国会報告 その146(2003.6.9発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております




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国会報告(6/1〜6/7)



■6月1日(日)

朝は、RDA宇都宮オープンセレモニーに出かける。
RDAというのは、Riding for the Disabled Associationの略。つまり、 障害を持つ人のための乗馬を提供する団体である。
このたび、NPO法人RDA Japanの宇都宮支部ができることになった。 今までは横浜にしかなかったということで、全国で2カ所目。
雨の中ではあったが、RDA Japanの方から、スタッフだけでなく障害を 持つ乗り手の方たちも来てくださり、栃木の方たちも集まられて、活気の あるスタートとなった。

その後、日本舞踊の会、統一地方選挙の祝賀会など。夜は益子に行き、 UIゼンセン同盟主催の藤井弘一市議の当選祝賀会。



■6月2日(月)

7時45分から恒例のマンデーリポート。 9時から、地元の小学校の運動会。本来は一昨日行われるはずだったのも のが、雨天のため本日に延期となった。

事務所に戻って、来客の後、事務所内打ち合わせ。

12時すぎに事務所を出て、西那須野へ。 西那須野で、年金と医療について講演。

宇都宮に戻って、17時から県連幹事会。

19時からは県連の統一地方選反省会ということで懇親会。



■6月3日(火)

朝の新幹線で東京へ。
午前中は厚生労働委員会。労働基準法改正案についての参考人質疑。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。採決3法案のみ。

この後、様々な打ち合わせを片づける。

ちなみに、本日、参議院法務委員会で心神喪失者医療観察法案が強行採決 された。衆議院では、かなり長時間の審議をして、強行採決には至らなか ったが、参議院は波乱続きの審議だったため突然の強行採決まで追いつめ られたのだろうか。
名古屋刑務所の問題を端緒として、刑務所における医 療の質の低さが改めて浮き彫りになったこと、さらには、木村よしお副大 臣が、法案審議の最中に、法案成立を強く望んできた日精協(日本精神科 病院協会)から多額の献金を受けていたこと(ということは、我々の衆議 院における審議は斡旋収賄の犯罪に荷担させられていたという可能性もあ る)、などが法案が参議院に送られてから次々と明らかになったため。


■6月4日(水)

8時から内閣府部門/市民・子ども部門合同会議。
青少年問題特別委員会筆頭理事としての報告。主に、現在参議院の内閣委 員会で審議されている「出会い系サイト規制法案」についての衆議院での 経過説明。
性同一性障害について。
市民・子ども部門のマニフェストについて。
少子化社会対策基本法案について。
その他、各種事務連絡。

厚生労働部門会議は全く同じ時間に開かれていたが、最後だけ出席。

10時から法務委員会。刑務所問題についての集中審議。

12時から国対役員・筆頭理事合同会議。

13時から厚生労働委員会。
最後の質疑の後、労働基準法改正案がいよいよ採決された。民主党の修正 協議によって、法案はずいぶんましなものになった。
解雇権濫用に条文上 の歯止めがかけられた。有期雇用についても、3年契約のうち、1年を超 えれば、労働者側の希望によってやめられる(拘束されない)ことになっ た。附帯決議も念には念を入れて、丁寧なものが作られた。
ここまでの成果を得、働く仲間の皆さまにも評価していただくことができ たため、修正案という形で法案に賛成した。
今回も、野党第一党としての 責任を果たすことができた良い例になったと思う。

労働基準法改正案については良い結果を得ることができたが、この作業に 衆議院法制局の方たちがかかりきりになっていたため、再提出を考えてい る「仕事と家庭の両立支援法案」の作業(今回、有期雇用が原則1年から 3年に変わるため、育児休業取得の資格についても考え直さなければなら ず、2001年に提出したときよりも若干の修正が必要)がなかなか進ま ないのが気になるところ。


■6月5日(木)

8時半から法務部門会議。
各種事務連絡。
担保物権及び民事執行制度の改善のための民法改正案について、連合より ヒアリング。
犯罪の国際化及び組織化に対処するための刑法改正案について、反盗聴法 市民連絡会の吉村英二氏よりヒアリング。

10時半には厚生労働省の方が来室され、明日の質問に向けての質問取り。

11時半すぎに、赤坂に移動して、国のかたち研究会。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
八代英太議員の永年在職議員の表彰および謝辞(25年)。 採決7法案と1件。

サンクトペテルブルク訪問及び第29回主要国首脳会議出席に関して、小 泉総理大臣より報告の後、各党より質疑。

本会議終了後、14時57分から憲法調査会基本的人権の保障に関する調 査小委員会。
今日は、基本的人権と公共の福祉というテーマで、千葉大学法経学部助教 授の小林正弥氏を参考人としてお招きしている。
コミュニタリアニズム(共同体主義)の専門家である小林氏は、大変貴重 なお話をくださった。個人の権利ばかりが横行して社会が悪くなった、と いう現象に対して、価値を押しつける社会的保守主義という解決策(実際 には解決にならないのだが)ではなく、コミュニタリアニズムという、新 しい言葉を与えてくださった。
これは、積極的な公共精神、NPOの活性化、など、日頃私たちが訴えてい ることとほとんど重なる。
日本国憲法というのは、アメリカの憲法以上にコミュニタリアニズム的な 解釈が可能で、すばらしいものである、というのが小林氏のご意見。

私も質問をさせていただいた。(カッコ内は小林氏の答弁)
コミュニタリアニズムというのは、自分が暮らす社会、自分の子どもや孫 たちに残していく社会をより良いものにしていきたいという自然な気持ち に基づくものか。
(だいたいその通りだが、自治の概念を含む)
伝統と道徳の定義。
(共通の価値だが、時代によって変わりうる)
選択的別姓は道徳的ではないと言う人がいるが、小林氏はどう思うか。
(家族のあり方も、時代によって変わりうるものの一つ)
積極的な公共の精神を育てるために、教育現場では何をすべきか(ディス カッションをして、決定プロセスを重視すること)。 社会的保守主義は価値の法制化を図ろうとするが逆効果や歪んだ結果を導 く、という説には同感だが、納得したがらない国会議員がいる。学術的な 立場からの説明を。
(一番有名なのは禁酒法の例)
私が思ったとおりの答えをいただいて、大変勇気づけられた。

詳しくは後日議事録をご参照ください。

政調のスタッフとの打ち合わせの後、フィリピン人の友人宅で会食。


■6月6日(金)

9時半から厚生労働委員会。
次世代育成支援対策推進法案と児童福祉法改正案の審議。

11時半からいっきの会。公職選挙法について、民主党の顧問弁護士の方 から講義を受ける。新人候補者の方たちも参加。

13時からは厚生労働委員会で質問。
この法案は、子どもの数を増やすための法案なのか、それとも、本当に次 世代育成を支援するための法案なのか。なぜ10年の時限立法なのか。
今までの政府の次世代育成支援施策の総括はどうなっているのか。待機児 童ゼロ作戦はどうなったのか。
子どもが特定の大人と愛着を築くことができるようにという視点から、現 在の施策を見直す必要があるのではないか。 など、いろいろな質問を60分にわたってした。
このうち、明らかに前向き答弁を得ることができたのは、乳児院に入った 子どもが2歳になると児童養護施設に措置されるというシステム。このシ ステムによって、子どもは、親からの分離と、乳児院でようやく愛着を築 き始めた人との分離を、人生のごく早期に続けて体験することになる。大 変深刻な問題だ。
これについては、副大臣が、「同感。すぐに変えたい」と答弁。大臣も同 意見であると頷いた。近日中に変えるよう、改めて要請した。

詳しくは後日議事録をご参照ください。

この後、法務委員会へ。
担保物件及び民事執行制度の改善のための民法改正案についての審議。

新幹線で宇都宮に戻り、夜はお通夜。


■6月7日(土)

地元日程。
講演と会合、弔問など。



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