国会報告 その72(2001.12.3発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております




国会報告 バックナンバー|HOME

国会報告(11/25〜12/1)



■11月25日(日) びっくり市

午前中、問屋町びっくり市に参加。
午後は会合3件。
夜は会合1つ。
合間に、授乳のため自宅に戻る。



■11月26日(月) MR、ネットワーク通信、山田県議

7時45分から恒例のマンデーリポート。

9時半から定例の事務所内打合せ。

「水島広子ネットワーク通信」を今朝から印刷所に入れているため、ゲラ チェックなど。

13時半から栃木県シルバー人材センター推進大会に参加。

その後、山田みやこ県議と打ち合わせなど。

夜、東京に移動。



■11月27日(火) PKO、自衛隊派遣、本会議欠席、虐待問題

8時から外交・安保部門会議。
PKO協力法改正案について。

8時半に拡大予算部門会議に移動。
船橋洋一氏の話をうかがう。

9時半から法務委員会。
商法等改正案(いわゆるコーポレート・ガバナン ス法案)について質疑。

10時から厚生労働委員会。
雇用対策臨時特例法案について質疑・採決。

採決終了後、直ちに事務所に戻り、電話連絡など。
本日の本会議で、テロ 特措法に基づく自衛隊派遣についての国会承認案件があるため、昨日の委 員会での政府答弁などを確認することが目的。
問題となる「撤退要件」 「派遣先の国名の特定」などは結局政府答弁でも「軍事上の機密」などの 理由で明らかにされなかったという。
これでは何を根拠に承認すべきかわ からず、白紙委任ということになってしまうので、シビリアン=コントロ ールどころではない。
国会承認には賛成できないという意志が固まる。
党内の議論も不十分。
先週の木曜日朝の外交・安保部門会議でこの件が話 し合われたそうだが、私は自分自身が主催する「司法と精神医療の連携に 関するプロジェクトチーム」の会議が同時間にあったため出席できなかっ た。
連休前であったので、ほかにも多数の会議が重なっていた。
部門会議 では、反対する声も多く、賛否の結論を出せなかったそうだ。
そして、ネクストキャビネット一任となり、ネクストキャビネットでは反 対意見も出されたが代表一任ということになったらしい。
結局、昨日のテ ロ特別委員会の民主党の質疑の後、党の役員会が開かれ、最終的に代表に 一任され、賛成ということになったそうだ。
夕方、代表名で賛成に至った 旨の文書がファックスで各議員事務所に送られた。
結局、たった一回きり の部門会議が、ネクスト大臣以外の議員が意見を述べる唯一の機会だった ということになる。

12時から財務金融部門・税調事務局合同会議。
12時半から代議士会。
鳩山代表から、自衛隊派遣に賛成することになっ た経緯の説明があった。
その後、菅直人幹事長から、「議論の時間が十分 にあったわけではないが、この件で党がバラバラになってしまうと、政権 担当能力がないと言われてしまう。
ぜひ団結してほしい」という要望があ った。
これらに対し、「私は反対する」という意見が何人かから表明され、賛成 の立場から一人が意見を述べた。

13時から本会議だが、私は欠席する。
今回、国会承認に賛成できないという立場の議員たちの行動は二通りに分 かれた。
旧社会党系の人たちを中心に、事前から準備をして、反対声明も 作り、本会議に出席して反対票を投じ、さらに記者会見まで開いたという 選択。
もう一つは、私のように、採決棄権という選択である(さらに細か く分けると、本会議に出席して国会承認の部分だけ退席した人たちと、私 のように本会議そのものを欠席した人たちがいた)。

私は誰とも相談せずに自分で考えて行動したが、私が「本会議に出席して 反対」ではなく、棄権した理由は、これを党の内紛問題にしたくなかった ということだ。
一議員として、自分が賛成できないことには賛成できない が、民主党の内部にことさら対立構造を作って、結局は自民党を利するだ けという形にはしたくない。
党内に変な対立を作らずに、ぜひ前向きに脱 皮すべきだと思う。
政策判断としては賛成できないが、政治力学を考えると反対できない、と いう結果の苦渋の選択が「棄権」だったということだ。

民主党は、今回の反省から大きく二つのことを改善すべきだと思う。
一つは、民主党としての安全保障政策を具体的に打ち出すこと。
いつも、 与党から提案を突きつけられて、慌てて議論し、党が二分されるという構 造が繰り返されている。
なぜこんなことになるのかと言うと、相手の土俵 で議論をするからだ。
民主党は、安全保障は国連中心、という原則では一 致できる政党である。
自衛隊をどうするか、という命題になると党は分裂 してしまうが、国連中心にどういう体制を作り、そこに日本がどう関わる か、という命題の立て方なら、党を分裂させずに議論を深めることができ るはずだ。

もう一つの反省点は、党としての意志決定プロセスのあり方だ。
今回は議 論の時間が不十分だったということもあるが、本会議で賛成はしたものの、 本心では賛成したくないという人もいた。
所属議員も納得させられないと いうことは、有権者も納得させられないということだと思う。
改善すべき 点だ。

13時45分から、女性候補者のことについて打ち合わせ。

前後して、本会議を欠席したことについて、マスコミ取材が多数あった。

16時から党本部で選対小委員会。

17時から子ども虐待問題ワーキングチーム。
児童虐待に係る現行法制の 課題について、東京都児童相談センター虐待対策課長の壽原氏より聴き取 り。

18時前に憲法調査会第五作業部会に移動。
PKOの変容と日本の参加につい て。



■11月28日(水) 牛海綿状脳症、法務委員会、男女調査会、菅幹事長

8時から厚生労働部門会議。
各種事務連絡。
法案対応。
ひとり親家庭等自立支援ワーキングチームの設 置について。
新たな牛海綿状脳症(BSE)陽性牛の発見と今後の対応について、厚生労 働省より聴き取り。
骨髄バンクの現状及び骨髄液への保険適用の問題について、骨髄移植推進 財団およびボランティア団体より聴き取り。
医療制度改革の主な論点について。

事務所に戻ると、国対の役員の方から「昨日の本会議欠席は、体調が悪か ったなどという理由ではなく、反対の意志をもった欠席だったのか」とい う確認の電話が入る。

10時から法務委員会。
商法等改正案について参考人質疑。

12時から男女共同参画調査会。
いよいよ私が会長となった新体制でのス タート。
今までの経過報告と今後の運営方法について。
均等待遇、税制、社会保障、政策決定における男女共同参画(男女同数法 やクオータ制の研究)、ジェンダー教育、リプロダクティブ・ヘルス・ラ イツ(代理母問題も含む)、女性と暴力(DV法施行後の見直し)、女性起 業家支援、国際条約、という各テーマについて検討を進めていく。
今まで はテーマごとに作業チームに分かれて作業をしていたが、今回からは、各 テーマに主査を置きながら、会議は常に全体会議で行っていく方針に変更 した。
なお、「政策決定の場における男女共同参画」と「ジェンダー教育」 は今回から新規に加えたテーマ。
男女共同参画の最も根元的な要素である と考えて、加えた。
現在、岡田政調会長の私的諮問機関として「女性政策草案作成会議」を行 っており、私も毎回参加しているが、均等待遇・税制・社会保障について は、そこから出される草案に基づいて議論を進めていくことになる。

13時に来客。
その後、再び法務委員会。

16時から総括副大臣会議。
会議終了後、再び法務委員会。

いったん議員宿舎によって授乳し、18時半から菅幹事長と男女共同参画 委員会役員懇談会。
男女共同参画関係は、党務としての運動体である「男女共同参画委員会」 と、政務としての政策立案体である「男女共同参画調査会」がある。
前者 は常任幹事会に属し、後者はネクストキャビネットに属する。
私は、前者 の副委員長であり、後者の会長という立場。
先日私が男女共同参画委員会に提案した、衆院選の5ブロックの比例第一 位を新人女性候補に、という案が、再び議論の対象となる。
まずは男女共 同参画委員会を突破しないと常任幹事会に上げてもらえないわけだが、な かなか最初の壁が厳しい。



■11月29日(木) 精神医療、いっきの会、「造反組」、

8時から司法と精神医療の連携に関するプロジェクトチーム。
11月12 日にまとめられた与党報告書をふまえて、法務省と厚生労働省からの現状 説明。
地方裁判所を柱とした与党案には疑問の点も多々あるが、なかなか情報を 開示しようとしない両省に対して、朝日座長が「こんな重要な法案を与党 の意見だけを聞いて多数で押し切って通そうとしているのか」、座長代行 の江田五月さんは「与野党双方と議論しながら行政としての誇りを持って やってほしい」と一喝。

9時から法務部門会議。
各種事務連絡。
政府提出法案の審議がすべて終わ り、議員立法も、商法等改正案も終わったため、残すは民法改正案のみ。
与党の国対では「吊しをおろす」とは言っているそうだが、議論の時間が 十分にはとれないだろうという見通しという。

10時から男女共同参画関係議員と連合との懇談会。

11時半から「いっきの会」。
岡田政調会長との昼食会。

12時40分から代議士会。
先日の本会議採決での「造反組」について、厳正な処分をすべきだという 意見が数人の議員から出た。
菅直人幹事長は、党の規約を説明し、テロ特 措法のときに党議に逆らって賛成した議員と同様の扱い(幹事長名での文 書注意)をする予定だという趣旨のコメントをした。

私も、ことさらに厳しい処分は妥当ではないと思う。
造反議員が出るのは 健全な政党である証拠のようなものだ。
特に、今回のように、すべてが 「軍事機密」として公開されない状況での国会承認に、造反者が一人も出 ずに賛成するような政党では、いつ大政翼賛会のような事態になるかわか らないという不安感を抱かせる。
今回、本会議で賛成はしたものの、心情 的には造反組に近かったという人も少なくないし、なぜ賛成したのかを理 路整然と説明できる人も決して多くない。
そんな中、造反者を「処分」す るという形をとるのは、民主党という党の質を低下させるように思う。

また、今回の「造反」は、あくまでも与党の土俵の上での「造反」だ。
民 主党らしい安全保障論を組み立てた上でも「造反」する人は、民主党所属 議員としてふさわしくないということになると思うが、なぜ与党ペースで 民主党がここまでかき回されなければならないのか疑問だ。
くれぐれも、 妙な対立構造を作らずに、政権交代に向けて前向きに生まれ変わるべきだ。

13時から本会議。
採決4本。

その後、女性候補者の件で極秘の打ち合わせ。

地元からの陳情処理など。



■11月30日(金) 医療制度、厚労委、本会議、研修医

8時から医療制度改革ワーキングチーム。
民主党の医療制度改革案をまと めるにあたり、「政府よりも厳しい方針を」というような要望もネクスト キャビネットで出されたりして紛糾している。
が、政府の案は財政改革で あって医療制度改革ではない。
単に診療報酬を下げたり総枠抑制をすると いうやり方では、良心的な医療を行っている医療機関が淘汰されていくだ けだ。
まさに「悪貨が良貨を駆逐する」ということになってしまう。
日本 の医療費は国際的に見ても決して高くはないが、医療密度の低さ、精神科 特例など、日本ならではの問題をいくつも抱えている。
医療の無駄をなく すと同時に医療の質を上げることのできる民主党の医療制度改革案を訴え ていく必要がある。

10時から女性政策草案作成会議。
本日は、介護施策の現状と課題につい て。

その後、厚生労働委員会。
建築物における衛生的環境の確保に関する法律 の一部改正案(いわゆるビル管法)の質疑および採決。

13時40分から代議士会。

14時めどと言われていた本会議が、財務金融委員会の終了を待って、14 時半開会。
この財務金融委員会は、与党提出の議員立法を審議していたのに、社民党 の質問時に与党側の委員が3名しかいない、法案提出者が出席していない、 などという体たらくのために委員会審議がストップし異常事態が起こって いた。
それでも与党が無理矢理本日中に衆議院を通過させようと、本日委 員会終了直後の本会議召集となったらしい。
同意人事案件など採決10本。
PKO協力法改正案について、共産・社民より反対討論、自民より賛成討論の 後、採決。
金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の一部改正案(整理回収機 構(RCC)の機能を拡充する悪法)について、民主党と自由党より反対討論 の後、採決。

本会議終了後、研修医問題ワーキングチーム。
医師出身の議員が、自らの研修医体験を語って問題点を整理するというこ とで、私も自らの体験を述べる。

21時前に宇都宮に向けて出発。



■12月1日(土) 労組大会、講演、ボランティア

10時から労組の退職者の方の大会。

14時から講演。
精神病理や子育て等について。

17時から「水島広子ネットワーク通信」の発送作業をボランティアの方 たちとともに行う。

18時半から打ち合わせ。

明日東京で支持者の方の関係の会合に出席しなければならないので夜のう ちに東京に移動。


国会報告 バックナンバー| HOME