栃木県議会議員 山田みやこさんが先日出版された本に文章を寄せましたのでご紹介します。
2001年、第二子妊娠中の夏に大きなお腹を抱えて選対委員長を引き受け誕生してもらった、栃木県民主党初の女性県議が山田さんでした。
これからもぜひ活躍していただきたいです。
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私は2000年6月に衆議院議員に初当選しましたが、実際に政治の世界に入って、女性の議員が必要だということをそれまで以上に痛感していました。国政の場でも女性議員を増やすための仕組み作りに取り組みましたが、さらに深刻なのは地方議会でした。タレント議員が多い国政に比べて、地方議会における女性の割合はさらに低いのです。生活により密着したテーマを扱う地方議会こそ、そして地方分権が進む中で役割が大きくなってくる地方議会こそ、女性議員を増やすべき場です。それが政治全体の底上げにつながるだろうと考えました。
そのような思いで県議補欠選挙の女性候補を探し始めたのですが、もちろん難航しました。まともな候補者探しが難しいということは、自分自身が政治の世界に入って初めて知った現実です。困り果てていたところに、市民のネットワークが与えてくださったのが山田みやこさんでした。従来型の政治では、もともと政治家志望だった人が「自分が出たい」と名乗り出るか、票になりそうな候補を説得して一本釣りするか、という形で候補者が決まってきました。山田さんはどちらでもなく、私が女性候補者を探して苦労しているという情報を受けて、同じ志を持った市民の方が、我がこととして真剣に考えてくださった結果得られた人材でした。谷津さんに連れられて選挙の話をしに来てくださった山田さんとじっくりと話し合い、この人こそ選挙に出ていただきたいと心から思える方だということがすぐにわかりました。メンツ中心の男性議員の中には、「市議選に当選しなかった人を出したら馬鹿にされる」ということを言う人もいましたが、私が自ら選対委員長を引き受けるという条件で納得してもらいました。
山田さんの一番の特徴は、「有権者への信頼」だと思います。「政治家を信頼できるかどうか」という視点はよく話題になりますが、政治において何よりも必要なのは「有権者への信頼」だと私は思っています。有権者を信頼できない政治家は、情報を隠したり、嘘をついたり、「私に任せなさい」というような姿勢をとったりします。このような姿勢は、政治のわかりにくさや絶望につながり、結果として有権者の政治離れ、民主主義の危機につながっていきます。山田みやこさんは、「有権者への信頼」に基づき、情報をきちんと開示し、ネットワークを作りながら、政治活動を続けておられますし、政治のわかりやすさや希望へと間違いなく貢献してくださっています。そもそも山田さんは、私の「有権者への信頼」の中から生まれてきた議員です。女性候補者が見つからずに困っていたときに、従来型の安易な方向に流れることなく市民を信頼し続ける中で、市民が動いて山田議員が誕生しました。その生い立ちを大切に、山田さんにはこれからも「有権者への信頼」に裏打ちされたネットワーク型の新たな政治の形を栃木から作っていただきたいと期待しています。