国会報告 その44(2001.5.14発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております。



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国会報告(5/6〜5/12)

■5月6日(日) 障害児を持つ親

午後、障害児を持つ親の方たちから現状報告と問題提起を続けて受ける。

県政に関わる部分が大きいため、県議補選予定候補者の山田みやこさんも 同席。
障害を持つ子どもたちは、親がつきっきりになれるという条件においての み教育を受けられるという現状だ。
親の立場から見れば、「仕事と家庭の 両立」以前の問題であり、男女共同参画もほど遠い。
また、子どもの立場 から見れば、家庭の事情(冠婚葬祭など)やきょうだいの学校行事などが ある日には教育を受けられないということになってしまう。
障害を持つ子 も持たない子も、家庭の事情に関わらず等しく教育を受ける権利があるは ずだ。
この領域には以前から関心を持って文部省や厚生省などに質問をし たり県側の言い分を調べたりしているが、どうも「地方自治」を理由にし て国としての最低ラインも設定されておらず、また、地方ではあまりにも 取り組みにばらつきが大きいのが現状だ。
何とかしたいと以前から取り組 んでいるが、ぜひ山田みやこさんに県政の場で活躍していただくことによ って、国政・県政の両レベルで事態を改善していきたいと思う。

夜は会合。



■5月7日(月)下野取材、産休ネット、小泉総理、

7時45分から恒例のマンデーリポート。
今日も県議補選予定候補者の山 田みやこさんが同行。

9時10分から定例の事務所内打ち合わせ。

9時45分に下野新聞本社を訪問し、新刊「『やせ願望』の精神病理 摂 食障害からのメッセージ」について宣伝。

10時41分の新幹線で東京へ。

12時前に議員会館に到着。
今日は13時から「産休(Thank you)ネット」 設立総会が開かれるため、世話人の遊佐みゆき宮城県議たちと議員会館事 務所で短い打ち合わせ。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
小泉新総理の所信表明演説。
率直な感想としては、森 総理の政策からあまり変化がなく、何が改革されるのか、大筋でよくわか らなかった。
保育所待機児ゼロ作戦、全ての子どもに放課後の居場所、な ど、保育の分野で具体的な目標が出たのは評価できるが、経済政策などは 従来の内閣の目標と大して変わらない。
これらの政策がなぜ実現できなか ったのか、今回実現するためにどうするのか、そのあたりの具体策が聞き たかった。
全体に「改革断行」という言葉ばかりが踊っていたように思う。
くれぐれも、具体的なプランを国民に示すことなく勝手に改革を進めない よう、切に要望する。
明後日からの代表質問に期待。

13時半に本会議が終了したため、すぐに「産休ネット」の設立総会へ。
国会からは橋本聖子参議院議員と私が呼びかけ人となり、地方議会からは 宮城県議の遊佐みゆきさんたち、いずれも任期中の出産を経験した(しよ うとしている)人たちが呼びかけ人となって設立されるネットワーク。
地 方議会を休むときの規定に「出産」を盛り込むこと、傍聴者も利用できる 議会内保育施設を設置すること、産休中の議決権行使のあり方を検討する こと、などを当面の目標として活動していく。
子育て世代の声を政治の場 にもっと反映させていくことが、安心して子どもを産み育てられる社会の 実現のためにも、多様な価値観を認め合える社会の実現のためにも、極め て重要な課題だと思っている。

16時36分の新幹線で宇都宮に戻り、18時から県連三役会議。
19時から県連幹事会。



■5月8日(火)臓器移植法、有害情報、女性支援基金、羽田孜さん

朝一番で真岡市に弔問に向かい、宇都宮に戻って9時45分の新幹線で東 京へ。

11時から厚生労働部門会議。
臓器移植について聞き取り。
臓器移植法が 昨年10月に「3年後の見直し」を迎えたが、ほとんど見直しに向けての 動きが見られないため、民主党としてもきちんと取り組むべきだと意見を 述べてきたが、このたび動き始めた。

臓器移植推進連絡会(全国腎臓病協議会、全国心臓病の子どもを守る会、 胆道閉鎖症の子どもを守る会、NPO日本移植支援協会、ニューハートクラブ、 日本肝臓病患者連合会、心移植サポート、日本移植者協議会)から、臓器 移植法改正の要望を受ける。
16歳未満の子どもの移植が今回の見直しの 最大のポイントだと私は思う。

以前も書いたが、私自身は、脳死臓器移植を「新たな医療技術を日本に導 入するための臨床試験」として当面位置づけるべきであるという考えだ。
脳死になる人は全体から見るとごくわずかの割合であり、「脳死は人の死 か」という問題を論じるよりも、「脳死臓器移植に参加するかどうか」を 臓器提供側も移植側も選べるようなシステムにすることが重要だと思う。
臨床試験として位置づければ、同意をとるプロセスも厳密となり、全体の 経過も透明性が保たれる。
また、16歳未満の子どもからの臓器提供に関 しては「子どもの自己決定能力」が問題となって現在は不可能であるわけ だが、新薬の臨床試験に子どもが参加する場合には親がその意志決定を代 行している。
脳死臓器移植についても、「臨床試験」として位置づければ そういった道を開くことができると思う。

12時半から「仕事と家庭の両立支援ワーキングチーム」(民主党)。
法 案の詳細について、最終的な「書きぶり」のつめを行う。

14時すぎに障害者の欠格条項について、障害者の方が意見を述べに訪室。

15時から個人相談を受ける。

16時から「子ども有害情報」の法案について、法制局の方との打ち合わ せ。
「情報のすみ分け」と「教育」を二本柱にした私たちの法案であるが、 情報の内容を規制するものではないということをいくら説明しても「理解 したがらない」人があまりにも多い。
さらに、昨秋から私が何度も法案の 説明をした「知識人」の方が、法案を誤解釈してはばからないことを知り、 「理解したがらない」人も「理解せざるを得ない」形に変えるのが得策だ と思うに至った。
法案の実質的な内容を変えずに書きぶりを変えられるか どうか、法制局の方に相談。

18時前に打ち合わせが終わったので、「民主党女性支援基金」のお願い のために同じ階の議員事務所を回る。
女性候補者に支払われる基金である が、議員も少なからぬ出資をする。

18時10分に議員会館を出て六本木に向かい、18時半から女性選対懇 談会。
参院選の女性候補者をどのように支援できるかということを話し合 うのが主目的だったが、ゲストとして参加した羽田孜さんに興味深い思い 出話などを聞いたり、最近の政局を話し合ったりしているうちにすっかり 遅くなる。
東京泊。


■5月9日(水) 代表質問、民法改正

8時から厚生労働部門会議。
各種事務連絡。
「職業能力開発基本計画」に ついて、また、最近の雇用失業情勢について、厚生労働省からの聞き取り。
「ハンセン病問題ワーキングチーム」中間報告。
」医療事故対策に関する ワーキングチーム」中間報告。
「仕事と家庭の両立支援ワーキングチーム の報告。

9時半から事務所内打ち合わせ。

11時半から国会テレビの打ち合わせ。
「民主党のおヘソ。
」というタイ トルで、民主党議員の素顔を描き出そうという学生たちの企画。
私は17 日に出演予定。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
民主党・自民党・公明党各党代表による代表質問。
民 主党からは鳩山代表と枝野幸男さん。
小泉新総理を前に、いつになく気合 いの入った代表質問。
質問者も小泉さんもさかんに水を飲んでいた。
枝野さんの質問はとても聞き応えがあった。
鳩山代表の質問に対する答弁の曖昧な部分を正しながら、「総理が本当に 改革を進めるのであれば、党派を超えて応援したい」と迫った。
小泉さん の答弁は、「国会議員の永年勤続表彰は必要ない」と言い切るなど、評価 できる点もあったが、概ね官僚作文による当たり障りのない答弁だった。
評価できる答弁に対しては、主に民主党を中心とする野党席から拍手が出 た一方、自民党席からはほとんど拍手がなく、「どこの党首だろう」とい う声も挙がった。
枝野さんは、選択的夫婦別姓を認める民法改正についてリーダーシップを とってきた森山真弓さんが法相に就任し、「世論の期待にどう応えるか」 という点も質問した。
森山さんの答弁は残念ながら「国民の大多数の理解 が必要なので、世論の動向を見守っていきたい」という従来大臣の域を出 なかった。

17時から、内閣部門と男女共同参画・人権・消費者部門合同会議。
「機 密費公表法案(仮称)」について。
「糾弾!報道規制法シンポジウム(仮 称)」について。
「少子化社会対策基本法案」(超党派の議連で提出予定) について、問題点、修正すべき点などを話し合う。



■5月10日(木) 金正男(?)氏、Vデモクラッツ、民法改正

8時から法務部門、外交・安保部門、内閣部門合同会議。
金正男(?)氏 らの退去強制事案と入国管理問題について、法務省、外務省、警察庁から 聞き取り。
過去に3回日本に入国した記録のあるパスポートを持った人が不法入国し ようとしたのに、過去3回の入国カードを調べて同一人物であるかどうか も確認していないらしいこと、「個人情報だから」という一点張りで法務 省が詳細を知らせない一方でなぜかパスポートの写真が新聞紙面を通して 全国的に公開されていること、金正男氏らしき人物が日本に来るという事 前情報が外国からあり、退去強制の際に通常は同伴しない法務省の官僚が 北京まで同行し、中国ではアジア局次長が出迎えた、という事実が並んで も「本人が誰かはわからない」と言い張っていること(その一方で、大新 聞では「本人が自分は金正男であることを認めた」というような記載があ る。
政府からは訂正依頼もしていない)、など、あまりにもお粗末な報告。
首藤代議士が「これは法務省の犯罪だ」と言っていたが、本当にそう思う。
予算委員会での集中審議を求めていくことになる。

9時から司法制度改革ワーキングチーム。
党としての意見集約。

10時半から取材。

12時から広報委員会。

13時前から「Vデモクラッツ」(1・2期議員を対象として、民主主義 的ネットワークを育てようという目的で作られた会)の勉強会。
渡部衆議 院副議長を講師に招いて「小泉政局」などについて所見をうかがう。

13時40分から代議士会。
14時から本会議。
自由党・共産党・社民党・保守党による代表質問。

17時頃に本会議が終了し、直ちに官房長官に民法改正を求める申し入れ。
昨日、民法改正案を提出したところ。
私も提出者の一人である。
福田官房 長官は、「私も男女共同参画推進担当大臣としてこの問題は前向きに・・ 国会答弁は違うけどね」などとふざけたことを言っていた。



■5月11日(金) 女性と税制、ダム、知事、

朝は珍しく娘を保育園に送り届け、8時37分の新幹線で東京へ。

10時から取材。
11時から税調役員会(民主党)。
「女性と税制」について、太田弘子氏 を講師に招いての勉強会。
大変分かりやすい説明で大いに納得。
私たちが 参院選の政策として作り上げた税制を評価していただく。

終了後、急いで飛び出して12時24分の新幹線で宇都宮へ。
今日は、民主党の社会資本整備部門から、前原誠司ネクスト大臣(衆院議 員)、石井紘基代議士、細川律夫代議士、生方幸夫代議士、長妻昭代議士、 地元の小林守代議士、また、民主党代表の諮問機関である「公共事業を国 民の手に取り戻す委員会」からアウトドアライターの天野礼子さんと宇都 宮大名誉教授の藤原信さんが、午前中から南摩ダム(思川開発事業)と東 大芦川ダムの視察をしている。
私は13時半すぎに県からの説明の席に加 わり、14時からの知事への申し入れ、14時半からの記者会見を行った。
先日知事から発表されたばかりの方針は、南摩ダムについては縮小の方向 で実施、東大芦川ダムは中止も含めてさらなる検討、というものであった。
今回私たちが申し入れたのは、東大芦川ダムは不要であろうということ、 南摩ダムについては、水需要の正確なデータや代替案をきちんと情報公開 してほしいということ。

記者会見終了後、国会議員団を送り出し、山田みやこさんと挨拶回り。
夜は会食。



■5月12日(土)保育講演×2、谷ひろゆき、やなせ進、鳩山代表来県

朝から昼過ぎまで娘の保育園の保育参観と保護者会総会。
その間に1時間 ほど「保育園の役割と親の役割」というテーマで講演をさせていただく。

14時から参院選予定候補者の谷ひろゆきさんの事務所開所式。

急いで移動して15時から労組で「子どもたちの視点から保育を考える」 というテーマで講演。

またも急いで移動して簗瀬進後援会大会に駆けつける。
鳩山由紀夫代表を 迎えて、盛大に開かれている。
私は山田みやこさんと共に短い挨拶をさせ ていただき、17時20分に会場を出て街頭演説の場所に先乗りし、小林 守代議士・佐藤栄県議・山田みやこさんと共に街頭演説。
18時頃に簗瀬 進さんと鳩山代表と谷ひろゆきさんが到着し、18時半すぎまで街頭演説 を続け、その後商店街の練り歩き。


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