国会報告 その203(2004.10.02発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回、発行しております



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国会報告



■岡田代表来県



 9月29日、代表になってから初めて岡田克也さんが栃木県に来られました。民主党の「年金キャラバン」としての来県です。「年金キャラバン」というのは、国会で年金の問題をまじめに議論しようとしない政府・与党のやり方に抗議し、年金改革の必要性を皆さまにご理解いただくために、臨時国会閉会後から始めた全国キャンペーンです。
 「年金キャラバン」を担当しているのが民主党の年金改革推進本部(本部長:岡田代表)であり、その事務局長を山岡賢次さんが務められていることから、年金キャラバンそのものは小山で行われました。

◎宇都宮で経済団体と懇談
 年金キャラバンに先立って、14時過ぎから、宇都宮で6つの経済団体との懇談会が行われました。
 お忙しい中、栃木県商工会議所連合会からは簗郁夫会長をはじめとする3名の方々、栃木県商工会連合会からは中村彰太郎副会長をはじめとする4名の方々、栃木県中小企業団体中央会からは菊地功会長をはじめとする3名の方々、栃木県商店街振興組合連合会からは琴寄真之助理事長、栃木県経済同友会からは市川秀夫筆頭代表幹事をはじめとする4名の方々、栃木県経営者協会からは青木勲会長をはじめとする2名の方々が参加してくださいました。

 何と言っても、足銀破綻の影響を受けた県内経済をどう立て直していくかが最大の焦点となりました。岡田代表からは、地域経済の活性化は地方分権によって可能になる、中心市街地の活性化については、変化した消費者の行動を認識して行わないと現実離れしたものになってしまう(岡田代表の地元では中心地に広大な地下駐車場を作ったものの、人は集まらず、若い女性が「怖くて車が停められない」と言う駐車場になってしまったそうです)、足銀の優先株救済問題については、石川銀行の例にもならって積極的に取り組みたい、というような話がありました。

 また、岡田代表は全体の懇談会のあり方について「双方向性」を一貫して強調していました。つまり、自民党の中央集権に慣れているため、団体から意見をうかがうときには「陳情」「要請」という形になってしまう。でも本来は国と地方は対等なのだから、「それぞれが知恵を出し合う」という形にこだわるべきだ、というのが岡田さん(そして民主党)の考え方です。
 岡田代表の仲間である北川正恭さんが三重県知事になられたとき、文書から「陳情」「要請」という言葉をなくし、「提言」にしたそうです。そして、形式的に各部課長のもとにゾロゾロと予算のお願いに歩くのではなく、重要なテーマについては大臣とサシでやりあったそうです。

 鬼怒川温泉の再建についても、「国はそのために何をしてくれる」という発想ではなく、地元で知恵を出して、観光地再建の成功例としてほしい、というのが岡田代表の意見でした。
 ただ、こうした地方の自由な発想が実行されるには、政権交代によって地方分権が進んでいることが前提条件になると思います。

 なお、私もついこの前までネクスト雇用担当大臣をしていた立場から、「企業の繁栄と社会政策の調和をどうとるか」という簗会長から提起された問題についてコメントさせていただきました。 企業の繁栄なくしては、そこで働く人の生活の安心もないし、働く人の心の余裕なくしては、企業の繁栄もない、というのが大前提だと思います。
 政策的には、一つの考え方の軸としては、社会貢献をする企業には何らかの優遇措置をとるというやり方があります。
 また、主に私が作っているような法案(仕事と家庭の両立支援法、パート労働者の均等待遇推進法案など)については、マニフェストに対する日本経団連の政策評価を見ても、厳しい評価がついているようです。でも、その根拠とされている「規制強化につながる」というのは私たちの本意ではありません。
 良質の労働者に長く働いてもらうためには社員のワークライフバランス(仕事と私生活のバランス)を向上させる必要がある、というのは、米国企業が営利を追求する中で気づいてきたことです。託児などの不安がなくなれば、社員の仕事の効率は上がりますし、企業への感謝の念も生じ、簡単によその企業に移らなくなります。

 日本でも、メンタルヘルス(心の健康)問題が深刻です。民間ではデータがつかみにくいですが、解雇という仕組みがない公務員で見ると、とてもわかりやすいです。例えば、栃木県庁では、精神疾患で休む人が100人に10人、北海道庁ではその3倍、というような数字を聞いたことがあります。
 民間でも、仕事が続かない人、すぐに休んだり辞めてしまう人、など、経営者は昔にはなかった苦労をしています。
 心のバランスのとれた労働者をどうやって確保していくか、というのが、実は企業が抱えた重要な課題なのです。
 また、今の調子で非正規雇用が増えていくと、熟練労働者を育てるということもできなくなります。

 私たちが作っている法案は、良い労働者を育てるためには不可欠なものであり、それが企業の活力にもつながる、ということを理解していただきたい旨を説明しました。
 また、私が雇用担当大臣として作った若年雇用政策もとても重要なものなので、体験学習や職業訓練など、地元の経済団体の皆さまにもぜひご協力をいただきたいとお願いしました。

 限られた時間で、多くの方が参加され、さらに初めての試みということもあって、岡田代表が期待した「ざっくばらんな意見交換」には今一歩というところだったようですが、ぜひ、これを機会に、経済団体の方たちと民主党との有意義な議論が積み重ねられればと思っております。

◎間中橋
 宇都宮から小山に新幹線で移動し、まず最初に「間中橋」に直行しました。
 「間中橋」というのは、先日の悲しい事件で、小林一斗ちゃんと隼人ちゃんが川に投下されたところです。現地は細かい雨が降っていました。橋にはいろいろな方が手向けてくださったお菓子やぬいぐるみなどが置かれていました。私たちもそれぞれ花束をお供えさせていただきました。

 民主党としては10月5日に、小山署、県南児童相談所、県の担当部課、と現地調査をする予定です。調査団の団長を小宮山洋子ネクスト大臣、そして私は事務局長を務めさせていただくことになり、現在、準備作業を進めております。調査を終えましたらご報告させていただきます。
 一斗ちゃんと隼人ちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

◎年金キャラバン
 小山では、記者会見、街頭演説、年金改革地域懇談会という、年金キャラバン三点セットが行われました。
 台風接近中の悪天候の中、駅前の街頭演説にも多くの方が参加してくださいましたし、懇談会には1000人近い方が参加してくださいました。「一言で言うとあなたにとって政治とは何?」という会場からの質問に、岡田さんが「人間は一人では生きられない。助け合いながら生きるのを支えるのが政治」と答えていたのは良かったです。



■連合女性代表者会議



 9月28日、連合女性代表者会議に全国から集まった皆さまに対して、民主党の「パート労働者均等待遇推進法案」についての説明をさせていただきました。この法案は通常国会末ギリギリに提出し、何とか衆議院での継続審議に持ち込んだものです。「現時点で成立することに現実性があるもの」を作ろうと努力しましたので、会場からは、「もっとラジカルな法案にすべきだ」とのご意見もいただきましたが、概ねご理解いただけたと思います。
 パート労働者の現状を改善することが主眼ですが、この法案が成立すると、ワークシェアリングが進み、多くの方が自分の仕事と私生活をバランスさせることが出来るようになります。審議のためには与党の了解が必要となります。ぜひご支援いただけますようお願い申し上げます。



■国会報告200回ありがとうございました



 9月25日には、多くの方にお集まりいただき、国会報告200回記念をさせていただきました。本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。






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