国会報告 |
■第162回通常国会開会 1月21日、第162回通常国会が開会しました。私にとっては5回目の通常 国会となります。 開会日には、「スマトラ沖大地震・大津波災害に際し国際的支援活動に おいてわが国が果たすべき役割に関する決議案」を全会一致で決議しまし た。 その後、小泉首相の施政方針演説、町村外務大臣による外交演説、谷垣 財務大臣による財政演説、竹中国務大臣による経済演説が行われました。 これらに対する各党の代表質問は1月24日から始まりますが、それにし ても、「郵政民営化が改革の本丸」と断言し(その一方で、社会保険庁に ついては「信用を取り戻さなければなりません」にとどまりました)政治 的優先度を強調する姿勢に違和感を覚えたのは私だけではなかったと思い ます。また、常に施政方針演説を聞いて思うのですが、「演説」という名 にふさわしい、真に訴えかけるべき内容を持った施政方針演説を一度でも 聞いてみたいものです。 今国会の課題はたくさんあります。 かなり本質的な問題としては、NHKの番組作成に関して政治圧力があっ たといわれる問題があります。安部晋三・自民幹事長代理らが2001年にNH Kに対して圧力をかけて番組内容を変えさせたという疑惑です。事実であ れば、憲法・放送法上の大問題ですので、真相解明に取り組まなければな りません。 これは、民主主義の根幹に関わる問題に発展する可能性もあるため、民 主党では、総務部門のみならず役員会や国対と連携して対応することにな っています。 また、一つの焦点が性犯罪防止策でしょう。奈良で、多くの人を震撼さ せる事件があったばかりです。私も、被害に遭われたお子さんと同じ年の 娘を持つ親として、すべての子どもたちの安全を確保することの必要性を 痛感しています。 政府は、性犯罪の前歴者による再犯の防止策として、警察に前歴者の居 住地を把握させる方針を固めています。 また、刑事施設及び被収容者の処遇等に関する法律案を提出し、その中 で、性犯罪者への再犯防止教育義務化等をはかることを予定しています。 小児性愛(Pedophilia)というのは、精神障害として位置づけられてい ます。アメリカでは、治療の効果も報告されていますが、日本では専門家 がほとんどいないのが現状だと思います。 小児性愛は、性嗜好異常に分類されますが、克服しつつある人の話によ ると、嗜好は嗜好として残っても、行為に移すことは子どもに対する人権 侵害であり虐待なのだと自覚することで、行動をコントロールしていくそ うです。自分の行動を社会の中できちんと位置づけられるということでし ょう。そのためには、社会の中で孤立させないということも重要なのだと 思います。 いずれにしても、専門家不在のもとでは、行動のコントロールも、サポ ートシステムの構築も、難しくなります。審議の中では、日本における専 門家不足が大きな問題になるでしょう。効果的な矯正教育を行うためにも、 国際的な知見を踏まえた専門家が必要です。 日本における「専門家不足」は、引きこもりなど、いまや多くの人が共 有する問題についても言えることです。また、専門家がいても、それを厚 みをもって発展させていくことがしにくい現状もあります。「改革」とは、 むしろこういう領域にこそ必要だと思うのですが。 性犯罪防止策については、いろいろなご意見があると思います。皆さま のご意見や情報をいただきたいと思っておりますので、ぜひ、ふるってご 意見をお寄せいただけますようお願いいたします。 ■厚生労働委員会 今国会でも青少年問題特別委員会が設置され(特別委員会は国会ごとの 設置となっています)、私は理事に選任されました。 常任委員会は、今国会も厚生労働委員会です。 厚生労働委員会には、また、重要な法案がかかってきます。主なものに ついて、以下にざっとご報告します。 ●三位一体補助金等整理法案(政府提出) 国民健康保険法を改正し、国庫負担の引き下げ(約7000億円)を行う ため、国庫負担比率等を定める法改正を行うものです。また、基礎年金国 庫負担引き上げの2005年・2006年分の措置に関する規定もします。 補助金の整理合理化という名目で、健康保険法と年金法を一括していると いう点が、「要注意」の法案です。 ●介護保険法改正案(政府提出) 制度発足5年を経ての見直しを行うものです。施設入居者負担の導入、予 防の推進等を行います。介護の普遍化、被保険者の拡大に関する方向性の 取り扱いが焦点となります。 ●障害者自立支援給付法案(政府提出) 身体・知的・精神・児童に分かれている障害児・者の自立支援のための福 祉サービスについて、一元的に規定するものです。各個別法は存続させま す。 ●障害者雇用促進法改正案(政府提出) 今まで雇用率算定から除外されていた精神障害者を、実雇用率に算定する 等の改正を行うものです。 ●労働安全衛生法改正案(政府提出) 元方等を通じた安全衛生管理体制の構築、過重労働・メンタルヘルス、労 働者の健康情報保護、化学物質管理等について定めるものです。 ●労働者災害補償保険法改正案(政府提出) 二重就業者・単身赴任者にかかわる通勤災害保護を規定するものです。 ●時短促進法改正案(政府提出) 法律の名称変更、総実労働時間1800時間目標の廃止、労働時間短縮等 のための実施体制の整備、安全衛生委員会の活用などを定めるものです。 ●独立行政法人年金福祉施設整理機構法案(政府提出) 独立行政法人を設立し、年金福祉施設等を移管した上で、廃止・売却を進 めるものです。 このほかにも、社会保険労務士法改正案などが出される予定です。 議員立法としては、高齢者虐待防止法が一つの大きな課題です。すでに、 民主党案を検討中です。与党でも、議員立法提出で合意しているそうです。 高齢者虐待防止については、現在全く法的な規定のない、家庭内の虐待 について、法律を定めることが必要です。 それと同時に、すでに法律はあるものの、きちんと機能していない「施 設」問題も重要です。これは、高齢者だけでなく、子ども、障害者につい ても言えることですが、「施設」という密室の中で、どのように人権を守 っていくかは、多くの先輩たちが長い歴史の中で取り組んできつつ、いま だに達成されていない重要な課題です。 ■スマトラ沖大地震・インド洋津波災害 1月15日、民主党栃木県連で一斉街頭募金活動を行いました。私も、 14時からの定例街頭演説で募金への呼びかけをさせていただきました。 ご協力をいただいた皆さまには心より感謝申し上げます。 全国的に見ても、まだまだ募金額が不足しています。これからいよいよ 本格的な復興支援を進めなければなりませんので、ぜひ、引き続きのご支 援をお願い申し上げます。 民主党の募金口座へのお振込み 《支援募金のお振込先》 ○郵便振替 郵便局 00110−6−65328「民主党」 ○銀行振込 りそな銀行 衆議院支店 普通:7815354「民主党募金口座」 あるいは、栃木一区在住の方は、水島事務所(028−649−660 0)までご連絡いただければ集金に上がらせていただきます。よろしくお 願いいたします。 ================================= 「水島広子と歩む会」からのお知らせ ================================= ■水島広子と歩む会第2回総会 日 時 2005年2月26日(土)午後4時30分から 場 所 ホテルニューイタヤ 桜の間 宇都宮市大通り2-4-6 TEL.028-635-5511 参加費 無料 ■水島広子と歩む会2005年躍進のつどい 日 時 2005年2月26日(土)午後6時00分から 場 所 ホテルニューイタヤ 天平の間 宇都宮市大通り2-4-6 TEL.028-635-5511 参加費 5000円(着席パーティー形式) (事前にお申し込みいただけますようお願いいたします。) お問い合わせ・お申し込みは水島広子と歩む会事務局(水島広子事務所内) TEL.028-649-6600 FAX.028-614-1134 までお願いいたします。 なお、躍進のつどい参加費は事前に集金に上がらせていただきます。 |