国会報告 その195(2004.07.17発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回、発行しております



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参議院選挙報告



■参議院選挙を終えて



 参院選では大変お世話になりありがとうございました。おかげさまで、 報道されている通りの民主党の躍進となりました。 
 私も、地元栃木はもちろん、岡山、宮城、神奈川、東京、香川など、あ ちこちの応援に駆け回りました。香川は私と同い年の女性候補者が惜敗さ れて本当に残念でしたが、それ以外は、私が応援に行った方は全員当選さ れてほっとしました。

★栃木選挙区★

 簗瀬 進(民主・現)(当選) 388,356票

 矢野哲朗(自民・現)(当選) 332,513票
 野村節子(共産・新)      69,044票

 栃木選挙区では、簗瀬進さんが前回を上回る得票でトップ当選を果たし ました。
 今回の栃木選挙区は、定数2のところ、民主・自民・共産が各1名の立 候補でしたので、当初から「指定席」「無風選挙」などと言われ、ある意 味では難しい選挙でした。
 でも、栃木県においては、足利銀行の破綻という事件が昨年の総選挙後 に起こっています。年金についても全く同じですが、総選挙のときにはそ の概略も示さず、選挙後にこれだけ重大な問題が立て続けに起こっている のです。このことについて県民の意思を示す初めての機会が今回の参議院 選でした。このため、どうしても民主党候補の得票数が自民党を大きく上 回らなければならない、そのためにも投票率を高めなければならない、と いうことが至上命題でした。 

 また、簗瀬さんは栃木県における民主党の屋台骨のような方です。私も 簗瀬さんによって作られた議員の一人ですが、栃木という保守的な選挙区 において、民主党の基盤を作っていくための礎となってきたのが簗瀬さん です。昨年の総選挙では、民主党が全国的に躍進したにもかかわらず、残 念ながら栃木県では、小選挙区が自民党に独占されました。その後小林守 さんが国政から引退されましたので、現在、5つの小選挙区のうち2つが 候補者空白区となっています。簗瀬さんが今回できるだけ多くの得票で当 選されることによって、栃木県における今後の民主党勢力の拡大にさらな る弾みをつけていただければ、という思いもありました。

 簗瀬さんご自身、選挙カーから大きく身を乗り出しながら訴えを続けて、 力強く選挙戦を乗り切られました。
 また、昨年の総選挙後に初めて組織化された「水島広子と歩む会」も、 総力を挙げて簗瀬さんの選挙に取り組むことができました。
 ご支援・ご協力をいただきました皆さまに、改めまして心より感謝申し 上げます。

★比例区(家西さとる候補)★

 比例区では、民主党候補が19名当選し、私が総合選対事務局長を務め た家西悟さんが、予想以上の上位当選(全候補者中17位、民主党候補者 では4位)を果たすことができました。
 栃木一区での家西さんの得票数は3730票で、全候補者中3位、民主 党候補者では2位という好成績でした。

 薬害エイズの被害当事者として命と健康を守る社会の実現のために尽力 してきた家西さんを当選させるということは民主党にとっても(というよ りも国民にとって)重要なことでしたが、同時に、前回の参院選で突きつ けられた「民主党は組織のない候補者を当選させられないのか」という厳 しい課題を何とか乗り越えた形になりました。

   前回の結果を踏まえて、今回は、菅直人代表時代に、ブロック別重点候 補という形をとることが決められました。全国組織を持っている人は縦型 選挙、そうでない人は各ブロックが重点支援する、という形です。家西さ んは、北関東の重点候補となったため、角田義一選対本部長、枝野幸男選 対事務総長、水島広子選対事務局長、という体制で選挙を進めることがで きました。

   当初は、「薬害エイズ」は知っていても「家西さとる」という名前を知 っている人がほとんどいなかった栃木で、きちんとした選挙ができたのは、 地元の多くの皆さまが家西さんのテーマに共感し、心からの支援をしてく ださったからだと思います。涙を流して家西さんの話を聞いてくださる方 もおられ、家西さんも「栃木の方たちの温かさには本当に支えられた」と おっしゃっています。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうござい ました。

 今回の選挙で、家西さんのセールスポイントとして私が訴えていたのは 主に3点です。

(1)政官業の癒着の結果生じた薬害エイズの問題への取り組みを通して、政官業の癒着の構造を熟知しており、闘い方を知っていること。
(2)命の大切さを身にしみて知っていること。
(3)当事者議員であり、今後も有権者の信頼を裏切らないこと。

 いずれも、まさに、今の政治に必要とされていることだと思います。家 西さんが参議院議員としてますます活躍されることを期待しております。


★日本の政治の今後★ 

 さて、民主党が躍進したと言っても、参院で今なお与党が過半数を占め ている中、今回の選挙の投票行動に込められた「小泉政権ではダメ」とい う有権者の思いをどのように実現していくかというのは実は難しい課題だ と思っております。参議院で与野党が逆転していれば、シナリオはもっと 描きやすかったでしょう。

 案の定、と言うべきか、小泉さんは今回の結果を「大したことではない」 という形ですませようとしているようです。これだけの結果を出して、責 任をとらないということは、今までの自民党ではあり得なかった、と、自 民党の議員ですら言っています。政権末期で何でもありのルール無視状態 は、対野党や対国民だけではなく、ついに党内も侵してしまったようです。

   選挙後に、某国の公使に会ったところ、「私たちは、今回の選挙はコイ ズミの終わりだと判断している」と言っていました。それは本当にそうな のだと思います。では、どうやって実際に終わりにするか、というと、一 筋縄ではいきません。まず、衆参ともに未だに与党が過半数を握っている こと。公明党への依存を高めた自民党がすっかり弱体化してしまって、ポ スト小泉を画策する元気もないこと。小泉さん自身が、謙虚に我が身を振 り返る性質ではないこと。これらの結果、いわゆる「政局」に期待するの ではなく、今度こそ有権者自身の意思をもって、着実に政権交代を実現す るしかないでしょう。そのチャンスは、次期総選挙です。解散のタイミン グをどれだけ早められるかということが日本の命運を握ると思います。こ のまま小泉政権が続いてしまうと、本当に日本は土台から壊されてしまう と思います。日本人であることのリスクが明らかに高まってきます。

 選挙後に日歯連関係で自民党の元衆議院議員が逮捕され、橋本派へのヤ ミ献金疑惑が出るなど、自民党の性質を浮き彫りにする事件がまたしても 報道されています。
 こんなに腐敗した政治を許しているのは、先進国ではもはや日本だけな のではないでしょうか。

 衆議院の解散をできるだけ早められるような国会運営、そして、総選挙 の際には間違いなく政権交代が実現するための政策アピール、これらが、 民主党が目指していくべきものでしょう。

 今回の選挙の結果、二大政党制の姿がより明らかになりました。共産党 は15議席から4議席へと大きく議席を減らしました。小選挙区制に基づ く二大政党制というのは、あくまでも、選挙による政権交代を前提として 初めて機能するものだと思います。私は本来、多様な民意の反映という観 点からも、北欧型の比例区中心選挙が望ましいと思っていますが、現在の 日本政治の腐敗ぶりを何とかすることが最優先課題だとすれば、やはり選 挙による政権交代しかないでしょう。政権交代への勢力をまとめるために 必要な妥協をしつつ、政治家として踏み越えてはならない一線は守る、と いう難しい舵取りを、また当面続けなければなりません。






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