第三の道を

 選挙が終わってからというもの、議員会館の引き揚げ(5年分の資料が山のようでした)、議員宿舎の引っ越し、お礼のご挨拶まわり、と、落選候補者というのは案外忙しいもので、未だに落ち着きません。そんな状況のため、「敗戦の弁」をホームページにアップして以来、ご挨拶もできずにまいりましたことをお許しください。

 衆議院議員としての5年間、栃木1区の皆さまはもちろんのこと、全国の皆さまから様々な形でいただいてまいりましたご支援やご指導に改めまして心から感謝を申し上げます。野党の一議員ではございましたが、目に見える形でもいろいろな成果を残すことができましたこと、また、私が初めて選挙に出た頃に比べますと、「子ども」「子育て」という言葉が政治の主流になってまいりましたことは、本当に嬉しいことです。「子どもたちが健康な心をもって成長できる社会の実現を」と訴えたときに、「子どもには票も利権もないから、そんなことを言っていたら当選できない」と諫められたことが、今となっては懐かしく思い出されます。(まあ、今回の選挙でも相変わらず「水島は子どものことしかやらない」というデマを流されましたが)

 さて、9月24日、水島広子と歩む会主催の「ベアテの贈りもの」上映会に続き、水島広子と歩む会の拡大幹事会が開かれました。そこで、今後に向けての話し合いが行われました。

 今回の選挙は、当選のために全力を尽くしてまいりましたが、残念ながらこのような結果となりました。「10万人以上の人が投票したのにおかしい」「前回よりも得票数が多いのに」と惜しむ声を多くの方からいただいていますが、小選挙区制という選挙制度のもとでは、この結果が現実です。

 選挙が終わってからというもの、特にマスコミの方たちから、「次の選挙に出るのか出ないのか」という質問をいただき続けています。私は、「候補者が落選すると、捲土重来か、政界引退か、その二者択一しかないという発想が貧困だったのではないか」と指摘させていただいています。

 私はもともと議員になることが目的だった人間ではありません。「一人一人の心が健康な社会を作る」という目標のために、与えられた条件の中で、最も効果的だと思われる手段を追求してきた人間です。もちろん、政治のあり方が人の心に与える影響は大きいものですし、特に、今回の総選挙後の政治状況は看過できるものではありません。

 単に「次の選挙に出るのか出ないのか」という発想ではなく、日々移り変わる政治状況の中、また、自分に与えられた条件の中で、引き続き、最善を尽くさせていただきたいと思っています。

 先日、下野新聞が「注目したい第三の道」というコラムを書いてくださいましたが、まさに、「捲土重来か政界引退か」という二者択一から解放された「第三の道」を多くの人が歩むことができれば、日本の政治はもっと活性化すると思っています。

 このような私の考え方を、水島広子と歩む会の幹事の皆さまには温かくご理解いただき、「どんな形であっても支援する」というありがたいお言葉をいただくことができました。

 もう少し落ち着きましたら、また折々の活動報告をさせていただきたいと思っております。今後ともご指導・ご支援いただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。