| 国会報告(05/06〜05/10) |
■５月６日(火) ７時４５分から恒例のマンデーリポート。 ９時１１分の新幹線で東京へ。 １１時から、内閣府部門、市民・子ども部門、法務部門、総務部門合同の 部門会議。 いわゆる「出会い系サイト規制法案」について、今日から総務部門も交え ての協議に入った。冒頭に総務省からのヒアリング。総務省は当初、通信 の秘密をおかすという観点からこの法案の問題点を指摘していたというこ とが報道されており、その点などを聞いた。 総務省からのヒアリングの後、法案の扱いについての協議。 なお、今日から、子ども政策会議事務局長の小宮山洋子さんが衆議院議員 として復活されたため、また、水島・小宮山体制となった。 １２時４０分から代議士会。 １３時から本会議。 小宮山洋子さんをはじめ先日の補選で当選した３名の議員と議員死去に伴 って繰り上げ当選した比例区の議員が紹介された。 その後、個人情報保護法案について、委員長からの報告の後、民主党の石 毛えい子さん、公明党、自由党、共産党、社民党の各党より討論。公明党 以外は全て、政府案反対、野党提出法案賛成の立場で討論。 その後、採決が行われ、政府案が成立した。 この後、採決が１本行われ、続いて、労働基準法改正案について厚生労働 大臣より趣旨説明および、民主・自由・共産・社民・保守新党のそれぞれ より質疑。 本会議終了後、取材を経て、衆議院法制局の方立ちに来室していただき、 打ち合わせ。 「出会い系サイト規制法案」への対案を、児童買春・ポルノ法の改正とい う形で提案したいため、法的整合性など実務的な問題を話し合った。何と かまとまりそうな感触を得た。 この方向性を明日の「次の内閣」で報告するための資料を作成。 夜は、１ヶ月以上ぶりに議員宿舎に行き掃除。 ■５月７日（水） ８時からの厚生労働部門会議に出席するために議員宿舎を出てきたが、何 と、議員バッジを忘れてしまったことに気づく。議員生活が３年近くなる が、初めての失敗だ。 議員バッジがないと院内に入れないので、部門会議をあきらめて宿舎にと んぼ返りし、議員会館に戻る。今日の「次の内閣」に向けての打ち合わせ を少々した後、８時５０分から青少年問題特別委員会の理事会。今日の委 員会について確認。 ９時から青少年問題特別委員会。 今日からいよいよ「出会い系サイト規制法案」（インターネット異性紹介 事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律案）の審議が始 まった。今日は、対政府質疑で、民主党からは、小宮山洋子さんが衆議院 議員としてのデビュー質問をされ、肥田美代子さんも質疑に立たれた。 筆頭理事なので原則として委員会室に張り付いていなければならないが、 今日の委員会は、私が２つの常任委員会が開かれていて忙しいという事情 を申し立てたのを押し切る形で与党理事が設定したもの。そんな事情もあ るため、１０時前に厚生労働委員会に移動して、採決（食品衛生法等改正 案など）に臨む。１０時過ぎにはまた青少年問題特別委員会に戻る。 本日、厚生労働委員会は、医療に関する集中審議、派遣法改正案などの審 議が行われているが、ほとんど出席できない。 １２時すぎに委員会が終了したため、急いで両院議員懇談会へ。有事法制 についての修正協議の中間報告。自民党は民主党の修正要求をほとんどの んでいないが、今のままではとても賛成できない、引き続き修正を求めて 協議していく、という前原誠司筆頭理事の報告には、ほとんど意見も質問 もなく終了。 党本部に移動して、１３時から役員室会議。 １４時から、明日の青少年問題特別委員会の参考人の方たちが来室。 １５時から「次の内閣」に出席。 「出会い系サイト規制法案」についての中間報告。 この法案は、「児童買春は買う側の大人に全面的な責任があって子どもは 被害者であり、子どもを処罰の対象にしてはならない」とするストックホ ルム宣言に反すると指摘されているものである。買春は処罰しないが出会 い系サイトへの書き込みは処罰する、ということでストックホルム宣言違 反を逃れようとするのが政府側の姿勢だが、書き込みを買春の誘因行為だ ととらえれば、この二つを分離することには無理がある。 「罰を与えないと子どもは書き込みをやめないのでは？」というおなじみ の意見があるが、それなら出会い系サイトの危険性について子どもたちに 教育する方がよほど効果がある。また、成人男性との不健全な性関係を求 める少女たちは、自らが性的虐待の被害者であることが多い。また、大人 たちにまともな関わりをしてもらえずに、寂しさを持て余して出会い系サ イトに書き込む子どもたちも多い。 そんな子どもたちに対して、出会い系サイトに書き込んだことを理由に一 生つきまとう「前歴」を与えることが、子どもの権利条約で定める「子ど もの最善の利益」にかなうものだとはとても思えない。子どもたちが必要 としているのは、児童福祉の受け皿であると私は考えている。 問題行動を繰り返す子どもたちは、大人に対する基本的な信頼感が致命的 に欠けていることが多い。「私を○万円で買いませんか？」という書き込 みを不特定多数の男性に向けてする、という異常な行為を繰り返す子ども たちに関する現実を知る必要がある。 というようなことを「次の内閣」で訴えてみたのだが、「子どもに、悪い ことは悪いと教えることが重要なのでは？」「罰があった方が出会い系サ イトに書き込まなくなるのでは？」「私たちはどうせ罰を受けないからや り放題、ということにならないか？」（殺人などと違って、買春はあくま でも買う側の大人がいなければ成立しない行為なのだから、やり放題とい うことにはならないはずなのだが）などと、予想はしていたが、思った以 上の逆風を受け、差し戻しとなる。 私は政策責任者であるだけでなく、青少年問題特別委員会の野党筆頭理事 として、他の野党との連携や与野党協議に責任を持つ立場でもある。この 時点で差し戻しというのは、前途多難なものがある。 この後、法務委員会。 裁判迅速化法案、民事訴訟法改正案、人事訴訟法案についての審議。 １８時から、司法と精神医療の連携に関するプロジェクトチーム。これで ２８回目の会議になる。 日弁連からのヒアリング。参議院でいよいよ心神喪失者医療観察法案の審 議が始まったため、改めて論点を整理。 ■５月８日（木） ８時から医療問題プロジェクトチーム。 「医療提供体制の改革のビジョン案」について、厚生労働省よりヒアリン グ。 小児医療の問題、研修必修化と地方医療の関係など、さらりと書き流して いるが、細部をつついてみると、かなり非現実的なビジョン案だという印 象を持った。 ８時５０分から青少年問題特別委員会理事会。 ９時から青少年問題特別委員会。 今日は「出会い系サイト規制法案」について参考人審議。通信という観点 から、そして、子どもという観点から、参考人を計６名お招きした。ちな みに、事業者側からどなたか、と参考人の依頼をしてきたが、結局NTTドコ モが引き受けてくださった。プロバイダー協会とヤフーには断られてしま った。 私は子どもという観点からの質問に立った。 問題行動を繰り返す子どもたちにはどういうアプローチが有効か、ストッ クホルム宣言との整合性をどう考えるか、子どもの最善の利益とは、とい うような観点から、質問をした。詳しくは後日議事録をご参照ください。 なお、参考人の意見陳述の中で、宮台真司さんから貴重な指摘があった。 いわゆる「なりすまし」問題である。 この法案によると、インターネットカフェなどから、誰かが他人の氏名と メールアドレスを使って「中学生の女の子、２万円で僕とつきあいません か」などという書き込みをすると、加罰対象となるため、立件され、その 本人の通信情報など個人情報が全て差し押さえられてしまう。裁判の過程 で無罪は証明されるかもしれないが、大変な社会的打撃を受けることにな る。恐ろしい法案だ。 審議終了後、１１時４０分から理事会再開。 今後の審議について、次回あたりに採決を、と主張する与党と、対案や修 正の議論をさせてほしいとする野党との意見がかなり衝突したが、どうに か、次回の審議日程だけを決めて終わりになる。 １２時４０分から代議士会。 １３時から本会議。 １５時から、法制局の方たちと打ち合わせ。 １６時から、子ども政策会議役員会議。 昨日「次の内閣」で差し戻しになった「出会い系サイト規制法案」に関し ての今後の方針打ち合わせ。 刊行が２ヶ月延期になった「国会議員を精神分析する」（朝日選書）がつ いに出版されたため、まずは書中に登場していただいた先輩・同僚議員の 皆さんに献本のサインをする。 銀座に移動して、１９時からは「国のかたち研究会」の懇親会。統一自治 体選挙を振り返って、また、自由党との合流問題などについて、意見交換 をする。 ■５月９日（金） ８時から、税制調査会・年金改革プロジェクトチーム合同会議。 第７回年金審議会での議題（短時間労働者への厚生年金の適用拡大、第３ 号被保険者制度見直しなど）について、厚生労働省よりヒアリング。 ９時から厚生労働委員会。 木村副大臣が、柔道整復療養費支給申請書の記載法をめぐって、１９９７ 年に厚生労働省に圧力をかけ、そのお礼として業界団体から多額の献金を 受け取っていたという報道に関して、民主党の山井和則議員が、証拠物件 となる厚生労働省の内部文書を資料として配り、真相を追求した。が、完 全に嘘の答弁を繰り返すため、委員会は２０分ほどで休憩に入った。 私は出会い系サイト規制法案について打ち合わせをしつつ、９時半からは 法務委員会。裁判迅速化法案、民事訴訟法改正案、人事訴訟法案について 審議。 １０時半から、青少年問題特別委員会の「野理懇」（野党理事懇談会）。 出会い系サイト規制法案の審議の今後の進め方について、打ち合わせ。 その後、法務委員会に戻る。 裁判迅速化法案については、拙速で不十分な裁判にならないよう、修正案 が提案され、可決された。また、附帯決議もつけられた。民事訴訟法改正 案にも附帯決議がつけられた。 採決後、刑法改正案の提案理由説明が行われて散会。 すぐに代議士会へ。 １３時からは本会議。 採決３本の後、成田国際空港株式会社法案の趣旨説明および民主党の質疑。 １４時過ぎからは衆議院法制局の方と打ち合わせ。 事務作業を終え、１６時１６分の新幹線で宇都宮へ。 宇都宮に戻ってからも、「出会い系サイト規制法案」に関しての電話連絡 を続ける。 ■５月１０日（土） １０時から、第17回栃木県看護大会に出席。 １５時半から、労組主催の金田貞夫市議当選祝賀会。 打ち合わせをした後、１８時からは地元の地区の合同歓送迎会に出席。 この後、家族が参加していた会合に顔を出す。 |