国会報告(10/14〜10/19) |
■10月14日(月) 8時17分の新幹線で東京へ。 東京から東海道新幹線に乗り換え、11時37分に京都に着く。 京都駅から地下鉄で国立京都国際会館へ。 12時半からの打ち合わせを経て、14時から、第75回日本生化学会大 会のラウンドテーブルディスカッション「科学研究におけるジェンダー問 題」。 ドイツのSybille Krummacher博士からドイツにおけるジェンダー問題の取 り組みについて基調講演があった後、Krummacher氏、郷通子氏(名古屋大 学理学研究科教授:前日本生物物理学会会長)、鏡山博行氏(大阪医科大 学教授:前日本生化学会会長)、北原和夫氏(ICU教授:日本物理学会会 長)、工藤光子氏(JT生命誌研究館、セクターチーフ)、上杉道世氏 (内閣府大臣官房審議官 男女共同参画担当)と私とでこの問題を討論し た。コーディネーターは東京薬科大学教授の多賀谷光男氏。 科学研究における女性の進出は様々な問題を抱えている。実力主義の世界 であるように見えながら、そうでもない。興味深い研究がある。全く同じ 論文を、男性の著者名、イニシャルだけの著者名、女性の著者名、のそれ ぞれをつけて評価してもらったところ、その順番で評価が下がっていった ということだ。客観的で科学的な評価をしているはずなのに、実際はずい ぶん性別によるバイアスがかかっているということだ。 科学研究の底辺は女性にもずいぶん開かれてきたが、学部生→博士課程→ 助手→講師→助教授→教授、と、どんどん女性の比率が下がっていく。 なぜそうなのか、どうすれば克服できるのか、という問題を討論した。 私は衆議院議員として招かれたが、女性医学研究者としては当事者の一人 でもある。 私自身は、教育・研究における男女共同参画の意義は、単なる少子化対策 というレベルにとどまらないと考えている。学問が究極的には人間の幸せ のためにあるということを考えると、バランスのとれた倫理性や人権感覚 は不可欠な要素である。教育者・研究者こそ、むしろ積極的にジェンダー フリーを唱え、良き地域人・家庭人であろうとするべきであると私は思う。 また、昨今、能率至上主義で職業に極度に偏った生活を続けた結果、ポキ ッと折れてしまう人、様々な精神的な問題に陥る人たちを見ていると、職 業と生活の両立をはかることは、最終的には良き職業人を育てることにも つながると思う。 仕事と家庭の両立施策(多様で良質な保育の整備、柔軟な働き方、等々)、 女性が当たり前の研究生活を送る上で障害となっている問題の克服(セク シュアル・ハラスメントからの解放、選択的夫婦別姓制度の実現)、初等 教育からのジェンダーフリー(「隠れたカリキュラム」の見直し。男は理 系、女は文系、というような観念を植え付けない)、人事における実力主 義の徹底(公募制を原則とする、情報公開の徹底、任期制の検討)、ポジ ティブアクションの周知徹底(女性教員比率の数値目標を定め、成果を公 表する)というような取り組みが必要だと思っている、ということを発表 した。 なお、10月7日には理工系の学会で、男女共同参画学協会連絡会が設立 された。今後の取り組みが期待される。 内閣府の上杉審議官も「科学技術というと、出席者はほとんど男性。男女 共同参画というと、出席者はほとんど女性」と話していたが、科学と女性 を結びつける努力、つまり、科学におけるジェンダー主流化は重要だ。男 女の違いを考慮した医薬品開発など、科学に女性が進出して初めて気づか れた分野もある。 地下鉄で京都駅まで行き、17時9分の新幹線で東京へ。 東京で新幹線を乗り換えて21時前に宇都宮へ戻る。 ■10月15日(火) 7時45分から恒例のマンデーリポート。 9時半から定例の事務所内打ち合わせ。 11時33分の新幹線で東京へ。 打ち合わせなどをした後、15時からネクストキャビネットの大臣・総括 副大臣合同会議。 夜遅く宇都宮へ。 ■10月16日(水) 7時32分の新幹線で東京へ。 9時から厚生労働部門会議。 18日からの臨時国会で扱う予定の政府提出法案、民主党議員立法などに ついて。 プロジェクトチームやワーキングチームの設置について。 10時半に厚生労働省の方たちが来室。 心神喪失者医療観察法案についての追加説明をしたいということで見えた。 やはり前国会での厚生労働省の答弁がひどかったという認識はあるようだ。 13時8分の新幹線で宇都宮へ。 宇都宮市戦没者追悼式に出席。 その後、事務作業や原稿書きなど。 ■10月17日(木) 10時半からの第12回栃木県民生委員児童委員大会に出席してから、 11時52分の新幹線で東京へ。 今日は神奈川8区の衆議院補欠選挙の応援。 渋谷経由で田園都市線で鷲沼まで行き、演説している他の候補者たちの姿 を見ながら駅から徒歩で、おりた明子候補の事務所へ。 14時から18時すぎまで選挙カーに乗っての応援と商店街の練り歩き。 あざみ野から新横浜経由で、21時過ぎに宇都宮に帰着。 民主党の支持率が史上最低という時期で、補選の候補者の方たちにはひど い迷惑をかけているので、できることは何でもやろうと思っている。 それでも、おりた明子さんはすばらしい候補者なので、有権者の方たちの 反応は悪くない。 ■10月18日(金) 今日から第155臨時国会。 7時19分の新幹線で東京へ。 8時40分から内閣部門役員会議。 私は引き続き男女共同参画担当の総括副大臣という立場なので、今国会も 内閣部門の役員である。委員である厚生労働部門、法務部門と並んで、大 きい部門会議に3つ出席するという忙しい状況は今国会も変わらず。 10時に法務省の官房長と刑事局長をはじめとする方たちが来室。 心神喪失者医療観察法案について、今国会でぜひ成立させてほしいという 要請を受ける。 こちらからは改めて、政治的に納得できない部分と、科学的に納得できな い部分とを説明。 11時から両院議員総会。今日からの臨時国会に当たっての心構えなど。 11時50分からの代議士会を経て、12時から本会議。 議席の指定や特別委員会設置などについて。短時間で終了。 直ちに移動して、12時10分過ぎから青少年問題特別委員会。こちらも 委員長と理事の選任のみ。 また直ちに党本部まで移動して、国際局の役員会議。私は今国会もまた国 際局の副局長。民主党の国際交流が主な仕事だが、今国会から局長はツル ネン・マルテイ議員になって新体制。 急いで議員会館に戻って、13時から司法と精神医療の連携に関するプロ ジェクトチームの役員会議。私のところと同様、ここのところ各役員(朝 日俊弘座長、江田五月座長代行、平岡秀夫事務局長代理)のところにも法 務省や厚生労働省が足繁く訪問しているようだ。情報交換と意見交換。 14時から再び本会議。小泉首相の所信表明演説。 森前首相時代から何度となく所信表明演説を聞いてきたが、今回の演説が 最も長さが短く、内容も最悪という感想を持った。 まず、具体策がない。危機的な状況の中での短い国会であるから、所信表 明演説にはかなりの程度の具体策が盛り込まれていなければならなかった はずだ。それができなかったということは、もはや身動きのとれない状況 に小泉政権があるということではないだろうか。 また、うまくいっている中小企業の例を挙げたり、先日のノーベル賞の件 を挙げたりして、「日本はまだまだ大丈夫だ」というような締めくくりを する。こういう根拠のない精神論もいよいよ空虚に響いてきた。 有事法制など継続審議になっているものに優先的に取り組む、というくだ りも理解に苦しむ。今が何の有事だと思っているのだろうか。まさに経済 有事のはずだ。 14時半から本部選対の事務局の方と補選についての打ち合わせ。 小泉首相の所信表明演説に関する取材を受けてから、議員会館を出発。 山形4区の衆院補選の応援だ。 議員会館のエレベーターで偶然会った金田誠一衆議院議員に、羽田空港ま での車に同乗させていただく。電車とモノレールを乗り継いでいくつもり だったので助かった。 16時55分の飛行機で庄内空港へ。 到着後、迎えの車で酒田市へ向かう。 酒田市内の斉藤淳候補の事務所で夕食をいただいてから、遊佐町へ向かい、 3カ所で個人演説会。 候補者の斎藤淳さんは、33歳で私と同世代。10月2日に生まれたばか りのお嬢さんがいて、子育て中であることも同じだ。私と同じく、候補者 公募に応募しての立候補で、それも自民党王国(加藤紘一さんの選挙区) での選挙ということも同じだ。 今回の公募に応募してこられた男性の中で、唯一「男女共同参画」を重要 なテーマに挙げられていた方でもある。 個人演説会を終えてから、遅い時間だったが斎藤さんのご実家にうかがい、 生まれて2週間の赤ちゃんを抱かせていただく。立候補を決意されるに当 たって、まだお腹が大きかったパートナーの方の相談に乗らせていただい たご縁があっただけに、かわいい赤ちゃんの顔を見ることができて感激。 庄内空港近くに宿泊。 ■10月19日(土) 9時15分の便で庄内空港を発って羽田へ。 モノレールと電車を乗り継いで東京から新幹線で宇都宮へ。 14時から、「民主塾」の街頭演説。政治への志を持つ人たちのためのリ ーダー養成塾だが、今日からはいよいよ実地演習。今日はまず4人の国会 議員が二荒山神社前で模範演説をした後、教育会館に移動して塾生の皆さ んの演習。 皆さん、とても上手で心のこもった演説をされるので感心した。 17時半からUIゼンセン同盟栃木県支部結成パーティー。 |