国会報告 |
■ 市長選候補者公募終了 宇都宮市長選候補者公募は、10月20日の午後12時をもって締め切りとさせていただきました。男性3名女性2名の応募をいただき、23日に面接審査、24日に党員・サポーターの公開コンテストを行って最終的な結果が出る予定です。詳しくは次号でご報告いたしますが、まずは、公募へのご協力をいただきましたことにお礼を申し上げます。 なお、公募を行ったことについては、「民主党には人材がいないのか」などのご批判をいただくこともあります。でも、民主党は、いろいろな市民の方たちと緩やかなネットワークを作って「市民が主役の政治」を実現する政党だと考えています。民主党の活動をしている方という枠にとらわれることなく、広く一般市民の皆さまにお呼びかけをすることが民主党らしいあり方だと思っておりますし、それだけ市長にふさわしい人材を得る可能性も高くなると思います。私自身も公募候補でしたが、地盤もカバンも看板もない人間にとって公募というのは政治参加の有力な手段となります。ご理解いただければ幸いです。 ■ 男女共同参画委員会スタート 9月13日に民主党の男女共同参画委員長を拝命し、役員会で準備をしてきましたが、10月22日に男女共同参画委員会が正式にスタートしました。男女共同参画委員としては現在のところ衆参あわせて50名以上の参加をいただいており、大変熱気のある力強いスタートを切ることができました。 今回、委員長として提案している方針は、以下の通りです。 ●民主党男女共同参画オンブードの導入 今回私が委員長になるに当たって新たに考えたものですが、民主党の政策や組織・役員体制などについて、男女共同参画の視点から評価をする第三者機関を作ろうと考えています。比較政治などを専門にされる有識者の方たちにお願いをする予定です。外部監査などを導入した岡田代表の政治理念にも通じるものだと思いますし、民主党政権ができたときの各種オンブードの基礎にもなるものだと思っております。 ●女性候補者発掘と応援活動 WS(Water & Seed/種と水)基金(党公認・推薦の女性候補者に一定の選挙資金の提供をするもの。従来の女性支援基金)や貸付制度(党籍を有する新人女性自治体議員候補者に供託金相当の選挙資金を貸し付けるもの)など、女性にやさしい制度の周知徹底。 次期統一自治体選挙における「民主党女性議員ゼロ県(12県。青森、富山、福井、長野、静岡、広島、山口、香川、高知、長崎、大分、鹿児島)」の解消対策。 ●託児施設の充実 これも、私が委員長になって始める新事業です。男女共同参画と子育ては必ずしも100%対応する関係ではありませんが、実際には、託児施設の不備のために多くの女性が政治集会や勉強会に参加できていないのも事実です。 民主党主催の女性スクール・イベントなど、特に男女共同参画を主眼としたものについては、託児施設を必置とし、それ以外の党主催のものについては、託児施設の設置を努力義務としたいと思っています。そのための調査やマニュアル作りを進めます。 また、参加者の希望があれば、12月の党大会から託児所の設置をしたいと考えています。 党本部の託児施設については、まずはアンケート調査によってニーズの把握をしていきたいと思っています。 以前から「国会に託児所を」という超党派の運動があり、私も参加してきましたが、やはり国会傍聴者のための託児施設がないことは問題だと思っております。民主党の託児施設を作る場合には国会傍聴者にも開放すると同時に、国会そのものの取り組みも進める必要があると思っております。 ●女性議員ネットワーク推進会議の設置 従来、党本部主導のネットワーク会議はありましたが、自治体議員が主体的に関わり自主的運営をはかる「推進会議」を積極的に支援していきます。 ●政調との連携 党の男女共同参画の窓口である男女共同参画委員会と、実際に政策を練り上げていく政調(「次の内閣」)との連携をより密にしていきます。 私が男女共同参画調査会会長(政策責任者)として作った「多様なライフスタイルを生きる時代の自立と安心の政策」の改訂版の年内発行を目指します。この政策集を作って、さらに政策の周知徹底のための運動を進めていきます。 ●各種交流 マスコミ関係部署や各種団体との政策懇談会などのほか、12月には訪韓団の派遣をします。韓国は日本にとって身近な国ですが、近年急速に男女共同参画が進んでいます。クオータ制をはじめ、韓国に学ぶべき点は多いと思います。ヨーロッパの例などを挙げると「日本はアジアなのだから違う」と聞く耳を持たない方も、韓国の例なら耳を傾けてくださると思います。 このほか、私がかねてから男女共同参画先進国として注目し交流してきたノルウェーなどとの交流も発展させたいと思っています。 ■ 小山事件 その3(再発防止に向けて) 今年の2月27日、長年の要請に応えて、厚生労働省が初めて「虐待による死亡事例の検証」をまとめました。検証作業があまりにも遅かったわけですが、それでもやらないよりはましと評価しています。 その中で、「児童相談所が関わっていた事例24例(19.2%)についての自治体による検証があります。7項目ほどあるのですが、そのうちの3項目が見事に今回のケースに当てはまります。つまり、「虐待通告に対し、必要な情報収集や安全確認が不十分であった」「子どもの状態が改善し、親族の援助も得られているといった状況から、危機的状況になっていることへの判断を誤った」「施設からの一時帰宅や家庭引き取りにおける家族全体像の把握が十分でなかった、引き取り後のフォロー体制が構築されていなかった」ということです。 この検証作業がありながら同じ過ちを犯したというのは問題ですが、今回の事件を教訓に、検証作業の結果をもっと有効に役立てていけるような体制を厚生労働省を中心に作っていただきたいと思います。 また、今回は、父親の非協力的な姿勢に児童相談所が振り回されたという印象を受けます。親権の一時停止・一部停止を含む多様な制約のあり方については、今春の児童虐待防止法改正のときに民法改正が見送られた経緯があります。3年後の見直しのときには親権についてもきちんと成果が得られるよう、今から取り組みを進めたいと思います。 なお、警察の強権的介入の必要性がなぜか小山事件に関連してメディアなどで取り上げられていましたが、今回の事件とは直接関係のない話です。警察の介入は、被虐待児の安全確認の際に必要となる話であり、今回は、先号で述べたとおり、警察と児童相談所の連携に問題があったというケースだと言えます。 |