児童福祉法の一部を改正する法律案A○水島委員 民主党の水島広子でございます。 本日も、大臣、よろしくお願いいたします。 きょうは持ち時間がわずか 四十五分間で、伺わなければいけないことが本当にたくさんございますの で、こちらも早口で失礼いたしますけれども、ぜひ御答弁も必要十分に、 明解に、よろしくお願い申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 今回の法改正でも、自立援助ホームは重要な役割を担わされているわけ ですけれども、かねてから自立援助ホームへの支援を厚くする必要性は言 われてまいりました。 自立援助ホームというのは第二種社会福祉事業でご ざいますので、行政のすき間に落ち込んでしまう子供たちや青年たちの受 け皿としての貴重な働きをしていると同時に、その性質ゆえに、経済的に は苦しいという現実がございます。 私の地元にも大変すばらしい自立援助ホームがございまして、しっかり と子供たちの心の支えになっておりますけれども、その運営実態は実に厳 しく、子供たちのための資金集めで消耗してしまっているというような印 象がございます。 自立援助ホームの方たちからも、小規模児童養護施設並 みの補助金をという要望が出されていると思いますけれども、厚生労働省 としても、もっと頑張って支援していただけるのかどうか、まず大臣の御 決意を伺いたいと思います。 ○尾辻国務大臣 平成十六年度予算におきまして、自立援助ホームにつきましては大幅な 改善を図ったと私どもは考えております。 まず、箇所数が大幅にふえたこと、これはもう御案内だろうと思います。 また、一カ所当たりの予算をほぼ二倍にもいたしました。 さらに、本年六月に閣議決定された少子化社会対策大綱においても、 「居住の場所の確保、進学や就業の支援など自立を支援するための施策を 講じる。 」とされておりますから、今後とも児童の社会的自立の支援に努 めてまいりたいと考えます。 ○水島委員 かなり大幅に拡充していただいているということはもちろん了解した上 で、それでもまだ十分ではないというふうに認識をしておりますので、ぜ ひ、さらに頑張っていただけますように、まずお願いを申し上げておきた いと思います。 また、自立援助ホームの設置状況は、現在のところ、大きな地域間格差 がございまして、自立援助ホームを利用したくてもできない地域がまだ多 数派でございます。 児童虐待防止ネットワークの設置状況にも大きな地域 間格差がございますし、児童福祉司の配置についても、地方交付税積算基 礎を満たさないところが六割で、地域間格差が大きいということは大分知 られてきたわけでございます。 現在ですらこのように地域間格差が目立つところを、三位一体改革がど のように決着するかわかりませんけれども、いずれにしても、今後地方分 権が進んでいく中で、どうやってナショナルミニマムを確保していくかと いうことについては、大臣はどのようにお考えになっているでしょうか。 ○尾辻国務大臣 児童虐待対策につきましては、国としてはいろいろと施策の充実を図っ ているつもりでございますけれども、お話しのように、残念ながら、地方 自治体の取り組みについて地域間格差があることも事実でございます。 こ のため、厚生労働省といたしましては、児童虐待対策の重要性、緊急性に ついて、全国会議の場や通知、その他あらゆる手段により、地方自治体に 対し理解を求め、積極的な取り組みを促していきたい、こういうふうに考 えております。 また、三位一体の関係との絡みでございますけれども、「地方六団体提 案に対する厚生労働省意見」として私どもが出しましたのは、児童虐待対 策については、いまだ地方自治体の事務として定着しているとは言えず、 今後さらに国が積極的に関与して推進する必要がある事業、こういうふう に意見を述べて、私どもとしてはそうしたい、こういうふうに考えておる ところでございます。 ○水島委員 いろいろ通知を出していただいていても現状で、補助金制度でやってい ても現状ということでございますので、恐らくそんな簡単なことではない んだろうと思っております。 この点については、ぜひもう少し、どのよう にガイドラインをつくって、それをナショナルミニマムとして確保してい けるのかというような、その仕組みづくりということは本当に真剣に考え ていただかなければいけない時代だと思っておりますので、ぜひよろしく お願いいたします。 また、この点については、改めてこの委員会の中でも 伺ってまいりたいと思っております。 地域間格差ということでもう一つ伺いたいわけですけれども、現在、子 供は、その親の居住地の児童相談所がその子供の問題を担当するというこ とになっていると思いますけれども、地域間格差が大きい現状では、子供 が、別の自治体の児童相談所の支援を受けたいとか、別の自治体のプログ ラムに参加したいと希望するということもあり得ると思います。 あるいは、 子供が家出をして実際にほかの自治体にいるということもあるわけです。 そういう場合に、原理主義的に親の居住地の児童相談所の方針に従うべ きというふうにするのではなく、自治体同士で連携をして、結果として子 供にとって最もよい形で支援が受けられるように運用することはできるで しょうか。 また、それが、ひいては自治体間の格差をなくしていくという ようなことにもつながっていくのではないかと思うんですけれども、その 点についてはいかがでしょうか。 ○伍藤政府参考人 支援を必要とする児童に対して、基本的には、その居住地の都道府県あ るいは児童相談所が当たっているわけでありますが、相談の内容とか児童 の状況によって、居住地以外の都道府県の児童相談所、あるいは各種福祉 施設で対応した方がいいと思われる場合には、当該都道府県とそれから受 け入れ先の都道府県と協議の上、適切に活用しておるということでやって おります。 現在、いろいろな各種通達等、あるいは運営指針でもそういうことを明 記しておりますが、今後ともそういったことが一層図られますよう、周知 をしていきたいというふうに思っております。 ○水島委員 ぜひ、その際に、子供にとって何が一番よいかというその適切さを判断 するときに、当事者である子供の意見もきちんと聞いていただきたいと思 いますので、その点について一言確認させていただいてよろしいでしょう か。 ○伍藤政府参考人 相談の内容あるいは児童の状況と先ほど申し上げましたが、児童の状況 というのは、児童がどういう思いでいるかということも含んでおることだ と思いますので、そういうことを十分踏まえて児童相談所が対応していた だきたいというふうに考えております。 ○水島委員 ありがとうございます。 さて、この虐待をされた子供たちに良好な家庭的環境を確保していくた めには、里親とグループホームが非常に重要な柱だと思っておりますけれ ども、それと同時に、児童養護施設の人員配置についても、家族のような 愛着関係を築くという観点から、しっかりと見直さなければならないと思 っております。 現在の児童養護施設の人員配置基準は余りにも不十分であるということ はずっと指摘されてまいりましたし、この審議の中でも、既にほかの方が 指摘をされております。 日本の児童養護施設では、子供対大人が六対一と なっておりまして、交代制で働くので、実際には一人の大人がもっと多く の子供を見なければならないわけですが、ちなみに、私が昨年の夏、青少 年問題特別委員会の視察で見てまいりましたノルウェーの青少年ホームで は、子供対大人が一対二という配置でございます。 交代制で働くので、マ ンツーマンの支援をするにはこの基準が必要ということで、日本は六対一、 ノルウェーは一対二ということで、完全に逆転をしている数字となってい るわけでございます。 確かに、被虐待児を受け入れる場合の加算などについて、厚生労働省も 配慮してくださっているということは承知をしておりますけれども、それ にしても、マンツーマンにはほど遠い現状でございます。 そもそも、厚生労働省として、人員配置の数値目標をどの程度に置いて いらっしゃるんでしょうか。 ノルウェーのような配置は厚過ぎると思われ ているのか、それとも、日本もそのくらいを目指していくべきだと考えて いるのか、厚生労働省として適正な人員配置についての何らかの検討をさ れたことがあるのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○伍藤政府参考人 児童養護施設等の人員配置、基本的には、今御紹介のありましたように 六対一ということでございますが、この数年来、いろいろな形で複雑化あ るいは多様化するニーズにこたえるということで、その最低基準に上乗せ する形で、ファミリーソーシャルワーカーの配置でありますとか、虐待に 対応する対応職員の配置でありますとか、あるいは、ことしからは心理療 法担当職員などの加算、こういうことも導入しておりまして、実質的な意 味では、この人員配置、かなり、六対一以上に今体制強化されてきたとこ ろでございます。 どの程度の配置を目標にするかということにつきましては、全体の福祉 行政の中で、あるいは財政状況の中で、いろいろ限界もございますのでな かなか難しいわけでありますが、やはり、時代とともに変化し、複雑化し ておる児童行政に的確にこたえるということを私ども基本的な認識にしな がら、引き続き、ケアの充実のための体制整備について努力していきたい というふうに思っております。 ○水島委員 たしか、前回の審議の最初に、大臣が、お金がないからということは申 し上げないつもりだと言ってくださったことをよく覚えておりまして、大 変心強く思ったんですが、今の局長の御答弁も、全体の福祉行政の中で、 またその財源を考えてというようなことであるわけですが、まず、ここが 理想だけれどもお金がないから現在ここにとどまっているというふうに言 っていただければ、こちらも大変わかりやすいわけです。 では、どれだけ の予算をつければ理想的な数が実現するのかということがもっとわかりや すくなりますので、ぜひ、まず数値目標というものはきちんと、本当に必 要な数値として示していただきたいと思っております。 それが、ひいては、地方分権化の中でのナショナルミニマムの確保とい うときにも、やはりその数値というのが基準になってくると思いますので、 ぜひ、その数値目標ということを示す努力はとても重要だと思っておりま すから、最初から、全体の中があるのでなかなかその数値を示すのが難し いという態度をとらずに、理想とするのはこの程度の配置であって、そこ に行き着くまでにはまだ予算が足りない、そのようなことを明確にしてい ただいた方が、よほどよいと思っております。 ぜひ、今まで、どのくらいの人員配置が適正なのかということについて、 目に見える形で、現場の声や専門家の声を聞いて検討してくださったとい うことがないようでございますので、その数値目標を立てるために、現場 の声や専門家の声を聞いて、そしていろいろと、子供にとって何が一番よ いのかということをきちんと明確にしていただくような努力をしていただ いて、そして、その目標に向かって人員配置を厚くしていく努力をまた同 時にしていただきたいと思っているんですけれども、このあたりを大臣に、 また御決意としてお聞かせいただいてよろしいでしょうか。 ○尾辻国務大臣 今おっしゃるようなことが極めて大事なことだということは、よく理解 をいたします。 ただ、今私どもの示せる数字というのは、最低基準であっ たり、それが具体的には六対一であるわけですが、まさしくその最低基準 としてしかお示しできないということは、これは残念なことだと思ってお ります。 御案内だと思いますけれども、そこで、加算の職員なんかをつけ加えて、 実際には三・四五人に一人ぐらいのところまでは頑張っておるわけであり ますが、引き続き、おっしゃるようなことも検討の中に入れながら私ども の努力を続けていきたい、こういうふうに思います。 ○水島委員 恐らく、厚生労働省の方が相手だと、現場の方もお行儀のいいことしか おっしゃらないのかもしれませんけれども、私どもなんかが現場に参りま すと、もう本当にすがりつくような勢いで、人が足りないんだから何とか してくださいと必ず言われるわけでございます。 それが明らかに変わってきているんだということが目に見えてこないと、 現場で働いている方たちも本当に燃え尽きてしまいますので、ぜひ、応援 という意味も含めて、きちんと取り組んでいらっしゃるという姿勢を示し ていただきたいと思いますし、くれぐれも、基本的には六対一で十分だと 思いますなどというようなことは、もうゆめゆめおっしゃらないでいただ きたいと思います。 厚生労働省としては、必要なのはもう十分わかってい る、何とかその予算がとれるように、このくらいの人数になるように頑張 っているところですというのを言っていただければ、大分現場の方でもま たやる気が出てくると思いますので、ぜひその辺、わかりやすい態度をよ ろしくお願い申し上げます。 さて、もう一つ、里親も重要な柱でございまして、同じく、私、昨年の 視察で見てまいりましたデンマークのコペンハーゲン市では、親が親子再 統合に適した親かどうかを数カ月のうちに判断をして、適していないと判 断されれば、一年以内に里親を必ず確保するということでございました。 私、そこで、もしも里親が見つからなかったらどうするんですかと間の 抜けた質問をいたしましたら、そんなのは市の責任において必ず見つける んですといって、かえって怒られてしまいましたけれども。 つまり、子供を施設に一年以上は置かないという決意がそこにあるわけ でございます。 私も、以前からこの委員会でも申し上げておりますけれど も、里親へのサポートを充実させて、もっと里親をふやしていただきたい と思っております。 厚生労働省もこの方針であると思いますけれども、この点についても、 申しわけございませんが、大臣から改めて決意を確認させていただきたい と思います。 ○伍藤政府参考人 里親の問題でございますが、我が国は、里親の数が、里親での対応が非 常に諸外国に比べて少ない、こういう状況でございます。 それも、戦後ず っと一貫して里親の数が低下をする、こういう状態でございましたので、 この数年来、専門里親制度とか、あるいは親族里親とか、あるいは短期の 里親とか、いろいろな制度改革をして、それから、その処遇といいますか、 そういったものに対するいろいろな支援というものも充実をするというこ とで、この二、三年、反転の傾向にあります。 これからぜひ、この里親制度というものについても、大変いい制度とい いますか効果的な制度ですが、なかなか一般の国民にわかっていただくこ とが難しい、私どもの努力不足もあるかと思いますが、そういったことも 含めて、謙虚に反省しながら、ぜひ普及に努めてまいりたいと思っており ます。 ○尾辻国務大臣 先日来お答え申し上げておりますけれども、なかなかこの里親制度の普 及というのが進んでいない、これはもう事実であります。 そして、それは いろいろな理由もあるんでしょうが、やはり、今まで私たちがそういう制 度になじんでいないところが、大きな理由の一つだろうと思います。 ですから、できるだけこの問題、皆さんにわかっていただくように努力 しながら進めていきたい、こういうふうに思います。 ○水島委員 ぜひよろしくお願い申し上げます。 そして、今回の法改正で里親の権限が明確化されるということは結構な ことだと思っておりますけれども、ここにまた懲戒という言葉が出てくる ことに、私はひっかかりを感じるわけでございます。 そもそも、厚生労働省は、懲戒権というのをどういうふうに考えていら っしゃるんでしょうか。 国連子どもの権利委員会の二〇〇一年の勧告では、従来からの委員会の 姿勢を反映して、家庭及び学校におけるあらゆる形態の暴力、しつけ及び 規律の維持の形をとるものも含むとされておりますけれども、たとえ軽い ものであっても禁じることが勧告されております。 ところが、日本の民法では、親の懲戒権について何の制約原理もござい ません。 このようなむき出しの懲戒権というのは、少なくとも先進国では 珍しくなっていると言ってもよいと思います。 日本の民法は明治以来手つ かずで、親子関係について真剣に検討されてこなかったと言えるのではな いかと私は思っておりますけれども、民法は法務省の所管だと官僚的なこ とを言わずに、虐待を所管している厚生労働省としても、そろそろ懲戒権 のことについてきちんと考えるべきときではないかと思っております。 虐待をした親の少なからぬ数が、しつけのつもりでやったと言うのは皆 様も御存じだと思いますけれども、この現実に、一体大臣としてどのよう にお答えになるのかということを伺いたいと思います。 しつけを言いわけ にしているという事例もあると思いますけれども、本当にしつけと虐待の 違いがわからないという不安を訴えてくる親御さんも少なくないわけでご ざいます。 懲戒のことに触れずして、虐待防止を本当の意味で行うことは できないと私は思っておりますけれども、大臣の御意見はいかがでしょう か。 ○尾辻国務大臣 もう言わずもがなですが、理屈を言えば、民法第八百二十二条において、 親権者は必要な範囲でみずからその子を懲戒できることとされておる、こ のことでございます。 しかし、いつも問題になりますように、しつけと虐待との間、これをど うきっちり区別するのかというお話でございますけれども、児童虐待防止 法に定義する児童虐待に当たる行為である場合には、親の意図にかかわり なく、懲戒権の行使として許されないことは明らかである、これが、私ど もが今考えておるものでございます。 ○水島委員 児童虐待防止法に定義されている虐待といいますと、結局、その児童の 人格を傷つけたりとか、そういうことだと思いますけれども、実際に結果 を見てみないとわからないというところもございますし、これは私、今、 意地悪で申し上げているんじゃなくて、私は子育て相談とかよく受けるん ですけれども、そういうときに、自分がやっていることがしつけなのか虐 待なのか本当にわからないといって、パニックになっている親御さんがい らっしゃるわけです。 ですから、例えば、厚生労働省としては、子供をしつけるときには基本 的には手は上げないとか、何かそういう、もう少しわかりやすく言ってあ げていただいた方が、子育て支援としてはずっとよいと思うんです。 実際 に私も子供をたたかないで育てておりますけれども、たたかないでも実際 に育てられますので、ぜひそういう形での、たたかないで子育てをしてい くというノウハウを、もっときちんと厚生労働省として示していただきた いと思います。 実際に、民間レベルのノウハウはいろいろございまして、そういう意味 では学術的に参考にできるものもあると思いますので、きちんとその辺に ついては、やはりたたく子育てはよくない、たたかないでこういうふうに した方がむしろ子育てとして効果的だし、お互いに感情的にならないでき ちんとできますというようなことを、もう少し、もう一歩踏み込んで示し ていただきたいと思っておりますけれども、何かそういう方向で、大臣、 御検討いただけますでしょうか。 ○尾辻国務大臣 お話を伺いながら、昔我が子をぶん殴ったことを反省しておりますけれ ども、いろいろな御意見もあると思います、よく勉強させていただきたい と思います。 ○水島委員 尾辻大臣の弁護をするわけではないんですが、昔はもっと地域の子育て 力がありましたので、親が少しぐらい感情的であっても、ほかの大人がそ れを補ってくれたりという機能が昔はありましたので、昔に比べて今の方 が、親が子供をたたくということの虐待的な要素というんでしょうか、そ れは多分、昔より今の方がずっと高まっていると思いますので、現在の子 育て環境に即した検討をぜひ進めていただきたいと思います。 皆様、多分、昔子育てされた方は、自分も殴ったからというようなこと で、つい現在の状況を見てしまうと思うんですけれども、現在、本当に、 子供とつながっている大人は親しかいないというようなお子さんも多くい らっしゃるわけですので、ぜひ、そんな中で、この懲戒の問題をもう一度 きちんと考えていただきたいと思っております。 そして、きょうは法務省の方にもいらしていただいているんですが、実 際に子どもの権利委員会の勧告があるわけですけれども、この勧告も踏ま えまして、法務省では懲戒権についてどのような検討を進めてこられてい るでしょうか。 そもそも、親権者として子供に対して何をすべきであり、何をしてはな らないかという点の社会全体での検討が進んでいないために、家庭内虐待 も施設内虐待も起こってきていると思いますので、そろそろきちんと整理 すべき時期だと思いますけれども、法務省はいかがでしょうか。 ○深山政府参考人員 児童虐待への対処措置として懲戒権に制限を加えるべきではないかとい う御指摘は、これまでもたびたびされております。 そのたびに、民法を所管している法務省としては、懲戒権のあり方につ いて検討はしてきているんですけれども、先ほど来出ていますように、民 法の規定というのは、親権者が必要な範囲内でみずからその子を懲戒する ことができるという、非常にシンプルなものでございます。 これは、親権 者が、子の監護上、子の非行や過誤を矯正し、それを指導するために必要 かつ相当な範囲内の措置をとることを権利として認めたものでございます。 この懲戒行為が、子の監護上必要かつ相当な範囲内のものであるかどうか というのは、一般的な解釈として、その当時の健全な常識によって判断さ れるべきものである、こう言われております。 しかしながら、いずれにしましても、懲戒権は親が子のために行うべき ものですから、児童虐待と判断されるような行為は懲戒権の濫用でありま して、許容されないことは明らかであります。 ところで、民法は、民法上の権利すべてについてですけれども、権利の 全般についてその濫用が許されないということを、民法第一条第三項にお いて明確に規定をしております。 したがいまして、民法上、さまざまな権 利のうち懲戒権についてだけ、その濫用が許されないということを改めて 条文で明定をするというようなことをする必要はないのではないか、そう いうふうに考えております。 ○水島委員 その権利の濫用ということのほかに、懲戒権に含まれているものが一体 何なのかという、行為として何が含まれているのかということも、ここで もう一つのテーマだと思うんです。 実際に、国連の子どもの権利委員会の勧告として、しつけであっても、 しつけ及び規律の維持の形をとるものであっても、また、たとえ軽いもの であっても、子供に対するあらゆる形の暴力を禁ずる、そのようなことが 出ている中で、法務省として、この懲戒権の内容について、もう少し検討 されるということはされていないんでしょうか。 ○深山政府参考人員 今御指摘ありました、懲戒権のさらに具体的、細目的な内容がいかにあ るべきであるかというのは、先ほどもお答えしたとおり、一般的に、時代 によって社会常識が変わるというようなこともございまして、法律の解釈 としては、そのときの健全な常識によって判断するしかない。 あるいは、 それを基本法の民法の中で事細かに全部挙げていって、これはできてこれ はできないという形の規律をある時代の社会常識のもとに法文として書き あらわしていく、これはなかなか法技術上も難しいもの、であるからこそ、 そういう解釈になっているんだろうと思っております。 ○水島委員 時代に応じた変化をするということが、法務省という役所の性質上、な かなか難しいところがあるのかなといつも思っております。 ただ、これは法務省だけの話ではなくて、当然政府全体、この問題、虐 待にどれだけ本気で取り組むかということでございますから、政府全体と して、本当の虐待防止のためには、やはりこの懲戒権の整理、今の時代に 適した整理をきちんとしなければいけないと思っておりますから、これは ぜひ大臣に改めてお願いを申し上げたいと思っております。 さて、今回、親権喪失の宣告の請求が拡大されておりまして、これは私 もよいと思いますけれども、そもそも親権については、児童虐待防止法の 三年後の見直しまでの積み残しとなっております重要な事項でございます。 この親権について法務省は、親権の一時停止、一部停止というのは必要 なく、親権喪失の規定を適切に運用すればよいという立場をとられている と思いますけれども、親戚などに親権を代行できる人がいない場合、児童 相談所の所長が親権喪失の申し立てをいたしますと、児童相談所所長本人 が親権者となる仕組みに現在はなっております。 本人が児童相談所長の職 を離れても親権はついてくるという仕組みになっているわけです。 まず、尾辻大臣にお伺いしたいんですが、大臣の個人的な感想で結構で ございますけれども、児童相談所の所長としてその職務上親権喪失を申し 立てて、ほかにだれも親権者になる人がいないから自分がなった、ところ が、児童相談所の所長をやめても自分はその親権がついてきてしまう。 こ れは当然の責任と考えられますか、それとも、ちょっと重過ぎる責任では ないかと思われますか。 ○尾辻国務大臣 全く個人的な意見として申し上げれば、やはりそれは重過ぎるだろうな というふうに考えます。 ○水島委員 率直なお答え、ありがとうございます。 私もそう思います。 そして、このことが親権喪失の申し立てにブレーキをかけているという 側面があるのではないかと思っております。 個人名ではなく児童相談所長 という資格で、あるいは自治体そのものが親権者になれるような仕組みが 必要だと私は思っております。 親権喪失の規定を適切に運用すればよいと いうのが法務省の言い分ではあるけれども、実際に見てみますと、適切に 運用するようにということを規定した児童虐待防止法が施行された後も、 親権喪失の件数というのはふえておりませんで、親権喪失の規定が適切に 運用されているとは言いがたいと私は思っております。 ですから、個人名ではなく、その職名で、あるいは自治体そのものが親 権を代行できるような仕組みが必要だと思いますけれども、これも大臣の 御一存でお答えになれないかもしれませんが、政治家としての大臣に伺い たいと思いますけれども、そういう仕組みは必要だと思われませんでしょ うか。 ○尾辻国務大臣 個人後見でなくて、公的な法人による後見も認められるような制度の検 討が必要ではないかという御意見があることは、承知をいたしております。 私の意見を述べろと言われますと、私も検討の必要がある、こういうふ うに考えますということだけを申し上げます。 ○水島委員 ありがとうございます。 では、法務省の方にお伺いしたいんですけれども、今の点については、 法務省としてはどのように検討されていますでしょうか。 ○深山政府参考人員 まず、前提ですけれども、未成年の後見人は、父母にかわって未成年者 に対する監護、教育、居所指定、懲戒等の権限と責務を有しておりまして、 その職務は未成年の生活全般に密接にかかわるものでありますから、未成 年者と日常的に接することができる者を後見人に選任するのが適切である と考えられます。 議員御指摘のとおり、近親者等に後見人として適切な人がいないという 場合には、児童相談所長の職にある者が、個人として未成年後見人に選任 される例が現実にあると聞いております。 そして、そのような場合には、 当該所長がその職を離れる場合には、家庭裁判所に対して辞任の請求をす るとともに、後任の児童相談所長を後見人に選任するよう請求するという 形で後見人の交代が現に行われている、実務上もそういうふうに行われて いるというふうに承知をしております。 御提案の、児童相談所長という行政機関自体、あるいは地方公共団体と いう法人自体を未成年の後見人に選任するということは、現行の民法です と、必ずしも明文上禁止されているわけではないんですけれども、理論上 なかなか難しい問題がありますし、実際上もなかなかそういう例はないの ではないかと思います。 ○水島委員 今のことも含めて、ぜひ法務省にはこの親権のことをもう少しきちんと 考えていただきたいなと思っております。 私、実は、虐待防止法の改正に当たって、法務省から最初、この親権喪 失のことについていろいろ伺ったんですけれども、そのとき最初に伺った 説明がかなり事実と違っていたところもあったり、余り真剣に考えてくだ さっていないのかなとそのとき思ったことを記憶しておりますが、三年後 の見直しまでにはきちんとこの親権のことを整理しなければいけないです し、その点について法務省でもきちんと御協力をお願いいただきたいと思 っておりますし、皆様にもぜひ御関心を持っていただきたいと思っており ます。 法務省の方はもう結構でございます。 さて、残りの時間で、小児慢性特定疾患について伺いたいと思います。 小児慢性特定疾患治療研究事業の対象者は、全国で十万人を超えると言 われておりますけれども、制度改正を適正かつ円滑に行うためには、改正 法の成立から法施行までの期間は、最低でも実は五、六カ月が必要ではな いかと、地方自治体の方にも伺った結果として私は考えております。 まず、法律成立後に示される新認定基準に基づいて、行政内部の調整や 県の認定基準をつくらなければなりません。 また、新しい制度では、対象 者の認定方法が従来の外形的な基準とは異なり、重症患者であることを明 確にする診断書の提出が必要となります。 所得段階に応じた費用徴収制度 が導入されるため、所得状況を証明する書類が新たに必要になりますので、 十分な周知期間が必要です。 周知が十分でないと、患者、家族はもちろん、 医療機関や税務署等においても混乱が予想されますし、結果的に、患者、 家族が医療機関や行政の申請窓口に何度も足を運ばなければならないよう な状況になり、患者、家族に大きな負担が生じます。 周知期間はやはり一 カ月程度は必要だと思います。 そして、申請の受け付けが開始されますと、小児慢性特定疾患の診断を 行っている医療機関は地域においても限られているため、短期間に特定の 医療機関、医師に患者が集中することが予想されます。 また、診断する医 師にとっても初めての重症認定となるため、ふなれなために、診察及び診 断書の交付が通常よりもおくれるということが予想されます。 申請書を受 理して、それを専門の審査会にかける行政側にとっても、初めての重症認 定となると時間がかかることが予想されますし、所得段階の認定も加わる ため、申請受け付け開始から対象者決定のリミットとなる法施行日までは、 三カ月程度の期間が必要だというふうに考えております。 このように考えてまいりますと、四カ月ではとても間に合わないと思う のですけれども、厚生労働省としては、そのタイムスケジュールをどのよ うに考えていらっしゃるでしょうか。 ○伍藤政府参考人 基本的には、この小児慢性特定疾患事業の見直しは、さきの通常国会に 提出をしたときには、十月一日施行ということで御提案を申し上げており ました。 通常国会で成立するのは通常五月か六月ぐらいでありますから、 それから四カ月ぐらいの準備期間を置いて十月一日施行、こういうことで 法案を提出させていただいたわけでございます。 今回、既に十一月でございますが、これからどういう時期に施行できる かということで、今、るる御紹介、御指摘がございましたいろいろな各種 の事業が必要になるわけでございまして、特に都道府県で重要なスケジュ ールといたしましては、電算処理システムの修正というようなものが意外 と事務的には大きなわけでございまして、これがやはり三カ月ぐらいかか る。 それから、今言いました所得の確認、それの認定、それから医療機関 との委託契約、そういったものも当然必要になるわけでありますが、こう いったことを並行して進めながら、二カ月から三カ月程度で、かなりこれ は集中的にやってでございますが、何とか事務処理できるのではないか、 そういうふうに想定しているところでございます。 ○水島委員 ぜひ、行政の中で急いでいただく部分はもうできるだけ急いでいただき たいと思っておりますけれども、実際に法の施行日までに認定事務が完了 しなかった方については、仮に法施行日以降に認定されたという場合には、 申請日から認定決定日までの医療費が償還払いという形になるのだと思い ます。 そうなりますと、患者さんや御家族に償還払い申請手続等の負担が かかるということになると思います。 本来は、患者さんや御家族の手間や医療機関の混乱などを考えれば、ぜ ひ十分な準備期間をとって施行というふうにしていただきたいと思うわけ ですけれども、そうはいっても、自治体によって作業のスピードには差が あると思いますので、償還払いとならざるを得ないケースも出てくると思 います。 でも、お子さんの治療に通いながら生計を立てるというのはただ でさえ大変なことですし、その上、手続などで何度も足を運ばなければな らないということになりますと、母子家庭などでは致命的なことにすらな りかねないわけです。 ですから、償還払いが仮に避けられないというような場合には、その手 続を限りなく簡略にしていただきたいのです。 例えば、認定されて受給者 証が送られてくる場合、そこに償還払い用の書類が同封されていて、振り 込み先の口座を書いて判こを押して送れば、自動的に償還払いが行われる というような仕組みを工夫していただきたいと思いますけれども、大臣、 この点はいかがでしょうか。 ○尾辻国務大臣 今般の制度改正による各自治体における認定事務の詳細につきましては、 通知で定めることといたしております。 そこで、施行までに認定事務が終わらず、今お話しのように償還払いと なるところが出てくる自治体がある場合には、実施主体となる自治体から の御意見も伺いながら、保護者が都道府県等に請求する償還払いの手続に 関しては、保護者が必要書類を都道府県等に持参することなく、郵送によ ることも可能とするなど、保護者の手間を省きたいと考えておるところで ございます。 ○水島委員 ぜひよろしくお願いします。 私も病院で働いておりましたので、こうい う書類関係の手続が本当に大変だというのはよく存じておりますので、ぜ ひその点については、くれぐれも御配慮をいただきたいと思っております。 また、今回の制度なんですけれども、自己負担のあり方についても疑問 が残るところがございます。 例えば、伺いましたところ、確定診断に至る までの検査費用は遡及して公費負担とはしないというふうに伺っておりま すけれども、この点について確認させていただきたいのと、また、今度の 新しい制度では、重症度診断が必要になるため、検査における自己負担も 重くなると私は思っておりますので、今まで以上の配慮が本来は必要なの ではないかと思います。 特に、今回、私たち、ずっと虐待についての審議をしてきているわけで ございますが、親に虐待傾向がある場合、お金がかかるから子供に検査も 受けさせないということもあり得ると思います。 本来、それを説得する小 児科医の立場に立ってみれば、後でお金が返ってくるから検査は受けてお いた方がいいよと言えば、この制度に乗せていくことができるわけですけ れども、それが結局お金も返ってこないということになりますと、子供を 虐待するような親の場合に、その検査費用を出さないということもあり得 るわけです。 そういうようなことも考えますと、本来は、確定診断のために必要だっ た検査費用というのは、私は公費負担とすべき性質のものだと思いますけ れども、この点については大臣はいかがでしょうか。 ○尾辻国務大臣 今般新たに設定いたします重症者の認定基準については、疾患の特異性 に応じ、症状、検査値、治療内容等による簡便な基準を設けるものでござ います。 これらは、通常、診断名を確定するために最低限必要な検査であ りまして、ごく一部を除いて、これまで以上に検査がふえるものではござ いません。 また、検査費用についてのこともございましたけれども、大きな負担を もたらすものではないと考えております。 ○水島委員 多分、大臣がお持ちの原稿にはそう書いてあるんだと思うんですけれど も、先ほど申しましたように、とにかく今、虐待というテーマを同時に扱 っているわけであって、そういう親がこんなにたくさんいますという前提 で話している中で、子供にお金をかけて検査を受けさせて、子供に最適な 医療を受けさせるような、すべての親がそんな親であれば、また虐待の議 論は必要なくなるということもあるわけですから、その二つ、全く切り離 して考えるのではなくて、やはり、そんな親に対しても小児科医が、でも お金がかからないから検査を受けましょうよというふうに説得できるよう な、そういう材料を与えていただきたいと思うわけでございます。 この制度に乗らなければ子供はちゃんと適正な医療を受けられないとい うことにもなってしまいますので、大臣の用意されてきた答弁書はそうい うことなんだと思うんですけれども、ぜひこれは尾辻大臣に改めてきちん と考えていただきたいと思っておりますし、大臣なら御理解いただけると 思っております。 今言ったようなことも含めまして、自己負担のあり方ですとか、また対 象となる疾患につきましては、今回全く新しい制度でございますので、見 直しが必要になってくると思います。 当事者の声もきちんと反映された見 直しというものを今後していただきたいと思っているんですけれども、こ の見直しについて、現在大体こんな予定がありますとか、こういうふうに やっていきたいですとか、何かそういうことを御答弁いただけますでしょ うか。 ○尾辻国務大臣 今般の小児慢性特定疾患対策の見直しは、そのあり方に関する専門家、 患者代表等による御論議を踏まえ、法整備を含めた制度の改善、重点化を 行い、安定的な制度として、新たな小児慢性特定疾患対策の確立を図るも のでございます。 本事業の今後の見直しにつきましては、本事業の実施状況を見ながら、 必要に応じて対応してまいりたいと考えております。 ○水島委員 ぜひきちんと見直しをしていただきたいと思っております。 また、今回、施行が、恐らく春の施行というふうになると思いますので、 その場合には、前々年の所得に基づいて最初の計算が行われることになる と思います。 本来、制度としては前年の所得に基づいてやるものだと思い ますので、その辺についても、また償還払いですとか新たな手続とか、そ ういうことが必要になり得ると思いますので、先ほどお願いを申し上げま した趣旨に基づいて、手続は限りなく簡単なものにしていただけますよう に、改めてお願いいたします。 では、五十三分には大臣を党首討論に向けて送り出さなければいけない ということでございますので、残された三分間で、今までの審議の中でち ょっと重要だと思われた点について、確認をさせていただきたいと思いま す。 時間が限られていますので、ぜひ大臣には、はい、やります、そのよ うなお答えを全問についていただければと思っております。 まず、今回、市町村にその窓口が移されるということが一番心配される 点なんですが、今回の改正によって、児童相談所と市町村のすき間に落ち 込んでしまうようなケースが絶対に生じないように、基本的に虐待につい ては児童相談所が責任を持って、その調整も含めて行っていただきたいと 思っておりますけれども、その点をきちんとお約束いただきたい。 あと、児童相談所の抱える仕事というのはもちろん多岐に及んでいるわ けですけれども、現在は虐待への取り組みがどの児童相談所も中心に据え なければならないものである、そういう極めて中心的なテーマであるとい うことを、明確に改めて御認識いただけますでしょうか。 まず、この点についてお願いいたします。 ○尾辻国務大臣 まず、最初のお話でありますけれども、私は、つい思わず一次医療と二 次医療に例えてしまいましたけれども、その例えで申し上げると、それは もう、一次医療と二次医療の間にすき間があってはならないわけでござい ますから、最初のお話は、すき間などつくらないように、ちゃんとしてい かなきゃいかぬというふうに思っております。 二点目の御質問について、ちょっと私がよく理解できませんでしたので、 もう一回言っていただくと大変ありがたいんですが。 ○水島委員 児童相談所というのは本当にいろいろな仕事をされているんですが、た だ、もう今は、どんな児童相談所であっても、もともと人手が足りなかっ たり、あるいは虐待を余り得意としなかったり、そういう児童相談所であ っても、やはり虐待への取り組みというのは児童相談所にとって今日的な 中心課題である。 それをどの児童相談所もきちんと認識して取り組むべき だ、そのような方針できちんとやっていただきたいと思うんですけれども 、それはよろしいでしょうか。 ○尾辻国務大臣 もう既にその御認識がおありだろうと思いますが、万が一そうでないと ころがあれば、それはもう当然、そういう認識を持ってもらわなきゃいけ ないと考えます。 ○水島委員 あと、今回、保護者に指導措置を受けさせるための勧告が児童相談所に 対してなされるという点を、この前も質問させていただいて、多少懸念し ているんですけれども、この勧告が実際にどのように機能したのかという ことを、後日きちんと検証していただけますでしょうか。 ○尾辻国務大臣 この問題は、この前もちょっと、私が理解している理屈だけは申し上げ ましたけれども、いろいろの省との協議も必要なことだとは思います、制 度そのものについてどうするかということは。 ただ、今お話しのように、検証はさせていただきたい、こういうふうに 思います。 ○水島委員 時間がないので、次に、二つまとめて最後に伺いたいんです。 一つは、関係機関の連携強化はもちろんなんですけれども、民間団体、 NPOとの一層の連携というものが改正虐待防止法でも規定されているわ けですけれども、虐待防止ネットワーク、全国で見ますと、民間団体が入 っているものがわずか五%にすぎない。 ですから、この辺について、きち んと一層の連携を図るような積極的なアプローチをしていただきたいとい うこと。 あとは、例の小山の事件の反省もございますが、保護者への指導、支援 のあり方や、また虐待事件の検証結果などが地方自治体にきちんと周知徹 底されるような連携や指導に努めていただけますでしょうか。 この二点を最後に確認させていただきたいと思います。 ○尾辻国務大臣 市町村の実情に即した適切なネットワークの運営が確保されるようにし ていきたい、こういうふうに考えます。 それから、最後の民間団体の話ですね、これも努力をしてまいりたい、 こういうふうにお答え申し上げます。 ○水島委員 もう時間ですので、大臣には出ていただいた方がいいかと思うんですけ れども。 今申し上げてきましたようなところ、本当に重要なポイントだと思って おりますので、大臣には、これを機会にさらにお取り組みをいただけます ようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがと うございました。 |