国会報告 その119(2002.11.11発行)

水島広子の活動の様子をお伝えするために、毎週1回(月曜日)発行しております




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国会報告(11/4〜11/9)



■11月4日(月)

昼過ぎまで式典に参加。
原稿執筆や、後援会員宅訪問。
夜はお通夜。



■11月5日(火)

7時45分から恒例のマンデーリポート。

9時11分の新幹線で東京へ。
午前中は法務委員会。法科大学院関連。

12時から、厚生労働部門役員会。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
故・古賀正浩議員に対する追悼演説および採決1本。

この後、明日の質問に備えて、母子家庭の当事者団体の方と意見交換。

15時半過ぎに厚生労働省の方が来室され、質問取り。

18時から、司法と精神医療の連携に関するプロジェクトチーム拡大役員 会。

その後、質問の準備をする。
東京泊。



■11月6日(水)

7時45分から、米国の製薬会社の方と朝食会。ブッシュ前大統領(父親 の方)時代の医療政策を作っていた方が参加され、日米の医療政策などに ついて情報交換。

9時から、法務委員会と文部科学委員会の連合審査。法科大学院関連。

その後、厚生労働委員会に移動。こちらは9時半から委員会が開会。

11時からは私の質問。90分間という、今までの最長記録。他の議員は 皆30分程度の質問時間なので、いろいろな党の方たちから「90分も質 問するんだねえ」と声をかけられる。
本日は、母子寡婦福祉法等の改正案の審議。母子家庭の子どもたちが安心 して成長できるように、と質問をした。

今まで、母子家庭の命綱とも言えた児童扶養手当が、今年の8月の政令改 正で減額され、さらに今回の法案では、5年経過後に一定割合を減額する、 という内容が盛り込まれている。
同時に、自立支援のための諸施策が盛り込まれており、そちらには反対す るものではないが、何と言っても、まずは経済的自立があってから手当を 減額、という順番が筋ではないか、というのが私たちの主張。自立支援策 が効果を表せば、自動的に、年収制限のある児童扶養手当は受けられなく なるのだから、それで十分ではないか、ということだ。

そもそも、今回の児童扶養手当法改正案で、母子家庭が自立に向けて努力 する義務がわざわざ盛り込まれたのも問題だ。大部分の母子家庭では、自 立するために必死で働いている。でも、女性の賃金が低いことと、子ども の病気などに対応できるよう、働ける職場が限られるため、懸命に働いて も児童扶養手当を受給してどうにか生きていける状態なのだ。
また、母子家庭の母親は単なる経済マシンではない。子どもの心身が健康 に発育するよう、常に子どもとのスキンシップを大切にしていく必要があ り、きわどいバランスの中で働いている。

それなのに、役所の窓口などでは、弱者ゆえに言いたい放題を言われてし まう、というケースも多々聞いている。そんなところに自立義務がわざわ ざ規定されると、ますます「母子家庭の母親は自立の意思がない、甘えた 存在」という偏見が強化されるのではないか。
また、「離婚する女性はわがまま」というようなことを公言する人もいる が、DV(ドメスティック・バイオレンス)の被害にあって命からがら逃 げ延びるタイプの離婚も少なくない。

そもそも、児童扶養手当の問題と表裏一体なのが、養育費の問題だ。民法 で規定されている子の扶養義務は、離婚したからといってなくなるわけで はない。離婚した父親が養育費をきちんと支払っていないという問題を直 視しないで、「離婚してわがまま」とか「児童扶養手当に甘えている」な どと、母子家庭の母親ばかりを責める風潮も大問題だ。

養育費については、現在、法制審議会で審議中で、来年の通常国会に強制 執行の法案が提出される見通しだというのが本日の法務省の答弁。特にD V被害者の女性にとっては、養育費の交渉を元夫とすることは、あまりに もリスクが大きいし、精神的にもほとんど不可能だ。行政が代理徴収する 仕組みの国もあるので、積極的に検討すべきだ。

また、元夫も、現下の不況のもと、リストラされて経済力がないという事 態も多発している。夫の借金苦から離婚するケースもある。
どんな親のもとに生まれても、健康に育つ権利が全ての子どもにあるとい う原点を忘れずに、諸施策を整備していくべきだ。

私たちがまとめた「多様なライフスタイルを生きる時代の自立と安心の政 策」では、全ての子どもたちに十分な子ども手当(児童手当)を支給する 他、一人親世帯には「一人親加算」をすること、多様な働き方や多様な保 育を整備することによって、また、均等待遇を実現することによって、母 子家庭でも経済的に安心して子育てができるよう、提案している。

本日の質問では、関連して、宇都宮で11月3日に起こった里親による虐 待死事件を取り上げ、里親に対するサポート体制の充実が急務であること を指摘。
どちらも、親を追いつめないことが子どもの健康を守るという観点から質 問した。
詳しくは、後日議事録をご覧ください。

13時半に、厚生労働省の方が来室。注文しておいた、精神医療の改善プ ランについて説明を受ける。
14時から取材。
16時から総括副大臣会議。

打ち合わせの後、議員宿舎に戻って3カ月の間につもった埃の大掃除と大 洗濯。古い宿舎のせいか、東京の汚れた空気のせいか、歩くと足が真っ黒 になるほど悲惨な状況。



■11月7日(木)

8時半から年金改革プロジェクトチーム。
年金制度改正に関する基本論点について、厚生労働省よりヒアリング。

9時半から厚生労働委員会。母子寡婦福祉法等改正案に関して、参考人招 致。
参考人として来られたのは、全国母子寡婦福祉団体協議会会長の黒武者キ ミ子氏、明治学院大学教授の山崎美貴子氏、弁護士の榊原富士子氏、全国 生活と健康を守る会連合会の前田美津恵氏、しんぐるまざあず・ふぉーら むの赤石千衣子氏。

赤坂に移動して、12時から国のかたち研究会。

国会に戻って、代議士会を経て、13時から本会議。
採決の後、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例に関する法律の一 部改正案など3本の法案について、趣旨説明および各党からの質疑。

16時に日本精神神経学会の方たちが来室。心神喪失者等医療観察法案に ついて。

母子寡婦福祉法等改正案については、いろいろなやりとりの結果、「実を とる」方針となる。他の野党のように反対した方がすっきりはするが、政 党の体面よりも、母子家庭の現実の方が重要だと私は思う。附帯決議およ び確認答弁をとることを条件として、法案には賛成することを決めた。単 に反対していたら附帯決議も確認答弁もとれない。野党第一党の責任だ。

17時32分の新幹線で宇都宮へ。

会合に出席した後、21時9分の新幹線で再び東京へ。

東京泊。



■11月8日(金)

7時半から打ち合わせ。

8時から医療制度改革プロジェクトチーム。
各作業部会の今後の進め方について。

9時10分から法務委員会。法科大学院関連で、参考人質疑。

9時半からは厚生労働委員会。今日も2つの委員会が同時間帯開会。
こちらは、母子寡婦福祉法等改正案について、最後の質問。確認答弁を山 井和則議員にとっていただく。
附帯決議の柱は、母子家庭の母の雇用の創出、養育費支払いの促進、5年 後の減額については母子家庭の就労状況などを十分に踏まえて行うこと、 母子家庭の住居の確保。

12時40分から代議士会。
13時から本会議。
採決3本の後、構造改革特別区域法案について、趣旨説明と各党質疑。

15時すぎから法務委員会が再開。夕方まで。

17時32分発の新幹線で宇都宮へ。

19時から、地元の自治会で、思春期の心の問題について講演。 終了後、会食。



■11月9日(土)

10時から、連合栃木第1回年次大会。

11時52分の新幹線で東京へ。

14時から、慶応大学医学部東洋医学講座主催 市民公開講座で講演。
「漢方でみんな元気に」が総合テーマ。東洋医学講座の福澤素子助教授が 「女性のための漢方のすすめ」、渡辺賢治助教授が「あなたは本当に健康 ですか? 漢方サインで病気の早期発見」、私は「漢方で日本を元気に」 というテーマで講演。
久しぶりに懐かしい漢方の仲間や先輩と再会できて嬉しかった。
国会でも私は取り上げているが、現在、日本以外の国での漢方の研究が進 んでいる。本来は漢方先進国だったはずの日本が取り残されつつあるのが 現状だ。医療の経費と質の問題を考えても、国の重点研究領域として取り 組む必要がある。

16時36分の新幹線で宇都宮へ。

夜はボランティアミーティング。


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