新しいメディア「ode」(その2) ――日本語版を作ろう!

 前回、「ode」をご紹介したところ、ポジティブな反応をいただき、ありがとうございます。

「ode」は、現在購読者10万人で、100カ国の人に読まれているそうですが、もともとは、11年前に、シンクタンクをやっていたある夫婦のアイディアから始まりました(その妻が私の友人のイレーンです)。世界にポジティブな変化を起こすためのネットワークを作りたい。でも、寄付に依存するものではなく、自分たちで収益を上げられるビジネスにしたい。その結果が、ポジティブな変化につながるニュースを配信する雑誌の刊行でした。

 8年間はオランダ語で雑誌を出し続けましたが、世界全体にネットワークを広げるために、3年前にアメリカに拠点を移し、英語の雑誌になりました(オランダ語版も続いています)。イレーン一家もアメリカに移住してきたわけです。

 ポジティブなニュースだけのメディアを作るというのは、イレーン夫妻が初めて考えたことではないはずです。実際に、アメリカで身近な人に聞くと、過去にいくつもそういうメディアが生まれては消えたと言います。「やはり読者はそうでないものに関心を持つんだよね」というのが、私が聞いた人たちの意見でした。こういう意見は、日本でもよく聞いたことがあります。

 ではなぜ「ode」は生き延び、ビジネスを拡張しているのか。その秘訣をイレーンに聞くと、「さあ、わからない」と言ってしばらく考えていました(この質問そのものが意外だったようで、ちょっと驚いていました)。そして、唯一言えるのは、「いろいろな難局があったけれども、雑誌をやめるというのは一度も選択肢にのぼったことはない」ということだそうです。いつつぶれるかわからない雑誌をやっていると、いろいろと胃が痛くなる瞬間があるそうです。特に、お金のやりくりがつかないときには、その問題を抱えたままで眠るということは限りなく辛いことだといいます。イレーン夫妻も、そのような苦労を重ねてきましたが、「やめる」ということは一度も考えたことがないそうです。特にイレーンの夫は「取りつかれたように」仕事に専心しており(もちろん父親としての責任はちゃんと果たしているそうですが)、この仕事を取り上げてしまったら間違いなく不幸になると思う、とイレーンは言っていました。

「ode」は現在、英語版、オランダ語版、ポルトガル語版があります。共同創始者・編集者のイレーンは、日本語版もぜひ出したいと言っています。とても価値のある雑誌です。雑誌関係の方で可能性がある方は、ぜひご連絡ください。

 また、英語版で良いから今すぐに購読したいという方は、「ode」のホームページ(www.odemagazine.com)のsubscriptionをクリックすると、申し込みができます。アメリカだと年間30ドル弱で読めますが、日本で購読すると1年間59ドルのようです。

 なお、イレーンは、4人の子どもを持つお母さんでもあります。オランダでは、4人の子どもというのは多くないのか、と聞くと、「別に多くない。子どもが2人、と聞くと、ちょっと少ないなという感じがする。私の友人は弁護士だけれど、6人子どもがいる」とのこと。オランダでは、教育費もすべて無料(大学も含めて)だし、親が失業しても政府から手当てが出るので心配ないし、保育園の保育料は事業主が負担してくれるし、「これだけ良いことがあるのに、子どもを持たない理由はないんじゃないの、という感じね」と言っていました。妊娠したときも、そういう意味での責任は何も感じず、ただ子どもを持つことを楽しみにできたといいます。そして、実際に、イレーンはとても良いお母さんです。やはり、ヨーロッパの政策は見習うべきです。

★ お知らせ

 6月20日~29日は、ハワイに行ってきます。ハワイの州議会上院議員で、「君は彼と双子みたいなものだ」とジェラルド・ジャンポルスキー博士に紹介していただいた方に会います(双子といっても、年配の男性ですが)。また、ハワイのアティテューディナル・ヒーリング・センターの活動にも参加して、刑務所などを訪問する予定です。一時カリフォルニアに戻った後はコスタリカのセンターを訪問しますので、メルマガの発行がやや不定期になりますが、少しずつご報告させていただきます。