厚生労働委員会
(2004年4月28日)



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年金審議@




○水島委員
   民主党の水島広子でございます。
 ようやく大臣に一回目の年金の質問をさせていただく機会をいただきま した。
この年金の法案、私も大変な法案だと思っておりまして、かねてか らずっと審議の準備をしてまいりましたし、また、知れば知るほど審議し なければいけないことが次々とあらわれてくるという大変な問題法案でご ざいます。
本日はわずか五十分しかいただいておりませんけれども、とて もそれで質問し尽くせるものではございませんので、本日を御縁にまた引 き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

   さて、事前に通告しております質問に入ります前に、何点か確認させて いただきたいことがございます。
 まず一つ目でございますけれども、私は、いつも与党席からの――与党 の方ほとんどいらっしゃいませんね、定足数はどうなんでしょうか。
こん な状況でちょっと審議できないと思いますので、至急与党の方には御出席 をお願いしたいと思いますが、今はいらっしゃらないので余りやじも出て おりませんけれども、いつも私、与党席からのやじというのは聞くに値し ないものが多いなと思って聞いておりますが、先ほどから、珍しく、聞く に値する、大変すばらしいやじが飛んでおりました。
それは、閣僚の年金 保険料の納付状況を明らかにせよというような審議をしておりましたとき に、それなら全国会議員だというようなやじが盛んに飛んでいまして、こ れは大変心を強くしたところでございます。

   なぜかと申しますと、民主党ではとっくの昔に、全国会議員が年金保険 料の納付状況を明らかにするというような委員会決議をすべきだというよ うなことで、実は両筆頭理事間の協議の中で既に提案をしておりますが、 与党の筆頭理事の方が、そんなものを出されたら与党はこれを否決します と断言されたそうでございます。
 ただ、先ほどからのやじを聞いておりますと、与党の方も大分御理解が おありのようでございますので、ぜひ、この点につきましては理事会でお 諮りいただきたいと思いますけれども、委員長よろしいでしょうか。


○衛藤委員長
   理事会に今の趣旨をお諮りします。

○水島委員
   ありがとうございます。
ぜひ委員長はそのようにお願いしたいと思いま すし、先ほどからあれだけ大きな声でこれを訴えていらっしゃった与党の 皆様ですから、よもや否決されるというようなことはないと思いますけれ ども、ぜひ御協力をお願いしたいと思っております。

   そして、もう一つ、大臣が年金の保険料を未納、未加入であったという 問題でございますけれども、先ほどから、これが個人情報かどうかという ようなことで審議が行われてきているわけでございます。
 ここに、我が党の山井議員が出しました質問主意書に対する答弁書とい うものが今手元にございます。
これはいわゆる年金広報に起用したイメー ジキャラクターの俳優さんなどについての答弁であるわけでございますけ れども、このようなものに起用する際には本人の同意を得てきちんと記録 を事前に確認するというようなことがこの答弁書に書かれているわけでご ざいます。
 つまり、例の事件が起こったときの閣僚の方たちのいろいろな発言を聞 きましても、またこの答弁書から見ましても、つまり、厚生労働省として は年金の広報に起用する方が年金に未加入、未納であるということはよろ しくないと判断されての答弁書ということでよろしいんでしょうか。

○坂口国務大臣
   山井議員から出ました質問主意書、全体を私、記憶しておるわけではご ざいませんけれども、今御指摘ございましたように、閣僚の話でしたね。
(水島委員「いや、俳優の話」と呼ぶ)俳優の話。
俳優の話は、本人の方 の了解を得て、そしてそこをはっきりさせておくべきであったということ でございます。

○水島委員
   済みません、何か先走っていろいろお答えいただいているん ですが、今質問申し上げましたのは、基本的な考え方として、そのような イメージキャラクターとして使う方が年金に未加入、未納であるというの はやはりよろしくないから、確認をして、ちゃんと払っている方を起用し たいという考え方でよろしいんですか。

○坂口国務大臣
   そのとおりでございます。

○水島委員
   では、大臣にまたお聞きしますけれども、年金の保険料を引き上げると いうような法案を提出する提出者が年金の未納、未加入であるということ はよろしいとお考えでしょうか、よろしくないとお考えでしょうか。

○坂口国務大臣
   それは、どなたであれ、国民年金というのはお支払いをいただくという のが国民的義務になっているわけでありますから、払っていないというの は、それはいいことでは決してない、それは残念なことだというふうに申 し上げておるわけであります。

○水島委員
   大臣はこの前から故意にそこをすりかえられて、閣僚としての責任の重 みというものを全く考えない答弁をわざとされているんだと思いますが、 閣僚としての責任の重みを痛感されて日々お仕事に励んでいらっしゃる坂 口大臣としては、本当に、まさにじくじたる思いかもしれませんけれども 、これをまたやりとりしておりますと時間ばかりたっていきますので、進 ませていただきたい。

   つまり、国民であればもちろん年金に加入している、年金保険料を払っ ている、義務があるという御答弁でございます。
それは一般論として大変 そのとおりだと思っておりますけれども、この質問主意書の答弁書を見ま すと、「このような事態の再発を防止するため、本年度以降、俳優等を起 用する場合には、本人の了解を得て、社会保険庁が保有する被保険者に関 する記録により、国民年金への加入及び保険料の納付の状況を事前に確認 することとしている。
」というふうに書かれております。

   まずここで、一つは、もちろん本人の了解が必要だということになって いるわけです。
恐らく、本人の了解が得られないときには、残念ながらこ のお仕事には起用できませんねということになるんだと思います。
ここに、 今、先ほど大臣は、すべての方にお入りいただかなければと言っていなが ら、この答弁書を見る限りでは、それをオープンにするかしないかについ ては御本人の判断に任せているわけでございます。
これは個人情報だとい う先ほど来の趣旨からいいますと、多分この答弁書の言っていることはそ ういうことなんでしょう。
 ただ、今度は、これを大臣に当てはめてみますと、法案提出者になるに 当たって、みずからの年金保険料の納付状況をちゃんと明らかにすること に同意できて初めて法案提出者になるというふうに、同じように考えられ ませんか。

○坂口国務大臣
   大臣でありますから、それは内閣を構成しているわけでございますので、 共同責任をとっていただくということは当然のことでございます。
したが いまして、大臣に就任をしていただいている皆さん方はお入りをいただく ということは、これは当然のことだというふうに私は思っております。

   ただし、過去にいろいろのことがあったのを、それを今どうこうしろと いいましても、これはならない話でございますから、そこはお許しをいた だきたいというふうに先日も三大臣がおっしゃったとおりでございます。

○水島委員
   過去のことをどう扱うかということについては、私はやはり二十年以上 払っていなかった方が閣僚の座にとどまられるのはどうかなとこれは率直 に思っておりますし、多くの有権者の方が同じ御意見だと思いますので、 それは有権者の方の御判断をいただきたいと思っております。
 過去をどうするかということ、例えば、自分がそうやって長く過去に払 っていなかった時期があるから、それを明らかにしたくないんだという考 えの方もいらっしゃるでしょう。
その場合に、それを明らかにしたくない から、どうしてもこれに同意できない、だから法案提出者には加われない というのが、この質問主意書の答弁からも考えられる一つの筋道ではない かと思います。
 これは、大臣について同じように言いかえさせていただきましょうか。
このような事態の再発を防止するために、法案を提出する場合には、本人 の了解を得て、これこれの記録により国民年金への加入及び保険料の納付 の状況を事前に確認することとするというふうに大臣についても言いかえ ることができるわけでございますけれども、その本人の了解が得られるか 得られないか、このことによって当然その法案提出者に加わるかどうかと いうのを判断するというふうに、このような答弁書を書いていらっしゃる んですから、それは当然御自分についても同じではないですか。

○坂口国務大臣
   それは広告について書いたものでございます。
 この法案提出につきましては、それは法案の今後の内容をどうするか、 将来の問題をどうするかという問題が中心でございますので、それに対す る御賛同は得られているものというふうに考えております。
御自身がその 中でどういう年金に過去にお入りになってきたかという問題とは、これは 別途の問題だというふうに思っております。
したがいまして、年金のこの 法案を政府で提出をいたします場合に、すべての皆さん方の、現在、年金 にどう入っていただいているかというところまではやってこなかったこと は事実でございますが、私は、これは国民としてのすべての義務でありま すから、お入りいただくというのは当然のことだというふうに思っており ます。

○水島委員
   先ほどから、語るに落ちるといいますか、大臣も繰り返し、国民として の当たり前の義務だというふうにおっしゃっていますので、国民としての 最低の義務を果たしていない方が大臣になっていいのかと。
うちの子供も 上の子は小学校に入りましたけれども、小学生にでもぜひ聞いてみたいと ころだと思いますけれども。
 本当にその点の問題というのは既にさんざん指摘されているんですが、 今私がここで申し上げたいのは、何事も遅過ぎるということはないと思い ます。
今からでも、これ以上法案提出者にとどまるかどうか、つまり内閣 に閣僚としてとどまるかどうかを、きちんと自分で了解をして、自分が年 金保険料を支払っているということを明らかにするということを条件にし て、それでもあえて閣僚にとどまるかどうかということをここでもう一度 チェックしていただきたいと思うんですけれども、そのようにしていただ けますか。

○坂口国務大臣
   閣僚の中には、私を初めといたしまして既に掛金をする年齢を経過して いる者もおりますから、そうした者もおりますので、一律に現在掛金をし ているかどうかということは言えないわけでございますが、何はともあれ、 お若い皆さん方で掛金をしていただく年齢の皆さん方でありますれば、そ れは当然掛金をしていただくということが前提だというふうに思います。

○水島委員
   いろいろと答弁くださっているわけですけれども、とにかく、これはき ょうお出しになるとか出さないとかいう話を聞いていますので、もう少し 時間を待ちたいとは思います。
可及的速やかに全大臣がきちんと御自身の 記録を出されなければ、こんな答弁書を書いて、一般市民に対しては記録 を出せと、こんなこと絶対言えませんよ。
この非常識さというのは、大臣、 おわかりですよね。
一言御答弁ください。

○坂口国務大臣
   広告に使います俳優さんに対しましてそれは書いたものでございます。
もちろん、閣僚におきましても、支払いをしていない人があったとすれば、 それは支払いをしていただくように言うのは当然でありますし、私は、現 在はお支払いをしていただいているというふうに思っております。

○水島委員
   質問時間がなくなってもったいないんですけれども、まだ大臣は勘違い をしていらっしゃっる。
お支払いしていただくとかそういうことじゃなく て、これはつまり、払っていない人はイメージキャラクターにふさわしく ないということを言っているわけです。
この方にさらに払っていただくか どうかという話をしているわけではございません。
 そもそも、年金の広告のイメージキャラクターの方と内閣の閣僚の方と、 どちらの方がそういう制度全体に対する信頼感を損ねる力が大きいと思っ ていらっしゃいますか。

○坂口国務大臣
   それは言わずもがなでございます。

○水島委員
   言わずもがなですという答弁は、私は初めていただいたので、どう解釈 していいか。
 つまり、これは大臣の方がその影響は大きいということでよろしいんで すね、大臣。
今うなずかれました。
与党の方もごらんになりました。
議事 録にそのように残させていただきます。
今の話はここまでにします。
ただ、 お昼を過ぎて出てこないようであれば、当然、この続きのことをどなたか がやってくださると思いますので、よろしくお願いいたします。

   さて、自分自身の質問に入る前に、ちょっとまだ確認しなければいけな いことがございます。
まず一つは、これは金曜日の夜七時から行われまし た枝野議員の質問に対する答弁の確認をさせていただきます。
 まず一つは、選択エージェンシーの問題でございますけれども、この監 修料、そのお金について、その使途について枝野議員が質問しているわけ ですが、それに対して大臣は、そのお金が、その人個人が使っていたのか、 あるいはそれを他の人にも利用させていたのかということについてまで今 私も確認ができておりませんから、これは今後確認をさせていただきたい と思いますと明言されています。
そして枝野議員は、月曜日には御報告を お願いしますというふうにそこに畳みかけているわけです。

   まず、この点につきまして、確認できましたでしょうか。

○森副大臣
   その後、関係部局に確認いたしましたところ、監修料を窓口で一括して 受け取ったのは事実でありますけれども、監修にかかわった職員に配分し て、したがって、各職員が確定申告を行ったとの報告を受けております。
 使途につきましては、聞き取った限り、さまざまなものに使われており、 個人的な夜食代やタクシー代なども含まれていると聞いております。
また、 監修料の受け取りには、課の責任者である課長自身が関与しておらず、承 知もしていなかったとのことであり、決して組織的にプールしていたもの ではないという報告を受けました。

○水島委員
   その内容も内容で、これは大きな問題がありますけれども、私ちょっと、 きのう、厚生労働省というのは一体どういう役所なんだろうと、疑問に思 ったことがございます。
また我が党の山井議員が、きのう、この点につい て確認した結果はどうですかというふうに厚生労働省の方に聞いたそうで ございます。
そうしましたら、いらっしゃった課長補佐の方が、指示は受 けていないので調べていません、そういうのは正規のルートで要望してく ださいとおっしゃったそうです。
 大臣に要望して大臣がやりますと言ったことが正規のルートじゃないと いうのは、一体どういう役所なんだろうと思ったんですけれども、何なん でしょうか、この一件は。

○坂口国務大臣
   それは、私がこの場所で御答弁を申し上げて、そして、そのことにつき ましてはちゃんと調べるようにということを言ったわけでありますから。
だから、現場といっても、現場もいろいろおりますから、ちゃんとやって いる人間がおるから私のところにその答弁も返ってきているわけでありま す。
やらなきゃ返ってきていませんから。
だから、今答えているわけであ りますから、それは御理解をいただきたいと思います。

(発言する者あり)

○衛藤委員長
   御静粛に。

○水島委員
   今、そこで山井議員が怒っていますけれども、本当に私もその怒りはよ くわかります。
 委員会でこうやって、今大臣に質問したら、副大臣がやっと答弁くださ ったけれども、これでは連日、自分の事務所に大臣か副大臣に来ていただ かないと話にならないということなんでしょうか。
そうやって担当の方に 何度も聞いているのに、大臣から指示は受けていない、正規のルートで要 望してくれ、そんなことを言うような体質というのはやはりおかしいんじ ゃないかと思いますので、この点につきましては、ぜひ、この後、何でそ ういうことをきのう山井議員に言ったのか、一体それはどういうことだっ たのか、ちゃんと改善できるのか、この点について、きちんと省内で確認 していただけますか。

○森副大臣
   大変御立腹ももっともなんですけれども、山井議員がお尋ねになりまし たのは官房総務課のようでありまして、これの聞き取り調査をさせており ましたのが国民健康保険課でありまして、そういう意味では、省内の意思 のコミュニケーションが悪かったという点についてはおわびを申し上げま すし、今後、努めてきちんと対応させていただくように指示をいたします。

○水島委員
   何度も連絡をした、言いわけはやめてくれと、今、横で山井議員が言っ ていますので、私も全く同じ気持ちでございます。
 そしてもう一つ、金曜日の答弁について確認させていただきたいんです けれども、政務官が最後のころに答弁した、これはとんでもない変な答弁 がございました。
私、ちょっと耳を疑って聞いておりましたけれども、速 記録を出していただきましたら、本当にそういうふうに言っています。
 これは枝野議員が、年金保険料を引き上げると雇用に悪影響が及ぶとい うことを指摘したことに答えての答弁ですけれども、お説どおり、保険料 の引き上げによって企業や個人の負担はもちろん大きくなるわけでござい ますけれども、企業にとりましても、年金等の保険料負担をすることによ って老後の不安を解消いたします、そのことによってやる気を起こさせる という意味で、生産効率が上がるというふうに私たちは考えておるわけで ありますという答弁がございます。
   とんでもない答弁ですよ。
今、年金制度というものが全くなくて、これ からつくっていこうというときには、この答弁は意味があると思います。
でも、今より年金制度がよくなるわけじゃないじゃないですか。
保険料は 上がっていく、給付は下がってくる。
そういう中で、今以上に何でやる気 ができて、今よりも効率が上がって、今よりも人を雇えるようになるんで すか。
大臣、この変な答弁、きちんと撤回して説明し直してください。

○坂口国務大臣
   年金というのは、その時々の状況によって変化をいたしますけれども、 年金制度が存在することによって、企業は優秀な人材を確保できることだ けは間違いのない事実だと私は思っております。
 その皆さん方の年金の額が、少子高齢社会というこの社会の人口構造の 中で変化をしていく、そのことは当然あり得ますけれども、しかし私は、 企業が、そうした勤める皆さん方の将来の年金というものについて、それ は大きな恩恵を受ける、したがって半額を自己負担しているというふうに 理解をいたしております。
ですから、そのことは、私はそんなに間違った ことを言っているというふうには思いません。

○水島委員
   そういう一般論でなくて、明らかに間違ったことをおっしゃっているん ですね、政務官は。
その後に、悪い影響は出ないというふうに考えており ますというふうに断言されています。
これは一体、何の根拠があってこう いうことをおっしゃるのか。
 結局、こういうふうにこれが結ばれているということは、つまりこれか らのことをおっしゃっているというのがもう一目瞭然なんですけれども、 悪い影響は出ないというふうに考えておりますと政務官がおっしゃった直 後に、今度は大臣の答弁で、保険料は保険料としての影響というのを私た ちも否定するわけではありませんで、それはそれなりに起こり得るという ふうに思っておりますと、大臣は今度こういうふうに答えられている。
 つまり、政務官は保険料を上げても雇用への影響はありませんと答えて いて、大臣はその数分後に、それは起こり得ると答えています。
これは閣 内不一致なんですか、それとも大臣が政務官の答弁を正されたということ なんですか。

○坂口国務大臣
   それは、どういう角度からお答えをするかということによって発言の内 容というのは私は若干変わってくるというふうに思いますが、企業の中で 保険料がふえるということは、そのときだけを見れば、若干の影響を受け ることはそれは私はあり得ると思うんです。
しかし、長い目で見ましたと きに、そのことによって企業が受ける利益というものは非常に大きいとい うふうに私は思っております。
したがいまして、保険料が若干上がるから それによって企業が大きな影響を受けるということではなくて、それにふ さわしい経営というものをやはりしていただかなければならないし、国の 方もそれにふさわしい対策というものを立てていかなければならないとい うふうに思っております。
 企業もこれはさまざまであります。
大きい企業もあれば中小企業もござ います。
私は企業の責任というものは非常に大きいというふうに思ってお りますし、企業は一体だれのものかということについて先日もお答えを申 し上げましたが、企業というのは、ただ単に経営者だけのものではなくて、 そこに働く皆さんあるいはまたその下請をする皆さん全体のものだという ふうに私は理解をいたしております。
そうした意味で、多元的な意味で企 業というものの責任は考えていかなければいけないというふうに思ってい る次第でございます。

○水島委員
   企業の責任とか長い目で見るととか、いろいろ今壮大なお話をくださっ たわけですけれども、これは長い目で見なくても、その場で人がどうやっ て生きていくか、どうやって働いていくかという深刻な問題があるわけで ございます。
 私の事務所なんか、企業ではありませんけれども、株式の配当なども当 然私の事務所はしておりませんけれども、収支とんとんの零細事業主と考 えていただいていいと思います。
私の事務所でも、私設秘書は今皆厚生年 金に加入してもらっています。
巨額の献金ももらっていませんし、日本歯 科医師連盟からも献金ももらっていませんので、本当にささやかな政治資 金の中でやりくりしているので大変ですけれども、何とか社会保険はきち んとしようと私も努力をしてきたわけでございます。
 私設秘書は、現在みんな女性なんですけれども、子育てと両立させなが ら元気に働いてくれておりまして、私は多分、政治家の事務所としては厚 生労働大臣に表彰していただきたいくらいの事務所ではないかなと思って いるわけです。
 でも、政府案が成立をしてしまった場合の計算をしてみました。
どう計 算しましても、これはリストラをするか厚生年金を脱退するかという結論 しかない、そんな内容の保険料の引き上げであるわけです。
 ですから、私は、これは現実問題として、こんな私のような事務所では なくても、多くの事業主の方が今同じようなことで頭を抱えていらっしゃ ると思いますけれども、長い目で見てとか企業の責任がという、その理念 論はそれはそれでいいわけですけれども、短期間のうちにこんなに保険料 を上げてしまって、それが長い目でというような、そんなことで薄まって いくとお考えなんでしょうか。
雇用に与える悪影響にどうやって手当てを されるおつもりなんですか。

○坂口国務大臣
   短いといいましても、十四年かけて徐々に上げていくわけであります。
一年二年で上げる話ではありません。
したがって、そこは私は理解をして いただきたいというふうに思っております。
 どういう年金の案をつくりましても、保険料というのはついて回るわけ ですね。
民主党さんがお出しになっております一元化の案を拝見いたしま しても、いわゆる中クラスのところ、それからそれ以上の所得の皆さん方 のところの保険料というのは、かなりこれはふえると思わなければなりま せんね。
そうしたことがふえてくるということになれば、それを雇ってい る皆さん方の側からすれば、それはその半分なりなんなりを負担しなきゃ ならないわけですから、それはやはり大変なことなんだろうというふうに 思います。
しかし、それはそれでやはり理解をしていただかなければなら ないのではないかというふうに私は思っております。

○水島委員
   理解をすると失業率というのは下がるんでしょうか。
理解によって雇用 が改善するというのであれば、政府なんか要らないということになるんだ と思いますけれども。
 今度は、雇用に与える悪影響ということについては、今まで指摘されて いながら、それに対するきちんとした答弁が今まで委員会の中でも全く聞 かれておりません。
この点については、私きょうほかにもいろいろ質問し なければいけないことがありますので、ぜひ次回以降の質問の中でもっと 詰めさせていただきたいと思っております。

   ここでようやく本当の質問に入っていけるわけなんですけれども、昨年 の十一月十七日に、「持続可能な安心できる年金制度の構築に向けて」と いうタイトルで厚生労働省案が発表されたわけでございます。
改正の基本 的考え方がその中に二つ示されていまして、第一に、社会経済と調和した 持続可能な制度の構築と制度に対する信頼の確保、現役世代の負担への配 慮と公的年金制度にふさわしい水準の確保、第二には、多様な生き方、働 き方に対応し、より多くの者が能力を発揮できる社会につながる制度、こ の基本的な考え方は賛成でございますし、これをまじめに考えて法案化し ていきますと民主党案になるわけでございます。
 まず、この二つの基本的な考え方というのは、今回の政府案の中にはき ちんと貫かれているんでしょうか。

○坂口国務大臣
   今御指摘をいただきましたとおり、社会経済と調和した持続可能な制度 の構築と制度に関する信頼の確保、それからもう一つが、多様な生き方、 働き方に対応し、より多くの者が能力を発揮できる社会につながる制度の 構築、こういうことになるわけでございます。
今回提案させていただいて おります改正法案におきましては、この第一のところの部分に関しまして は、将来の保険料水準の上限、それから給付水準の下限を法律上に明確に 規定いたしました。
そして、基礎年金国庫負担割合の二分の一への引き上 げの道筋を明らかにし、そして積立金の利用等につきましても明らかにし たところでございます。
 年金制度を支えます現役世代の保険料負担能力の伸びを年金額の改定に 反映させて、給付水準の伸びを自動的に調整する仕組みも、これはいろい ろの御意見はありますけれども導入をさせていただいたところでございま す。
 また、もう一方の多様な生き方、働き方の方に関して申し上げますと、 六十歳代前半の高齢者の就労を阻害しないように、働くことに中立的な制 度としますために、六十歳代前半の在職老齢年金の一律二割支給停止とい うのを廃止いたしました。
それから、今後高齢期の就労が進んでいくこと が見込まれますので、受給開始の選択の幅を広げるために、老齢厚生年金 につきましては、六十五歳以降に繰り下げて支給できるようにいたしまし た。
育児をしながら就業を継続する者にも、年金保障が不利にならないよ うに、子供が三歳に達するまで、賃金が低下しても従前の賃金で保険料納 付が行われたものとして給付を算定する措置を創設いたしました。
また、 育児期間に対する配慮期間を拡充したところでございます。
そのほか、あ ってはならないことでございますけれども、離婚時等に厚生年金を分割す る仕組みも導入した、こういうことでございます。
           
〔委員長退席、北川委員長代理着席〕

○水島委員
   今おっしゃった、特に、多様な生き方、働き方というものに関しては、 御答弁を伺いますと随分矮小化されたなというふうに感じておりますが、 その点、これからここで質問させていただきたいと思っております。
まず その前提としまして、多様な生き方というふうにおっしゃっているわけで すけれども、そんなことをいいながらいわゆるモデル世帯というものの概 念は相変わらずであるわけでございます。
 このモデル世帯というものにつきましては、二月二十五日の予算委員会 で民主党の筒井議員が詳細に質問をしております。
モデル世帯と言われて いるモデルには、三つの条件が前提になっておりまして、四十年間夫がフ ルタイムで勤務していて、その平均月収が三十六万円であったこと、妻が 四十年間専業主婦であったこと、この三つの条件が前提になっているとい うことは大臣もよく御存じだと思います。
 問題は、その数ですとか比率がどの程度あるかということになるわけで すけれども、この点について、予算委員会での筒井議員の質問に対して、 厚生労働省の年金局長はどのように答弁されているかといいますと、実績 で申しましても、奥様の年金は奥様の年金として支給しているし、御主人 の年金は御主人の年金として支給いたしておりますので、それを足し合わ せたものを年金の統計から抽出するのは実は不可能でして、そういう意味 では、この人たちが何人おられて何%ということはお示しできないという ようなことを予算委員会で年金局長が答弁をされております。
 つまり、実際には数は出ない、このモデル世帯という人たちが何%ぐら いいるかということは計算しようもないという答弁だったと思いますけれ ども、そのような確認でよろしいですね、大臣。

○坂口国務大臣
   モデルはあくまでもモデルでありますから、そのモデルに匹敵する人が 一体何人いるかと言うことは難しいというふうに局長が言っておりますか ら、それは事務的にそうだというふうに私も理解をいたしております。

○水島委員
   こんな議論がつい先日予算委員会であったばかりだというのに、先週の 木曜日、私が質問取りをいたしましたときにいらっしゃった方、審議官の 方だったと思いますけれども、モデル世帯というのは全体の何%ぐらいな んでしょうねと尋ねましたら、平気な顔をしまして、この「モデル世帯で ある者の全体に占める割合」という紙を出してこられました。
 これを見ますと、モデル該当率というのは、二〇〇二年、現在受給中の 方で五一%、そして、二〇二五年には四二%というのが、ここに書いてあ るパーセンテージということになるわけでございますけれども、これは、 この数字も出して、予算委員会で否定されていたというのに、相変わらず こんな紙を平気で出してくる。
私は、いや、五一%とか四二%とか、ちょ っと実感に合わないけれども本当なんですかと一応確認しましたところ、 いや本当なんですよ、実は、というふうに答えられた。
 これはどういうことですか。
私がばかにされたということなんですか。
それとも、何か別の理由があるんでしょうか。

○森副大臣
   モデル世帯というのは、あくまでもそれを根拠に置いているだけで、実 際支給するときは一人ずつですので、実際の数値からモデル世帯に該当す る人が何人いるかということを抽出するのは、実はできないわけでありま す。
 ちょっと、今、水島委員のおっしゃった数字、どういうふうにして出し たかわからないんですけれども、何らかの仮説を置いてモデル世帯に相当 する人がこれだけいるんじゃないかという、一種の仮定を置いた計算結果 であろうかというふうに思います。

○水島委員
   そんなことは予算委員会でも審議されていることであって、その後に、 私が質問の事前通告のときにそういうふうに言っているわけですから、い や、実は予算委員会でもこれは結局計算できないということになったんで すよとお答えいただくのが当たり前のことではないですか。
どうせ、こん な議員には何を言ったってわからないだろうから、適当な紙でも出してお けと思われたんでしょうか。
この点について、何でそんなことをしたのか、 きちんと調査をしていただいて、御報告いただきたいと思いますけれども、 よろしいですか。

○森副大臣
   まさか、またとない優秀な水島委員をばかにしてなんということは全く ないわけでございまして。
ただ、物を考えるときの、ざっとした見当の数 字としては、この表も何がしかの意味があるという思いでもって提出をさ せていただいたんだと思いますけれども、提出する以上、その数字がどう いう前提、仮説に基づいて出たかということをきちんと説明すべきであっ たと思いますので、後ほど厳しく指導いたします。

○水島委員
   つまり、今副大臣は、私がばかにされたわけじゃないんだとおっしゃる ということは、万人に対して平気でこういうのを配っているということな んですよ。
こうやってモデル該当率は半分ぐらいあるんだから、これは半 分ぐらいの人が大丈夫なんだということを故意に流しているとしか思えな い。
そうでなければ、私がよっぽどばかにされたか、どちらかしかないわ けですので、これは、きちんと事実関係を調査していただいて、この紙は 、もう私は金輪際出さないでいただきたいと思いますし、きちんと、その 辺も含めましての御報告をいただきたいと思います。
 ちなみに、今、何らかの仮説を置いてとおっしゃいましたけれども、確 かに、これは何らかの仮説を置いて計算されているんですね。
ここで計算 をしております分母になっているのは、なぜか女子人口全部というのが分 母になっています。

 ところが、こちらに、社会保険庁が発行している事業年報の中で、「老 齢厚生年金の受給権を持つ女性の数の推移」というので、基礎年金を受給 されている女性の中でこのモデル該当率というのを私は計算してみました ところ、これは、政府が出してきているのは五一%なんですが、私がこち らの社会保険庁の年報で計算しましたら、五一%が三五%に現在でも減る。
つまり、現時点でも、受給者の中でのモデル該当率というのは、こちらの 数字を使って簡単に計算すると、もう三五%しかないということですから、 いかにこの計算が意味がないかということ、そしてかなり恣意的ではない かと思っております。
この点、詳しく御報告をいただきたいと思います。
 そして、ここで問題になるのは、今回の法案の附則の第二条にわざわざ モデル世帯の給付水準を書いているということであるわけでございます。
要するに、この附則の規定は、よく読んでみれば、夫が四十年間フルで働 き、妻が四十年間ずっと専業主婦でいた場合というような、今、決して数 は多くなくなってきているケースについてはこの年金の給付が五〇%は維 持されるという意味以上でも以下でもない規定というふうにこの附則は考 えられるわけでございます。
   ちなみに、厚生労働省が発表している世帯六類型のうち、モデル世帯を 除く類型ではすべて給付水準五〇%未満ということになっているわけです から、このモデル世帯の数が、今簡単に計算し直しても三五%ぐらいまで 簡単に減ってしまうようなモデル世帯について五〇%が確保できるという ことを、盛んに、わざわざ附則の条文に書いているというのが、非常に誤 解を招く。
このことによって、国民に、だれもがあたかも五〇%が維持さ れるというような幻想を与えているということの重大な責任については、 筒井議員も予算委員会の中で指摘をされているわけでございますけれども、 ここの部分、やはり削除するか、あるいは、すべての世帯類型について何 %というふうに書くかしないと、非常におかしい。
 何でわざわざこんな附則の第二条なんかつくったんですか。
どうでしょ うか、これはなくしていただけませんか。
            
〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

○森副大臣
   これは、やっぱり現役のときの収入の半分ぐらいをめどにという意味で 五〇%という数字が設定されたんだと思いますけれども、モデル世帯とい う言葉が、ちょっと、水島議員が御指摘のように、若干誤解を与えるんじ ゃないかと思うんですけれども、これは別に、一番パーセンテージが多い とかそういうことじゃなくて、一人ずつにすると一番厳しい条件の例であ るという意味で、そこでもって五〇%が維持できれば全体にできるという 一つの目安、言ってみれば目安世帯といった意味合いで使われているとい うふうに私は受けとめております。

○水島委員
   全体の八割ぐらいある世帯であれば目安世帯として条文に書く意味はも しかしたらあるかもしれませんけれども、そうじゃないわけです。
また、 今、五〇%ぐらいをめどにというふうにおっしゃっているわけですけれど も、実際のところは、ほかの類型では五〇%を切っているということにな るわけです。
 ここでこうやって非常に幻想を与えているという意味でも、この附則の 第二条、大変な問題なんですけれども、もう一言つけ加えさせていただき たいと思いますが、読めば読むほど、この附則の第二条というのは、極め て怪しい条文なんですね。
この附則第二条の二項には、この今の五〇%と いう数値、単なる目安でなくて、ここでまたきちんと引用されて書いてあ るんですけれども、この比率が五〇%を下回ることが見込まれる場合は、 「調整期間の終了その他の措置を講ずる」というふうに書かれているわけ でございます。
これは一体どういう措置なんでしょうか。
 これは、先日の参考人招致のときに高山参考人も指摘されていたんです けれども、つまり、今回の政府案というのは、前から我々が言っておりま すように、保険料の上限を決めて、かつ、給付水準の下限を定めている、 これは先ほど大臣がおっしゃったとおりでございます。
 そうすると、それを定めた上でやっていくとなると、つまり、ここの措 置というのは、支給開始年齢を六十八歳とか七十歳とかに引き上げていく ということを視野に入れているとしか考えられないんですけれども、そう いう意味でよろしいんですか。

○坂口国務大臣
   そこは調整をずっとしていくわけですが、調整措置を緩めるということ をそこは意味しているというふうに思うんです。
五〇%をなぜ決めたかと いうのは、それは、現在の高齢者の消費が若い世代の約半分というところ から、大体五〇%を維持するということを決めたわけであります。
その時 々の経済の動向によりまして、若干それは、若干でないときもありますけ れども、影響を受けることがある。
それに対しましては、二〇二三年まで の間につきましてはいわゆるスライド制を導入しておりますけれども、そ こで調整をしていくということを言っている。

○水島委員
   よくわかりませんでしたけれども。
つまり、支給開始年齢の引き上げと いうことは視野に入れているのかどうかだけお答えいただけますか。

○坂口国務大臣
   それは入っておりません。

○水島委員
   言い切って本当にいいんでしょうか。
これは本会議のときからずっと質 問してきていることですけれども、保険料の上限を決めて、そして給付水 準の下限を決めるということ、それで支給開始年齢も変えないということ、 こんな制度というのは本当に可能なんですか。
大臣、本当に今の答弁でい いんですか。
直すんだったら今だと思いますけれども、どうですか。

○坂口国務大臣
   現在の制度を実現していきますためには、二つの大きな要素があります。
一つは、実質賃金の上昇率です。
我々は、一・一を上回るということを前 提にいたしております。
もう一つは、合計特殊出生率をどう見ていくかと いうことでございまして、二〇五〇年に一・三九という数字を前提にして いるわけであります。
 したがいまして、それらのことが、二つの大きな要素が狂わないように、 どういう政策展開をこれからしていくかということにかかわってくるわけ でありますから、それは、総括的にそれを支えていく政策をしていかなけ ればいけない、こういうことだというふうに思います。

○水島委員
   何か万能の神のような御答弁をいただいたんですけれども、そもそも政 府は、少子化対策、少子化対策と言っていて、出生率は上がったんですか。
今までの対策で何が足りなくて、これからどういうことをすると上がると か、その辺、当然考えられてそういうことをおっしゃっているんだと思う んですけれども、どういうふうに考えられているんですか。

○坂口国務大臣
   その中で少子化対策が一番重要な課題であることは、もう御指摘のとお りだというふうに思っております。
 少子化対策の中で何が最も効率が上がるかということに対する点検もし ていかなければいけないというふうに思っております。
残念ながら、日本 におきましては、そこまでの点検した数字はございません。
しかし、現在、 いろいろの角度から少子化対策を実現するようにいたしておりまして、こ れはそれらのことを総合的に見て、見ていかなければいけない。
どういう 政策を導入すればどれだけ少子化が改善をされるのかといったことについ ては、今後、そうしたことを見ながら、さまざまな政策を展開していく以 外にないというふうに思っております。

○水島委員
   結局のところは、希望的観測に基づいて予測値なるものを出していると いうことでございますから、よくそんな恐ろしいことができるなと、そん な答弁をさせられている大臣は、ある意味で大変お気の毒だと思います。
 ただ、お気の毒と言っていましても、大臣はやはり責任者でありますか ら、これは修正するなり、引くなりなんなり、出直すなり、それを決める のも大臣だと思いますので、ちょっと今の御答弁を、もう一度、きちんと 誠実に、大臣らしく振り返っていただいて、ちゃんとこうする手当てもで きていないのに、そのうち何かうまく当たるでしょうねと言って先のこと を約束するというのは、本当におかしい理屈だと思いますので、もう一度 ちゃんと考え直していただきたいと思います。

   きょう、私、実は年金分割のこととか、それを質問する予定だったんで すけれども、思わぬ閣僚の年金未払い事件のために、大切な年金分割につ いての質問ができなくなってしまいました。
これについて細かく質問した 人は今までいなかったはずですので、これは必ず採決前に聞いておかない といけないことなんです。
ですから、強行採決とか何か変なことを言って いる方がいらっしゃるようですけれども、こういう法案そのものの運用に ついての重要な質問もされていないのに、採決なんということはゆめゆめ お考えにならないようにしていただきたいと思います。
 最後に、今の少子化対策、これが本当の少子化対策になるかどうかはあ れですけれども、今回、育児期間中への配慮として、育児休業中の保険料 免除が、現行の一年から三年間に延長されるということでございまして、 これそのものは結構なことだと思っております。
 ところが、現実には、女性で育児休業をちゃんととれてフルタイムでの 勤務を続けられる方というのは、社会的に見れば、まだまだ恵まれている 方たちです。
現実には、育児休業も取得できずに会社をやめてしまう人も 多いわけでございますし、また、自営業者ですとかパート労働者、これは 今回見送られたことについて、私、それもきょう質問しようと思っていた んですけれども、この点についても質問できていませんので、これはぜひ 質問時間を確保していただきたいと思っております。

   自営業者やパート労働者の育児に対する配慮も、今回の措置の中ではご ざいません。
これはちゃんと、被用者の女性について育児休業中の保険料 免除という規定が三年間あるわけでございますので、当然、一号の方であ っても、例えば一号の場合には免除手続というのをすることになるんでし ょうけれども、その場合にも、基礎年金を満額支給するというような措置 を同時に講じなければ、とても全体的な育児期間中への配慮ということに ならないと思いますけれども、そういう措置をとられるんでしょうか。
い つまでに検討されるんでしょうか。
大臣、これは明確にお答えいただきた いと思います。

○坂口国務大臣
   非常に限られた年金財源の中で、どこまで少子化対策ができるかという ことだと思います。
いろいろのことが議論をされましたけれども、年金の 中ではなくて、一般財源の中でどう行うか、そして年金の財政の中でどう 行うか、それらを総合的に考えていかなければならないというふうに思っ ております。
 児童手当の問題も出ましたし、それから、年金によります奨学資金の問 題も出たりとか、いろいろな問題が出ましたけれども、それは一般的な財 源との間で整合性のあるものにしていかなければいけないというふうに考 えております。
 したがいまして、年金の中でやるということの意味づけ、そうしたもの も今後十分考えていかなければいけないというふうに思っております。
今 回できましたものは限られておりますけれども、今後も鋭意検討したいと 思っております。

○水島委員
   何か、ほかのことについては、時間をかけてじっくり検討される大臣の ようなんですけれども、さっきの上限と下限を決めて約束してしまうとか、 そういうのは何も考えないで決めているようで、おかしいなと、改めて今 御答弁を伺って思ったところです。
 今のような質問、実は私はたくさん持っておりまして、鴨下理事からも、 今、そういう国民のためになる質問をしてくださいよとやじをいただきま した。
国民のためになる質問、本当にたくさんしなければなりません。
今 回、質問時間がなくなってしまったというのは、閣僚の方がさっさと年金 保険料の納付実績を出していただければ、きょう、あんな質問で時間を費 やさないで済んだわけでございます。
ぜひこれはきちんと、その点につい ての、もっと早く出していただいていれば、こんな浪費をしないで済んだ ということを改めて申し上げまして、そしてまだまだ、年金分割の問題、 パート労働者への厚生年金の拡大の問題、いろいろな問題がございます。
ほとんど手つかずで残っております。
私、ぜひその点を質問させていただ きたいと思っておりますので、今後ともぜひよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。




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