テーマは安倍政治について。
私を含めて3名が、それぞれの専門分野から語ります。
ご一読いただけるとありがたいです。
著書「50代からの人間関係」を刊行しました
もう若くはない。そして、子の自立、親の介護、近親者との死別、
配偶者との関係性など、実はいろいろなテーマがあるこの時期について、
PHP増刊号に連載していたものに加筆し書籍化しました。
担当していた若い男性編集者さんが「歳を取るのが怖くなくなり、
むしろ楽しみになった」と言ってくださった内容です。
いろいろな年代の方のお役に立つと思います。
PHP研究所 1540円 キンドル 1300円
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内容紹介
50 代と言うと、一般には「もう若くもないのだし、分別もあるでしょう」という
目で見られます。
それは確かに一面の真実なのですが、ぜひ認識しておいていただきたいのは、
50 代以降の人生を歩むのは、誰にとっても初めてだということです。
でも、安心してください。「50代からの人間関係」を豊かにするには、
いくつかのコツがあります。
難しいことは特にありませんが、知っているのと知らないのとでは、
人生の質がかなり変わってきてしまうと思います。
「50 代からの人間関係」の重要ポイントを学んでいただくことは、
単にその時期の悩みを解決するだけでなく、人生後半をどう生きるか、
ということにもつながってきます。
●夫の不機嫌も、妻の不機嫌もSOS
●説得しようとすると、親はより頑固になる
●ただ見守ることが、子どもの力になる
●50代の働き方が、後輩の立場を決める
●怒りは抑えずに表現しよう
●「孤独」を感じたら、誰かに”与えて“みよう
フジテレビにインタビュー出演します
2019年12月のツイートより
★2019年12月のツイートより(抜粋)★
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2019年12月のツイートのうち、反響の大きかったものを抜粋してまとめました。
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2019年12月01日(日)
ありがとうございます。単なる落下傘候補だった私ですが、
地元の皆さんの温かい心によって「新しいこと」ができました。
後援会報を毎月発送していたので膨大な作業が必要でしたが、
選挙区内外から駆け付けてくださるボランティアの力で継続できました。
支持者を誇らしく思えるのは政治家冥利に尽きます
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2019年12月02日(月)
来年の6月18日~20日、仙台にて日本精神神経学会が開かれますが、
翌日の21日に、対人関係療法研究会(有資格者向け)の実践入門編を
東北大学構内にて開く予定です。
会場が確定するのが3月なので、改めてお知らせします。
9:30~16:30の予定で、東京で行っているものと同じ内容です。取り急ぎ。
ちなみに、対人関係療法研究会の事務局はいつもと同じです。
メールはinfo@ipt-japan.orgです。東北大が主催ではないので、
東北大へのお問い合わせはなさらないでください。
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2019年12月04(水)
PTSDのためのIPT、著者マーコウィッツから「3冊届いたよ!」との連絡。
ミドルネームのCだけ読めた、と。この感覚、ハングル語やタイ語に
訳されたときの私のお手上げ感と同じで、よくわかる。
中国語だけは名前を見つけられるけど。https://amzn.to/2OJJQv6
議員時代の同僚議員(私のように今は国会から離れている人達)から連絡があって、
なんと15年ぶりに会うことになりました。
「リベラルの会」の仲間です。何の組織にも縛られず、
自分たちのリベラルな政治を創ろうとしていた仲間。懐かしいです。
ちなみに、「リベラル」についてはちょっとおもしろい話があったので、
ウェブサイトの「エッセイ等」の「この人、デジタル?」をご覧ください。
直接リンクがなぜかできないので、お手数をおかけします。
「下の子」も高3になりましたので、
懐かしい文章です。http://www.hirokom.org
今日、改めて素朴に思ったこと。どうして片親家庭の苦労を
何とかできないんだろう。
いろいろなタイプの片親家庭がいるが、私は死別の父子家庭を
診ることがなぜか多い。
みんなが頑張っているのだけれど、
「何とかしたいけれどできない」ことが多すぎる。
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2019年12月07日(土)
子どもは「小さな大人」では決してないということは、
とても重要なポイント。
「怒らないですむ子育て」に、知ると対処が楽しくなる子どもの
特性を書きました。https://amzn.to/2PqtA1t
また、思春期の意味についてはこちら https://amzn.to/36dbF4Y
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2019年12月08日(土)
「怒らないですむ子育て」は、私の現実の育児を美化しないよう、
内容を子どもたちにいちいちチェックしてもらったり
子どもだったらどっちが嬉しい? とかのアイディアも
出してもらいました。
でも完成した本を見た娘は開口一番「知らない子の写真を
表紙にして大丈夫なの?」と。真面目に心配していた。
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2019年12月09日(月)
風邪は滅多にひかないが、ひくと大ごとになる。
だいたいは気管支炎になる。
今回は昨日右耳が聞こえなくなったが、今朝は聞こえる。よかった。
熱も昨日より低い。あ、今日予約の患者さんでこれを見た方がいても、
気を遣わないでくださいね。
身体のことは自分が一番よくわかっているので。
自分の健康状態で大騒ぎするのは、おそらく亡き父の遺伝。
高校生の時、スケートをしていたら「父危篤」の連絡があって
慌てて病院に駆け付けた。
「婚期まで生きられなくて申し訳ない」と、遺言を聴く場に。
数日後、父はなにごともなかったように普通に働いていました。
下の子が生まれたとき、地元の参院議員がお祝いに来てくれた。
当時3歳半の娘は近くで絵をかいていたが、
彼女らしいユニークな色遣いをしていた。
それを見た参院議員は「女の子の洋服はピンク、空は青だよね。
描き直しなさい」と。
言われるがまに娘は直していた(涙)。「ふつう」の暴力。
デング出血熱で40度の体温で診療していた時の患者さんの反応。
先生は私にうんざりしたのではないか→(入院したという連絡)よかった。
→でも、私の病気のせいで先生は過労で倒れたのではないか…。
さすがに「蚊に刺されて病気になった」と伝えるのが一番安全でした。
長いことぐれていた私は、「普通」という言葉が大嫌いだった
(今風で言えば、イケてない、という感じ?)。
精神科医になって、「人間として当たり前」という文脈で「普通」を
使うようになって、それは意味のあることだと思う。
受け入れに使うか、押し付けるか、で「普通」の意味は全く違ってくる。
娘はほとんど受験放棄だったので大変偏差値の低い高校に行った。
でも入試に向けての面接で「お母さんがあなたの長所と思っていることを
5つ挙げてください」と。娘が一番に「優しいところ?」と答えたのは嬉しかった。
その先生が娘が入学する前に定年になったのは「詐欺だよね~」と娘と話しているが。
この頃どの拒食症患者さんも言うのが「『体重が低いから、話にならない。
治療のためには強制栄養で体重を増やすしかない』と言われた」ということです。
一面の真理ではあるのですが本当に大切なのは信頼関係なのです。
亡き父の話ばかりするので、「この人、ファザコン?」と思われているかも
しれないが、ろくなことがなかった私の子ども時代の唯一の希望が父だった。
父は私に弁護士か落語家が向くと言ってくれた。
サイコロやトランプを使った様々な遊びを教えてくれたのも父。
アイロンのかけかたを教えてくれたのも父。
今日は婦人公論の取材でした。
マザコンと言えば、私は息子が生まれた瞬間に、すべてのマザコン男をゆるそう、
と思いました(笑)。
もう18歳でそっけないですが、反抗期に入るまでは本当にべったり。
英語ではMama’s boyと呼ぶらしいことも知りました。
授業に出ていると「欠席者が多い」と注意されるのと同じ構造で、
「緊張感を持ってまじめに」という指導は、
緊張しているまじめな人に一番響いてしまうのですね。
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2019年12月10日(火)
今の日本で、憲法改正を最優先課題にするというのは、やはり
「世間知らず」としか思えない。
私は改憲反対だが、仮に賛成だとしても、子どもの貧困、
安心できない社会保障、教育レベルが高いようでいて実際には低いことなど、
生活に直結する問題の方が優先課題だと思うだろう。
私は選挙に出ていた頃、「子どもたちが健康な心を持って
成長できる社会」を訴えていた。
「年よりはどうでもいいんかい」などと言われたこともあったが、
どんな子どもが育つかは、その社会の総合的結果だと信じている。
そういう意味でも今の日本は大変ガタが来ていると思う。
あと、災害対策も最優先課題の一つだ。間違いなく。
年頃の子どもを持つ身としては、
「このままでは日本はだめになる」的なメッセージも避けたいと思っている。
現状をきちんと把握して、こういうふうに改善していく、という形を
示していかないと、子どもたちの未来が絶望ばかりになってしまう。
政治的話題はどうしても「怖れ」のエネルギーで語られがちだが、
かつてAHで「政治について考えるワークショップ」を、
AHのガイドラインに基づいてやってみたところ、立場の違う人たちが
温かくつながり合うことができた。
政治だからだめ、ということではなく、やはり「怖れ」が問題なのだ。
そうなんです。リベラルな政治家が選挙に弱いのも当然なのです。
有権者の怖れをあおる方が票になりますので。
こういうこと、昔「国会議員を精神分析する」(絶版)に書いた気がします。
うちの犬がやたらと吠えるので、最近新しいしつけをした。
背中に手を当てて「しーっ」と言うとピタッと静かにできるようになった。
だが、その後に必ず「しーできたね~」とほめられることがわかっているので、
しーっと言うと1秒後には身体はピタッと止まったまま尻尾だけパタパタしている。
来週から、対人関係療法の次代を担う後輩たちとの電話会議を始める。
とても今の歳から新しい治療法を学んで日本に普及させることなどできないから、
人生のある時期に熱心に取り組んだことは別の時期にも生きるのだな、
と改めて感じている。後輩、がんばれ。
完全体育会系だった私の選挙もこの歳では無理だと思う。
一日に50回以上選挙カーの梯子を上り下りしてミニ演説をし、
出てきてくれた人を見つけると全速力で走って握手をする。
違う方向にいたら、そちらにも走る。
他のスタッフはついてこられない厳しさだった。
政治家時代の人間関係などは今も生きている。
例えば元厚労相の小宮山洋子さんは自称私の「政治の母」だが、
今でもとても精神的な距離は近い。
私達の関係性について小宮山さんが「私と広子ちゃんはベタベタ
会ったりしないのよ。何かあったらちゃんと言える。そこが大切なのよ」と
話してくれたそう。
やはり「人間の安全保障」という意味では、災害対策と社会保障が
急務だと思う。
社会保障は、私が議員だった頃に「政治の場で対立構造で考えるものでは
ないので、一度国会の外に出して10年くらいかけて仕組みを考える」という
スウェーデン式の政策立案の必要性が指摘されていたが、無為なまま10年以上。
毎年この時期に、応援したい福祉系団体に私の著書から数冊選んで
匿名寄付をされる方がいて、今年もまた匿名寄付していただけることになった。
結果的に3つの版元からの本を選んだが、
なんとそのうち2社(創元社、さくら舎)が趣旨を理解してくれて
商品+送料を請求しないでくれると。ありがたい。
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2019年12月15日(日)
私は小学校2年生の頃(まだ本格的にぐれる前)一日2冊のペースで
伝記を読み漁っていた。
親からは本を読みすぎるなと注意されていたが(視力低下を心配されていた)、
親から隠れて夢中になって読んでいた。
人を見るときは必ず断片ではなく全体を見る、という習慣はその頃できたのかもしれない。
しかし一日伝記2冊って、2人分の人生を毎日体験していたのですね。子どもの力はすごい。
小3でぐれてからは、屈折した人が書いたものや、非行ものの漫画を読んだりしていました。
12歳で自分なりに「無条件の愛」に目覚めるまでは、
私も本格的に屈折していました。
読み物は心の内面を表すのですね。思春期以降はノンフィクションが増えました。
映画も大好きですが、何歳のときもホラーものだけはだめです。
たまたま試験期間中の午後とかに再放送されている「十三日の金曜日」など
観てしまうと、最後まで観ないと取りつかれるような恐怖から
、勉強そっちのけで最後まで観ていました(笑)。
夜中に歯磨きしながら背後が怖かったり。
私の思春期の目標は、「十分にぐれて、十分に遊ぶこと」でした。
それをちゃんとやっておかないと中途半端な大人になるような気がしていました。
「まだ遊び足りないんじゃないか」などとよく考えていました。
今は仕事ばかりの毎日ですが(笑)。
前もツイートしたかな。私は桜蔭という進学校で中高を過ごしましたが、
10年くらい前?に一度キャリア教育のクラスに呼ばれたことがあります。
全卒業生から7名。基準は「成績か素行が悪かったけれども社会で活躍している人」。
私以外の6名は成績が悪かったらしく、素行不良は私一人だったみたい。
ぐれていた間は、もちろん反省する点も多々あるのですが、
その時代のおかげで「目上よりは目下を大切にする」という根性が
本格的に身についたのは事実です。
もちろん、「目上」の事情もいろいろと考えるようになりましたが。
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2019年12月16日(月)
バイクを禁じられていた私は、大学時代、こっそり原付に乗っていた。
すごく便利だった。甲州街道をほかの車と一緒に走っていて
見事にスピード違反をとられたが(苦笑)。
事故も起こさなかった経験からは、とにかくメリハリのきいた真剣な注意が要。
原付はいつの間にか当時の恋人に廃棄されていました…
下の子ももうじき高校卒業ですが、「さあ子育て一段落」なんて言っていないで、
ここからがシビアな教育費地獄。
保育園入れれば子育てOK,なんて誰も思っていませんよね。
とても気を遣う時期とお金を使う時期が見事にずれるんです。
またコンタクトしたまま寝てしまってショック。
何がショックって、緑内障の私は朝と夜の点眼でコンディションを
保っている。
つまり、昨夜(特に夜は眼圧が高くなる)点眼しなかったということだ。
祖母が網膜色素変性症で失明している私は、特に注意しているのに。嗚呼。
家系から引き継いだ病気は案外深刻なのがあって、
かつては悔しかったけど、この頃は、ああ、その人たちも
こんなふうに生きていたのかな、と思えるようになった。
中学生の頃は点字の勉強をしていたが(忘れた)、
幸い精神科医は電話診療ができる。
目は弱いが耳と口は達者。本が無理でも音声データで人に伝えられる。
私が心の姿勢を崩さなければいろいろできそう。目標はいつも同じ。
基本的に父が禁じていたのは、冬山とバイク。
死亡のリスクが高すぎるから、と(科学者なりのデータ解析)。
これは我が家の家訓。私はそこに「ドラッグ」も加えた。
盛り上がっている私をしり目に、子どもたちは「そんなのしないし」とあきれ顔。
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2019年12月17日(火)
『夫婦・パートナー関係も「それでいい」』出ました!
本当に難しい関係(私がみているような人たち)のお役に立たないかも、
と言ったら、苦労づくめのお母さんが「これでほっこりするんです」。
なんというお言葉。
角膜内皮細胞(増殖しないで減る一方)のおかげで、
私は屋外では紫外線を怖れてサングラス常時着用です。
「すかした奴」と見ないでくださいね(笑)。
角膜移植を避けるべく、頑張っています。
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2019年12月18日(水)
診療後に、AHのYouTubeの収録をしました。
喜んでボランティアで来てくださる皆さま、いつもありがとうございます。
質問も受け付け中ですので、
http://hirokom.orgのトップページをご覧ください。
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2019年12月19日(木)
15年ぶりに「リベラルの会」の仲間と会っていろいろ話して
楽しかったです。
新しいアイディアにつながるとよいのだけれど。
基本的な信頼関係があると15年たっても変わらないのですね。
今でも化粧をしていないと言ったら「化け物じゃないの」と言われたけど(苦笑)。
私は思春期の子を診るのが好きだが
(20代の頃は歳が近いから、と思っていたが、今は患者さんの親よりも年上?)
患者さんとして価値があるという意味ではない。
でも、「思春期に病気になったから、自分の限界もわかったし、
無理しない大人になれますね」と堂々と言えるのは嬉しい。
一種の予防医学。
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2019年12月20日(金)
「怖れ」を手放して政治を語れる場を作れないかと考えているが、
政治に関する二大「怖れ」は、被害者意識と、
「実は政治のことはよくわからない(だからわかったふりをして
無礼になったりする)」ではないだろうか。
今日は日本うつ病学会の理事会でした。
役員の定年制について思うところがかねてからあったのですが、
本日の議題になっていてよかったです。
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2019年12月21日(土)
私は長いこと「謙虚」という言葉が嫌いだった。
「謙虚になりなさい」=「あなたは傲慢ですよ」という決めつけの中で
用いられることが多いからだと思う。
しかし考えてみれば、謙虚とは、自分が完璧でないことを認め、
相手の話を聴いてみる、というだけの当たり前の姿勢なのだな。
自分が完璧でないことを認められないのは、
やっぱり自己肯定感の低さゆえなのだろうな。
そう考えると「謙虚になりなさい」と言っている人こそ謙虚ではないと言えるし、
謙虚の価値を知ってほしければまずは自分が体現することからなんだろうな。
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2019年12月22日(日)
なんと、先日同級生発見のお願いをツイートしたら、
たまたまそれを見た同級生が、彼女のメールアドレスを教えてくれて、
メールをしたら返事が返ってきました!!!
ツイッターってすごいです。(しかも、彼女はツイートそのものを
見たわけではなく私のウェブサイトに用があってたまたま見つけたと)
今日は年内最後のAH実践ワークショップでした。
今日も笑いの多い一日でした。年末恒例のAH部屋の大掃除、
なんと希望者が多くキャンセル待ちとか。
AHではこういうすごいことがよく起こります。
今日は私の自信作「トラウマの現実に向き合う」を買ってくださった方が
案外いて、大喜びでサインをしました。
もちろん新刊の「それでいい。」も。
こういうことをツイッターでつぶやくのはどうかと思うのですが、
日本摂食障害学会を退会しようかと思っています。
私は評議員で、年会費も高いのですが、
評議員を引き受けたときの約束が全く果たされていません。
日本摂食障害学会が、摂食障害の治療にどれほどの役割を
果たしたのかも実際疑問なのです。
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2019年12月23日(月)
あ、一応学会の名誉のために言っておきますと、
私が真剣に関わっている国際対人関係療法学会(isIPT)と日本うつ病学会は、
最先端の情報の追求と共有、治療者にも利用者にも
少しでもプラスになるシステムづくりに本当に尽力しています。
名誉職で「ちゃんちゃん」ではなく、温かい切磋琢磨があります。
今日の取材は、1月刊行予定の「50代からの人間関係」にも、
3月刊行予定の「感情的」関連の本にも、どちらにも関連している内容で
頭が整理できた。
「50代からの人間関係」は、連載をまとめて加筆したものなので
あまり気合が入っていなかったが、
改めて話題にすると結構よい本かも。人生後半の生き方。
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2019年12月25日(水)
実は私は認知行動療法によって本格的な摂食障害が治った症例を
見たことがないのです。
先日も日本認知療法学会のメーリングリストで
「できる先生を教えていただきたい」と投げかけましたが、
回答はありませんでした。
精神的には回復して、あとは食べ方の問題、というところなら有効だと思うのですが。
少なくとも私が診ているレベルの摂食障害の患者さんたちは、
明確に「治したい」と思っているわけではなく、
「今は苦しいけれども治るのも怖い」状態にあります。
その程度の動機づけであっても治療を導入して継続できるのが対人関係療法の強みです。
対人関係療法は効果の発現が遅い、ということは国際的ガイドラインでも
明確にされていますが、立ち上がりを早くするために食事記録など
行動療法的手法を加えた修正版を作った英国グループがあります。
「動機づけの強い人でなければ脱落するのでは?」と聞いたら「その通り」と言っていました。
その英国グループも、動機づけの弱い患者さんに対しては
本来の対人関係療法を行うと言っていました。
「私の患者さんに食事記録つけてなんて言ったら次の予約に絶対に来ないと思う」と言ったら
「わかるわかる」と。
発表された論文を読むだけでなく直接のコミュニケーションはやはり得るところが多い。
うつ病でも、摂食障害でも、PTSDでも、対人関係療法は効果があるだけでなく
脱落率が低いのです。
ここはこれらの疾患においてとても重要なポイントです。
私は決して認知行動療法を否定しているわけではありません。
強迫性障害に対する行動療法など、とても優れています。
私自身第一人者の大野裕先生から直接指導を受けましたし、
3月刊行予定の本はどちらかというと認知療法寄りになる予定。
クリスマス~年末年始のこの季節は、心の病を持つ人にとっては
過ごしにくい時期です。
人々が楽しそうにつながるイメージがあるから。
4月も、人々がスタートを切る感じがあるので過ごしにくい時期です。
心当たりのある方は、できるだけ普段通りの生活を心がけましょう。
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2019年12月29日(日)
年明けまでに本を一冊書きあげなければならないので、結構ピンチです。
そのあとは私が最も嫌いな帳簿作業です(確定申告に向けて)。
帳簿をやってくれるAIがあったらすがりつくかも。
というわけで、しばらく社会的活動性が落ちますので、ご了解ください。
今、若手の対人関係療法家たちが、私が死んでも今のポリシーを
失わないように(笑)、と積極的に動いてくれています。
みんな人間愛があり本当に信頼できる仲間です。
自分が現在取り組むべき仕事、今後につなげるためのアイディア、と、
対人関係療法も今ちょっとエキサイティングな状況なのです。
YouTubeでのAHミニトーク、現在月1回アップしているものを
2020年からは月2回できることになりました。
編集もどんどんおしゃれになっているような。
これがボランティアの方の力によって成り立っているというのは
すごいことです。 https://bit.ly/2w3WN8P
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2019年12月31日(火)
あら、もう少しで2019年が終わる。夕食だけは蕎麦を食べましたが、
私はここのところの著書の追い込みを年をまたいで頑張ります。
テーマとしては私が好きな分野なのですが、1月4日必着! できるだろうか。
「夫婦・パートナー関係も それでいい。」を刊行しました。
細川貂々さんとの共著「それでいい。」シリーズ、
今回は夫婦・パートナー関係となりました。
創元社 1320円
アマゾンで購入する方 https://amzn.to/2s0JTdB
実用的には拙著「対人関係療法で改善する夫婦・パートナー関係」の方が
よいかな、という気もしますが (こちらは https://amzn.to/38Pd589)、
いつものほっこりワールドを「それでいい。」でどうぞ!
出版社より
●「夫婦やパートナーとの関係に悩んでいる」「そもそもパートナーもいない」
夫婦やパートナーは「心に影響を与える、最も難しい人間関係」。
その問題を「対人関係療法」で改善してみませんか。
「何をやってもだめ」「相手には通じない」「どうせ自分なんて」とお思いのかたにこそ、
ぜひお読みいただきたいです。きっとあなたはすでにがんばっているはずです。
また、そもそもパートナーなんていないよ……というかたのお役にも立ちます。
ひとりでも、ふたりでも、だれとでも──。
2019年11月のツイートより
★2019年11月のツイートより(抜粋)★
2019年11月のツイートのうち、反響の大きかったものを抜粋してまとめました。
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2019年11月05日(火)
国際対人関係療法学会のためブダペストに着きました。
空港でバスを待っているところですが、そういえばヨーロッパはタバコの煙との
闘いだった、と身体が思いだしました。
公共スペースにいるのに煙いです。
なんと、重さに耐えて持ってきたパソコン、電源コードが別のパソコンの
ものではないですか!
すごいショックですが、校正とか紙でできる仕事をたくさん持ってきたので立ち直ります。
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2019年11月06日(水)
私が人に自慢できるのは、こういう時の立ち直りの早さ。
ポイントは、自分を責めたりせずに思いっきり同情することです。
だって使えないパソコンを帰りも担いでいくんですよ。
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2019年11月07(木)
そろそろ新しいことをしたくなってきました。
衆議院の公募を見つけたのもAHに出会ったのもそういう時期.
まだまだ子どもの教育費があるので無償労働には限界がありますが、
なにか名案はありますか? 個人的にはラジオ出演が好きですが。
お知恵があったら教えてください。
国際対人関係療法学会は隔年開催なのでみんな2年ぶり。
いつまでも若々しい兄貴分マーコウィッツに「いつ加齢が止まったの?」と
聞いたら「止まっていないからやんなっちゃうよ。君こそ歳を取らないね」と。
私が監訳した彼の「ipt for ptsd 」は11日に刊行されます。
とても好きな本です。
今日一緒に昼食をとった3人のスウェーデン女性は、
トゥーンベリさんの講演に感動して、飛行機を使わず30時間以上かけて
電車で来たそう。早速影響を与えているんですね!
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2019年11月09日(土)
詰め込みスケジュールの国際対人関係療法学会中。
今回もポスター審査員。
世界中の力作が揃う中、最優秀賞を決めなければならないので本当に大変。
脳細胞を隅々まで使い切った気分です。
あ、ポスターというのは、口頭発表ではなく大きな紙に研究の概要を書いて
展示して学会発表することです。
私も昔、スペインで開かれた世界精神医学会(WPA)でやったことがあります。
ポスターを健康な形で現地まで持っていくのが大変でした。
もちろん日本の若手もポスター発表しました! 頼もしいです。
ただ私は共同発表者なので直接審査は出来ませんでした。
観光都市ブダペストにいるのに、私は学会場に泊まっているので外の寒さもピンと来ず。
ロングブーツとかダウンコートとかは持ってきて無駄.
それでも最寄の地元スーパーに行って、通貨の話、ビールの話、
政治の話をするのはよい息抜き。
アジアに、対人関係療法のネットワークを作ることになりました。
これは、私の次の世代に任せたいですが、とりあえず着手だけでも。
言語のハードルが共通の課題です。
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2019年11月10日(日)
国際学会は費用も時間もすごくかかるので毎回「今回で最後にしよう」と
思うのですが、世界の対人関係療法のリーダーたちと「また2年後に」とハグし合うと、
結局また来るんだろうなと思います。
国際学会で情報のアップデートとネットワークの強化をしてくれる後輩が育つとよいのですが。
IPSRTの創始者である大御所のエレン・フランクはピッツバーグ大学教授を引退し
学会の要職からも外れましたが今回も素晴らしいポスター発表をしていて感心しました。
一応ご本人の意向を確認したところ、
やはり「最優秀賞には選ばないで」とのことでしたのでそうしました。
エレン・フランクの夫デイビッド・カプファーはDSM-5の総責任者ですが、
今回の学会で長い歴史を振り返った素晴らしい講演をしてくれました。
DSMが改訂された年に夫婦で日本の学会に来て講演してくれるという話を
取り付けたのですが、日本のご重鎮により却下されるというもったいない出来事が。
お金の話まですんでいたのに(もちろんとても謙虚な金額で)まさかの却下で、
本当に日本の現状が恥ずかしいと深く詫びたのですが
「私たちが日本に行くとしたらあなたを応援するためなんだから、話が潰れたことは
気にしないで」とかえって慰められました。
そうそう今日は閉会式で最優秀ポスター賞を授与したのですが、向き合って
頭を下げ合う日本式では全くなく、単に紙を賞状を渡すだけでした。
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2019年11月11日(月)
本当に集中するとテニスボールがゆっくり見えると聞いたことがあるが、
私の最後の衆院選はまさにそうで、「これが最後の選挙になる」と思ったので、
支持者の一人ひとりの動きを、スローに、感謝をもって味わった。
特に50を過ぎてからは何でも「これが人生最後かも」と思うので「一期一会」度が高い。
先ほど帰国。
行きは羽田便で楽だったが帰りは成田。
後継者のことを考えて明確になったが、私は純粋な向学心で学会に行くわけではない。
関心があれば、いつでもメールやスカイプでやりとりできる時代。
むしろ、日本が国際IPT世界から取り残されないための保険をかけにいっている、
むしろ政治活動です。
もちろん日本だけでなく、国民の多くが英語にハンディのある国の人たちと
連携しているのですが、今のところ私の発言力が最も大きいので、頼られているようです。
まあ理事を務めていたのでそんなものですね。
急いでトレーニングのgrandfater資格(私は絶対にgrandparentが
正しいと思うが白人男性主義の言葉だそうだ)の応募書類をまとめなければ。
すでに審査員からは「あなたは資格がとれるから何も心配しないで」と
今回の学会で言われたが、ここで私が取得しておかないと
日本のシステムが国際水準にならない。
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2019年11月12日(火)
監訳「PTSDのための対人関係療法」刊行しました。
著者マーコウィッツはとても親しい兄貴分です。
専門書ですができるだけ平易な言葉にしてあります。
この価格を実現するために、マニュアルそのものではない部分
(エビデンスが詳しく書かれた部分)は創元社のウェブサイトで。
https://bit.ly/2Kr4rCf
「PTSDのための対人関係療法」、アマゾンで756位になったよ、
あなたの本が多くの日本人に読まれているよ、と著者マーコウィッツに伝えたら、
「僕たちの本、だよね」と言ってくれた。
いつも優しいです。
https://amzn.to/2p7IaSg
国際学会の認定に必要な資料を昨夜から集め終えて提出したけれど、
「私はIPTの日本のgrandfatherです」というのはおかしいし社会逆行的である。
MLで意見を言ったら、小委員会で議論しますとのこと。
私はあまり言葉狩りする方ではないのですが
(特に他人が使った言葉については)さすがにこれは。
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2019年11月13(水)
なるほど、AHで常々話している「形とエネルギーは別物」というのは
ここにも当てはまるんだな。政治的指摘を、怖れのエネルギー(怒り)を
乗せずに伝える訓練をしていかないと、
結局は怒りによって振り回される不毛な社会になる。
さらに、なるほど。政治という話題が忌み嫌われたり距離を置かれたりするのは、
それが「怖れ」と深く絡んでいるからなんだ。
でも、「怖れ」ではない政治を考えていかないと未来はないと私は思っている。
政治は私たちの生活の基盤を考えるものであって、
それが「怖れ」に基づいているとしたら困る。
今書いている「感情的」関連の本に、こういうことも書きこんでいきたいです。
「感情的」の定義は本で読んでいただくとして、
「感情的」になるとコントロールがきかないし、
爆発力はあっても生産力がないのです。
今さら爆発し合っているほど未来に余裕があるとも思えませんし。
当然こういう意見は出ると思った。
ただ、怒りのパワーは、団結には効果的でも、
そうでない、穏やかな良識をもった人からは一歩引かれる。
コントロールのない危うさが理由だと思う。現政権が悪いと思っている人は
とっくに思っている。
あとは、穏健派の人たちにどれだけ支持してもらうか、だ。
「なるほど」が続くが、これだけの政治崩壊が続くと「何を言っても無駄」な
無力感が生じるので、たまには強く言わないとだめなのでは?
という理屈は理解できる。
でも、私は共産党の田村議員の動画を全部見たが、彼女は落ち着いていた。
怒りのエネルギーではなくデータに基づき理知的に。
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2019年11月14日(木)
今回の国際学会、創始者のワイスマンが、夫の健康状態のために出席を断念し、
会えなくて残念だった。ビデオレターで彼女は「誰にでも仕事か家族か
選ばなければならないことがあるけれど、私は今回は家族を選んだ」と。
夫の病状はよくなっているようで安心。
私は国際対人関係療法学会では「ブルドーザーみたいに(笑)
日本にIPTを普及させた人間」として一目置かれているが、
創始者ワイスマンは、政治家時代、子育てとの両立、などを含めて、
私という人間をよく理解してくれている。
しょっちゅう「NYの自宅に来なさいよ」と言われるが、なんとなくNY嫌いで…
私も、アメリカは政治を除いて好きです。NYは物価が高くて狭くて。
同じく物価が高くても、私が7か月間住んでいたマリン郡(サンフランシスコの北)は、
「東海岸と似たような経済レベルだけれどここでは金持ちがブルージーンズを
はいている」と言われるところでした。
自然も豊かで住み心地満点でした。
12月には貂々さんとの「それでいい。」第三弾。
1月には「50歳からの人間関係」。
今書いている「感情的」についての本はおそらく3月。
と、刊行が続きますので、お小遣いをとっておいてください!
ちなみにマリン郡(カウンティ)は、サンフランシスコから橋を
渡ったところなのですが、全土の何割か(忘れてしまった! すみません)を、
自然のままに残す、ということが法で決められていて、
馬が普通に歩いていたりするのです。
ものすごく古い木もあります。便利なところなのに深い緑と太平洋です。
それでまた思い出しました。私は衆院議員をやめてから
アメリカに住んでみたのですが、その直前に取材された記者から
「栃木の次はアメリカですか! お子さんがかわいそうですね」と言われた(涙)。
アメリカに連れて行ってくれたことだけは感謝する、
と反抗期真っ最中の頃の娘すら言っていたというのに。
「今となっては、だけどね」と今や21歳の娘は言う。
「全く言葉がわからないところで地元校に放り込まれて(小2)、
でもそれを7か月間で乗り越えて英語がネイティブ並みになった、というのは
自分の人生で誇れる唯一のこと(これからの人生でもっとできるでしょうが)なんだよ」と。
政策論はついにわからなかった細野さんもそうだけれど、
単に政権交代を視野において最大野党にいた、という人は少なくない。
それは権力志向であって、政治志向ではないと私は思う。
同僚議員としてしっくりいく人とそうでない人がいたのは、
そういうことだな。右左の寄せ集めの問題だけでなく。
日本人から見ると「サンフランシスコもロサンゼルスも同じくカリフォルニアでしょ」と
思えるだろうけれども、ものすごく文化が違うんです。
北カリフォルニアは、特に冬の天気はパッとしないけれど(LAは温かい)
スピリチュアルの中心地で、LAの整形当然主義みたいな文化に疲
れて上してくる人もいます。
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2019年11月15日(金)
昨夜息子といろいろな事件について話した。
「誰でもいいっていう殺しはやっぱり無理だよね」「情がでちゃうもんね」という流れで、
情がない人は先天的? と息子が言うので
「それもあるけど、こういう人たちに対しては共感無用って育てられると
そうなっちゃうと思うよ。女性とか貧しい人とか」
あ、別にいつも殺人について親子で話しているわけではなく、たまたま
そういうニュースが報道されていたので、過去の事件も一緒に振り返っていただけですよ。
反抗期が明けて、とりあえず私が話しかければ乗ってくれるようになって、
母としてはまぶしい時間なのです。
辛いときには、これから先の人生のことではなく、
「今日を無事に過ごす」ことだけを考えたい。
それも無理なら「今日の午前中を無事に過ごす」ことだけでよい。
ブダペストでの国際対人関係療法学会に初参加という外国人治療者が
「家族みたいな雰囲気で感動した」と言っていた。本当にそう。
上から目線の治療法もたくさんある中で、わざわざ対人関係療法を専門に
しようとしている人は、それだけで安心できる。
子どもたちが小さかった頃、
「〇〇さんは××さんがかわいそうになってしまって」という話が出たとき,
「〇〇さんはかかみたいだね」と言われた。
「なんで?」と聞いたら「すぐかわいそうになっちゃうところ」と言われた。
共感みたいなものを母から全く教えられずに育った私はなんか嬉しかった。
デング出血熱になってからは命の危険があるので温かいところへの
旅行ができなくなったが、その前は東南アジアが大好きで子どもを連れて
よく行っていた。
物乞いの人の中、赤ちゃんを抱いているお母さんには
「ねえ、かかお金あげて」と言って自分で届けに行く子どもたちが何だか誇りだった。
対人関係療法治療者の資格化は国際学会での動きに合わせたいと
思っています。
現時点では何もないので、とりあえず「対人関係療法」を受けたときに
「受けてよかった」とほっとした感じが得られなかったら、
その治療者はちゃんとトレーニングを受けていないと思ってください。
死にたいと強く具体的に思うときは、それが「異常」なことだと
認識してください。
人間は死にたいと思うようにできていないのです。
毎日、「今日」を乗り越えていけば、それはいずれ去ります。
そして「あのときはなんであんなに死にたいと思ったんだろう」と思います。
もちろん治療が必要です。
キンドルがなぜかなくなった。いつか出てくるだろうと、
購入をずっと控えていたが、毎日のように新しい本を読まなければ
ならない生活。
さすがにiPhoneの小さい画面で本を読むことにも疲れてきて、
ついに再購入。
悔しいけれど、今年は子どもたちの教育費も出せたので、よしとする。
来年は…恐怖あるのみ
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2019年11月17日(日)
昨年刊行されたIPTガイドの改訂版、やはり気になるので
「翻訳は本を書くより時間がかかるからPTSDの本で最後にしようと思っていたけど、
どうしてほしい?」と著者ワイスマンとマーコウィッツに聞いたところ
「事情はわかる。でも翻訳してくれたらすごく嬉しい」と言われて、
ああいつもの自爆パターン。
私の感覚だと、1冊翻訳するのは、6冊本を書くのと同じくらいの時間を要する。
6冊の本を諦めて1冊翻訳するのか。でも、最近「対人関係療法」とタイトルの
一部に明記した変な本(精神療法のイロハもわかっていない人が書いたらしい)が
売れているそうなので、やはり正統派を出版する必要はあるか。
対人関係療法の変な本。改めて思い出した。米国でも同じ現象が起こり、
その著者がトレーニングまで仕切り始めたので創始者ワイスマンに
「何とかできない?」と聞いたら、「ここは自由の国。法に触れない限り、
何をしてもいいのよ」と。
私たちは学会に選挙を導入することでその窮地を乗り越えた。
安倍政治が、まさに今私が書いている「感情的」の本の理論で動いている
・・・サボっていないで早く書かなきゃ。
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2019年11月19日(火)
うちの愛犬がどうやら白内障になったらしいのです。
ちょっと前から目の白さは気になっていたのですが、光線の加減かな?と
思っていたら、患側の右側によくぶつかるのです。
犬の白内障について初めて調べています。
私から見ればいつまでもかわいい子犬だけど、高齢者なんですよね。
身体に悪いことをやっているときは「何か自分に問題がある」と気づくが、
心に悪いことをやっている(自虐とか)ときにはそれが正しいことのように
思えるのはなぜだろうか。
A DOG’S WAY HOMEを飛行機で見てしまったこともあり、
「犬かわいくて仕方がない」モード全開。
白内障は何とかしてあげたいけど(しかし犬の医療費は高い)、
自分が白内障になっていることにも気づかずに
毎日健気に生きている犬は改めて愛おしい。
この健気さはすべての人にあると私は思っているけれども
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2019年11月21日(木)
昨夜も、何か一生懸命説明している自分の声で目が覚めた。
子どもたちと一緒に寝ていた頃、「かか、一生懸命病気について説明していたよ」と
言われたことがあった。
確かに、昨夜も病気関連のことだった。
どういう夢を見ているんだろう? 結構一生懸命だったことは寝ながら記憶している。
子どもには愚痴らない主義だが昨夜は娘にしかわかってもらえない話で
「ひどいことがあったから話したいんだけど、余裕がなかったらいいよ」と言ったら
「どうした?」と聴いてくれた。
子どもの優しさは麻薬みたいなものなんだな、と気づいた。
だから多くの親が子どもを愚痴の受け皿にしてしまうんだな。
感情処理として、私は愚痴大賛成派。
でもそれは対等の立場でないと困ったことになってしまう。
親子というのは「困ったこと」の第一位なんだろうな。
教師から授業中に愚痴られる、というのも逃げられなかったけど
(地理の教師がシルクロードを旅して羊肉がまずかったとか。
私は羊肉大好きだけど)。
1月刊行予定の「50歳からの人間関係」、
「50代からの人間関係」タイトルが変わるようです。
私もその方が広い方に読んでいただけるかなと思い、
賛成しています。https://amzn.to/2Own74r
この頃の大きな反省は「作品について人に変な気を遣うと
結局みんなに迷惑をかけることになる」です。
PTSDのためのIPTも、監訳者だったので翻訳者に気を遣って
できるだけ手を入れなかったのですが、結局三校(普通見ない)で
ほとんど全文を赤の手書きで直しました。
版元に多大な迷惑をかけました。
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2019年11月22日(金)
PTSDのためのIPT、三校のほとんどを手書きで直したので大変な仕事量だったが、
「著者の優しさが感じられる」という感想を複数の専門家からいただいて、
睡眠時間を削った甲斐があったとホッとした。
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2019年11月26日(火)
どうにも時間がとれなくて、宇都宮で大変お世話になった女性が亡くなったのに
お悔やみに行くことができません。
大きなハートを持った頭のよい方で、これまでも、これからも尊敬します。
訃報をくださったのも、ふしぎなご縁のある方。
栃木には、そういう素敵なつながりがたくさんあります。恋しい。
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2019年11月29日(金)
AHではさらに、輪の真ん中にティッシュを置いておいて、泣いた人が
自由にとれるようになっています。
ポイントは、他の人が泣いたときにティッシュを渡したりスキンシップしたりしないこと。
「あなたは泣き止むべき」「あなたが泣いていると私が苦しい」という
メッセージはAHの安全を損なうから。
AHについての取材を受ける際、記者さんが男性であれば
「男性が女性の前で安心して泣ける場ですよ」と言うようにしている。
羨ましがる人、固まる人、様々ですが、その「ハッとした様子」に
男性が背負っているものを感じる。性質も含めて。
恩義ある創元社が、なぜか専門書に関しては重版すると印税率を
下げるのです(印税辞退の本もあります)。
重版はおめでたいこと、と思っていた私にとっては謎だったのですが、
虚心坦懐に聞いてみましたところ、売れそうもない本でも絶版にはしたくない。
だから印刷コストも上がるという理屈を聞き納得。
私は、AHと学会活動を自分のボランティアだと思っています。
しかし、「ボランティア価格でお願いします」という仕事の依頼には
拒絶反応が起こります。
どういう活動に価値を見出し、自分の時間を差し出すか。
それは完全に私の自由であるべきだからです。
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2019年11月30日(土)
考えてみれば、(形式上の)名誉を与えたり、経済的利益を与える「お友達社交」は、
本当の信頼関係を人と築く魅力や能力のなさを露呈しているんだろうな。
そういう信頼関係の存在すら信じていないか、よほど自信がないか。
私は栃木で衆院議員をやっていたとき、利益供与なんて考えたこともなかった。
後援会も会費制だった(これは栃木で初めてだったので地方議員からの
ブーイングがすごかった)。
「どうせ料理している暇もないんだろうから」と料理上手な支持者の方が
いつもおいしいものを作ってくれた。幸せだったな。
翻訳・監修した「PTSDのための対人関係療法」を刊行しました。
私の兄貴分、ジョン・C・マーコウィッツが5年間の大規模研究の結果を踏まえて
マニュアル化した本「PTSDのための対人関係療法」の日本語訳を刊行しました。
【以下、監訳者あとがきより抜粋】
PTSDに対してはエクスポージャーを基盤にした治療が現在の主流であるが、
(1)恐怖や記憶の欠如のためにエクスポージャーができない患者が存在する、
(2)ソーシャル・サポートに乏しい者がPTSDを発症させやすい、
(3)PTSDの症状が現在の対人関係に大きな影響を与える、
(4)複雑性PTSD等、特定のエクスポージャーが不向きな患者がいる、
ということから、エクスポージャーを必要とせず現在の対人関係に注目し
ソーシャル・サポートを充実させる目的を持つIPTは適した治療法であると言える。
すでに、小規模なパイロット研究の結果からはIPTの可能性は強く示されていたが、
昨今は、薬物療法を用いない精神療法の臨床研究は資金調達が難しい。
しかし大規模なRCTをきちんと行わないと、「PTSDに対してIPTは有効である」と言うことはできない。
著者Markowitzは私にとって長く「兄貴分」のような存在で、個人的なやりとりも多い。
「治療の選択肢は常にあるべき」という見識を常に持っているMarkowitzは、
ニューヨークのテロ事件を経て、エクスポージャー以外の治療に道を開く
PTSDの大規模研究が必要だと確信し、NIMHを熱心に説得した結果研究が可能になったと聞いている。
本書にその結果が記されているが、特にうつ病を併存する患者においてのIPTの脱落率は、
持続エクスポージャー療法に比べると明らかに低い。PTSDとうつ病の併存率の高さを考えると、
これは臨床的に大変意味のある結果だと思う。
実際に私もPTSD患者を多く治療しているが、再体験症状などのPTSD症状そのものよりも、
現在の対人関係の困難、つまり「生きづらさ」の方が苦しみの本体であり、
生活の質を下げている、というケースは決して少なくない。
現在の対人関係の質が下がってしまうために、結果としてそこから得られるはずのサポートも
得られず、悪循環に陥っているというケースがとても多い。そんな人たちに対して、
何がPTSDの症状であるかをきちんと心理教育し、有害な対人関係の整理を助け、
人からのサポートを実感できるよう取り組むIPTは、治療法としてとても適していると
日常臨床で強く感じている。
【以上、監訳者あとがきから抜粋】
全体に、多職種の方が読まれることを想定して、平易な表現につとめました。
また、日本語の専門家向けマニュアルとして手に取りやすい価格が実現するように、
エビデンスを高い専門性をもって記した第一章はほとんど訳出せず、
創元社のウェブサイトでQRコードから原文を読んでいただけるようになっています。
(このレベルのエビデンスに興味のある方は、英語の論文も問題ないはずなので)
マーコウィッツもとても信頼と喜びをもって受け止めてくれています。
災害はもちろんのこと、虐待、いじめ、と私たちの社会がトラウマ体験からフリーになることは
ないでしょう。
症状はより複雑化してもいます。
エクスポージャーがうまくいく方はエクスポージャーを。
でも、怖くてできない人、エクスポージャーが向かない人は、
対人関係療法という選択肢があることを知っておいてください!
創元社 2860円
アマゾンで購入する方は
2019年10月のツイートより
★2019年10月のツイートより(抜粋)★
2019年10月のツイートのうち、反響の大きかったものを抜粋してまとめました。
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2019年10月02日(水)
ありがとうございます。今度の「それでいい。」は、
パートナー関係に関心がある方のみならず、
「自分にはパートナーがいないから関係ない」と思う方にも
読んでいただきたい本です。どんな立場の方もお楽しみに。
残された校正を頑張ります。12月発刊です。
パートナー関係の「それでいい。」は、これですね。
https://amzn.to/2pofnJ5
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2019年10月05日(土)
今日はゆるしについて考えるAHワークショップでした。
どんなテーマでもAHのワークショップは楽しく温かい雰囲気になるのが
魅力です。ゆるしはワークショップを何度も開きながら、
まだ本にできていなくてすみません。
原稿はだいたい書いてあるのですが、深めたいと思うと、まとまった時間が…。
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2019年10月14(月)
今日は、「自分は気分変調性障害では? と思う方向けの
ワークショップ」でした。熱心に学び合う一日でした。
また、参加者の方から「本で読んだのと同じ人でよかった」と言っていただき、安心しました。________________________________________
2019年10月20日(日)
いつも通りにやっていれば大丈夫、という感覚が私たちの心の安定の
基礎を作るが、これだけ政治や災害により衝撃を受け続けると無力感が強まる。
認識しておきたいのは、それはあくまでも無力感という感覚であって
無力を意味するものではない、ということだ。
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2019年10月28日(月)
専門家向けの対人関係療法研究会、昨日は無事入門編ワークショップを
開くことができましたが、ここのところ会場の抽選に落ち続けていて、
次に開催できる日の見通しが立っておりません。
よい勉強の場なのに残念です。
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2019年10月31日(木)
来週から、国際対人関係療法学会でハンガリーに出張。
現在多忙で全く現実感なし。
ハンガリーは東西の壁が壊れた直後に放浪旅行で行ったことがあるだけで、
そもそも空港から学会のホテルまで行かれるだろうか? というレベル。
寒そうだし。
2019年9月のツイートより
★2019年9月のツイートより(抜粋)★
2019年9月のツイートのうち、反響の大きかったものを抜粋してまとめました。
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2019年09月02日(月)
特に拒食症の治療に重きを置いて書いた「摂食障害の不安に向き合う」が、
文庫化後初の増刷との連絡。
最近の拒食症治療のいわゆる全国スタンダードは、「体重を増やせば治る」に
なっているようで(現実逃避なのか?)危機感あり。
本書が少しでも広く読まれますように。https://amzn.to/2lmxL2T
その人が患者さんであれば、どれほどのヘイト思想を持っていようと治療にベストを尽くすし、
人間として共感もする。
でも、怖れをあおるヘイト本ばかり出版している版元から本を出すというのは
全く違う話だな。
熟慮の結果、自分なりの結論に達した。
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2019年09月08日(日)
今日は精神科指導医講習会だった。
専門医制度というのは医師の質の担保のために作られたもののはずだが、
「医師の偏在の解消」という筋の違う問題の受け皿になってしまっているようだ。
政治・行政による混乱と、それに対する修正をこれ以上繰り返す余力が
今の医療現場にあるのか、はなはだ疑問。
ちなみに私はダラダラ講義というのが極端に苦手なのだが、
台風の今日は新幹線で帰る先生たちに配慮して全体に無駄なく早めに終わった。
結局全体を網羅的にアップデートできたのだし、いつもこのくらいの
緊張感でよいのではないの? というのが個人的な感想。
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2019年09月09日(月)
今日取材を受けていて改めて感じたこと。「人を人として尊重する」というのは、
一般に「べき」の文脈で語られることが多いが、実は「自分は幸せに生きたい」という
究極の「したい」だと思う。
私流の言葉で言えば、人にはそれぞれの事情がある、と知っておくこと。
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2019年09月13日(金)
依存症的な問題はもちろん精神病理を反映するが、その行為のハードルの高低は
発症に大きな影響を与える。
ギャンブルが非合法であることはそういう意味でギャンブル障害の発症の
一定の抑止力になっている。
精神病理そのものを癒すわけではないが、現実的な結果を考えると重要なことだと思う。
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2019年09月16日(月)
福井県に水島という無人島があり「北陸のハワイ」と呼ばれている、という記事を
AH参加者の方が教えてくださいました。
https://pic.twitter.com/XVP2jbcg0g
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2019年09月25日(水)
来年は95歳になるジェリー・ジャンポルスキーが、ちょっとした健康障害で
短期入院していたけれども無事退院してきた、と電話をくれました。
ツイッターは、衝撃的な形で人に情報をもたらすので、いろいろと心配ではある。
最近、一定の長さの動画がついているものをリツイートする傾向にあるのは、
自分の目で見て何かを感じることによって、衝撃に対処してほしいという願いもある。
退院してきたばかりの94歳のジェリーの英語は、ますます聴きとりづらくなっていた。
いろいろ私を心配して質問してきて一通り答えたら、
「今退院してきたところで疲れているから」と電話は終了。
疲れているのなら今電話してきてくれなくてもよかったのに、と思ったけれど、
この流れもジェリーらしい。
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2019年09月26日(木)
先週プリンター(複合機)が経年劣化のため突然壊れた。
今週末の研究会に向けて大量の配布資料を印刷し始めたタイミング、
しかも連休前で、新品を購入しようにも在庫確認も困難。
予備的に保管していた古い機の活用、それを2Fまで運び上げる脚力の回復、
と運よく乗り越えた。幸い増税前に新品も購入。
こうして書き並べてみると「結果として運がよかった」出来事なのだけれど、
渦中にあっては、重い複合機を抱えて、一気に持ち上げるしかない狭い階段を
独力で運び上げたり、それなりに大変だった。
増税に間に合ったとは言え想定外の出費もあった。
こういうプロセスに評価を下すのはやっぱり無理がある。
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2019年09月29日(日)
必読だと思う。
小田嶋 隆さん「おそらくあらゆる表現の限界は、国民の粗暴さと臆病さが交差する場所に
着地することになっている」
「厄介なのは、ある人々が粗暴になればなるほど、別の人々が臆病になることで、それゆえ、
表現の限界は、どうかすると平和な時代の半分にも届かない範囲に狭められる」 https://twitter.com/nikkeibusiness/status/1177508236674486273…
いつも思うことだけれど、必要なのは、それぞれの人が少しずつの勇気を持つこと
なのだろうな。
私は自分の分しかできないけれども、少なくとも自分は勇気を持とうと思う。
今日の専門家向け研究会で、対人関係療法のよさが改めてわかった。
万能な治療法という意味ではない。この患者さんにどの治療法を使うか、という
「鑑別治療学」においては、対人関係療法の明らかなメリットがわかる。
それを共有できる専門家が増えるのも嬉しい。
2019年8月のツイートより
★2019年8月のツイートより(抜粋)★
2019年8月のツイートのうち、反響の大きかったものを抜粋してまとめました。
この「ツイッター抜粋」は、いろいろと多忙だったため、
2019年1月分を最後に停止しておりましたが、
2月分からの抜粋を、というプレッシャーを自分にかけるといつまでも
先に進みそうもなかったので、とにかくアウトプットできるところから、と考え、
現在進行中の、8月分の抜粋から再開することにしました。
抜け落ちたところは、機会を見て埋めていきたいと思っております。
いつもこんな仕事の仕方になってしまいますが、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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2019年8月2日(金)
私にとってとても大切なある女性が今日
「まずは幸せを感じられるようにならないとね」と言った。本当にそう。
AH入門者にありがちなこととして、「心の平和」と「感情の平坦」を混同することがある。
単にネガティブな感情を抑えても、そこに幸せがなければそれは「心の平和」ではない。
今年11月、ブダペストで開かれる国際対人関係療法学会(ISIPT)で、
またポスター発表の審査員を務めることになりました。
前回トロントでも務めましたが、どれも力作で、結構難しい仕事です。
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2019年8月6日(火)
自分を大切にできない患者さんに今日も話した。
「今やっていることは外国に引っ越すようなものなんですよ。
新しい言語や文化になじむのはそれなりに努力が必要で、古いところに戻りたくなる。
でも、自分を大切にできるようにするには、苦労しても
新しい文化に慣れなければいけないんですよ」
頑張ろう!
ここのところ実感しているのが、信頼できる喜び。私は「この人は信頼できる」と思うと
とことん信頼するタイプ。もちろん相手は完璧でなくてかまわない。
「こういうのは苦手な人」も含めて、信頼できると本当に心が安定する。
滅多に裏切られないけれども、そうなっても「ああ、ひどい目に遭った」だけ。
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2019年8月8日(木)
国際対人関係療法学会で治療者・指導者の認定制度の第一歩として、
指導者を指導する「祖父母」みたいな地位が作られることになり、
私は今その審査を通過中。
ところがこの英語、grandfatherなのだ。親しい理事に「なぜgrandmotherではない?」と聞いたら
「あなたの言う通り。悪しき白人男性主義だ」と。
ちなみに、「指導者の指導者」の地位を得るための審査の中で、
兄貴分マーコウィッツ(今私が訳しているPTSD用対人関係療法の著者)が
すばらしい推薦状を書いてくれた。
「本当に親切にありがとう!」と言ったら
「そんなことないよ。君がそれに値するだけだよ」と。涙。
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2019年8月11日(日)
当時外相だったフランスのド・ビルパン氏(かっこよかった!)と昼食をともにしたとき、
「フランスは最大の敵(ドイツ)と親友になることで歴史を変えた。
日本も米国ばかり見ていないでアジアの中で同じことができるはず」と言っていた。
残念ながら、なかなかそういうふうにならない。
来月18歳になる息子と話すと必ず私の知らないことを知っていて勉強になる。
それは、有楽町に行くときどの駅で乗り換えるんだっけ? というレベルから、
PL学園野球部の歴史、中国でのSNS規制まで、本当に様々なレベルで。
だんだん私が提供できる知識量の方が少なくなってきた。
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2019年8月12日(月)
今日はAHの実践ワークショップでした。とても温かく楽しい一日でした。
明日診療を早めに切り上げ、入院し、明後日手術です。
手術前にできることを詰め込んでいる感じ。
とにかく術後感染のためにできなくなった長距離歩行やランニングが再開できるようになりたい。
痛みやしびれから解放されたい。
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2019年8月15日(木)
今日の退院を狙っていましたが、痛みのコントロールがまだ自宅でできないので
たぶん明日になります。
痛み止め、点滴で次々使って寝付いたのが朝の5時半でした。
全身麻酔でない初めての手術でした。
全部見たかったけど怖がる人がいるから見せないんだそうです。
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2019年8月16日(金)
退院してきました。今回の髄内釘抜釘(下腿の大きな骨の中心に入れてあった金属を抜く手術)は、
一連の骨折ストーリーの中でとても印象的。術後の痛みはおそらく今までで最強。
だから自信がなくて昨日退院できなかった。
でも今日はすでによたよたしながらも松葉杖もなく歩いている。まだ痛いけれど。
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2019年8月17日(土)
抜釘術を受けるかどうかについて。海外では受けない人も多いと聞いています。
チタンならMRIも問題なし。空港の金属探知機は反応にばらつきがあるようだが対処可。
私の場合は痛みやしびれが残っていたのと、
昨年感染しているので少しでも異物のリスクを取り除きたくて抜釘すると決めていました。
中学受験で心のバランスを崩す子は少なくない。私は自分の意志で中学受験をしたが、
それは、高校受験になると内申書の影響力が大きくなってしまい、教師不信の強かった私は
そんなものに運命を委ねられないと思ったから。
もっと大人や教師を信頼できていれば、また違った人生になっていたのだろう。
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2019年8月18日(日)
私は東京都新宿区で生まれ育ったが小5の終わりに世田谷区に転居のため転校したこと、
中学からは電車で水道橋まで通学するようになったことから、
いわゆる「地元の友達」がいない。
保育園から中学まで地元公立で育った我が子たちを見ていると、
「幼馴染」や「地元の友達」の存在が眩しいです。
抜釘術後の痛みからの回復はものすごく早く、すでに鎮痛薬なしで仕事もできるし
膝も曲がるようになった。シャワー時の防水保護のみ必要。
ただ、「また?」と呆れられるだろうが、入院当夜(手術前夜)、部屋を真っ暗にして
寝ていたため夜中に間取りを勘違いして壁に激突した顔は相当痛いです(苦笑)。
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2019年8月20日(火)
今日は「気遣い」について雑誌の取材を受けました。
改めて気づいたのですが、私は関心のあるテーマについていろいろな方向から
掘り下げて考えるのがとても好きで、その大きな作業が本を書くということで、
日々受ける雑誌の取材などはその小さなアップデート、改訂作業なのだなと。
人生日々改訂です。
とりあえず今日の時点での結論は、「気遣いとは、自分の領域に責任を持ち、
相手の領域を尊重する、対人関係そのもの」となっています。
マニュアル化できるものではない、人(自分も含めて)に向き合う姿勢そのものですね。
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2019年8月21日(水)
今日で手術から1週間ですが、ガーゼ等も全部とれ、シャワー時の防水も必要なくなり、
人体の回復力のすごさに改めて感動しています。
今のところ傷もきれいで昨年のような術後感染の徴候もなし。
まだまだパンパンに張っていて左脚に比べると3周りくらい太い感じで動かしづらいのですが、
順調です。
そうそう、近所の犬に噛まれたうちの犬も治療が終わり、心の傷も癒えてきたみたいで
「散歩のときに歩きたがらない」現象がほとんどなくなったようです。
確かに、普通に散歩していたら近所の家から出てきた犬にいきなり噛まれる、
という体験を精神的に乗り越えるのは大変ですよね。
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2019年8月23日(金)
またまた術後経過です。今晩はリハビリモードでウォーキングとプチランニングをしてみました。
難なくできてしまってびっくり。
でも考えてみたら骨折は治ったわけだし、表面的な傷は生々しくても
動かした方が回復は早いのですね。
1年以上の整形外科患者生活で、考え方がだいぶよくわかってきました。
長距離歩いたり走ったりしたら脚がますますパンパンに張るかも、と思ったけれども、
実際は逆のようです。
筋肉を使い、血を巡らせることによって状態はよくなるようで、
ウォーキング後には少し右の下腿が細くなった模様。
あと、術後感染以来二つ(?)あった右脚のくるぶしが、一つに戻りました。
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2019年8月24日(土)
安全保障的な脅威は外側ではなく内側にある、というのは昔から感じてきたことだけれど、
それをひしひしと実感する今日この頃。
しかし、そんなときだからこそ自分の心の姿勢に責任を持つという原則を再確認したい。
自分の安全や尊厳を脅かすあらゆることが被害者意識から来るように私は思う。
かつて議員になってすぐに気づいたことは、いわゆる「リベラルでない人」は、
全部を知っていてそういう態度をとっているわけではなく、
「知らないことを責められる恐怖」から頑なである場合が多い、ということだ。
そこに攻め込んでしまうとますます相手の恐怖をあおり頑なにする。
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2019年8月25日(日)
9月の専門家向け研究会の症例提出期限が今日の24時なので最後の待機をしているところ。
長い間、症例読みは完全に一人でやっていたけれども、この頃は後進の先生たちが
たくさん助けて下さって心強い。
後進をちゃんと育てない人たちは本当に損をしていると思う。
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2019年8月26日(月)
私は、自由の侵害は、自分の心の中の「べき」から始まると思っている。
自分にも他人にも「べき」を向けないようにする勇気が、本当の自由につながる。
「べき」ではなく「したい」で生きられることが自由だと信じている。
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2019年8月28日(水)
今日で手術から2週間。今日の外来で整形外科受診は終わり(感染症状がこの後出てきたりしなければ)。
金属を抜いた後にも新たな骨が育っていることが、X線で確認できた。
まだ手術の傷の痛みや腫れはあるけれども、脚そのものの調子は明らかに術前よりよく、
手術を受けて本当によかった。
本格的に歳をとる前に怪我や手術で身体の大切さを痛感したことはとてもよかった。
また、整形外科の考え方の基本を、体験を通して学べたことは、今後とても役に立つと思っている。
なぜ抜釘したら長距離歩行時の足首の痛みなどがなくなったのか? を
整形外科のドクターも考えてくれたが、おそらく金属を固定していたネジなどがどこかの腱にでも
当たっていたのではないか、という推測になっている。
抜釘してこんなに明らかに症状が改善するのは珍しいらしい。
長距離ウォーキングも重いものを持つことも問題なくできる一方で、
まだ手術による痛みや腫れは結構あって、靴下をはく、ズボンを脱ぐ、脚だけで階段をおりる、という
日常的な動作がまだできない。
でも、どれが手術による一時的なものかを考えることで、安心して対処することができている。