国会報告 その88(2002.4.1発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております




国会報告 バックナンバー|HOME

国会報告(02.3.24〜3.30)



■3月24日(日) フリマ

問屋町「びっくり市」の一周年記念行事が11時から行われた。その後、 いつもと同じく店番をする。ボランティアの皆さんが出店しているタイの 汁そば屋もすっかり板について、今日も早々に完売した。収益金はアフガ ン難民への募金にあてている。




■3月25日(月) 養成塾、更正施設、

7時45分から恒例のマンデーリポート。

9時20分から定例の事務所内打ち合わせ。

10時から県政記者クラブで、民主党栃木県連「リーダー養成塾」の記者 会見。来年の統一地方選や衆院選、その他の各種選挙の候補者を養成しよ うと企画されたもの。5月から開講。県選出の民主党国会議員4名が担当 し、少数精鋭で、ディベートをしたり、街頭演説などの実地演習もする。 本来は簗瀬進県連代表が行うはずだったが、国会日程のため私が急きょ代 理で会見をした。
「リーダー養成塾」参加ご希望の方はどうぞお問い合わせください。 (下記をご参照ください)

11時9分の新幹線で東京へ。息子も同行。
午後は、民主党の法務部門のメンバーで、更正保護施設の視察。
東京の足立寮(男子)と荒川寮(女子)に行った。
犯罪のかなりの部分が再犯であり、累犯対策が不可欠だが、その最も重要 なのは、社会復帰の支援である。
刑務所などで処分を受け終えた人たちの中には、頼るべき親族や縁故者が おらず、あるいは、いても引き受けを拒否される例が少なくない。行き場 を失い、当座の衣食住すらままならない人たちを保護し、社会復帰を援助 することは、その再犯、再非行を防いで、社会の安全を守ることにもなる。 厚生保護施設では、入所者に対して、単に食と住を提供するだけではなく、 就労支援、金銭管理や飲酒などに関する生活指導をしたり、行政から必要 な保護が得られるように調整するなど、きめ細やかな保護を行っている。
私が視察した足立寮でも、「酒害ミーティング」(自助グループ)や、 「男の料理教室」などを精力的に行っている。料理をはじめとする自活能 力はやはり重要だそうだ。料理ができないために、アルコールに手を出し、 再犯へとつながっていくケースも少なくないとのこと。「男子厨房に入ら ず」などと言わずにジェンダーフリー教育をしていくことの必要性を改め て感じた。

わが国の更生保護事業は、明治時代から民間の力によって発展してきた。 明治20年代に、民間篤志家の発意により設立され、全国的に広まった更 生保護施設は、その後の制度的な変遷を経た今も、変わらず民間の手によ って運営されている。現在、全国で101の更生保護施設があり、更生保 護施設の職員は、昼夜を問わない厳しい勤務条件の中で、困難な仕事に取 り組んでいる。

刑務所を出所した人の約5人に一人、仮釈放者では約3人に一人が、更生 保護施設で社会復帰への第一歩を踏み出している。平均約2ヶ月間の保護 を受けた後、それぞれの自立更生の道へと歩み出す。

財源は主に国からの委託費によってまかなわれているが、老朽化した施設 も多く、建て替えのために寄付金を募っているが、苦しいのが現状。
また、何か問題が起こるとすぐに「あそこの入所者がやったのでは」とい う目で見られるなど、地域との関わりでも苦労するとのこと。日頃から理 解を得られるよう、地域にとけ込むための活動には力を入れている。
なお、私の地元・宇都宮でも、娘の通う保育園のすぐ近くに更生保護施設 があり、保育園が協力してバザーを開くなど、地域にとけ込んでいる。




■3月26日(火) 障害者、東電OL、本会議、官僚

朝は事務所で打ち合わせ。

9時半から人権・消費者調査会。 障害者差別/人権侵害の実態と現行法制の限界について事例研究の第4回。
米国フィラデルフィア法律事務所のジュディス=グラン弁護士、日弁連の 山田裕明弁護士(聴覚障害のある弁護士)、池原毅和弁護士より聴き取り。
グラン弁護士は、発達障害のある施設入所者及び元施設入所者を代理して、 いくつもの州で大きなクラスアクション訴訟を行ってきた人である。

11時から取材。

11時半から、国会議員と市民の勉強会。ネパール人権委員会委員のカピ ル=シュレスタさんを迎えて、人権委員会の歴史と役割について話をうか がう。シュレスタさんは、一審無罪判決後も身柄を勾留され現在上告中の ネパール人被告・ゴビンダ=マイナリさんの事件(いわゆる東電OL殺人 事件)における人権問題調査のために来日されている。
私はネパールには何度も行ったことがあり、娘の名前もネパールの山から とったくらいのネパール好きである。久しぶりにシュレスタさんと片言の ネパール語が話せて嬉しかったが、残念ながらすぐに中座して、民主党国 際局の役員会に移る。

12時前から国際局役員会。
日中国交正常化30周年記念事業について。米国大使館一等書記官の民主 党研修について。他、議員の海外派遣について、など。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
採決5本の後、「防衛庁設置法及び自衛隊法の一部改正案」について、防 衛庁長官から趣旨説明の後、民主党の大出彰議員の質疑。
14時から、政と官のあり方プロジェクトチーム。駐日英国大使館のコリ ン=ロバーツ政治担当参事官より、英国の政府制度における政治家と官僚 の関係について聴き取り。
英国の官僚には行動規範があり、国会議員とのいかなる会談についても、 事前に大臣の承認が必要。会談の内容は、書面で記録し、大臣に写しを提 出しなければならない。
官僚ならびに平議員は、大臣の面前でなければデリケートな政治問題を話 し合ってはならない。
政治的に中立であるという官僚の義務を危険にさらす行為、あるいは危険 にさらすように見える行為は全て規範違反となる。 この仕組みが機能する要因は、確立された政党制度、政権交代の仕組み、 政党の規律、大臣の責任であり、中心にあるのは、均衡のとれた、国民に 向けて透明性の高い体制である。
イギリスの官僚は、政権に対する公平無私と忠実の伝統を誇りに思ってい るとのこと。




■3月27日(水) 緊急事態法、選択別姓、EU、市民政府

8時から、党本部で全議員懇談会。緊急事態法制と選択的別姓について。 前者については、民主党としての基本的な考え方がまとまった。人権を守 ることに重きを置いたもので、私も賛成できる内容。これをまとめられた 枝野幸男代議士の労苦に敬意を表したい。

選択的別姓については、党内「慎重派」の急先鋒である山谷えり子議員 (東海比例ブロック1位。ご本人は通称使用)が例によって反対論を声高 に訴えられ、賛成反対双方から活発な意見が出された。

私は、党の選挙公約という観点から執行部に質問をした。民主党は、私の 衆院選も、昨年の参院選も、選択的別姓を選挙公約に掲げてきた。選挙公 約は、よほど合理的な社会的な変化でもない限り、その任期中は有効であ るはずだ。現に、民主党は選択的別姓を含む民法改正案を衆参両院に提出 し、継続審議になっている。反対論を唱えている人たちも、法案提出賛同 者に名を連ねている。

党議拘束をはずせという意見もあったが、自分が賛同者となって提出して いる法案に反対するつもりなのだろうか?
いずれにしても、選挙公約では「採決時には党議拘束をはずす」などとい うことは言っていないのだから、党議拘束をはずすとしても公約違反だ。 私自身、党議拘束については批判的で、一人一人の議員が責任を持って活 動していくためにも、党議拘束をなくしていくべきだと思っている。でも、 その議論は、あくまでも次の選挙の公約に向けてのものである。前回の選 挙で公約したことも守れずに、信頼してもらおうとするのはおかしいので はないだろうか。

岡田政調会長の答弁は、「選挙公約なのだから今さら変えることはできな い。今日の議員懇談会をもってこの議論は終わりにし、従来通り賛成とし たい」という至極もっともなものだったが、「ここは決める場ではない」 という意見が出されて、結局ネクストキャビネットに持ち越された。

10時半から欧州政策検討プロジェクトチーム。「EUの現状と今後」と 題して、駐日欧州委員会代表部大使のオブ=ユールゲンセン氏より聴き取り。 EUでは、ユーロの導入など、強い経済を作るとともに、共通の外交・安全 保障政策を作ってきた。欧州安全保障防衛政策の一環として進めているの が、緊急対応部隊の準備。危機的な事態に対して欧州として対応できる軍 事的な能力であり、NATOを補完する位置づけである。加盟国の防衛はNATO が担当するが、国連の指示を受けての平和維持活動などを緊急対応部隊が 行う。

国連と緊急対応部隊と各国固有の軍隊の役割を将来的にどう考えるかと質 問すると、国連の役割が増し、各国の軍隊の役割は減っていくだろうとの こと。できるだけ多くの国で安全保障を担っていくことが世界平和につな がるという考え方を示された。私も同感だ。

15時から「市民政府」研究会の公開討論会「日本国に『市民政府』がで きにくい理由」に出席。
私は第二部の「議員立法と市民の関わり方」のパネリストとして枝野幸男 代議士と共に参加。

16時から総括副大臣会議。

17時に来客。今後協力することになったインターネットサイトについて の打ち合わせ。

子どもたちを保育所に迎えに行き、息子に授乳してから夜は懇親会に参加。




■3月28日(木) 緊急事態法、国際受刑者、辻元氏、在日外国人

8時から緊急事態法制に関する外務・安全保障・内閣・国土交通部門合同 会議。
緊急事態法制について、政府の検討状況を内閣府・防衛庁・外務省より聴 き取り。
「検討中」という項目が多く、なかなか議論にならないが、今明らかにな っているだけでも、問題だとされた箇所がいくつもあった。中でも「有事 の際には自衛隊員に特別手当を出す」というくだりが物議をかもした。有 事に対応するために日頃から給料を支払われているのが自衛隊員なのでは ないだろうか。
東ティモールに派遣されている自衛隊員も、通常の給与の他に日額1万円 が支給されているという。一度こうしたことを整理して検討する必要があ る。

9時から法務部門会議。
各種事務連絡。
「国際受刑者移送法案」について法務省より聴き取り。
欧州評議会の「刑を言い渡された者の移送に関する条約」に基づいて、外 国で受刑している日本国民や日本で受刑している外国人について国際的な 協力の下に、その本国に移送し、刑の執行の共助をすることにより、受刑 者の改善更生及び円滑な社会復帰を促進しようとするもの。この条約をわ が国が締約すればアジアでは初めてということになる。
刑事訴訟法における証拠開示のあり方を研究するワーキングチームの設置 について。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
まず初めに、辻元清美さんの議員辞職の件。
「一身上の理由により・・・」という議員辞職願が朗読され、全会一致で 許可された。
辻元さんについては、市民派の議員として、党派を超えて励まし合っても いた。今回のことには大変なショックを受けている。辻元さん自身のこと については、今後、事実が解明されていくと思う。なぜ、疑惑発覚後に迷 走してしまったのかについてもきちんと説明していただけると辻元さんら しいと思う。今後、市民派議員がもっと増えるよう、効果的な行動をとっ てほしい。
いずれにせよ、迷走はあったが自ら潔く辞職を決意した辻元さんと、もっ と大きな疑惑がかかっていながら離党でお茶を濁そうとしている人たちと の違いは、有権者に理解されていくと思う。
辻元さんの国会質問が見られなくなるのは残念。

地方自治法等の一部改正案について採決の後、「農業経営の改善に必要な 資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部改正案」「農 業法人に対する投資の円滑化に関する特措法」について、農水大臣より趣 旨説明の後、民主党の楢崎欣弥議員より質疑。

14時から、在日外国人に係る諸問題に関するプロジェクトチーム。ツル ネン=マルテイさんが事務局長となり(座長は千葉景子さん)今日からス タート。
千葉大学の手塚和彰教授より「在日外国人の法律上の権利」について聴き 取り。

15時からウォールストリートジャーナルの取材。

党本部に移動して、16時過ぎから選対小委員会。

半蔵門に移動し、18時から、青少年問題に関する特別委員会の委員長招 待による懇談会。




■3月29日(金) 医療制度、いっきの会、本会議、ペシャワール会

8時から医療問題ワーキングチーム。
薬事制度等の見直しについて厚生労働省からの聴き取り。
難病対策の法制化について。
民主党医療制度改革案の最終とりまとめについて。

10時に厚生労働省の方が来室。健康保険法改正について細かくレクチャ ーを受ける。私は法案担当。

11時半から「いっきの会」。選挙対策勉強会シリーズ。今日は催し物な どについて。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
特定商取引に関する法律の一部改正案について採決。
その後、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部改正案について、厚生 労働大臣より趣旨説明の後、民主党の山井和則議員より質疑。「寝たきり 老人の声を国会に届けるために議員になった」という福祉・介護の専門家 山井さんらしい、すばらしい質問だった。

14時から、パキスタンとアフガニスタンで活動しているNGO「ペシャワー ル会」の中村哲医師からの報告会。ペシャワール会は、私たちのびっくり 市での収益金の寄付先でもある。
「今アフガンでは! カルザイ暫定政権の下で!」が演題。
日本ではアフガニスタン復興支援会議以降すっかり終わった感じのあるア フガン問題だが、14年前にソ連軍が撤退した後と同じように再び「忘れ 去られた国」になりそうな気配がすでにある。地方の治安は食糧配給がで きないほど悪くなった。カブール市内は乞食であふれている。「悪の権化 タリバン対正義の味方アメリカ」というフィクションの中で戦争が正当化 され世界中が動かされた。

人々が求めているのは、教育や権利というよりもパン。
現在、情勢はタリバン政権時代よりも数百倍悪くなっている。野菜が市場 に出てきた、とか、テレビを見られるようになった、とか報道されている が、以前から野菜は市場にあったし、テレビもタリバン自身こっそり見て いた。そもそもテレビを見られる人は全体の1パーセント未満。解放され たのは、売春の自由、餓死の自由、麻薬を作る自由、略奪の自由、という のが中村哲医師の衝撃的な話。
もっと聞きたかったが、中座をして、14時半過ぎから、触法精神障害者 の法案の対案づくりのため、平岡秀夫議員との打ち合わせ。




■3月30日(土) 卒園式、講演

午前中は保育園の卒園式に出席。

午後は事務所で相談や打ち合わせなど。

夜は医療制度改革について講演。その後、会食。


国会報告 バックナンバー| HOME