国会報告(5/10〜5/14) |
■ 菅代表辞任 5月10日の両院議員懇談会の冒頭で、菅代表から代表辞任の挨拶がありました。私は、発言の機会を与えられたときに、菅さんの辞任の理由は何なのかということと、「この一連の目も当てられない国会対応をした当事者の責任はどうなっているのか」ということを質問しました。 国会議員も含めてこれだけ多くの人が何らかの形で未納・未加入期間があるという年金制度は、明らかに制度上の欠陥があります。私たちはそのような問題があることを認識していたからこそ、一元化を実現する民主党案を作成して提出していたはずです。 それなのに、なぜ、閣僚の未納問題が出たときに、制度上の議論に誘導せずに「年金保険料の支払い実績」が主役になってしまったのか。制度上の議論にすれば、現在の制度を温存する政府案を提出している閣僚の責任がもっと浮き彫りになったはずです。これは、明らかに国対(国会対策)上の戦略ミスです。国対委員長の責任を問いました。 また、菅さんの「未加入」問題についても、本人がいろいろと説明すると、「言い訳」ととられてしまうでしょう。でも、他の議員たちは事情を説明しようとしたでしょうか。 国民年金法をよく見てみると、大臣が国民年金に加入することが違法ともとれる書き方になっています。国家公務員共済の被保険者は一号被保険者になれない、と明記してあるのです。そして、大臣は間違いなく国家公務員共済の被保険者なのです。前回お知らせしました大臣の除外規定というのは、国家公務員共済組合法をずっと追っていくとようやく書いてあります。ちなみに、国家公務員共済組合法の所管省庁は厚生省ではなく財務省です。ですから、武蔵野市役所の方が菅さんの国民年金の脱退手続きをしてしまったのも、国民年金法を見れば法律に従った行為ということになります。なお、知事や市長などの場合には、地方公務員共済組合法によって、年金も共済年金に加入できるのですから、やはり変な仕組みです。 「有権者の理解が得られない」と、テレビに出た議員などは口々に言っていましたが、理解を得るための説明をしたのでしょうか。ただ有権者の顔色をうかがい、瞬間風速的な「世論」に追従しているようでは、政治家としての説明責任を放棄したと言われても仕方がないと思います。 私が両院議員懇談会でこの発言をした翌日になって、「次の内閣」のある大臣が、「そんな法律だったなんて知らなかった」と私に告白してくれました。菅さん本人には許されなかったとしても、他の議員がこういったことを冷静に議論できなかったというのは大変危険な兆候だと思います。 鳩山代表をおろして、また今回菅さんをおろして、ということを繰り返している人たちを見ると、こうやって政治不信が積み重なっていくのだなと思います。近くで見ている私もそうなのですから、永田町の外から見ている方たちはなおのことでしょう。「民主党は本気で政権をとる気がないのですね」という趣旨のメールをいくつかいただきましたが、それ以上に、永田町政治を脱する気がないのだと思います。 なお、私が菅さんの辞任の理由にこだわるのは、今まで菅さんを支えてきた一人としてそれを知りたいということもあります。でも、それ以上に、「混乱の責任をとって」などという曖昧な理由で政治行動が行われることに危惧を抱くからです。それは、立法議論のときに、「不安を招かないように」などという曖昧な理由で根拠のないことが行われるのと同じだからです。一つ一つはっきりさせていかなければ、同じような不幸がまた起こるでしょう。 ちなみに菅さんの辞任を要求していた若手議員に、「菅さんの辞任の理由は?」と聞くと、「辞めなきゃ党がもたないよ」。「何で党がもたないの?」「・・・」という具合です。 ★武蔵野社会保険事務所が手続きの誤りを認める 5月14日になって、武蔵野社会保険事務所長名で、菅さんの大臣時代に国民年金の資格を喪失した手続きは誤りだったので、その処理を取り消したという文書が出されました。茂木大臣に対して足利市長がすでに謝罪文を出していましたが、菅さんについても辞任後に「無実」が証明されたということになりました。 なお、新体制について詳しくは次号でご報告しますが、任期の途中で代表が欠けた場合の党規約に従い、5月18日の両院議員総会で選挙が行われることになります。 ■ ノルウェー外務副大臣との懇談 5月12日の夜、ノルウェー大使館に招かれて、外務副大臣および2名の国会議員との夕食会に参加しました。 オスロ合意など、ノルウェーは平和のために尽力してきた国です。国会議員たちは小泉政権の外交政策を問題にしており、「今までの日本はこんなことをしなかったはずなのに。なぜ日本人は戦争が好きなのか。イラクはPKOとは全然違う。侵略戦争だ」と明言していました。 また、菅さんがなぜ政治的な汚職でも犯罪デモないことで辞任しなければならないのか理解できないと言っていましたので、「この頃の日本はイラク人質問題でもバッシングが始まると冷静な議論ができなくて・・・」と説明すると、被害者である人質にバッシングをするというのも理解不能だと大変驚いていました。 ■ 三党合意と虚偽答弁 菅代表辞任後、結局三党合意が成立したのですが、それにしても、不可解なのがメディアの扱いです。三党合意の話が出てきたら、にわかに「民主党はあんなに素晴らしい対案を出していたのに・・・」と始まりました。それなら前からそう言ってくれれば良いのです。また、衆議院を法案が通過した今頃になって政府案の問題点を主張しています。なお、マニフェスト違反だなどと言っている人がいるようですが、三党合意の内容は野党としてのマニフェストの達成度を高めるものだと言えます。 年金保険料未納問題についての「魔女狩り」ばかりで肝心の年金審議に身が入らないことには辟易していますが、2人の厚生労働副大臣や厚生労働委員長(11年未納!)をはじめ、国会審議では「払っています」と答弁したのに実際には未納だったというケースはやはり悪質です。政治家としての資質の問題がどこにあるのか、皆さまにはぜひ見極めていただきたいと思います。さらには、14日21時時点で報道されているところによると小泉首相にも問題があるとか。詳しくはまだわかりませんが虚偽説明があればとんでもないことですし、そうでなくてもこれだけ騒ぎになっている中、「問題ありません」と何の説明もしようとしてこなかった姿勢は首相としての資質の問題になるでしょう。 ■ 私の年金保険料についてのご説明 テレビなどで私も「未納議員」となっているので説明するように、というご意見を何名かの方からいただきましたので、ご説明させていただきます。 もちろん国会議員になってからは一貫して国民年金保険料を納めておりますので、全党調査(与野党で「国会議員になってから」という条件を合意したと聞いています)では「未納なし」となっております。 私は医学部ですので24歳まで大学生でした。医学部最終学年の春(1991年4月)に、法的には学生の任意加入が強制加入に変更になったのですが、そんなことは全く知らず、加入手続きをしないまま、翌年は大半を海外で過ごしました。日本に帰国して研修医として働き始めるときに、国民年金に加入手続きをしました。ですから、私の「未加入」期間は、医学部6年のときと卒後1年間、計2年間ということになります。加入後1年間は低所得のため免除申請をしておりましたので、とても2年分をさかのぼって支払えるような経済状態ではございませんでした(さかのぼって払いますかとも聞かれませんでした)。 年金について学校で習った記憶もなく、学生が任意加入というような話はどこかで聞いていましたが、「学生が毎月1万円も払えるわけがない。それはよほどお金持ちの人の話だろう」というくらいの認識でした。免除の手続きがあるということをその時点で知っていれば、早くから加入して年金加入期間を長くすることができたのに、と悔しく思います。 私が免除の手続きを知ったのは、帰国後に年金のことを聞いてみようと役所に行ったとき、「収入がない人は年金に入れないんですか?」ということを窓口で尋ねたところ教えてもらった、という経緯でした。 なお、2000年4月からは、学生の場合は親の所得と関係なく保険料納付を猶予するというふうに制度が変わりました。やはり私と同じような学生未加入者が多かったためです。そういう意味では私も制度の隙間に落ち込んだ世代ということになります。 「未納議員!」として一緒くたにして報道されますので、ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。 ★定例街頭演説の時間・場所変更のお知らせ★ 5月15日からは毎週土曜日の街頭演説(14時〜二荒山神社前。第一土曜日のみ、上三川・南河内)とさせていただきます。引き続きよろしくお願い申し上げます。 ★民主党大躍進パ−ティー開催のご案内★ 民主党は、結党6周年を記念して、下記のとおり「大躍進パーティー」を開催します。 水島広子は、これまで利権に関係しないみな様に支えていただきながら活動して参りました。これからもこの姿勢を貫いて参りますが、そのためにも、多くの皆様のご協力とご参加をお願い申し上げます。 ご協力いただける方は、電話又はFAX、電子メールで水島広子事務所までご連絡ください。よろしくお願いいたします。 〇日時 2004年5月18日(火) 午後6時開宴(午後5時30分開場) 〇会場 ホテルニューオータニ東京「鶴の間」 東京都千代田区紀尾井町4−1 電話03−3265−1111 〇会費 2万円 〇ご連絡先・お問合せ先 水島広子事務所(東京) 03−3508−7511 (宇都宮)028−649−6600 |