国会報告 その191(2004.05.28発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回、発行しております



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国会報告(5/22〜5/28)



■ 小泉首相訪朝



 5月22日の小泉首相の訪朝については、二家族の親子の皆さんが再び 一緒に暮らせるようになったことを心から嬉しく思いますが、外交という 観点から今回の訪朝を考えると、あまりにも準備不足と稚拙さが目につき 多くの問題があったと言わざるを得ないと思います。

 まず、死亡或いは不明とされた10名の拉致被害者の安否や、拉致の疑 惑の強い失踪者などについて、何ら新たな事実も示されず、また今後の再 調査の期限も設けられなかったことは、無意味な先送りだったと言えます。

 また、北朝鮮の核問題については平壌宣言の内容を再確認しただけに終 わっています。北朝鮮のNPT脱退や核保有の示唆など、平壌宣言の時点 と前提が変わったにもかかわらず、その点の交渉をまったく行った形跡が 見られません。1年8ヶ月もの膠着状況を経て、首相自らが再訪朝したこ とを考えると、拉致事件と東アジアの平和と安定に関する課題を多く残し たままに終わった今回の訪朝は、外交を政局の道具にしたと言っても過言 ではないのではないでしょうか。



■ 被害者家族の方たちへもバッシング!



 そんな中、政府の対応を批判した拉致被害者家族の方たちへの批判が殺 到している、というニュースを聞きました。イラクの人質事件の時にも感 じたことですが、日本の社会はここまで他者への共感を失ってしまってい るのか、と悲しく思います。
 家族を突然拉致されて、長い間政府に取り上げてもらえずに問題を放置 され続けて、それでも諦めずに運動を続けて、ようやく、というときに、 期待をするのは当然のことだし、期待が裏切られれば失望の言葉が出るの も当然のことだと思います。
 同じ体験をしたわけでもない人たちが、どうしてそれを裁判官みたいに 高所から批判できるのでしょうか。 

 ここのところの日本社会の様子を見ていると、人間らしく暮らすことを 後回しにしてきた社会づくりが、日本人から人間らしい感情をいよいよ奪 ってきたのではないかと思ってしまいます。



■ 参院選用マニフェストの柱となる「若年雇用」をまとめました



 「パラサイトしなくても生きていける社会」を目指して、日本版ニュー ディール政策(ニューディール政策はブレア政権の重要な政策。ウェルフ ェアからワークフェアへと、お金をばらまくのではなく教育・訓練を与え るという政策)と、ニート対策(ニート:就労もしていない、教育も受け ていない、職業訓練もしていない若者のこと。15〜24歳で約30万人 と推測され、対策が必要だということを、国会で初めて、2月の予算委員 会で取り上げました)を柱とした若年雇用政策を、5月27日の総合雇用 対策特別政策会議で報告しました。 
 参院選のマニフェストの柱として正式に発表するには、文部科学部門と の調整や「次の内閣」での審議などが必要になりますので、皆さまには後 日ご報告させていただきます。ご意見をいただける日を楽しみにしており ますので、どうぞよろしくお願い申しあげます。



■ パート均等待遇法案の提出間近



 もう一つ、私が雇用担当大臣として今国会中にやり終えなければならな いのは、パート均等待遇法案の提出です。法案作成者として1年半以上作 業してきているものですが、今国会中に提出することを決めて最終作業に 入っています。
 私がパート均等待遇法案に力を入れているのは、パート労働者であると いう理由でとんでもない差別を受けている人が多いという現実を何とかし たいというのも大きな動機ですが、それと同時に、今後の社会の目指すべ き姿として、「全ての人が自分らしいバランスで仕事と私生活を両立でき る社会」を作るためには、職務内容が同じであれば時間あたりの待遇は同 じ、というヨーロッパでは当たり前の原則を日本でも確立する必要があり ます。私生活を犠牲にして長時間労働することが「まともな待遇」の条件 になっている日本の現状を放置している限り、人間らしい生活を送ること はできないでしょう。
 ぜひ、現在はパート労働者ではない方にも関心を持っていただきたいと 思います。

 5月28日には、法案の条文化作業と、「どのような理由があれば、待 遇の差が合理的なものと考えられるか」という指針づくり作業の最後の会 議を持ちました。 
 こちらも、党内手続きを進め、何とか今国会中の提出にこぎ着けるつも りです。



■ 駐日アフリカ大使配偶者の会



 5月28日、超党派の女性議員懇談会で駐日アフリカ大使配偶者の会の 皆さまをお招きし、懇談する機会を持ちました。表敬団の団長を務められ たのは、女性大使である駐日マリ大使のファトマ・ディアルさん。この方 は、以前、マリ共和国への支援米の発送式のときに宇都宮でお会いしたこ とがあります。
 会には全部で16カ国の大使の配偶者の皆さんが参加され、それぞれの 国を反映した色とりどりの衣装を着られて、薄暗い議員会館に光がともっ たような光景でした。
 1時間の会で、前半はそれぞれの自己紹介(時間がないとのことで政党 と名前だけしか言わせてもらえませんでした)と、表敬団団長であるマリ 大使のスピーチ、そして配偶者の会の代表である駐日ボツワナ大使の配偶 者の方のスピーチ(時間がないので短く、とプレッシャーをかけられてい ました)で費やされました。教育や感染症の問題など、アフリカ女性が抱 える問題が語られると同時に、それでも男女平等が急速に進み、女性の党 首を持つ政党もあり、「近い将来に男女平等が達成されるのではないか」 という希望も語られました。  

 後半には意見交換が予定されていたようですが、来賓として参加されて いた森元首相が熱のこもったスピーチを30分近くされたため、予定の時 間が終わってしまいました。意見交換を楽しみに参加した立場としてはち ょっと残念でした。



■ ILO議連



 5月26日、超党派のILO活動推進議員連盟(森山眞弓会長)の総会 に出席し、ILO駐日代表である堀内光子さんから「ILOの課題と今後 の課題」について講演をいただきました。
 この議連は、批准条約のフォローアップや、未批准条約の批准促進、I LO活動促進のための政府への働きかけなどを目的に活動しているもので す。
 最近のILOの活動として、グローバル化の中でのディーセント・ワー ク(人間としての尊厳を保てる生産的な仕事)の確保、国際労働力移動の 中での支援などをお話しいただきました。ディーセント・ワークという意 味ではますます状況が悪化してきている現状、また、外国人労働者を見て 見ぬ振りをして放置してきた行政を考えると、日本にも多くの課題があり ます。もちろん、未批准条約の批准も引き続き急務です。 



■ 小泉首相の「勤務実態なき会社員」問題



 細田官房長官の「給与肩代わり問題」、そして今度は小泉首相の「勤務 実態なき会社員」問題、と、いかにも永田町という話題が続いています。 「こんなことは誰でもやっているから」という感覚だけは私には受け入れ がたいものです。 
 企業にとって、自社の利益につながらないことをすればそれは背信行為 となるはずです。なぜ給与を肩代わりするのか、なぜ幽霊社員を雇ってお くのか、ということを冷静に考えれば、日本の税金を食い物にし、国を破 綻に追い込んできた構造が見えてきます。もうこんな時代は終わりにしな ければなりません。



★定例街頭演説の時間・場所変更のお知らせ★

   初当選前から月曜日の朝の街頭演説を続けてまいりましたが、5月15 日からは毎週土曜日の街頭演説(14時〜二荒山神社前。第一土曜日のみ、 上三川・南河内)とさせていただいております。
 引き続きよろしくお願い申し上げます。

★5月29日について★

   5月29日は参議院選の応援で岡山にまいりますので、街頭演説ができ ません。定時に「国会報告」のチラシ配布のみさせていただきます。
 どうぞよろしくお願い申しあげます。

★お勧め!★

 家西さとるさんの妻・知加子さんが記した「希望の子」
(発行:株式会 社ワニブックス 定価 1400円)







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