国会報告 その196(2004.07.24発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回、発行しております



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国会報告



■臨時国会に向けて




 7月30日に臨時国会が召集される予定です。
 参院選後ですので、議席の指定など、手続きとしても臨時国会を開く必 要はあります(総選挙後に開かれるものは特別国会と呼ばれます)。
 与党は、形式だけの4日間程度の臨時国会を開こうとしています。それ に対して、私たちは1カ月以上の臨時国会を、と要求しています。

 第一の理由は年金です。このたびの参院選では、政府の年金制度に「待 った」がかけられたわけです。衆参ともに与党が過半数を占めている中、 政府の年金制度を単に撤回させることはまず不可能ですが、通常国会でご まかされたり隠されたりした点をきちんと質すことは必要です。

 そもそも、今回の年金法改正では、法案が国会を通過した後になってか ら、条文のミスが40カ所も明らかになるという異常な事態が起こってい ます。もっときちんと時間をかけて審議すれば、逐条審議をすることもで き、国会でミスを見つけることもできたでしょう(というよりも、できな ければいけませんでした)。でも、法案そのものの審議もできないまま、 手続きだけさっさと強行され、結果として40カ所も条文ミスがある法案 が国会を通過してしまったのですから、お粗末な話です。ミスをした内閣 法制局の責任を追及することも大切でしょうが、何と言っても、与党の国 会運営の責任が重大だと思います。

 さらに呆れるのは、このミスの訂正を、政府が官報の正誤表掲載で済ま そうとしているという点です。関係者の処分というのは、そのためのポー ズのようです。でも、いやしくも「国権の最高機関」たる国会を通過した 法律を、官報の正誤表で直して良いものなのでしょうか。そんな前例を作 ることは許されないのではないでしょうか。
 当たり前のことですが、法文修正として国会に提出すべきだと私たちは 主張しています。
 年金については、参院選の結果に対して与党はもっと謙虚になるべきだ と思っています。選挙中、小泉首相は「確かに説明が足りなかった。いく ら説明してもマスコミが書いてくれない」などと言っていたそうですが、 一番に説明責任を果たさなければならないのは国会においてであるはずで す。小泉政権が説明責任を果たそうとしないことについて、私たちはずっ と問題視してきました。
 選挙中に「説明が足りない」と認めたのであれば、選挙後の国会で追加 の説明をきちんとすべきではないでしょうか。

 第二の理由は、日本歯科医師連盟の問題です。次々と問題が浮上してき ています。藤井幹事長は「第二のリクルート事件になる」と以前から言っ ていましたが、本当にそのようです。政治の腐敗を追放するために(本当 に追放するにはしっかりとした政権交代が必要ですが)、国会できちんと この問題を審議する必要があります。

 集中豪雨災害の問題もあります。イラクの多国籍軍問題もあります。こ れだけ審議すべきことがたくさんあるのに、形だけの4日間の国会だけで すませて、あとは秋の臨時国会で、というのでは、何のための国会かわか りません。

   以前から、国会は通年であるべきだという議論があります。22日に開 かれた両院議員総会でも、そのような意見が出されました。私も賛成です。
 日本が官僚主導政治になってしまっている一つの原因がここにあると思 います。私たち国会議員は日々多くのテーマを抱えて解決したいと思って います。でも、限られた国会の会期中では、政府提出法案の審議だけでア ップアップという状態で、よほど幸運に恵まれない限り議員立法の審議ま で及びません。そして、国会が開かれていないときは、地元でドブ板活動。
結局、官僚が手を着けたいと思う領域にしか手が着かない、ということに なってしまうのです。中には、国会の閉会中にも議員会館や国会図書館で 調査活動に励んでいる議員もいます。でも、そうした人は、だいたい次の 選挙で勝ち残れないのです。
 通年国会の実現のためには、憲法改正が必要になります。ですから、国 会のあるべき姿の議論は拙速にならないように続けていかなければならな いと思っていますが、現在の状況でも、臨時国会を十分に長く開いて、必 要な審議をすることは可能です。
 今の日本が、秋まで4日間の国会だけで良い状態かどうかをお考えいた だき、ぜひ、長い臨時国会を、という民主党の要求をご支援いただけます ようお願いいたします。



■参院選マニフェストを振り返って




 参院選では、総選挙ほどマニフェストの存在感がありませんでしたが (本来、マニフェストは政権公約ですから、参院選にはなじまない、とい うのも事実です)、次の総選挙に向けてのマニフェストの土台になるもの ですので、ぜひ、皆さまもご覧いただきたいと思っております。

 今回のマニフェストには、私自身が提案した政策が新たにいくつか追加 されました。選挙前にきちんとご報告する時間がありませんでしたので、 ここで振り返らせていただきます。
 以下、今回新たに追加になった分で、私が作ったものを抜粋します。

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(以下、マニフェストより抜粋。全文は、 民主党ホームページ、 あるいは、事務所に製本されたものがありますのでご連絡ください)

9. 安心して働ける社会

★若者の自立のため就労支援をマンツーマンで行います。

 「ヤングワーク・サービスセンター(仮称)」を整備し、失業・無業状 態の若者に個人アドバイザーによるマンツーマンの就労支援、民間企業等 での職業訓練などのプログラムを用意し、必要に応じて就労支援手当を支 給します。学校にも行かず、職にも就かず、職業訓練も受けていない「ニ ート」と呼ばれる若者が集まることのできる場所をつくり、相談・支援を 行います。また、全国の中学2年生に5日以上の職業体験学習を実施しま す。

(注)私が雇用担当大臣として作った若年雇用政策です。

10. 子どもが健やかに育つ社会

★次世代育成支援のための子ども手当(児童手当)を拡充します。

 次世代育成を進める一環として、配偶者控除・配偶者特別控除を廃止す るとともに、税の増収分で子ども手当(児童手当)を充実します。手当は 義務教育終了年齢までを支給対象とし、食費、被服費をまかなえる水準と します。

(注)以前、男女共同参画調査会長時代に作った政策です。
(時の政調会 長は岡田克也さんでしたので、岡田代表もよくご存じの政策です)

★子どもたちを有害情報から守ります。

 残虐な暴力や性暴力などの有害情報から子どもを守るため、書物の区分 陳列や放送時間帯の配慮などによって、普通に暮らす子どもたちが有害情 報に触れないですむ環境をつくります。そのため、「子ども有害情報から 子どもたちを保護する法律」の制定に取り組みます。また、情報化社会に 生きる子どもたちが、情報のもつ意味を正しく理解し活用できる能力(メ ディアリテラシー)を持てるような教育を進めます。

(注)私が議員になって初めて作った法案です。メディア関係者に大きな 議論を呼び、ずいぶん環境が整備されてきたように思います。

★「子ども家庭省」の設置に着手します。

 子どもや家庭に関わる問題については、文部科学省や厚生労働省、法務 省、さらに警察庁など多くの省庁にまたがり、縦割り行政の弊害が見られ ます。民主党は政権獲得後速やかに、子どもや家庭の問題について、一元 的に政策立案・遂行する「子ども家庭省(仮称)」の設置に着手します。

(注)かねてから主張してきた「子ども省」を、ついに民主党のマニフェ ストに盛り込むことに成功しました!







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