法務委員会(2002年5月31日)



質問バックナンバー|HOME

法案趣旨説明「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案」



○園田委員長
 水島広子君。

―――――――――――――

 裁判所法の一部を改正する法律案
 検察庁法の一部を改正する法律案
 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案

―――――――――――――

○水島議員
 ただいま議題となりました精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案並びに裁判所法の一部を改正する法律案及び検察庁法の一部を改正する法律案の趣旨を説明いたします。
 ノーマライゼーションは二十一世紀の日本における重要な課題です。本法案は、大きく立ちおくれた我が国の精神保健福祉施策を推進し、司法と精神医療の連携を改善することによって、ノーマライゼーションの実現に寄与しようとするものです。
 以下、本法案の内容を簡単に御説明いたします。
 第一に、起訴前、起訴後の精神鑑定の適正な実施を目的として、最高裁判所と最高検察庁にそれぞれ司法精神鑑定センターを設置し、鑑定人の選定事務、個別の精神鑑定に係る情報または資料の調査研究及び分析等を行います。
 これにより、鑑定人の選任に関して裁判官や検察官の負担を軽減することができるとともに、鑑定精神科医の偏りや鑑定結果のばらつきなどを防ぐことができると考えます。また、情報の収集や分析によって、より高度の精神鑑定技能を開発していく道を開くことも期待できます。
 第二は、判定委員会の設置です。
 都道府県に新たに判定委員会を置くものとし、精神保健指定医のうちから都道府県知事が任命する委員で構成します。委員二名の合議体で、措置の入退院、措置解除の判定を行い、委員の意見一致が条件になっております。
 第三に、現行の措置診察が極めて限られた情報の中で慌ただしく行われているという現状を踏まえ、精神保健福祉調査員を新設し、措置診察の必要性を判定するための調査及び判定委員会の求めに応じたさまざまな調査を専門的な立場から行い、より厳格な措置入院の判定をサポートします。
 第四に、人員配置基準の低い精神科の病棟では、人手の少なさゆえに十分な医療を施すことができないため、精神科集中治療センターを指定します。
 これは、通過施設として位置づけられ、重大な犯罪行為の有無や再犯のおそれを要件とするものでなく、あくまでも治療上の必要から手厚いマンパワーで医療を提供する精神科ICUです。  第五に、社会復帰支援体制の強化として、精神障害者の保健及び福祉に関する業務を行う者の相互連携を図ります。
 日本にも真のノーマライゼーションが一日も早く実現するよう、何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますことをお願い申し上げまして、趣旨の説明といたします。

○園田委員長
 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。




  質問バックナンバー| HOME