出し。ちなみに「葬式躁」は香山リカ氏の「みたて」で、私が述べた「恥ずかしがり屋の旧世代の男性で、言葉足らず」という見解とは全く異なる。

それにしてもこの記事は、香山リカ氏、和田秀樹氏、そして私、と「3人の精神科医に『診断』してもらうと・・・」というものだった(取材されたときは知らず)。私は菅さんを直接知っているのでその立場で答えたが、病気でもない人について精神科医のコメントがなぜ必要なのだろう。


2011年01月13日(木)

菅首相「国会対応、まじめすぎた」発言。要は「野党ペースに乗せられてしまい、自らのペースを作れなかった」という意味だと思うが、もちろんこれでは「ふまじめでいいのか」という批判が出るだろう。伝えたいことに適切な言葉を与える側近が本当に必要だと思う。


2011年01月14日(金)

朝日3面「凶弾が映す米国の分裂」。米国内の分断について「米国の自由主義を脅かすのはイスラム過激派でもテロ支援国家でもなく、米自身が自壊に向かっているのではないか」これは米国に限った問題ではなく、他者を攻撃するときには自らを攻撃しているということの象徴だと思う。

他者を自分から分断する姿勢は、自分の中にも分断を作り出す。良心との分断もその一例だ。「人の悪口を言うのはよくないけれども、今だけは例外だ」などというように。米国も、「正義」の名の下に多くの人の命を奪ってきたが、「今だけは例外」が続いてきたのだろう。

今回の銃乱射事件で命を絶たれた911テロの日生まれの9歳の少女(うちの息子と同じ日生まれ)についてオバマ大統領が「私たち大人が慣れきった虚無や悪態などの汚れを知らないまま胸を躍らせて政治集会を訪れていた彼女の期待に、私たちはこたえるべきだ」(朝日3面)

虚無や悪態は「汚れ」と言うよりも、自動反射的な習慣の積み重ねだと思う。何よりも大きな可能性を持つのは、自動反射的に何かに反応する前に、一人ひとりが自らの内面に向き合い、心の姿勢に責任を取っていくことだと改めて感じる。社会の平和はやはり一人ひとりの心の平和からだ。


2011年01月17日(月)

やや専門家向け(?)のエッセイを、ホームページから読めるようにしました。岩崎学術出版社から本を刊行する都度「学術通信」に気ままに書いたものです。「トラウマの現実に向き合う」を刊行したので、次のエッセイを執筆中。http://bit.ly/endLf6


2011年01月18日(火)

保護者からのクレームで不眠症になった、と小学校の教員が当該保護者を提訴したというニュース。詳細はわからないが、訴訟を起こす以外に解決の場がなかった(と当事者が思った)ことは事実。誰が悪いかではなく、今の教育現場に欠けているものを真剣に考える機会にしてほしい。

校長から市教委にあてられた提訴を支持する文書の中で「モンスターペアレンツに学校や教師が負けないように」という表現が使われているが、子どもが主役の学校という現場で、大人の勝ち負けという概念には違和感。くれぐれも子どもたち(当の子どもも含めて)を中心に考えてほしい。

もちろんこういう状況に必要なのは修復的司法の考え方だろう。イギリスに習って、日本の学校も積極的に修復的司法を取り入れたらよいと思う。対立の解決にもなるし、何らかの危機(教員が保護者を提訴というのも危機だと思う)に直面したときの心のケアにもなる。


2011年01月20日(木)

今朝の朝日新聞「耕論」のテーマはここのところ朝日が特集している「孤族の国」。藤森克彦さんと上野千鶴子さんの意見に共通するのが「単身を前提とした社会の仕組みづくり」の必要性。これは全く同感で、社会の現実に対して、社会保障などはまだまだ前時代的な前提に基づいている。

現実と社会制度がずれると歪みが生まれるのは当然のこと。今はどうだか知らないが、私が現職国会議員だった頃、行政はまだ「標準世帯」という概念を用いていた。専業主婦がいて、子どもが二人、という世帯のことだ。高度経済成長時代には多かったが今では少数派と言える世帯。

社会保障が「単身」を前提にするようになると、本当にバラバラの社会になってしまうのではないかと懸念する人もいるが、実際には逆で、ライフスタイル選択に伴うリスクが減れば、それだけ純粋に関係性の構築にエネルギーを注げるようになるのではないかとも思う。


2011年01月21日(金)

児童施設内の虐待。職員の専門性の向上と、人員配置の改善は急務。日本の児童養護施設では子ども6人につき職員1名だが、私が視察したノルウェーの青少年ホームでは子ども1人につき職員2名(2交代)だった。http://bit.ly/hN2RxU 5項目目「ピーターホフ青少年ホーム」

児童施設の職員もそうだが、以前お会いした里親の方は、虐待を受けた子どもが呈するトラウマ症状とその対処法を知らなかったため、本当に孤立無援で振り回されていた。症状を持つ子に対しては、専門知識による支えがあって初めて、子ども本人を愛し受け入れる余裕ができると思う。


2011年01月23日(日)

今朝の朝日の社説は新型インフルエンザについて「適度に怖がるというのは、いかに難しいか」で始まる。これは「適度」という程度問題ではなく、現実のリスク評価と心の姿勢を区別するという話だと思う。想定されるリスクに対処することと、「怖れ」という心の姿勢を採用することは別。

その両者の違いは、今までの拙著の中でも、「アセスメント」と「ジャッジメント」の違いとして http://amzn.to/geEbV0  また、「不安」(という感情の本来の意味)と「怖れ」の違いとして http://amzn.to/fQCajx  書いてきた。

ある立場における「正論」は他の立場の人を傷つけうるものであり、つながりを重視した「人間の安全保障」のためには、それぞれが一人の人間として「自分の」事情と気持ちを誠実に語っていくことが最も効果的だと思う。他者に評価を下す「正論」ではなく。


2011年01月25日(火)

昨日の朝日新聞関西版夕刊「心をあたためよう」という記事で、阪神淡路大震災で救援活動の陣頭指揮をとられた精神科医の巨頭・中井久夫先生が拙著「トラウマの現実に向き合う」を紹介してくださったとのお知らせをいただく。大変光栄なことだ。http://amzn.to/geEbV0

拙著の副題は「ジャッジメントを手放すということ」だが、中井先生は認知症についてのジャッジメントに問題意識を持っておられ、拙著が参考になると言ってくださっている。中井先生は統合失調症が不治と言われていた頃にも疑問を持たれていたが、今度は認知症にも同じ問題意識を持たれている。敬意。

「不治と決めつけている現状から一歩でも出ることです。統合失調症でも不治を前提とすると何でもその証拠に見えましたし、良くなれば、もともと統合失調症でないとされた。この『目のウロコ』を取らなくては」(1月24日朝日夕刊関西版・中井久夫先生)

「知情意(知性・感情・意志)の、情と意の部分を周囲が大切にすると、ずいぶん違ってくると思います。患者は『自分の人生の主人公である』と、どういう時でも思わせることが工夫のしどころでしょう。」(1月24日朝日夕刊関西版・中井久夫先生)


2011年01月27日(木)

社会保障が政局に翻弄されてしまわないためには、メディアがよほどしっかりして政局から社会保障を守るか、国会以外に熟議の場を作り、形になってから国会に戻すか、のどちらかが必要だという気がする。「与野党のお手並み拝見」だけで乗り切ろうとするのはあまりにリスクが高そうだ。


2011年01月28日(金)

今朝の朝日「耕論」は中国について「脅威論の落とし穴」。松田康博氏は「感情的な『中国脅威論』は戦略の名に値しない」「(素朴な脅威論も素朴な敗北主義も)どちらも中国の穏健派を弱め、強硬派を強めてしまいかねない」。「脅威論」は「怖れ」の姿勢を反映したものだと感じる。

西崎文子氏「外交不在の問題を、防衛軍事戦略の問題にすり替えるような発想は、日本を含めたアジア諸国の排他的ナショナリズムを刺激するばかりでなく、軍事の論理が政治に優越するような社会へと私たちを導きかねない」(朝日新聞「耕論」)これも共感する視点。

AHではあらゆる「脅威」を手放すことができると考え、「無防備の中に安全がある」と言う。これを物理的なレベルでとるとすぐに反証があがってくるが、心の姿勢のレベルでとらえれば、現実的にとても効果的だと感じている。冷静なリスク計算もその上に成り立つものだからだ。


バイロン・ケイティのワークショップのお知らせ

私が訳した「探すのをやめたとき愛は見つかる」(創元社)の著者で、「ワーク」の創始者であるバイロン・ケイティが、今年来日してワークショップを行うことになりました。
私はカリフォルニアの男子刑務所で「ワーク」のボランティアをしておりましたが、受刑者にとてもプラスの影響を与えていました。
初めて刑務所に行ったときの体験は http://blog.goo.ne.jp/mizucx/e/7a8374554563acb97579a4dbb8ea3416 です。

ご関心のある方はぜひご参加ください。

詳細は

http://www.transpersonal.co.jp/byronkatiework2011/

「対人関係カウンセリング(IPC)の進め方」刊行しました

精神科の治療が必要でない程度の軽いうつの方へのカウンセリングとして効果が示されている対人関係カウンセリング(IPC)の進め方をご紹介した本です。
私が専門としている対人関係療法の簡易版です。
日本語では初めてのご紹介になります。
できるだけ読みやすい形にしたつもりですので、お役に立てば幸いです。

対人関係カウンセリング(IPC)の進め方 ― 軽度のうつやストレスを抱える人への援助
創元社
定価 2100円(税込)

アマゾンで購入される方は 
http://amzn.to/ezzPbs

【本の帯より】
「軽いうつ症状」や「ストレス」に悩む人たちに非常に効果的な、対人関係療法の考え方を用いた短期カウンセリングの方法を紹介。
●カウンセラー
●会社のメンタルサポートに関わる人たち
●プライマリケアの医師
●そのほか、こころの援助に関わるすべての人たち・・・・・・にお薦めします。

「トラウマの現実に向き合う ― ジャッジメントを手放すということ」刊行しました

「トラウマの現実に向き合う ― ジャッジメントを手放すということ」
という本を刊行しました。
治療者向けの本ですが、一般の方にもお読みいただける内容です。

トラウマにご関心のある方はもちろん、評価(ジャッジメント)を手放すということにご関心のある方、ゆるしにご関心のある方にもお勧めできます。

比較的著者の思い入れの強い本ですので、ご一読いただけると嬉しいです。

トラウマの現実に向き合う ― ジャッジメントを手放すということ

岩崎学術出版社

定価 2100円(税込)

アマゾンで購入する方は
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4753310140?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4753310140

★★★ 目次

はじめに
 
第1章 「不信」という現実に向き合う──治療の土台づくり

第2章 「コントロール感覚の喪失」という現実に向き合う──治療のメインテーマ

第3章 「病気」という現実に向き合う──治療の位置づけ

第4章 「文脈」という現実に向き合う──トラウマの位置づけ

第5章 「身近な人たち」の現実に向き合う──トラウマと対人関係

第6章 「ジャッジメント」の現実に向き合う──燃え尽きを防ぐ

第7章 治療者自身の現実に向き合う──自らの価値観やトラウマ

第8章 「トラウマ体験」という現実に向き合う──ゆるすということ

 
★★★「はじめに」より抜粋

 トラウマ治療において、「安全」というテーマを終始一貫して守ることは生命線だと思う。これは特定の戦略や技法以上にずっと大切なことである。もちろん特定の戦略や技法は効果的な治療のための必要条件だとは思うが、十分条件ではない。そもそもが、「持続エクスポージャー療法など、トラウマ関連の病気に対する治療法を知っていること」と、「実際に臨床の場でトラウマ体験者の役に立つこと」とは必ずしも一致しない。

 治療関係も一つの人間関係である以上、「信頼」というテーマを抱えたトラウマ体験者にとって、治療に入るということは多大なる勇気を必要とする場合も少なくない。患者に初めて会ってから、「トラウマ関連の病気に対する治療法」に入るまでの間が、ある意味では最も治療的なプロセスを要するとも言える。

 治療導入の難しさだけでなく、一歩間違えると、すでに傷つきやすくなっている人をさらに傷つけ、すでに対人不信を持っている人をさらに対人不信に陥らせてしまう。また、治療者側の姿勢によっては、容易に燃え尽きてしまう領域でもある。「どのような姿勢でトラウマ体験者に向き合うか」ということは、個別の治療戦略や技法よりもさらに本質的に、治療の成否に関わることだと思う。個別の治療戦略や技法について言えば、そもそも、どんな治療法も万能ではなく(そしてそれを用いるどんな治療者も万能ではなく)、ある患者にとってある治療者によるある治療法の効果がうまく出ない、ということは当然起こりうることである。

 本書を通してトラウマ治療に向き合う治療者の姿勢について考えていきたいが、今までに多くのトラウマ体験者に関わってきた経験からは、その鍵は、「治療者は病気の専門家ではあるが、人間の専門家ではない」というところにあると私は思っている。治療者が立ち入れるのは、病気に関する部分だけである。その点を忘れてしまい、人間としての相手に評価を下してしまうところにさまざまな問題が起こってくるのだと思う。そこに支配関係が生まれたり、新たなトラウマが発生したり、治療への絶望感が起こったり、治療者の燃え尽きが生じたりするのだ。「治療者は病気の専門家」という部分は、成功する治療を支える重要な要素であり、決して軽視すべきことではない。しかし、それが本当に発揮されるのは、「治療者は人間の専門家ではない」という部分が十分に認識されたときなのだと私は信じている。これは実はどんな病気についても言えることだが、ことトラウマ関連の病気については特に意識すべきことだと思う。

 本書ではこの点を掘り下げながら、トラウマに向き合う治療姿勢について考えていきたいと思う。トラウマを持つ人の役に真に立ちたいと思っている方、自らの燃え尽きや苛立ちを感じつつある方のお役に立てば幸いである。

「対人関係療法でなおす 気分変調性障害」を刊行しました

創元社から出していただいている対人関係療法シリーズの第四弾として、気分変調性障害(慢性のうつ病)の本を刊行いたしましたのでお知らせします。
一般の方(患者さん、ご家族、その他ご関心のある方)向けです。

対人関係療法でなおす 気分変調性障害 ― 自分の「うつ」は性格の問題だと思っている人へ

創元社

1575円(税込)

アマゾンで購入する方は

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4422114646?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4422114646

「本書を読んでいただきたい方」について、「はじめに」より抜粋します。

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はじめに 本書を読んでいただきたいのはこんな方です

自分は人間としてどこか欠けていると思う。
他の人は苦しいことにもしっかり耐えているのに、自分は弱い人間だと思う。
自分は何をやってもうまくいかない。
自分は何か、なすべき努力を怠っているような気がする。
人が「本当の自分」を知ったら、きっと嫌いになるだろう。 
「○○したい」と言うのは、わがままなことだと思う。
自分が何かを言って波風を立てるくらいなら、我慢したほうがずっとましだ。
自分の人生がうまくいかないのは、自分が今までちゃんと生きてこなかったからだ。
人生は苦しい試練の連続であり、それを楽しめるとはとても思えない。
これから先の人生に希望があるとは思えない。

もしもあなたが、ほとんど毎日、上に挙げたように感じているのであれば、本書をぜひ読んでみてください。本書のテーマである「気分変調性障害」である可能性が高いからです。
そんなふうに感じる方の多くが、「気分変調性障害」などという病名を聞いたことがないかもしれませんし、今まで一度も治療を受けたことがないかもしれません。おそらく、「これは病気ではなく性格の問題」「これは治療で解決すべきことではなく、人間力をつけることで解決しなければならない問題」などと思っておられるのではないでしょうか。そしてその先には、「性格の問題だからどうしようもない」「自分には解決する力などない」という絶望もついてくると思います。絶望を感じながらも、自己啓発の本を読んでみたり、セミナーなどに参加してみたりしたことがあるかもしれません。そしてそれらの結論も、「やっぱり自分はだめだ」というものだったのではないでしょうか。
実は、冒頭に挙げた感じ方はいずれも「気分変調性障害」という「病気」の症状として現れてくるものであって、治療可能であるということを聞いたことがあるでしょうか? もしもなければ、ぜひ本書を読み進めてください。また、聞いたことはあっても、よくわからない、ぴんとこない、という方も、本書でその具体的な内容を知っていただきたいと思います。「病気」と言われることに何らかの抵抗を感じる方にも、本書がお勧めです。第一章で述べますが、本当に気分変調性障害を持つ人であれば、「自分の場合は病気ではなくて、本当に人間としての欠陥があるのだ」と感じるてしまうのがふつうですから、「あなたは病気で、治療可能です」と言われることに懐疑的な人こそが、本書にふさわしい読者なのです。

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「正しく知る不安障害 ~不安を理解し怖れを手放す~」を刊行しました

技術評論社の「ぐっと人がわかるシリーズ」の1冊として、「正しく知る不安障害 ~不安を理解し怖れを手放す~」を出版していただきました。

パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など不安障害について一般の方向けに説明した本です。

不安障害をお持ちの方、その身近にいる方、不安が強い方、不安という感情に関心がある方にお勧めです。

あとがきより一部抜粋します。

(前略)もう一つ本書で明らかにしたかったのは、「不安」と「怖れ」の違いです。この二つはほとんど同義に用いられることもある言葉ですが、私は本書で、単なる感情としての「不安」と、心の姿勢としての「怖れ」を区別することを心がけました。不安は、「安全が確保されていませんよ」ということを教えてくれる感情であり、基本的には役に立つものです。でも、不安だらけの毎日になってしまうと、それは苦しいことになります。単なる感情である「不安」を苦しいものにしてしまうのは、「不安」を怖れる心の姿勢なのですが、これは案外語られてこなかった側面だと思います。
本書を通してお伝えしたかったのは、不安も、不安障害も、怖れる必要はないということです。不安は役立てていくことができますし、不安障害は治していくことができます。そこから何かを学ぶことすらできるのです。不安も不安障害も、実物大で見ることができれば、生活を支配し、人生の質を台無しにするようなものにはなりません。実物大で見るための大きな一歩が、まずは正しく知るということです。それが、本書のサブタイトルで言っている「『不安』を理解し『怖れ』を手放す」ということです。一見首をかしげるようなサブタイトルですが、まさに、本書の目的はそこにあります。(後略)

お役に立てば幸いです。

正しく知る不安障害 ~不安を理解し怖れを手放す~
技術評論社
1554円(税込)

アマゾンで購入する(送料無料)

「対人関係療法でなおす 双極性障害」刊行のお知らせ

創元社から出していただいている対人関係療法シリーズの第三弾として、双極性障害(躁うつ病、双極II型障害)向けの精神療法である対人関係・社会リズム療法(IPSRT)の本を刊行いたしましたのでお知らせします。
一般の方(患者さん、ご家族、その他ご関心のある方)向けです。

対人関係療法でなおす 双極性障害 ― 躁うつ病への対人関係・社会リズム療法

創元社

1575円(税込)

アマゾンで購入する方は

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4422114638?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4422114638

知られているようで正確には知られていない双極性障害ですが、この本を書いた背景は下のようなものです。

【あとがきより引用】

 一昔前には、双極性障害と言えば薬物療法であって、精神療法など入り込む余地はなさそうに思われていたものですが、実際には、双極性障害という診断を受け入れるのも、薬物療法を受け入れるのも、そして、薬の服用に伴う種々の不便に耐えながら、再発の可能性を不安に思いながら、さらには過去の躁状態やうつ状態が及ぼした影響を抱えながら、日々暮らしていくのも、多くの精神的なプロセスを必要とするものです。そういう意味では、実は双極性障害ほど精神療法を必要としている病気もないのではないかと思います。
 このような状況を踏まえて、ピッツバーグ大学医学部教授のエレン・フランクが考案したのが対人関係・社会リズム療法です。

【本文の最後より引用】

 患者さんの社会リズムを支えることによって、そして再発の徴候に早期に対応することによって、自分たちも病気の経過にプラスの影響を与えられると知ることは、双極性障害に対する一般の偏見を減らしていくことに間違いなくつながると信じています。偏見をなくすというのは、双極性障害がもつさまざまな問題を気にしないようにする(否認する)という意味ではなく、問題を認識したうえで、「対処できる」という感覚をもつことだからです。本書もそんな目的に活用していただければ、それほど幸せなことはありません。

お役に立てば幸いです。

「『怖れの眼鏡』をはずせば、すべてうまくいく!」刊行のお知らせ

このたび、軽いタッチのアティテューディナル・ヒーリングの本を刊行しましたのでお知らせします。

アティテューディナル・ヒーリングの基本的なことを網羅した本は星和書店から「怖れを手放す アティテューディナル・ヒーリング入門ワークショップ」としてすでに刊行されていますが、もっと軽く様子を眺めてみたい方にお勧めです。

「怖れの眼鏡」をはずせば、すべてうまくいく!

大和出版

1470円(税込)

アマゾンで購入される方は

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4804704280?ie=UTF8&tag=mizucx-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=4804704280

ご参考までに、目次です。

つい「不安な気持ち」になってしまうあなたへ・・・ はじめに

プロローグ 愛に気づく、小さなお話

第1章 「怖れの眼鏡」と「愛の眼鏡」はこんなに違う
 
      どうして「不安な気持ち」になってしまうの? 
    

1 「愛情を返してもらえない・・・」怖れの眼鏡①
2 「人と親しくなれない・・・」怖れの眼鏡②
3 「やさしくない自分をゆるせない・・・」怖れの眼鏡③
4 「恋人がいないことに耐えられない・・・」怖れの眼鏡④

第2章 「怖れの眼鏡」をはずす10のコツ

      「不安な気持ち」がなくなるちょっとした方法

1 「怖れの眼鏡」に気づく
2 人の話をただ聴く
3 完璧主義をやめる
4 怒っている人は「困っている人」だと考える
5 相手が悪くてもゆるす
6 受け取りたいときは与えてみる
7 相手を変えようとしない
8 未来への執着を手放す
9 ロボットみたいに動くのをやめる
10 一人の相手にしがみつかない

第3章 今すぐ「イヤな気持ち」を手放す5つのステップ

     「どうしてもネガティブになってしまう」あなたへ

ステップ1 まず、自分の気持ちに正直になる
ステップ2 自分の「人間らしさ」を認めてあげる
ステップ3 プラスとマイナスを考える
ステップ4 「自分は何がほしいのか」を考える
ステップ5 「怖れ」ではなく「愛」とつながる

第4章 愛とつながるための10の習慣

      心がポカポカしていれば、幸運がやってくる!

1 「心のやすらぎが得られればそれでよい」と決意する
2 「TO DOリスト」ではなく「TO BEリスト」
3 「クリアーボタン」を押す
4 アドバイスをやめてみる
5 「つながるコミュニケーション」をする
6 「心の防波堤」を下げてみる
7 自分の身体とのつきあい方を変える
8 「大きな何か」を意識する
9 スローダウンする
10 自分の心の「姿勢」だけに責任をもつ